【感想・ネタバレ】ぬいぐるみ警部の帰還のレビュー

あらすじ

殺人現場にぽつんと遺されたぬいぐるみ。そのぬいぐるみは、いったい何を語る? イケメン警部・音無美紀の密かな楽しみは、ぬいぐるみを愛でること。遺されたぬいぐるみから優れた洞察力で、事件解決の手がかりを発見する――。そして、男勝りの言動の一方で音無にぞっこんの則竹女史。さらに実はミステリおたくの江角刑事や、若手の桂島刑事など、個性派キャラクターが脇を固める連作短編集。「お弁当ぐるぐる」(『赤い糸の呻き』所収)で初登場した、音無&則竹コンビが遭遇した不可能犯罪の数々。〈ぬいぐるみ警部〉シリーズ、記念すべき第1弾。解説=霞 流一

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Posted by ブクログ

 ぬいぐるみ警部参上! というわけで本作は、二十代後半のキャリア組の警部で、類稀な美貌を持ちながら、実はぬいぐるみへの造詣と愛が深い音無美紀警部を主人公と三人の個性豊かな刑事が様々な事件を解決していく(ただし一話目の段階では、まだ全員集合はしていない)連作シリーズになっています。事件と直接関わるものから直接的な関わりはないものの印象的に使われているものまで、なんらかの形でぬいぐるみがそれぞれの短篇に登場する作品になっています。

 特に印象的だったのが、真相で明らかになる登場人物の心理が強烈な印象を残す「誘拐の裏手」で、〈凶器〉の扱いが〈犯人〉の心理的な側面と強くリンクするラストがとても好きでした。あとは、「ウサギの寝床」は事件の真相を知った時に、ぬいぐるみが重要な意味を持つ、という点が好きな一篇。続編が出ているので、こちらも楽しみに読みたい作品でした。

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2025年05月08日

Posted by ブクログ

ぬいぐるみをこよなく愛するキャリアの音無美紀警部(男、イケメン)だが、一応公にはなっていなくて、注意深い部下の桂島刑事だけが気付いている。その音無を密かに恋していろいろと脳内で妄想にふける則竹佐智枝主任も気づいていない。桂島刑事は則竹主任の気持ちにも気付いている。心の中ではいろいろあっても表面上は何事もない、このあたりの描き方が面白い。周りの人間がいいんだよね。どの事件でもぬいぐるみをきっかけにして、音無は鮮やかに事件を解決してしまう。音無警部が事件を解決したらディナーに誘おうと密かに賭けをしていた則竹主任はどうしたのかなあ。めでたく誘ったのか、それとも…。

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2020年06月05日

Posted by ブクログ

さすがトンデモミステリー!!
ただ登場人物の性癖だけがトンデモであって、内容は王道!
そこが面白い!
イケメンなのにぬいぐるみが大好きとか、笑わせてもらいました。
さすがにぶたぶたシリーズの解説を書かれて、モン・スイユのショコラを始めとしたコレクター!!(いまぶたぶたさんのモデルのショコラって手に入らないのよねぇ)

面白くて、でもそれだけじゃないミステリー。読書の秋にぴったりです。

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2015年09月02日

Posted by ブクログ

ツルツル読める、ところてんのような喉越しのミステリー。ぬいぐるをこよなく愛する警部と仲間たち?がするする謎を解明。驚きとかどんでん返しはないものの、安定して読めた。

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2021年05月19日

Posted by ブクログ

主人公の音無警部を筆頭に、色んな個性もった登場人物が出て来るのに、イマイチ設定が生かし切れてない気がする

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2015年12月21日

Posted by ブクログ

ぬいぐるみ警部より、妄想女刑事さんやミステリオタク刑事さんの方がキャラが濃い。むしろ警部、さっさと事件解決してるのにサラッとしてます。

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2015年12月17日

Posted by ブクログ

元々が単発の予定だった短編作品から始まってるせいか、西澤作品にしては微妙に各キャラの立ち位置がフワフワしてます。警察側の登場人物全員が皆それなりに優秀なので、これだけ複数にキャラが存在してる必然性がない印象を受けちゃうのもそのせいか……。
軽くさくっと読める短編集になってますので、気楽に読める1冊ということでw

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2015年06月22日

Posted by ブクログ

西澤保彦の探偵もの短編集。
あとがきでは、10年前のノンシリーズ短編で使ったキャラクター、とされているが、その作品集は文庫化がつい先日で、特に感慨や違和感なく入れた。
書き口はライトでユーモラスだが、ミステリとしての純度み完成度も高い。
別にぬいぐるみ要らない、という点と、どうも犯人や被害者の心情が理解できないのが、難点といえば難点。
「レイディ・イン・ブラック」がマイベスト。
3+

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2015年06月15日

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