内田樹のレビュー一覧
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内田さんのブログの記事の再録本。今回もいろいろ考えさせられました。
「清水の舞台から飛び降りる」ような切羽詰った状況で下を見ずに飛び降りても、ちゃんとセーフティネットに引っかかるような直感の働き。「どうふるまってよいのかわからない場面で適切にふるまうことができる」こと。内田さんは人間の知性とはそういうものだといいます。なるほど~。
『1Q84読書中』にある、「おそらく読者は物語を読んだあとに、物語のフィルターを通して個人的記憶を再構築して、『既視感』を自前で作り上げているのである」という記述は目からウロコ。小説を読んで、その中のエピソードや空気を自分の経験や感性と重ね合わせるとき、確かに脳内 -
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内田樹の邪悪なものの鎮め方を読みました。
内田樹の主張が記述されているエッセイ本でした。
「子ども」から大人になれない人が増えすぎた社会、習慣としての「読字」の重要性、偏差値教育の弊害、記号的殺人の邪悪性、モラルハザードの構造、「常識」とは、現在の科学では証明出来ないものもあるかも知れないという柔軟性が大事、など面白い話題が満載でした。
それぞれの主張は面白いだけではなく、自分の生き方に組み込んでみたいな、と思うものもたくさんありました。
最後の章は内田樹が学生に向かって語りかける形で書かれていて、こんな先生に指導される学生たちは幸せだなあと思ったのでした。 -
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一気読み。マンガ読んでるくらい熱中して読んだ。
日本語の特殊性がマンガの読み描きを可能にしているという養老孟司の論に、日本人でよかった!と心底思った。少女漫画、宮崎アニメ、好きなジャンルがばんばん出てきて幸せだった。引用以外にもいろいろあります。ほんと内田樹は気持ちいいな。
しかし唯一ひっかかったのがボーイズラブ論。エロス、大なり、私(自己)、という図式に則って、BLはエロスの嚆矢だから私たちを魅了する説。エロスが自己決定の支配下にない、むしろエロスを抑えるから人間は人間足りうるというのには同意するんだけど、ことBLに関してはもう一歩あると思う。つまりBL世界では、登場人物は性欲が自己決定下に -
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“いつもの”ブログ記事の再録本なのですが、今回は「邪悪なものの鎮め方」という切り口がドンピシャ決まった感じで最後まで(知的)興奮が続きます。
(前作の「昭和のエートス」にはまったくアンテナが反応しませんでした)
多くの記事が書かれたのは今から5年ほど前の2008年前後。本書に書かれている問題意識は当時よりさらに重要性を増していると感じました。曰く、
「どうしてよいかわからないとき、つまり、既知の解決策が当てはまらないとき、どうふるまったらよいかを知っていることが大切」
「呪いの力を馬鹿にしてはいけない。いつの間にか自縄自縛になっていないかもよーく考えよう」
「一気に社会をよくする政治は、歴史上 -
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久々発見、内田さんの本。
ちょっと大きめの本屋さんでじっくり本棚漁る時間は至高ですが、収穫があるとなおよしですね。
「憂国論」というタイトルそのままに、現代日本の様々な問題を独特の視点から掘り下げて意見を述べている本です。
特に強い口調で何度も述べられているのが以下の3点。
・国家のことを考える際にグローバリストの言うことを信じてはならない
・市場開放・自由主義を行政に適用するべきではない
・国の役目は、国民全員をいかに食わしていくか、である(下村 治著『日本は悪くない 悪いのはアメリカだ』参考)
ざっくりといえば、フランスの特徴的な思想のひとつである「自然権」の影響を大きく受けた(と私 -
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ネタバレWebに書き溜めたものを編集した、いつもの内田先生スタイル。憲法9条、教育論、倫理的生き方…等々、「おじさん」的には溜飲下がる切れ味のよいエッセイ。(切れ味のよさに惑わされ、自分で理解できた思っているだけかもしれませんが)。
その中で特に印象に残った言葉は、sauve qui peut 「生き延びることができるものは、生き延びよ」。船が沈没したり、最前線が崩壊したりしたときに、最後に指揮官が兵士たちに告げる言葉で、内田先生が娘さんの旅立ちに送った言葉。集団として生き延びることが困難な局面では、一人ひとりが自分の才覚で生き延びる他ないと。厳しい時代ではありますね。 -
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腰巻きに「おじさんと若者が,ゆるゆると日本の未来を話し合ってみました…」と書かれていますが,そのとおりのシンポジウムの記録でした。
ただ,話されている内容は,立ち位置がしっかりしていて,しかも包容力もある話で,とても好感が持てました。
グローバル化と国民国家とは両立できない…とすると,わたしたちは,もう一度,地に足をつけた国民国家を作る必要があるだろう。
話を聞いていると,「わたしたちの地域の再生も無理ではない」と思い,勇気が出て来ます。できるところから,できる人がやる。
「人はカネのためだけに生きているワケではない。」-これも腰巻きの言葉です。
第3回シンポジウムの結論…「ぬるリ