西澤保彦のレビュー一覧
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刻子と甥の素央は、惨劇の夢を見る。
親族8人の集う別荘で、刻子以外の全員が命を落とすのだ。
2人には、「確定している未来を事前に夢に見る」という予知能力がある。
殺されるはずの素央は別荘に行かず、惨劇は回避された……はずだったが?
西澤保彦さんお得意の特殊設定ミステリです。
今回は複数人の予知能力を持った登場人物による話。視点の違う予知能力者による惨劇の回避行動。しかし、夢に見た時点だとまだ自分が何を思ってそんな言動をとっているのか分からないというのがまた面白い。誰の行動や意図がどう影響して、現実がどう変化していったのかが見どころです。
他の人も書いていますが、登場人物が多くて血縁関係も -
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ネタバレ『七回死んだ男』の作者さん。
人が死ぬシーンは笑っちゃうくらいサクサク。命めちゃ軽い。バタバタ死んでいくし、どれも無茶苦茶な死に方。オノぶん回してきたりとか。怖。
殺された人たちは、全員が何かしらの異常者。「殺意の集う」ってそういうことか、と。
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嵐の夜、その別荘で何が起こったか!!
真実は、最終ページで明かされる。奇才が仕掛けた連続死の謎!
嵐の山荘に見知らぬ怪しげな人たちと閉じこめられた万理と園子。深夜、男におそわれた万理は、不可抗力も働き彼ら全員を殺してしまう。その後、園子の部屋へ逃げこむと、園子も死体となっていた。園子を -
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ネタバレ差点で自転車の女性を轢いた車が急停車し、車のトランクからは女性の遺体が。目の前で起こった事故の際、元刑事である纐纈古都乃は陽炎のような謎の光を纏う不思議な双子を目撃していた…。「彼女は逃げ切れなかった」
友人の店の常連客・ギミーくんの元家庭教師が自殺した。教えてくれた恩師は他殺を疑っているという。亡くなった男性は少し前にバイト中のコンビニで強盗にあっており、その場に古都乃は偶然居合わせていた…。「男はごまかし切れなかった」
高齢男性から女性を刺したと通報があり、駆けつけた警官により男性は逮捕された。取調べ中に古都乃を指名した男性は元県議会議長であり、過去の事件の関係者だった…。「ふたりは愛し合 -
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作者が特殊設定ミステリの第一人者と呼ばれていることを初めて知ったけど、確かに予知夢という能力を、ロジカルに整理しつつ、とても面白く作品に組み込んでいて良かった。
序盤は登場人物達の複雑なキャラクターと関係性とにまごつき、少しオヤジくさい文体に萎え…というのはあったものの、展開が進み始めてからはノンストップで楽しく読めた。
例えば読者も探偵として参加するとか、社会的なメッセージを読み解くとか、単純に物語を楽しむとか、ミステリにおける、読者と作品との付き合い方は色々あると思うけれど、
本作に関してはそれがいまいち定まらないまま、設定の提示と状況の説明で物語が進み、気づいたら終わった…というのが少し