【感想・ネタバレ】生贄を抱く夜 神麻嗣子の超能力事件簿のレビュー

あらすじ

大富豪の友人・真寿美のおもちゃになっている平凡なOL・波子は、彼女の豪邸で突然意識を失った。気づくと自宅で手足を縛られ、裸同然の姿でストーカーに襲われようとするところだった。そこに真寿美の死体が現れる! 歪んだ人間関係が交錯する表題作ほか。神麻嗣子(かんおみつぎこ)、神余響子(かなまりきようこ)、能解(のけ)警部らが超常事件に挑む! (講談社文庫)

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Posted by ブクログ

『一本木心中』:瞬間湯沸器のように意固地になる男が密室の家から転落死、家には親族の女性の死体も。妻に逃げられた変わり者男のプライドが暴走した末路。変装能力をそこで使ったのかい。女性がかなりの悲運な被害者。
『もつれて消える』:予知夢を見る主婦の旦那が妻の浮気相手を殺した。予知夢と現実がごちゃごちゃになってわからなくなる当事者の目線を味わえる。
『殺し合い』:超能力者、被害者に巻き込まれた第三者の目線。精神が壊れてく様はこのシリーズになき展開。
『生贄を抱く夜』:令嬢の真寿子の家に招かれた波子。大学時代から真寿子に人形の様に扱われてた波子がストーカー居留川に襲われる。歪んだホワイダニットに賭けるオチ。
『動く入墨』:下心丸出しで念写して私生活を覗く問叶。肩の力抜いて読める1編。
『共喰い』:まさに超能力者の共喰い。上級能力者はなかなかすごい能力持ってるなと感心!
『情熱と無駄のあいだ』:食のテレポーテーションで男運の悪さを晴らす香保里と補導にきた嗣子のやり取りが面白い!

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

作者が「シリーズを長く続けていると、キャラクターを外側から眺める物語を書いてみたくなる」と後書きで書いているように、事件の当事者の視点で書かれている短編集だ。超能力が関係するのはいつもの通りだが、一応上手く超能力を関わらせていて、物語として面白い。でも、保科、能解警部、嗣子、聡子、響子らが一堂に会する場がないのが、ちょっぴりさみしい。シリーズは長く続けて欲しい。

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2020年08月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「チョーモンイン」シリーズ第7弾。
3・5・6巻に続き、4冊目の短編集。

…おもしろかったんだけど、やっぱ、短編とか番外より、長編の続きが気になるっ!
今のとこ、長編だった1・2巻以後、ストーリー自体は進展せず。
なのに、3巻の『念力密室!』に収録されている「念力密室F」では、だいぶ未来の話(?)が描かれていて、その間がすごい気になるのです。

…とまぁ、でも、そんなこと言ってても仕方ないので、『生贄を抱いた夜』。

短編が7つ。

気に入ってるのは、表題作の「生贄を抱いた夜」と、最後の「情熱と無駄のあいだ」。
どっちも、目的を達成するために何らかの手段を講じていたら、いつのまにか手段が目的化してしまった…というお話。

で、2つとも、ストーリーの大枠はそんな感じで、同じような気がするのに、まったく雰囲気が違う。
片や、ドロドロとした人間描写(「生贄〜」)、片や、コミカルな復讐劇(「情熱と〜」)。全然別のテイストになっていて、そこが魅力的です。

同じ枠組みの中で、しかも1冊の本の中で、そういうことができる作家って、すげーなぁと思います。

ちなみに、「情熱と〜」は、なんとなく『七回死んだ男』ちっく。

それから、最初の「一本気心中」と、その次の「もつれて消える」も好き。
「一本気心中」は、ありえなさそうで、ありえそうなところが。
「もつれて消える」は、語り手のあけっぴろげなキャラクターが。

残りの3本は…微妙。
「殺し合い」は、いまいち。ちょっとドロドロ感に欠ける感じ。
「動く刺青」は、謎が残ったところ(なぜ通報に至ったのか)が、ちょっと不満足。
「共喰い」は、ありえなさそうでありえそう、なのではなく、やっぱありえない。や、100%「ありえない」ってことはないから、あまりにも確率が低すぎる。あるいは、ふつーでは想像しがたい。

と、そんなわけで、全体としてはおもしろかったけど、ちょっと物足りない感じ。レギュラー陣も揃わないし。

続く第8弾『ソフトタッチ・オペレーション』もやっぱり短編集らしいですが、早く文庫化しないかなぁ。

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2013年09月30日

Posted by ブクログ

これもまた短編集。
表題の話が一番長かったですが…すごかったです。
何がすごいって、その自分勝手さというか楽観的思考というか…。
こんなのが近くにいたら、遠慮したいものがありますね〜。

個人的にしてみたいのは一番最後の話ですが…。
無駄遣いもいい所ではないだろうか? と言われれば
そんな気もしますが、これはこれで夢ですねw

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

やった、よかった、気分ソーカイ。

外れ無しの作家さん。
はじめて手に取った「解体諸因」から、本当にソンケーし、かつ偏愛している作家の一人、
西澤保彦さんの人気シリーズ。
これもまたまた表紙だけ見ると軽い感じで、いや実際にかなり軽やかなんだけど、
通しで読むと裏にもうひとつ、いやまたひとつ、隠されたパラレルストーリーが
(そうしてこれはエラク暗い)あって、多重空間のストーリーにぐるんぐるん振り回される快感。
まるでパズルみたいにぴしっとはまる快感は、七回死んだ男と同レベルの出来じゃないですか?

言葉だけで本当に、ジェットコースターに乗ったみたいにぐるぐるバーチャルな
浮遊感を与えられる作家は、この人をおいて他にはないと思う。
余談だけど折原一のパズル力もすごいとは思うんだ。
でも、折原さんのそれは、あたしにとってはこう、マラソンのそれ?
実際に自分が積み上げて、結果としてドーパミンがでている感じ。
とくにはぐらかされたりショートカットもない。
西澤さんのそれは、わけわかんない乗物に乗せられて、自分がなんにもできないのに
いろんなところに連れていかれて、振り回されて翻弄されて、でも、あれ、元の場所に帰ってきたよ、そんな遊園地感覚なのよね。

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2009年10月04日

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神麻嗣子の超能力事件簿シリーズ第八弾。


今回の作品群はメインキャストがほとんど登場しない異色の作り。

というのも事件の当事者の目を通して語られているから。

その分、幾分生々しく感じられて新鮮さを増している。

個人的には緩い感じのメインキャストが見てみたいかもw

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

神麻嗣子シリーズ、第7弾。

短編集。
嗣子ではなく、響子主演の作品があったり、コメディタッチでミステリーなのか?という作品があったり、ちょっといつもと違う感じだった。

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2017年08月25日

Posted by ブクログ

〈チョーモンイン〉神麻嗣子シリーズ七冊目。今回は神麻嗣子、保科匡緒をはじめとする主要人物がほとんど出番がなく、シリーズ物としてはやや物足りなく感じました。「殺し合い」に関してはあまりにもやりきれなくて、ちょっと苦手なラストでした。やっぱり、持つならテレポーテーションかな。他所のテーブルから食べ物をテレポーテーション、食事を味わった後、食道を通るタイミングで、元の持ち主の胃袋にテレポーテーションで返す…いいじゃないですか!(笑)

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2015年11月08日

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