西澤保彦のレビュー一覧
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購入済み
手を変え品を変え…
一作毎に雰囲気が変わり、平凡な事件(?)と思っていたものが、結末にどんでん返しが待っていたり。
まるで、毎回びっくり箱を開けるような気持ちで読み始めます。
そして、読む度にユリエさんに魅了されていく自分にもビックリ⁉ -
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全5章の短編集で、日常なんだけれども、「非日常」を取り込みながら、意外な展開へと進んでいきます。
大体は、会話劇で事件の概要や推理、意外な展開などが詰まっているのですが、個人的になかなか世界観に溶け込めませんでした。
ちょっと珍しい名前や登場人物の関係性や人数が多いなどで、全体像があまり浮かび上がることができず、何回も読み直すことがありました。それぞれの章を読んだあと、再度最初から読んでみると、最初の印象よりもグッと雰囲気を掴めるので、色々苦労しました。
ホラーっぽい内容のもあれば、エロティックな内容もあり、色んな味わい方を体験できました。事件は解決していくのですが、その結末がそれぞれ意外 -
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母校の高校事務局から届いた一冊の同窓会名簿。資産家の両親を亡くし、莫大な遺産を受け継いだ鳴沢文彦は、すぐさま同学年の比奈岡奏絵の項を開いた。10年前、札幌在住だった彼女の連絡先が、今回は空欄であることを見て取ったその瞬間、彼は自分でも不可解なほどの困惑と女性への強烈な憎悪を覚え、やがて連続殺人鬼へと変貌する。誘拐、拉致、凌辱の様子を撮影し殺害する。冷酷の限りを尽くした完全殺人の計画は何のためだったのか――。一方、突如起こった連続殺人に翻弄される刑事・城田理会らは、わずかに残された手がかりを元に犯人を追う。鳴沢の暴走を城田は止めることができるのか?青春の淡い想いは、取り返しのつかないグロテスクな
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Posted by ブクログ
不思議とひきこまれた。不思議、というのは最初から読んでいて混乱したんだよね。この人、誰だっけ?とか前に名前出てきた?とか、あれ、誰としゃべってるんだろう?なんて、並べていくと、自分の読解力のなさを暴露しているみたいなんだけど。ただ、それでもなんとなく引き込まれてページをめくった。読み終えて、謎自体はミステリとして解決されたんだろうけど、微妙にかたづかない感がある。あれって、結局どういうこと?というパーツがあれこれ。最後の方でも、ヒロが警察の人に何やら言われて出て行ったのは、なんのためだったんだ?とか、いわくありそうで、置き忘れられているものがちらほらと。エンタメとして読む小説としては良かったん
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Posted by ブクログ
マニアックなSF映画やミステリーが好きな変態…いやオタクな柚木崎渓は夏休み明けのある日、クラスメイトに一目惚れをした。彼女の名はエミール、日柳永美。無類の読書好き、一人でいるのをなんとも思わない孤高のタイプ。そんな彼女との距離をなんとか縮めたくて持ちかけたのはお気に入りのカフェで聞いたとある過去の謎。一人の男が3件の事件に関わった果てに死んでしまった。彼は死の間際に何かメッセージを残したようだがそれに隠された意図とは…?
相変わらず小ネタが非常に多いのとぶっとんだ人が多いけど主人公たちが概ねまともな二人なので軽やかにさくさく読める、でもしっかりしたパズラー。事件の調査をするのではなく誰かの話 -
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読書録「腕貫探偵、残業中」3
著者 西澤保彦
出版 実業之日本社文庫
p66より引用
“「一般的な市民にとって役人の杓子定規ぶ
りは、彼らの常識に馴染むものではありませ
んからね」”
目次より抜粋引用
“体験の後
雪のなかの、ひとりとふたり
夢の通い路
青い空が落ちる
流血ロミオ”
街のあちこちに出没する役所の相談窓口と、
そこにいる事務員の記号のような男に持ち掛
けられる出来事を描く、短編連作ミステリ小
説。シリーズ第二弾。
夕食時のカフェレストラン、食事を楽しむ
客の幸福な時間は、日常生活からかけ離れた
格好の三人組によって突然壊された…。
上記の引用は、主人公・腕 -
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読書録「腕貫探偵」3
著者 西澤保彦
出版 実業之日本社文庫
p129より引用
“寿憲が〈かや〉へ通いつめてきたのは、そ
こが他者の心情を慮ることなくお互い思う存
分馴れ合って生きてもいいんだという刹那的
な錯覚を提供してくれる場所だからである。
”
目次より抜粋引用
“腕貫探偵登場
恋よりほかに死するものなし
化かし合い、愛し合い
喪失の扉
すべてひとりで死ぬ女”
神出鬼没の役所の相談窓口とそこにいる事
務員の記号のような男に持ち掛けらえる出来
事を描く、短編連作ミステリ小説。
同社刊行作文庫版。
昨夜の出来事の対応で、疲れ切っていた大
学生・蘇甲純也。事務手続きのため大