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Posted by ブクログ
狂う。なんて魅力的なタイトルだ、と初めて見た時、そんなふうに思いました。単行本時のタイトルは『彼女はもういない』。内容を考えると、どちらも作品には合っているのですが、個人的には『狂う』のほうが好きです。
鳴沢文彦は母校の同窓会名簿の改訂版を見たことをきっかけに、爆発的に憎悪が醸成されるようになった。かつてともにバンドのメンバーだった奏絵の連絡先が空欄になっていたのだ。この出来事をきっかけに鳴沢は自分の得た遺産を目当てにする甥を利用して、凶行を重ねていく。
『狂った』としか思えない行動の、『動機』だけは不明瞭なまま。どんなに他人からは理解されなくても、当人には当人なりの論理が大抵、あったりするものです。狂った犯罪の動機を論理で解き明かした時、立ち上がるのは、さらなる狂気的な真意。虚しくも哀れで、もちろん到底許せるものでも理解できるものでもないのだけれど、その姿にどこか切なさも感じてしまいました。
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