西澤保彦のレビュー一覧
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ネタバレタックとタカチが初めて会った去年のクリスマスイブ、ボアン先輩に振り回されるまま行われたプレゼント交換、一人の女性が身を投げたその日から一年後に再び身を投げたのは僕らの友人だった。
クリスマスイブの日に起こった3つの身投げの真相を今回はタカチメインで探求していく。前作は酒を交えたかなり軽いミステリーだったのに対して、本作は家族関係の醜さをタカチの過去にも触れながら解き進める非常に重いミステリーになっている。ボアン先輩とウサコには常に笑っていてほしいものである。時候を意識したけどクリスマスに読むような本じゃなかったね、甘いケーキでも相殺できないくらいビターな結末なので。 -
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主人公の横江継実は特殊な能力を持っていた、幽霊が視え、声を聴くことができるのだ。 ある日まったく知らない事件の事情聴取を受けることになる、容疑者の男から指名を受けてしまったらしいが横江は何の身に覚えがない。 しかし過去の記憶と目の前にいる従妹の幽霊が何かを握ってる気がする・・・、現在と過去、現世と黄泉が交わる超絶ミステリ。
西澤×幽霊でSF的な作品を想起した方も多いかもしれませんが、今作は主人公含めた一般人に事件を解決させる推理合戦よりの作品ですね。 幽霊の要素はあくまで主人公に付属する副次的なものです。
本作を読んで多くの方が抱きそうな感想は「分かりづらっ」でしょうね。 名前、家系図 -
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ネタバレタック&タカチシリーズ。
約20年ぶりの再読。昔読んだときもやたら重いと思った記憶があるが、やはり重い。前作のスコッチゲームから引き続く「親からの支配」のようなものが物語の根底に流れている。正直、私の親にそれほど不満はなく、なかなか共感はできないのだが、おじさんになりすぎて忘れてしまった気持ちもあるのかもしれない。ただ哲学的に考えすぎる若者ならではの思いをベースにしているかもしれない。
しかし、長い。ストーカー事件や幽霊事件など、本筋と関係なさすぎる事件の謎解きが長すぎる。全てタックが抱える問題に繋がるものではあるのだか、ちょっと作者が書きたいことを詰め込み過ぎかなあ。
これらの事件を -
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綾辻行人、有栖川有栖、西澤保彦、貫井徳郎、法月綸太郎、東川篤哉『自薦 THE どんでん返し』双葉文庫。
6人の作家による6編収録のミステリー・アンソロジー。このアンソロジーが刊行された時に6人の作家のうち貫井徳郎以外の5人は余り読まない作家だったので、敢えて購入しなかったということを覚えている。古本屋の100円本ならと手に取ってみた。
綾辻行人、有栖川有栖、法月綸太郎の短編がまあまあ面白かった。
綾辻行人『再生』。ホラー短編。微かに記憶があると思ったら『眼球綺譚』に収録されていた1編。首の無い状態で揺り椅子に座る若い女性を目の前にして、ひたすらあることが起きるのを待ち続ける主人公。そうい