西澤保彦のレビュー一覧

  • 夢は枯れ野をかけめぐる

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    良かったです。世界観が。
    西澤保彦初めて読みましたが、全く気負わずに文章を書く人ですね。変に洒落た言い回しとかほとんどなく、こちらも気が散ることもなく構えずに読めます。

    同一の主人公の周囲で起こる短編集。
    ライトミステリに分類されるのでしょうか、日常的な小さなミステリが仕込まれてますが、大きなテーマは「老い」とか「死」とかです。
    主人公は早期退社して再就職先を探す48歳独身。生い立ちも不幸の部類に入るし、現在天涯孤独で、お先真っ暗なはずだけど、小説には不思議と絶望感がありません。
    むしろ近所の人との何気ない会話とか、人との出会いなどもあって、心が温まります。
    登場人物たちはそれぞれそれなりに

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    2016年12月21日
  • 解体諸因

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     なぜバラバラにしなければならなかったのか。
     バラバラ(解体)殺人を主題にしたミステリは世に多数あれど、短編・連作集という形式でこれだけこだわる作品となると珍しいかも?それなりの厚さがある本で、内容も濃いにも関わらず、最後は物語の絶妙な収束感。でも、登場人物の多さもあって、読者を選ぶ作品ではあるかもしれない。
     著者の西澤保彦氏は、いまや独特のスタイルで日本ミステリ界に確固たる椅子を自ら作り出しているが、本作は氏のデビュー作。タック&タカチシリーズ登場の”彼等”の姿も見られるなど、ファンならではの楽しみも。

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    2016年11月25日
  • モラトリアム・シアター produced by 腕貫探偵

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    〇 概要
     お嬢様学校として有名なミッションスクール,メアリィ・セイント・ジェイムス女子学院(MSJ)の学校関係者が続けて死亡する。同学院の新任英語教師,住吉ミツヲは,混沌とする記憶を抱えたまま,事件に巻き込まれていく。果たして,彼は本当に同僚教師の妻を殺害してしまったのか?
     事件のカギを握るのは,魔性の女性事務員なのか。女子高生探偵遲野井愛友,大富豪探偵月夜見ひろゑ,そして腕抜探偵といった豪華なラインアップの探偵が登場する櫃洗市を舞台としたミステリの決定版!

    〇 総合評価 ★★★★☆
     好きか嫌いかといわれれば好きな作品である。住吉ユリエ,遲野井愛友など登場人物が非常に魅力的であり,そも

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    2016年11月23日
  • 方舟は冬の国へ

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    どんどん読める。こーゆーミステリーもいいもんだなと思えた。

    最後もうちょっとどうなるのか知りたい感じもするけど、読後感は良い。

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    2016年11月18日
  • 彼女が死んだ夜

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    ネタバレ

    門限六時。家が厳しい女子大生ハコちゃんはやっとアメリカ行きの許しを得た。出発前日、親の外出をいいことに同級生が開いた壮行会から深夜帰ると部屋に女の死体が!夜遊びがバレこれで渡米もふいだと焦った彼女は自分に気があるガンタに遺棄を強要する。翌日発見された遺体は身元不明。別の同級生も失踪して大事件に。匠千暁、最初の事件。

    本格的な推理という感じがした。どんどん展開が変わっていく。推理小説としては非常におもしろいものだった。だが、ちょっと残念だったのは推理要素が強すぎてだいぶ深く考えないとわからないということ。東野圭吾のように軽く読めるような内容ではなかったと思う。でも、引き込まれ具合はなかなかであ

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    2016年09月19日
  • 方舟は冬の国へ

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    結末がどこへ向かうのか、気になってうずうず。夜中にもかかわらず、一気に読んでしまいました。
    運命だとか人生だとかの言葉のとらえ方は人それぞれで、どこに向かって生きているかわからなくなるのは船に乗っているようなものなのだと思いました。
    悲しい終わり方じゃなかったのが救いだと思います。

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    2016年08月23日
  • 依存

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    匠千暁シリーズ長編。
    最高傑作という評判に違わない、大作。
    シリーズの魅力である、論議による謎解きを今作では有効に使う。それぞれ謎としても雰囲気としてもバラエティのある話で積み重ね、大テーマを少しずつ確実に掘り下げる。
    にじみ寄るように外堀を埋めていって、ど真ん中にある主要キャラの過去を暴露させる。このクライマックスが各編の間に少しずつ挟まれ決して多くないページでまとめられるあたりとか、解説者のいうとおり語り手がウサコである点とか、ホントに練って作られている。そうやって整えた舞台でのオペラのような愛憎劇には、なんともいえない興奮を覚える。
    衝撃より精度が売りの構造美と、青春小説にして鮮烈なテー

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    2016年08月15日
  • 完全無欠の名探偵

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    特殊能力を持つ山吹みはる。彼を前にすると人は忘れていた些細な記憶を思い出す。
    その彼を取り巻く人々の記憶と現在の事件が絡み合う。

    登場人物が多い上に一風変わった名前だから、誰が誰か分からなくなること多々。
    あまりにも多くの謎がありすぎて、どう纏めるんだろうと思っていたが、綺麗に纏めていたので読み応えも十分。
    読みながらだいたいのことは予想できたが、満足のいく話だった。

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    2016年07月21日
  • 幻視時代

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    捻りの効いた本格ミス。著者の名人芸の一角といえる“議論もの”。
    喧々諤々の議論により、印象的な脇道や効果的なミスリード、あるいは新たな伏線となる説…と、様々な推理を重ね、真相ににじり寄っていく様は、何度味わっても独特で見事。
    今回はまた、殺人と悪事のフー&ホワイダニットと平行し、幽霊の「あるべき論」が論議されるのも面白かった。
    そして、導入から展開、つまり前半部の描きっぷりにもいい。起承転結のうち前二つにも意外性や独自性が込められており、他作と似た印象でもワンパターンでは決してないので、全く読み弛まない。ノンシリーズの本作で、改めて感じた。
    ちなみに、大矢博子のあとがきもなかなか。本作

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    2016年07月14日
  • 彼女はもういない

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    西澤保彦が狂気的な犯罪者を描いた倒叙ミステリ。
    真の目的だけ伏せられ、最後に探偵役に暴かれ、更に本人も知り得なかった事実まで明らかとなる、と珍しくはないパターン。
    しかし、ミステリとしての展開も、猟奇ものとしての書き口も、とてもクオリティが高い。
    話の入り方、場面転換の切り返し方が大胆なのがよいのだろうか、小さいことがたくさん気になるが、一つ一つを吟味する手間も惜しく読み進めてしまう。知らないうちに読まされて、気付けば謎解きに一緒に首を捻り、殺戮者の破滅的な理論に背筋を寒くしている。
    最後、大オチがさすがにちょっとなぁ…と思うところはあるが、パズラーとサスペンスの双方で破綻のない良作。
    4

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    2016年07月06日
  • 殺意の集う夜

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    これはなかなか面白かったと思うんです。
    テンポがよくて一日で一気読みでしたもの。
    最後の一行には驚き!
    ただ「愛すべきバカミス」という称号は合っているような気がします。そしてこういうのが好きなんだなあ。

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    2016年06月14日
  • 狂う

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    引き込まれ方は良かった。 その証拠にサクサク読み終わった。 個々のキャラの心情とかもっと欲しかったな。 殺された人達サラッと流され過ぎ。結末がなんかね。

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    2016年11月12日
  • 新装版 瞬間移動死体

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    瞬間移動の条件設定が絶妙だった。条件を駆使して練られた犯罪計画と、それによって複雑な様相を見せるもうひとつの事件。愛憎入り乱れた人間関係も相まって混迷を極めるが、解決は至ってシンプルかつ鮮やか。

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    2016年03月17日
  • 腕貫探偵

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    どこにでも現れる市民サーヴィス課臨時出張所。
    大学の構内、病院の待合室、警察署の中。
    トレードマークは黒い腕貫。どんな小さな悩み事も聞きます。ささやかに解決に導く、腕貫探偵。

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    2016年02月22日
  • 腕貫探偵、残業中

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    ネタバレ

    『体験の後』

    『雪のなか、ひとりとふたり』

    『夢の通い路』

    『青い空が落ちる』

    『流血ロミオ』

    『人生、いろいろ』

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    2016年02月14日
  • 腕貫探偵

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    ネタバレ

    『腕貫探偵登場』

    『恋よりほかに死しるものなし』

    『化かし合い、愛し合い』

    『喪失の扉』

    『すべてひとりで死ぬ女』

    『スクランブル・カンパニィ』

    『明日を覗く窓』

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    2016年02月14日
  • 必然という名の偶然

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    ネタバレ

    腕貫探偵シリーズの流れで、
    三作目として読んでみました。

    「エスケープ・ブライダル」は、
    そういうオチになるの!?と、
    ちょっと想像とは違った展開でしたが、
    まぁ、アリな範囲ですかね…。

    「偸盗の家」は、逆にオチが良かったです。

    「必然という名の偶然」は、表題作なんですが、
    探偵役の子が気に入ったので、
    もっと登場させてほしいです。

    「突然、嵐の如く」も、最初はどうかと思ってたのが
    最終的な謎解きの部分では癖になってました。

    「鍵」は、悪くないけど、ちょっと微妙ですかね。
    何か足りない???

    「エスケープ・リユニオン」で、
    再び大富豪探偵登場…もっと活躍するかと思ってたけど。

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    2015年11月15日
  • 腕貫探偵、残業中

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    ネタバレ

    腕貫探偵、2冊目。
    前回とは印象がガラリと変わったような。
    気のせいか?

    「体験の後」は、まずはイントロ。
    「雪のなかの、ひとりとふたり」で、
    ユリエの雰囲気が、
    やっぱり私のお気に入り登場人物に。
    「夢の通い路」とか、終盤が好きだなー。
    「青い空が落ちる」も、「流血ロミオ」も、
    不思議と読後感は悪くないのが特徴か?
    「人生、いろいろ。」…うーん、微妙だけど、
    全体的に、やっぱり好きな作家さんの本でした(^^♪

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    2015年11月15日
  • 探偵が腕貫を外すとき 【電子特別版】 腕貫探偵、巡回中

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    ネタバレ

    おもしろかった。
    相変わらず隙のないおもしろさ。

    にしても、あの2人いつのまに付き合うようになってたんだ?
    うーん、そこらへんの話は呼んでないかも。

    ラストのはなしがイマイチ乗り切れなかったが、
    ほかは一気に読めた。

    そしていつの間にか表紙がいい感じに。
    いつからこの手のイラスト表紙になったのかしら?

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    2015年10月14日
  • ぬいぐるみ警部の帰還

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    さすがトンデモミステリー!!
    ただ登場人物の性癖だけがトンデモであって、内容は王道!
    そこが面白い!
    イケメンなのにぬいぐるみが大好きとか、笑わせてもらいました。
    さすがにぶたぶたシリーズの解説を書かれて、モン・スイユのショコラを始めとしたコレクター!!(いまぶたぶたさんのモデルのショコラって手に入らないのよねぇ)

    面白くて、でもそれだけじゃないミステリー。読書の秋にぴったりです。

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    2015年09月02日