林真理子のレビュー一覧
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主人公は42歳のアナウンサー。
42歳って、焦りも諦観も、まだまだ自分は…という思いも持つ微妙な年頃だと思う。ことさらこの主人公は、一般的な会社員ではなく、女子アナという衆目にさらされる仕事。つらいだろうなと思う。年を取ることは悲しいことでもみにくいことでもないのに、それを笑おうとする風潮はいただけないなと思う。
巻末の中井美穂との対談で、著者は言う。
「(この小説で言いたかったことは)失った青春を取り戻そうとする行為は、果たして幸せにつながるのかということ」とある。
恋愛に限らずそうだと思う。なにしろ42歳だから。でもそんな日々を過ぎれば、諦念という言葉は違うけれど、なんとなく過ぎ去った気分にはなれる。
兼一の病気がよくなるといい。美季子の子どもが元気に生まれてくるといい。 -
Posted by ブクログ
着物に夢中になった著者が、買いまくり、あれこれ失敗をして、挙句に日舞とお茶も習って、着物の魅力にとりつかれたエッセイ。
着物は、洋服やブランド品やジュエリーと同じく女性を待ち受ける魔性の散財対象のようだ。
理性が飛んじゃって衝動買いしたり、展示会で言われるままに、何十万、何百万を使ってしまう。
着物屋さんにしてみれば毎度あり、であるが、普通の人は恐ろしくて近づけないワールドであろう。
買うのに何十万とする。
お店で気軽に買えない。販売員がしつこい。
お手入れが大変。
着まわし、着る機会が限定される。
濡らしたり、走ったり、車の運転ができない。
下着や小物など付属品が多い。
着るのに時間がかかる。
着あわせルールやマナーが複雑で難しい。
高い安いで値踏みされたりセンスをチェックされる
…こんなに大変なものを、着たいという人が減ってしまっても仕方がないと思う。
だから、現代人は、
安い
手入れが簡単
すぐに着られる
付属品がシンプル
マナーは簡略
という風にしなかったら着物は着られないと思う。
昔の人だって絹物を着てお姫様のように暮らしていた人ばかりではない。もっと街着や普段着、家事作業着があったはず。豪華な人間国宝の手描きや手織りの高級品より、そっちの方が求められていると思う。
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Posted by ブクログ
マリコさんのファンなので読んでみました。
が、なーんかイマイチでした。
(っていうか、ファンと言っておきながら確認したら記録を付け始めてから20冊の本を読んでいたけど、☆5を付けたものは一冊も無かった。自分でもビックリ)
本書もね、部分的にはとても面白いんです。
レビューで他の人も書いているけど、現代版宇治十条的なお話といえば分かりやすいでしょうか。
家柄の良い超お金持ちのおじさん二人が主役のお話で、東京や京都や外国暮らし中での遊び方とか庶民には想像できない生活っぷりが興味深く、それに伴って思考回路もやっぱりちょっと普通ではないのだけど、あー、こういう人いるだろうなとすんなり受け入れられる人物像のつくり方はとてもうまいし、中盤で登場する若手IT長者達の、合理的で草食系な今どきの遊び方もとてもリアル。
語学はもちろん漢詩や能の造詣も深く、一朝一夕には身につかない教養がいかにも何代も続くお金持ちだなあ、と、そしてそれを描き切るマリコさんもさすがね、と思ったりして。
でも結局は、興味の大半がイイ女をどうやってモノにしていくかということに落ち着くという・・・それが人間のサガと言いたいのでしょうけど(苦笑)
そして、どんなにお金があって教養があって家柄がよくても、儘にならないのが老い・病だという現実を突きつけながらの唐突なエンディング。
テーマや主題は伝わるし、愛人たちのしたたかさやねちっこさもみごとに表現されていて面白かったけど、濡れ場が多すぎるのと、唐突な終わり方が私には尻切れトンボに思えて☆は減らしてしまいました。
新聞小説の運命なんですかね。しかも日経だし。おじさんの要望にも応えなきゃいけないのかしら。
たまには手放しで面白かった!といえる作品が読みたいよ~マリコさん。 -
Posted by ブクログ
副題が「慶喜と美賀子」にはなっているがヒロインは一人ではなく、最後の将軍・徳川慶喜の姿を「正妻(御台所)側」と「妾(側室)」から描いた一遍。
明治維新で慶喜の役割は他の躍動したひと達にくらべると、薄い印象。
殿様だからこそ果たした何かがあると、しっかり思わなかった。
しかし、司馬遼太郎さんが『最後の将軍 徳川慶喜』をお書きになっているので、それを読んではいないが司馬さんが書かれるほどなら、何かがあるのではと短絡的な気持ちで読みはじめる。
う~ん、
人物像なら司馬さんにかなわないな、と読んでもいない本と比較してしまう。
女性から見て封建時代の英雄なり人物なりを描くというのは難しい。
大体、時代物が多い大河ドラマの主人公が女性になると失速するように、どだい封建時代の女性がくっきりと、歴史に足跡を残せるはずがないのである。無理があるのである。
この本に描かれている歴史的事実はやっぱりおざなりに見えてしまう。
林真理子さんはうまいストーリテーラーだし、女の気持ちをつかんで描ける。
だけど、歴史を動かす何かを女性から掘り起こすのは難しい。
この本が面白くないのではない。
慶喜さんが維新後も生き延びて「大奥」ばりの女性を確保(笑)子供たちも多々残し(夭折しなかっただけでも13人)趣味多彩、新し物好きなど、知ってみればなるほどね、エネルギー溢れた人物を彷彿させるではないかと、それを我慢したやんごとなきお生まれの「正妻」
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