あらすじ
「ぼくはきみを殺した。ついに、というべきか。それとも、やっと、というべきなのか。リサだけでいいのか、殺すのは?」こうした犯人の思いから幕を開けた印南野市の連続女性殺人事件。犯人は理想の殺人を行い、追う刑事は、故意に遺された指紋と、ある遺留品に翻弄されながらも、犯人を推測するが……。
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Posted by ブクログ
狂気的な〈美〉の謎が解き明かされる時、意外な真相が浮かび上がる……かと思いきや。ということで本作は、最初から読者に犯人が提示されている、いわゆる〈倒叙ミステリ〉のような体裁を取っているのですが、どうもそんな感じがしない。
印南野市で起こる連続女性殺人事件、自らの犯行を誇示するかのようにわざとらしく残された指紋……著者の作品だと『殺す』や『狂う』などを思わせるような展開で進んでいくのですが、似ているようで、でも最後まで読むと、全然違うタイプの作品だったことが分かります。かなり異端な作品と言ってもいいかもしれません。たぶん0点か100点か、かなりひとを選ぶ内容だなぁ、とは思いますし、気軽に薦めにくい作品ではあるのですが、私はこういうのが大好きなので、100点側で。
私は好き
何度も読み返しました。
最後まで読むと刑事と同じように叫びたくなる。
この不快さ不可解さ理不尽さ、癖になります。
普通のミステリーと思って読むと不完全燃焼を起こすかも知れません。
Posted by ブクログ
サイコサスペンス。ミッシングリンク。
個人的に、西澤さんはSFミステリーとタック&タカチシリーズの印象が強いが、それらとは別物。
ミステリーと思わず、シンプルに物語を追えばきっと楽しめるはず。
自分はこの作品、とても好きです。
Posted by ブクログ
継哉は、リサを殺した。
ほとんど会話を交わした事が無い彼女を殺したのだ。
継哉は、彼女の家の玄関で彼女をスパナで殴り、用意しておいたロープで彼女の首を絞めて殺した。
警察は、通報を受け駆けつけた。凶器のスパナとロープは、放置してありそのスパナには、指紋がたくさん残っていた。口には、四文字の漢字の紙が残されてた。捜査を開始した警察は、理沙子の周辺を探ったが継哉まで辿りつけずにいた。
半年たった頃・・。メグが殺された。
市内で一人暮らしをしていた彼女は、果物ナイフでメッタ刺しにされていた。果物ナイフには、指紋がたくさん残っており、口には理沙子の事件の記事が入っていた。そして、また一人・・・。
継哉の思いから幕を開けた連続女性殺人事件。理想の殺人を追い求める継哉。警察は、物的証拠と遺留品があるのだが、女性達とほとんど接してない継哉には、なかなか辿りつけないでいる。やがて、事件の真相に近づいたのだが・・・。
終り方は、問題ありありですが、ロジック・過程がとっても面白いです。ん〜お薦めしようかな?どうも好みが分かれるような作品です。
継哉の異常心理。警察の捜査が読みどころですね
Posted by ブクログ
倒叙ミステリー。犯人は有銘継哉。
犯人の痕跡を残しまくり、事情聴取されても堂々たる供述と犯人だよというヒントまでだしちゃう。
ホワイダニットがかなりぶっ飛んでるというか、もはや理解不能。
読む人を選ぶであろうオチにむむむ。
Posted by ブクログ
…なんていうか、あたし、こういうの苦手だなぁ。
ミステリとして。
清涼院流水みたいなの。
謎があるんだけど、解決しない…みたいなの。
不思議な事件があったときに、これをどう合理的に説明できるのか、っていうのが、あたしがミステリーに期待しているものであって、合理的ではない説明…というか、説明もないようなミステリーって…。
謎が深ければ深いほど、事件の箇所を読んでいるときに期待が増すから、解決がないと、なんかすごく損した気分。
事前にあらすじなどでわかっていれば、心の準備ができて、まだよいんだけれど(それでもやっぱり、清涼院とかは全然好きじゃない)。
解説によれば、『フェティッシュ』も、こういう部類(解説者曰く「幻想的犯罪小説」)のお話らしいから、文庫化のさいには、心の準備をしてから読まなくちゃ。
でも、ミステリーとしてはあまり好みではないものの、西澤保彦はやっぱりイイ!
ミステリー以外の部分で、見せる(魅せる)ものがたくさんあるから。
今回も、登場人物の心理描写がおもしろかった。
あたしがとくに好きなのは、主人公の心理描写。
なんていうか、掴み所がない一方で、すごくよくわかる気もする。
不思議。
主人公は、本の中で、被害者に対して「きみである必要はなかった。でもきみでなければならなかった」と言うけれど、たぶん、主人公にとっては、犯罪でなくてもよかったんだけど、犯罪でなくてはならなかった、のだと思う。
わからないようで、やっぱりわかる気がする。
不思議。
Posted by ブクログ
ジャンルは「幻想ホラー」らしい。
最初から犯人の名前とか被害者との関係とか全部明かされていて、警察がどうやって犯人を突き止めるのかって話かと思いきや。
最後の最後にどうしても解けないアリバイトリックが。
こういう話が好きな人は(あまりいないと思うけど)殊能さんの「黒い仏」もいけると思う。
わたしはあまり……
恩田作品みたいな読後のやり場の無い怒りみたいなものがなくて、なんでだろうって考えた。
多分、西澤さんの筆のうまさではなく、個人的には理解不可能な心理描写にのめり込めないだけだと気づいた。
Posted by ブクログ
職場の飲み会にて、ふと確信した事。
それが人を殺さなければ、という事。
というわけで(?)さくさくっと殺してます。
しかしどうやって殺しているのか、というミステリーなのか
それとも不思議話なのか…それすらミステリー(笑)
どっちなんだろう、と読み進めれば、落ち込む方向で
裏切ってくれる最後でした。
面白かった、というより、読み進められた、という感じはありますが
この最後にはちょっとがっくりと。
色々説明がなされてはいませんが、多分刑事が一番正しいのでしょう。