西澤保彦のレビュー一覧
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これはおもしろかった。途中ちょっと性描写がアレでもんもんとして読み進めるのに時間がかかりましたけど、内容は陰惨でいてなんか青春の青臭さもあってとにかく「きな臭い」です。そこがけっこうツボでしたけど。
つか僕はあれです、実は日本の未解決事件とか陰惨な過去の事件にすごい興味があっていろいろ調べてたことがあったんですけど、特に僕が興味があるのはあの有名な金田一耕助の八つ墓村の元にもなった岡山県の「津山三十人殺し事件」なんですけど、まぁこれは日本で一番陰惨な事件ですよね。そいで、まぁこの本を手に取った時最初にこれを連想した。まじで「津山三十人殺し事件」はこういっちゃあ怒られるでしょうけど、調べると本当 -
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カメラと盗聴器の仕掛けられた別荘で、初めて会う女性を妻として、
少女を娘として一ヶ月暮らすことを条件に大金を提示されたカズト。
唐突に始まる生活に不自然さと緊張を覚える一方で、それ以上の違和感に、
徐々に気づくカズト。
一方ほんの少しずつ親密になりはじめた妻・ヒロコと、
なぜかテレパシーで会話もできるようになる。
現れる不審な男。観察者の正体。娘の持つぬいぐるみ。運命、冬、方船。
そこここに散りばめられた謎が徐々に膨れあがり、最後に一気に集約される。
このへんはさすがの西澤・ワールド。
不可思議な設定も超能力も、無理なく美しく、ひとつに閉じる。
あっけない3人の生活の終焉にものすごい -
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タック&タカチ・シリーズ
『招かれざる死者』
嫌いなタイプの男のパーティーに顔を出したタカチとウサコ。隣の部屋の前を通らずに部屋に入るような指示の裏に隠された秘密。インターホンを鳴らし刺された女性。
『黒の貴婦人』
限定6食の鯖寿司を食べるために通う謎の「白の貴婦人」。内通者がいると疑うボアン。ボアンんぼ推理からタカチの秘密を知るウサコ。
『スプリット・イメージ または避暑地の出来心』
女性だけの別荘滞在に同行するタック。1夜明けると現れる遺体。ストーカーの死と参加女性の恋人の陰謀。教師の懲戒免職。
『ジャケットの地図』
会社社長の「愛人」の女。社長の楽園を守る管理人。社長が求めた「母 -
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高校三年の冬。
高瀬千帆は、千鳥足で寮に帰る道を歩いていた。
夜道の暗い道を歩いてると寮のほうに赤色灯が・・・。
寮の周りの人だかりを掻き分ける千帆には、ルームメイトの恵の事が脳裏に浮かび上がる。
警察の静止を振り切り駆けつけると、部屋には赤い海が広がっていた・・・。
恵は死んだのだった。
ルームメイトであり同姓の恋人であった恵。
最近では、恵と教師の噂を聞いて、恵を拒絶するような冷たい態度を取っていた千帆。
恵は、彼を殺して自分も死ぬと言っていた。
そんな恵が滅多刺しにされて殺された・・・。
千帆は、犯人を突き止めようと行動する。
容疑者は、恵と噂があった教師だったが「 -
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五月の連休が終った頃はローワークに仕事を探しに来ていた十和人(つなしかずと)は、失業をしていた。
帰り道にオリエント・リサーチ(民間の調査会社)の調査員と名乗る男に話しかけられた。
「ある場所に一ヶ月くらいの間滞在して欲しい」と依頼されたのだ。
多少不自由な思いをさせられる事は聞いたのだが、支度金として小切手で働いてる年収分と仕事が終った時に法外な報酬を提示された。
どんな内容かは、話されて無く不安を感じたが、失業保険が切れた彼は引き受ける事にした。
そして二ヵ月後オリエント・リサーチから連絡が来た。
東京行きの飛行機に乗り迎えの車に外が見えない状態で1時間移動してある所に連れて行 -
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時として同じ一日が八回繰り返される「反復落とし穴」に嵌まってしまう久太郎。新年会で親戚が集まった直後にそれは起こった。そしてオリジナル周では発生しなかったはずの祖父の死に久太郎は混乱する。祖父の死を招いたのは二周目の自分の行動だったのか、そして祖父を救うためにはどうすればいいのか。試行錯誤する彼を嘲笑うかのように、祖父の死は微妙に形を変えて繰り返す。トリッキーなSFミステリです。
タイムリープものミステリって現在ではけっこう多く存在しますが、これが嚆矢と言ってしまってもいいのかな。オリジナルに問題がなければまったく同じように行動すればいいはずなのだけれど、それが案外と難しかったり。予想もしない