あらすじ
突然の大地震で、ファーストフード店にいた6人が逃げ込んだ先は、人格を入れ替える実験施設だった。法則に沿って6人の人格が入れ替わり、脱出不能の隔絶された空間で連続殺人事件が起こる。犯人は誰の人格で、凶行の目的は何なのか? 人格と論理が輪舞する奇想天外西澤マジック。寝不足覚悟の面白さ。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
ジェットコースターに乗せられたかのようなスピーディーな展開だったし、手品を見せられているかのような見事なトリックと謎解きだったので、一気読みした挙句、読後しばらく放心してしまった。本当にすごかった。登場人物たちの人格が入れ替わる、なんて設定はどちらかと言えばSF寄りなのに、それでも憎悪が湧き、突発的な暴力も計画的な犯行も起きるのだ、とこうも見せつけられて、驚かない読者なんていないと思う。そのくせ、最後はなんだかんだロマンティックに締めてくれるのだから、ラスト一ページまで油断のならない、とんでもない一作だった。
匿名
設定がワクワクする
SF×クローズドサークルミステリ。
こういうジャンル大好きですが、やっぱり面白かった!
ハイペースで人格が入れ替わるところは少し混乱したけれど、
図もあるし、説明も丁寧なので乗り切れました。
理屈が納得出来たし、読後感も爽やかで、読んで良かったと思いました。
Posted by ブクログ
いや〜!おもしろい!その一言につきる。
人格転移というSF設定とその中で巻き起こる殺人事件。どちらもハラハラ展開で、後半以降の展開はスピード感もあり一気に読んでしまった。
人格転移という設定のため頭が混乱する部分が多々あるが、それを難なく乗り越えるくらいにはおもしろかった。
特に、最後の最後にわかる「第二の都市」の存在意義。そして、冒頭からの伏線回収と最後の1ページまで存分に楽しめる。
素晴らしい技術があったとして、生かすも殺すも、やはり使用する私たちにかかっているのだと、そんなことを思わずにはいられなかった。
Posted by ブクログ
SF小説であり本格ミステリでもあり、よくバランスが取れている作品だった。
読んでいくうちにこっちまでジャクリーンを段々好きになっていく!
退屈しないで終始楽しい。
Posted by ブクログ
現実には起こらない設定が前提となるが、そのなかで論理的に話を組み立てているため意外と違和感なく読み進められる。殺人の犯人は?地震の時の真相は?この人格転移装置の目的は?など様々な謎が徐々に解かれていき楽しい驚きを感じられる。ラストのハッピーエンドも気持ちいい。
Posted by ブクログ
SFミステリ。少し複雑だが、図もついているので理解はしやすい。真面目に考えたのだがわからず、真相には驚かされたので大満足。盲点を突いてくる感じがたまらない。ラストもとても良かった。好みの作風なので、この作者は是非とも読み進めなければ。
Posted by ブクログ
そういえば、久しぶりに西澤作品が読みたいかも、ってことで手に取ったもの。ちょっと最近、個人的にミステリ志向。今までのところハズレはないけど、本作も十分に楽しめるクォリティ。どういう仕掛けがあるのかは、タイトルに既に示されている訳だけど、ありふれた転移設定を、いかに料理するのかってところが本作の見どころ。さすがというか、上手い着地点を提示してくれてます。
Posted by ブクログ
SF的設定に目を奪われがちだが、実際には見事な論理展開によるミステリであることがわかる。
それでいて、SFにもミステリにも留まらないところがこの作品のすごいところ。
Posted by ブクログ
全てが謎(ってか解析不能?)に包まれた「人格転移装置」が存在する時点で
もうドップリと世界に嵌ってしまいます…
好きなんだなぁ、こんな話が…文句無くオモロイ!
Posted by ブクログ
中々、特異な設定のクローズド・サークル。
1996年の本であり、SF要素、最初は読み難い印象でしたが、本筋から一気にジェットコースター。
改めて振り返ると、プロローグの説明も、序盤のファースト・フード店のやりとりも、伏線が組まれており、完成度の高い作品でした。
殺人事件モノですが、終わり方も良かったですね。
Posted by ブクログ
とても面白かった。
6人ではなく7人で転移して、紛れ込んでいる綾子が犯人なんだろうなぁ、
とは思ったものの、
ロジカルに(アランの人格がアランの体を殺す訳がない)解くことができなかったのが悔しい。
また、ジャクリーンの体だけ傷つけないように、と気を付けていたことから、
最後の着地先の体までロジカルに推理され、解かれており、
読んだ後に気持ち悪さが一切残らなかった。
Posted by ブクログ
米国カリフォルニア州、辺鄙なファストフード店に集った面識なしの男女7人。 地震による倒壊で閉じ込められたのは人格を入れ替える地下施設だった! 1人が謎の死を遂げ、残された6人はいつ起こるか分からない人格の交換に慄く。 そこから起こる連続殺人は誰が何の為に行ったのか、ハウダニットとフーダニットが交差する長編SFパズラー。
西澤保彦氏の七回死んだ男に並ぶSFミステリですね。 中盤までは登場人物の多さと人格転移の回数にちょっと驚かされ物語に付いていけるか不安だったのですが、後半にかけては意外にスッキリとした解決編。 他の西澤氏SFに比べて装置の想像がしにくいのが難点か。
Posted by ブクログ
体が誰かと入れ替わるというのはよくありそうだけど、ここまでのは初めて。よくこんな設定を考えるなあと思ってしまう。
途中で誰が誰だかわかりづらくて戸惑うところがあった。
話の展開は予想をことごとく裏切られた。あんなラストになるのね。
Posted by ブクログ
真相「だけ」なら予想はしやすい
一人だけ転移せずに死んだ人がいる→死んだ人と生き残った人で入れ違いが起きていても気付かれないパターンがある(英語の発音・理解度などから)→意外性のある結末を考えるなら、綾子の人格が生きていてアランが死んでいるパターンだな……と
んで実際にその通りだったんだけど、そこだけが解ったからなんだっつー話なのよね
真の真相に至るまでのいくつもの論理とか、そういった部分を全部含めて楽しめた
綾子が転移後の自分の体とジャクリーンを間違えて殺してしまう過程とか大好き、シンプルでわかりやすく綺麗な推論
読み始めたころは「こんな人数で人格転移が起きつつの連続殺人とか、絶対にごちゃごちゃして頭パンクするわ」なんて身構えていたんだけど、実際は誰かが死んだらそのままあっという間に江利夫とジャクリーンの二人だけになっていて、予想以上のスピーディな展開にも驚いた
いい意味で拍子抜けしたというか、肩肘張らずに読む事が出来た
諸々に関しての動機についてはうーん……と思ってしまうのが正直な所だけど、そのあたりを主軸にした作品ではないと思って読んでいたので、まあ、目を瞑ってもいいかなという感じ
講談社文庫版を読んだので解説が森博嗣だったんだけど、ビックリするくらい内容が頭に入ってこなくて困惑(笑
なんじゃあの文章は……
Posted by ブクログ
人格が入れ替わるという実験施設に大地震の際に逃げ込んだ6人の間で起こる連続殺人事件。
SFミステリー兼叙述トリックとして有名な作品。
設定が絶妙すぎて、読んでる最中にところどころ設定確認しながら没頭してしまった。SFって何でもあり感があるので、あまり好きではなかったけど、最初に設定をしっかりさせておいてから、ロジックで勝負するものは大歓迎!(例として挙げるなら漫画HUNTER×HUNTERのグリードアイランドみたいな感じかな?)
次々と人格転移が起こる中、狂気と化した殺人者が襲ってくる!映画CUBEバリに興奮しました!徹夜レベルの面白さでした!
ただ終盤のトリックと動機がぶっ飛び過ぎてて、若干沈着…。そこだけが残念だった。
Posted by ブクログ
ミステリーとしてはもちろんだけど、SF小説にまで興味が湧く面白さ。
読後、茶筒のようなその筐体(人格交換装置)がじわりじわりと存在感を拡げてくる。
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トンデモ設定だが、ロジックがしっかりしている。人格が入れ替わりまくるところは読むのが大変だったが、全体的には読みやすい。
なぜこの装置があるのか、というオチも上手い。
Posted by ブクログ
人格が変わってしまうというSF設定に、変わった人格の者同士が殺人を犯すミステリー設定。こんなはちゃめちゃでどうなるんだと思いきや、ちゃんとフーダニットとホワイダニット作品に仕上がってるのがすごい!
Posted by ブクログ
6人が"閉ざされた円環"の中で人格が転移していく本作こそが真のクローズドサークル。
人格の入れ替わりという非常にややこしい話をここまで読みやすくしてしまう著者は天才だと思います。特殊設定ミステリーとしての完成度も高い上に、CIAだの異星人だの、仰々しい話をここまで綺麗かつロマンチックに終わらせるのも凄い。『七死男』より好き。
Posted by ブクログ
以下、ややネタバレ。
正直、ちょっと微妙でした。☆2.5くらい。
人格転移の設定自体は面白く、事件が起きるまではワクワクしましたが、一日で大量殺人になるので、せっかくの設定が生かせていないと思いました。
大量殺人だと、けっきょく、だれがだれに人格転移していたかという複雑な問題設定が台無しになりますよね。
動機の面でも、ぜんぜん納得できませんでした。そんなことで人を殺すことはまあないでしょう。心理的な面での説得力に欠けていると思います。
最大の問題は、犯人が殺した順番です。設定では、人格転移が時計回りに進み、いつ人格転移が起きるかはまったく予測できないとなっています。そして、犯人は時計回りに殺していったことになっています。しかし、それは殺す順番としては最悪です。相手を殺しそこない、相手が半殺しになった状態で、人格転移が起きれば、自分が半殺しの状態の体に転移して死んでしまうかもしれません。時計回りに殺していけば、そのリスクを殺すたびに何度も負うことになります。したがって、殺す順番は、絶対に反時計回りでなければならないのです。それがいちばん安全です。
期待が大きかったためか少しがっかりでした。設定はよかったのですが。
Posted by ブクログ
SFと本格ミステリを組み合わせるという離れ業を見事にやってのけた。
法則に沿って人格を入れ替える施設で起きる殺人事件、その犯人の正体とは。もう少し大きな展開があるのかと身構えていたが思っていたより小さくまとまっていた。そこだけ不満点だが、話の構成や流れなどはとても面白い。
Posted by ブクログ
SF+ミステリーというのはあまり読んでこなかったので、設定は個人的ヒット。
しかし6人もの人物が人格と体が入れ替えられて混乱する。途中から物凄いハイペースで転移するもので頭が付いていかない。最後ハッピーエンドなのは良かった。
Posted by ブクログ
そーだよねえ
そうなるよねえ
あまりミステリーばっかり読んでいるのもよくないな、って思います
多分ミステリー初心者の方なら、おっ!って思ったと思う
ただ、あのシステムが止まる方法に関しては、なるほどと思いました
Posted by ブクログ
6人の男女の人格が入れ替わる中で殺人事件が起こる。設定もはちゃめちゃながら、事件もはちゃめちゃだった。しかしそれでいて解決に至る過程はなかなかロジカル。中盤からは一気に読んだ。
Posted by ブクログ
大前提の人格転移装置にの仕組みについて、科学的な説明や理屈をつけようともしない、この潔さ(笑) 筆者が都合よく設定したルールの上で、いかにロジックによる推理を成立させるかというのが、この筆者の作品の見どころといったところでしょうか。無駄な設定も多いように感じられましたし、動機や事件の経緯などは、かな~り無理な部分も多かったのですが、話に勢いがあって面白かったです。
それにしても、「マスカレード」に巻き込まれた面々とスイッチの順序がなかなか頭に入らず難儀しました。特に中盤の乱闘シーン、ややこしいわ……;
Posted by ブクログ
奇想天外な設定のわりには、着地は意外にシンプル。殺人の動機もいまいち弱いように思うが、途中のはちゃめちゃ人格移転しまくりシーンはおもしろかった。
Posted by ブクログ
宇宙人が建造したとされる謎の施設。
人間の肉体から精神を引き剥がし、
他者の肉体へと入れ替えてしまう。
一度入れ替えが行われると、
不規則なタイミングで永遠に
入れ替えが続くという。
大地震から避難した6人の男女が
不運にもこの施設へ入り込んだ。
肉体と精神がごちゃ混ぜになった
彼らをアメリカ政府の役人は
何処とも知れない場所へ隔離した。
そこで事件が起こる。
以前に読んだ七回死んだ男よりも
更に不可思議な設定のSFミステリ。
ユーモラスで軽やかな文章は
相変わらず読みやすかった。
だが設定が複雑過ぎる割りに
あまり魅力的でない物語と
予想通りのラストだったので、
読後の満足度は高くなかった。