西澤保彦のレビュー一覧
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ネタバレ匠千晶シリーズ第五作。
そして全ての謎が解けた。
といっては大げさだろうか。
「黒の貴婦人」から読み始めてしまったために、
個人的に勝手に「謎」にしてしまったことに答えが出た感じだった。
タカチにかけられた殺人容疑とは何だったのか、
タカチはなぜ謎解きに熱意を傾けるのか、
なぜ安槻大に来たのか、
彼女にとってタックの言葉がなぜ重いのか、
タックを連れて故郷に帰り何があったのか。
スコッチを川に捨てた訳や、
次々と女子高生が殺された動機が面白かった。
誰もがもつナルシシズムは女性には認められ、
男性には認められないが故に歪んだものとなる、という話も面白かった。 -
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ネタバレ匠千晶シリーズ第四作。
前作とは違って、大学周辺で起きる事件(?)で面白かった。
ボアン先輩のおかけで、タックとタカチが知り合いになれた経緯もわかったし、
探偵タカチのファッションも楽しめたし、
ウサコも存在感を増していたし。
1回生のクリスマス・イヴにボアン先輩に無理矢理飲み会に誘われた
タックとタカチと他2名は、
その後、自殺の現場に居合わせることになってしまった。
1年後、その時に「プレゼント」を拾ってしまっていたことに気がつく。
誰へのプレゼントだったのか。
タカチがタックの言葉が「重い」と言っていた。
「男性」を毛嫌いしているタカチにとって、
男性らしさがかけらもないタカチの言 -
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死者が蘇る「SUBRE(サブレ)」、蘇った死者の記憶をリセットする「MESS(メス)」と呼ばれる二つの機械。
死者たちが暮らす館の章と、アメリカのある街で起こる連続殺人の模様を描く章から成り、当然それは交差することになっていく...
やや勿体ない点はあるが、全体として見るとかなり面白い。ラストは色々な意味でインパクトはかなり大きい。
以下、ネタバレ
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まず、館の章の、時系列を誤認させるトリックはお見事。きれいに騙された。「最初の一人」は誰だ?という謎(疑問?)が提示されることで簡単に引っ掛かってしまう。
そして、実は犯人はクリスティンだった...!!、というの -
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ネタバレ匠千晶シリーズ第三作。
ちょっと長い。
著者があとがきで、自分にとっての本格推理のバイブルだと書いていた、
『退職刑事』ぐらいの長さ、つまりは短編ぐらいでも良かったのでは。
たぶんにそれは、
自分が麦酒党ではないとか、
タカチが推理ごっこに夢中になる理由が明らかにならなかったからとか、
なかなか人が殺されないからとか、
こちら側の理由によるものだと思われるが。
切羽詰まって、
シングルベッド以外家具のない謎の家に入り込んでしまうのは
まだ仕方がないとしても、
勝手にビールを飲んでベロベロになってしまうのは、
いかにボアン先輩、タック、タカチ、ウサコの四人組といえどもちょっと。
前作の死 -
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ネタバレ匠千晶シリーズ第二作。
某2時間ドラマで、
病死だと思われていたご遺体を検分させるために、
ドタバタする一級葬祭ディレクターを見ていたせいか。
葉﨑市という海辺の田舎町で死体を担いだ話を読んだせいか。
自宅で見つけた見知らぬ女性の死体を捨てに行く、
正確には捨てに行かせる話は、
コミカルな話だと勝手に思ってしまった。
酔っ払った大学生たちの話だし、
さらに人違いでヤクザもどきにぼこぼこにされるという展開だし。
なので、犯人を追及していく過程はかなり心が痛かった。
死体も生きている人間も見誤っていたとはちょっと納得いかないし。
とはいえ、ボアン先輩、タック、タカチにウサコの四人組が成立し -
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連作短編ミステリ
姿かたちは公務員だけど、神様型の名探偵
腕貫さんに推理のヒントをもらって登場人物が謎を解いたり、腕貫さんが真相を推理して物語が終わったり、色々
読後感も色々
モヤッとしたり、ゾクッとしたり、ニヤッとしたり
腕貫さんは基本的に人間味のないキャラクターなんだけど、最終話で登場人物と会話をするシーンがあって、そこが意外ポイントで好きです
本当に他愛のない世間話のような会話なんだけど、なんか良かったなぁ
収録作では『恋よりほかに死するものなし』が一番好き
西澤作品といえば珍名さん……は慣れたんだけど、地名まで難読地名にするのはやめてー!(笑
またはフリガナをずっとつけておい -
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ネタバレもちろん、
タイムリープもタイムトラベルもしたことはない。
だが、今回は意図せず、
シリーズものの途中、「黒の貴婦人」を先に読んでしまったため、
最初から読む派にとっては、ちょっとしたタイムトラベル。
匠千晶シリーズと呼ばれるこのシリーズの第一作。
だいぶ、匠千晶ことタックの印象が違う。
「黒の貴婦人」ではその貴婦人でもあるタカチこと高瀬千穂に振り回されて、
影が薄い感じがしているのに対して、
この第一作ではかなり積極的に前面に出ている感じ。
たぶん、シリーズが進むにつれて、
キャラクターがだいぶこなれていったと予測する。
ボアン先輩とウサコと四人で仲良く飲んでいる場面もまだ無いし。
シリ -
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ネタバレ書架で見かけて。
人に勧められた本を読むのも楽しいが、
自分の勘だけで選んだ本を読むのも楽しい。
とくに今回は「あたり」だった。
短編集だとはわかっていたが、
最初のお話が面白かったので、
同じ登場人物の作品集だったのも嬉しかった。
ただ、その登場人物たちがシリーズ化されているとは知らずに、
随分、後の作品を読んでしまったのはちょっと残念。
見てはいけない未来をのぞいてしまったので。
どのお話も面白かった。
迫力満点の美人のタカチが口説かれるシーンとか、
女の子たちが合宿する話とか。
主人公たちが、
うだうだ宅飲みする大学生たちのお話だからかも。
さあ、楽しいシリーズの始まりだ。 -
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昔からの因縁の関係の由布子に誘われ、由布子の姪の真歩と3人で超格安な事故物件でルームシェアを始める事になった初音。事故が起こった部屋にはワープロが残されていたが、真歩が文字を入力してみると21年前に殺された男性からの返信が!成り行きで3人は21年前の事件の謎を解く事になる。全体に百合要素が漂っているがエロはほぼなしだし聞き込みでの無駄話が思わぬ要素に繋がったり、皆で飲み食いしながら推論を重ねる展開はロジカルで安心の西澤さん。解決編の入りがやや性急に思ったけど漂う黒さを納得させられてしまう技は流石の一言だ。最近の西澤作品の中では人に勧めやすいと思ったけどこれ位の百合要素でも無理な人は無理かなぁ。
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ネタバレ真相「だけ」なら予想はしやすい
一人だけ転移せずに死んだ人がいる→死んだ人と生き残った人で入れ違いが起きていても気付かれないパターンがある(英語の発音・理解度などから)→意外性のある結末を考えるなら、綾子の人格が生きていてアランが死んでいるパターンだな……と
んで実際にその通りだったんだけど、そこだけが解ったからなんだっつー話なのよね
真の真相に至るまでのいくつもの論理とか、そういった部分を全部含めて楽しめた
綾子が転移後の自分の体とジャクリーンを間違えて殺してしまう過程とか大好き、シンプルでわかりやすく綺麗な推論
読み始めたころは「こんな人数で人格転移が起きつつの連続殺人とか、絶対にご -
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人格が入れ替わるという実験施設に大地震の際に逃げ込んだ6人の間で起こる連続殺人事件。
SFミステリー兼叙述トリックとして有名な作品。
設定が絶妙すぎて、読んでる最中にところどころ設定確認しながら没頭してしまった。SFって何でもあり感があるので、あまり好きではなかったけど、最初に設定をしっかりさせておいてから、ロジックで勝負するものは大歓迎!(例として挙げるなら漫画HUNTER×HUNTERのグリードアイランドみたいな感じかな?)
次々と人格転移が起こる中、狂気と化した殺人者が襲ってくる!映画CUBEバリに興奮しました!徹夜レベルの面白さでした!
ただ終盤のトリックと動機がぶっ飛び過ぎてて、若干