あらすじ
母校から届いた同窓会名簿が、一人の男を冷酷な連続殺人鬼へと変えた。誘拐、拉致、凌辱ビデオの撮影そして殺害。残虐な完全殺人は何のためだったか? トリックが冴えわたる傑作ミステリ。
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Posted by ブクログ
ラストの衝撃度にびっくり。思わず声が出ました。
うーん、結局お金で買えないものがあるってことでしょうか。
美人の警視が登場してくると、一気にありきたり感が出てきてしまうものの、それを差し引いても、この著者の別の本も読んでみたいです。
グロテスクで、人に薦めにくいものではありますが
面白さは間違いないです。
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思ってたよりはグロくない感じだった。
終盤にはなんとなく動機がわかってしまったけど、最後の驚愕の事実までは気付けなかった。タイトルはそういうことだったのか…という感じ。面白かった。
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文句なしの星5つ。R-18の文字とタイトル、表紙に惹かれて購入。やり場のない苛立ちや怒りを上手く書き切っていると思う。犯行シーンもリアルで、なおかつグロテスク。ただ、主人公の最後の代償はあまりに大きかった。
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裕福な家庭で育った主人公は人との関係を取り持つのに金銭が常に付き纏っていた。母親から受けたい愛情も、同級生から受けたい友情も彼を満たすものではなく、友情はいじめという形で彼に訪れる。そんな彼が居場所を見出したバンド活動をしていたメンバーの一人は事故死し、一人は行方がわからなくなっていった。そこから始まる彼の社会に対する自己表現は殺人という形で、罪もなき女性を次々と殺していく。
どうして殺していくのかは彼の異常性、そして題名から考えられる「彼女」の存在から読み進めていく中で表されていく。その猟奇性や惨たらしさは読み手を選ぶ側面も多いが読み手には犯罪者が明示された上で物語をある程度俯瞰して読むことができた。
満たされることがない、そして彼がもう一度会いたいと願う「彼女」の真実が明らかになると、今までのそれとない伏線が繋がり、この惨劇のやるせなさを一層際立たせていた。読み手を選ぶ作品であるがすらすらと読み進められる一作であった。
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西澤保彦が狂気的な犯罪者を描いた倒叙ミステリ。
真の目的だけ伏せられ、最後に探偵役に暴かれ、更に本人も知り得なかった事実まで明らかとなる、と珍しくはないパターン。
しかし、ミステリとしての展開も、猟奇ものとしての書き口も、とてもクオリティが高い。
話の入り方、場面転換の切り返し方が大胆なのがよいのだろうか、小さいことがたくさん気になるが、一つ一つを吟味する手間も惜しく読み進めてしまう。知らないうちに読まされて、気付けば謎解きに一緒に首を捻り、殺戮者の破滅的な理論に背筋を寒くしている。
最後、大オチがさすがにちょっとなぁ…と思うところはあるが、パズラーとサスペンスの双方で破綻のない良作。
4
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最後がとても衝撃的。すこし切ない。犯人の歪んだ思考は理解できないけど、おもしろい。あそこまで歪んでしまったのはかわいそうでもある。人殺しをしていい理由にはならないけど…
ちょっと推理が無理やりな感じはしたけれど、最後まで一気に読んでしまった。西澤保彦さんの作品は、いつも引き込まれる。
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同窓会名簿の中で、学生時代に一緒にバンドを組んでいた女の子の住所が消えてしまった。
住所が消えただけで裏切られたように思うという、ちょっとわかりかねる原因が動機に繋がり、そこから生まれた憎悪を女性全般へ向けるなど、考え方が飛躍しすぎてます。殺人鬼となるくらいだから通常の心情では計り知れない考え方をするのかもしれませんけど。
その辺り、不自然さもありますが、すんなり受け入れさせるストーリー展開が上手いです。惹き込まれ一気に読んでしまいました。
猟奇的でグロテスクな犯罪の描写部分はヘビーなので苦手な人も多いかなとは思います。
ラストは、多少なりの無理は感じますが、衝撃的でした。ラストを読んでから、タイトルに込められた本当の意味がわかります。タイトルのつけ方が秀逸です。
Posted by ブクログ
途中まではあまり面白い話ではない。犯人の不可解な行動には興味をひかれたが大したことはなかった。
が、最後の展開には驚かされた。これで評価は一変。
タイトルと装丁もよい。
Posted by ブクログ
ビブリオバトル首都決戦本戦での杉目さんの紹介聴いて、ぜひ読みたいと思っていた一冊です。
人間の精神が論理的正当性を喪ってゆく様が興味深く描かれていました。何ら害をもたらすはずも無い出来事でも、ある種の、幼い頃から疎外感を溜め込んできてしまったような人間にとっては、それが狂気の引き金なる。数々の戦慄行為の描写もさる事ながら、認識が歪んで狂気に至る過程がとても恐ろしかったです。
結末は見事にドラマ性の高い展開で、やりきれない哀しみが大きいのに不思議と読後の充実感がもたらされました。読むという安全圏の中では出来るだけ鮮やかに騙されたい、そんな読むことへの欲望がみたされているのだと思います。
Posted by ブクログ
最後の最後で判明する題名の意味。作者が彼女がいないと言うフレーズに込めた真の意図は残酷以外に言葉が思い付かない。それまで冷酷な殺人の数々を読まされ、気分の悪くなったところへ更に追い討ちを掛けるかのようなエンディング。しかしそれまでの巧みな伏線とフェアな情報提供が後味の悪さを上回る驚愕を読み手に与えている。残酷なシーンと無差別殺人が苦手なのともう少し追われる者の恐怖が書き込んで欲しかったと言う勝手な希望で評価は一つ下げた。サイコミステリーの先駆け的なあの映画のオマージュなのは間違いないが、ああいうテイスト好きな人は間違いなく満点だろう。
Posted by ブクログ
西澤保彦らしい黒い傑作。
ミステリーとしていろいろ物語の中に伏線をいれながら、展開させる。
犯人の目的は終盤で、読めたのですが、それ以上にラストは驚愕。
題名の意味を考えさせられる、作品です。
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母校の高校事務局から届いた一冊の同窓会名簿。資産家の両親を亡くし、莫大な遺産を受け継いだ鳴沢文彦は、すぐさま同学年の比奈岡奏絵の項を開いた。10年前、札幌在住だった彼女の連絡先が、今回は空欄であることを見て取ったその瞬間、彼は自分でも不可解なほどの困惑と女性への強烈な憎悪を覚え、やがて連続殺人鬼へと変貌する。誘拐、拉致、凌辱の様子を撮影し殺害する。冷酷の限りを尽くした完全殺人の計画は何のためだったのか――。一方、突如起こった連続殺人に翻弄される刑事・城田理会らは、わずかに残された手がかりを元に犯人を追う。鳴沢の暴走を城田は止めることができるのか?青春の淡い想いは、取り返しのつかないグロテスクな愛の暴走へと変わる……。R-18ミステリ。
ちょっと話があまりにも突拍子もなくて、もう少し違う書き方があったんじゃないかと思う。仮に同じストーリーだったとしても異常行動に至る経過をもう少し丁寧に書き上げればいいものになったように思う。
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最初からサイコパス感ただよう。最後はびっくりせつない。こういうのをみると。育児って大切なんだな。と、独り立ちしたときにしっかり自立させるにはどうしたらよいのかなという考えにいたる。
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まさかのダブルの正体。
理会が最後にそこまでちゃんとした結末を当てられたのもすごいけど、この連続殺人の動機が意外すぎて唖然。でもこういう理由で事件を起こそうとする人がいなくもなさそう(勇気さえあれば??)。
ダブルのかくまわれるまでの生き様ってどうだったのだろう。
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ストーリーはえげつないを超えている。取り出している事象もそうだが、展開もそうだ。目的を達成するための連続強姦殺人は、目的が清らかだけに、えげつなさを増している
えげつないストーリーながら、そのストーリー展開は巧みに組み合わされており、警察の推理とも組みあわせ、次の展開に引き込まれていく。これは結局自分もえげつないあるいは矮小なだけにえげつなさを求めている?
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話が進むにつれて、鳴沢の正体が少しずつ見えてきて面白くなってくるのですが、なぜ彼が狂気的な行動に走ったのか、その動機がどうも弱い気がしました。
また、最後のところで城田刑事が想像力を働かせながら鳴沢を追い詰めますが、ややご都合主義的な気がしました。
上記の他にもひっかかるところはありましたが、最後まで一気読みで楽しめたのは確かです。
Posted by ブクログ
コンプレックスが強い変態な主人公=犯人。犯人は分かり切っていて、最終目的を、別視点の刑事と一緒に追っていく。犯罪を起こしたのは彼女に会いたいがためだろうなということは、本編で明かされるの前に想像がついたが、本書は、犯人の動機を暴くだけでは終わらない。
コンプレックスと思い込みと逆恨みが思考をねじ曲げていくところは、いつもの西澤説です。安心あれ(?)。
Posted by ブクログ
殺害された被害者の暴行ビデオを関係者に送り付けている犯人。その不可解な行動の理由とは?
犯人と警察側の状況が交互に描かれているので、最初から犯人は分かっているけど、その行動理由(&犯人の深層心理)を警察側が解明していく流れ。
もう犯人も犯行も気持ち悪くてラストはすっきりしたけど、いまいち盛り上がらないというか淡々としていた印象。
メインの謎も分かりやすいし……。
Posted by ブクログ
名簿欄の名前の下に住所がなかった、という、それだけの理由で
どうしようもない感情が『女』に向けて湯水のようにわき出てきた。
むしろこの短期間…というか、役者(?)がそろった瞬間
きれいにここまで組み立てられるのは凄いものがあるかと。
興味のある事のみ、脳内が働いているという、ある意味天才?w
しかし何故甥は気がつかずに、そのまま生活が出来たのでしょうか?
テレビを見ないタイプ…ではなさそうですが、ニュースものを見ない人
だったのでしょうか?
その辺りが気になりますが、多分娯楽以外に興味がないのかと。
というより、離れているとはいえ、そこに人がいるのに
そこにも気がつかない…いっそ褒め称えるべきでしょうか。
結末まで読めば、さらに驚きと言うか、納得と言うべき
彼が何をしたかったか、という理由が。
あれほどまでに立腹していたのならば、理由に関しては納得です。
とはいえ、まさかの落ち、まさかの結末。
もうちょっと、色々できていれば、すべてが霧散していたかと思うと
微妙にやりきれないものがあります。
Posted by ブクログ
鳴沢は送られてきた同窓会名簿に比奈岡奏絵の住所が空欄になっている事を発見する。初恋の人との唯一の繋がりが切れ狂気が始まる。
物語はスピーディーだし、会話主体のため読み易い。いつものような焦らす書き方ではなく、狂気の過程も良く解る。ただ、大したミスも無いのにこんな狂気を警察が見破れるとは思えない。オチは一捻りあるけど、想定の範囲内。アクロバティックでも良いので、もうチョット驚きが欲しかった。
Posted by ブクログ
かなりグログロでした(*_*)まぁ西澤さんぽいですが。
ただ「ストロベリーナイト」を見ているせいか、女性警官が姫川にしかみえなくて…キャラかぶりすぎ(>_
Posted by ブクログ
2012、1
なんともはや荒唐無稽な話。レビューよんでると作者らしいストーリーらしいが、なにもラストシーンに行くためにそのようなプロセスを踏まなくても…という感じ。