あらすじ
女子アナとして華やかな世界で生きてきた美季子は、四十二歳になったいまも独身である。大学の同級生だった兼一と結婚した親友の美里は、彼の不倫の果てに離婚。不倫相手と新たな家庭を持った兼一だったが、またもや女性問題でトラブルを起こす。美季子には、消えない兼一への複雑な想いが……。成熟した四十代だからこそ芽生える「心の迷い」を描き出した傑作。
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Posted by ブクログ
40代のアナウンサー美季子と、大学時代の仲良しグループだったケンちゃん、美里の3人の関係性から話が始まっていく。ケンちゃんと美里は大学から付き合って結婚したが、ケンちゃんが不倫をして子どもを作って離婚。美里は癌で亡くなってしまう。
一冊の中でいろんな人が出てきて、いろんなことが起きる。すべてにおいて人間の複雑な気持ちや、行動が描かれていて、人ってこうだよな、という感じ。
ケンちゃんが、妻と分かり合えず、美季子にも見捨てられた気持ちになって落ち込んでいくのはかわいそうだった。
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大学時代の親友同士が結婚したが、男は不倫し相手に子供が出来たと離婚→再婚。そしてまた同じことを繰り返す。そのうち、男は鬱になりひとりになる。
そんな中その男と、友人関係から不倫関係になったのが主人公のかつて人気のあったアラフォー女子アナ。なんとも現実にありそうなスキャンダラスが楽しく、ワクワクしながら読んでました。
大人の恋愛は何かと面倒で、元彼女、元妻など、どの登場人物の気持ちもわかる気がする。ひとつだけ男の「俺の気持ちをわかってくれ。俺は大変なんだ」という女々しさだけはイライラした。
最後の「私のこと、好きだった?」という終わり方はやはり苦手だなぁ。
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理性と感情の間を自分でコントロールするのって本当に難しい!というのを主人公を通して教えてくれる。頭で分かっていても出来なかったり、あまり好ましくない方向だと分かっていても立ち止まれなかったり。そんな人間臭さを林真理子さんの作るキャラクターたちがみごとに表現してくれてる。
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美季子がひたすら聡明で、こんな40代になりたいって思えた
途中で感情的になってしまう人が多く出てくるけど、ゆっくりその人の立場になって色々考えたら誰のことも責められない感じ
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人間関係がわりとドロドロ。いろんな視点から人間の性や欲望が描かれていて良かった。主人公の強かな女も割と好きだった。内容は全体的に暗くてヘビーだけど、軽く読める。
女性の心理描写に結構共感できる。
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設定はファンタジーなのに、登場人物の感情だけは生々しい。
絶対にヒロインを「すべてが幸せ」にもせず「絶対的に不幸」にもせず、私の幸せは私のもの、なのがハヤシマリコだなあと。
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若さと美貌に価値がある女子アナは、40代になると地味な仕事しか回ってこない。
大学時代、仲の良かった二人が結婚したが、若い女性との不倫が原因で離婚した。
相手の女性のために身を引いた彼女。
周りに非難されてもその浮気相手と再婚した彼。
そんな二人と友達を続ける主人公。
生き方に悩みもがくアラフォーたち。
20代で結婚して子どもを作って家を建てて。
それが「普通」だと思い、自分もそうなると思っていたのに。
40代の今は、そんな「普通」とは程遠い自分で。
幸せは人の数だけ形があるはずだけど、「普通」から外れると生きづらい世の中。
学生時代が楽しかったと思い返すのは、今が満たされていないからこそで。
恋愛も友情も手に入っていた頃。
思い返すことはできても、戻ることはできない。
タイトルが最後にぐっときます。
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男にとって女友達は難しい?
この時代は特にそうなのかな
気持ちが分かってても口に出してしまうと壊れてしまう怖さと、本当は伝えたい気持ちが交錯する小説。
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ミズホテレビに勤務する柳沢美季子は42歳.
「アラフォー」と世間では言われる年頃の女子アナだ。
親友の美里は結婚・離婚そして病気と人生を歩んで行き、そして当の本人も仕事・恋愛・結婚・出産等の壁に真正面からぶつかりそして選択して行く。
凡庸なテーマでありながら全く飽きないのは、女子アナの世界がかなりリアリティに描かれていたり女性心理がイジワルな程、正直に描かれているからかもしれません。
読後感も良く、文句なしに面白かったです。
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タイトルからして、もっと軽い読み物なのだと勝手に思っていた。読み進めていくと、いくつも考えさせられる事に出会った。いろいろな人生があり、予測もできないし、タイミングもある。人それぞれ、またその時々の受け取り方次第なのだろうけど心に残る作品となった。
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著者にとって42歳は特別な年齢のようだ。前にも主人公が42歳だったはず。アナウンサーという特別な職業で業界の裏が垣間見れたり、やはり華やかな日常が別世界のようにも感じられた。
そこに大学時代の男友達、女友達の話や、痴情のもつれなども加わり読み手を飽きさせない語りはさすが。
後半、結局一番いい思いをしてるのは美季子だと思っていたら…
彼女の人生後半がどうなるのか含みをもたせての完結。
賢一は可哀相だけど、全ては自ら招いた運命で。
多恵の身になるとそれもなんだか…
誰が一番幸せになった?と問われても答えが見つからない。
今後の人生にかかっている、と思わせられた。
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生と死恋愛全てにおいて今の日本で起きている現状をとても興味深く記してある本だと思いました。主人公の様な考え方とても好きです。
元気な赤ちゃんが生まれてるといいな
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青春時代の思い出をどう扱うか、教えてもらえた。こういう「思い出」は、思い出して振り返って、ただただ甘酸っぱい記憶に浸る。リアルに「現在」に入れ込もうとしない/その時代に戻ろうとしないこと。今は今の生活が既に築かれているのだから、そこに「過去」を入れ込もうとすると、大抵はヘンテコなことになる。「過去」と「今」の扱い方が、自分の中で納得できた。
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多恵がヒステリックだけどまあそうなるのも仕方ないのかな~
幸せになりたかっただけなのに
幸せって結局なんだろうね
改めて結婚適齢期には結婚したいと思った。40過ぎてからの結婚、この本は美談で語ってるけど自分自身が納得できない。あーそもそも相手がいないわ
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主人公は42歳のアナウンサー。
42歳って、焦りも諦観も、まだまだ自分は…という思いも持つ微妙な年頃だと思う。ことさらこの主人公は、一般的な会社員ではなく、女子アナという衆目にさらされる仕事。つらいだろうなと思う。年を取ることは悲しいことでもみにくいことでもないのに、それを笑おうとする風潮はいただけないなと思う。
巻末の中井美穂との対談で、著者は言う。
「(この小説で言いたかったことは)失った青春を取り戻そうとする行為は、果たして幸せにつながるのかということ」とある。
恋愛に限らずそうだと思う。なにしろ42歳だから。でもそんな日々を過ぎれば、諦念という言葉は違うけれど、なんとなく過ぎ去った気分にはなれる。
兼一の病気がよくなるといい。美季子の子どもが元気に生まれてくるといい。
Posted by ブクログ
◆アナウンサーとして、どう生きる?
恋愛より、そっちのほうが気になった。
フリーで生きるか、正社員で生きるか。
ちょうどテレビで40代すぎの局アナが出てたとき、ふとこの小説を思い出した。
ホントに、この本の通り。
身体張って番組出てるのに、イジられて。
イジられ方も同じで正直、驚いた。
一生懸命な人をからかうのは、低レベル。
それに、その年齢をあおることで、
大衆も敵にしてると思ったほうがいい。
40代以上の視聴者をもっと意識すべき。
若い人は、テレビなんて見ないんだから。
変なことしなくったって、
頑張ってるベテラン見るだけで、
私も負けてらんないって自然と思うよ。
なんかメディアはディスられすぎて、
おかしな方向に行ってる。
NHK以外の各テレビ局、どうしたものか。
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大学時代のグループ内で結婚した、兼一と美里。
兼一は浮気してこどもができ、美里と離婚する。
美里は、ガンに侵され逝く。
二人の友人の美希子は独身のアナウンサー
いくつかの恋愛を経て、結婚するが身ごもった子供が
ダウン症だとわかる。
Posted by ブクログ
最後にどんでん返しがあるのかと思ったけどハッピーエンドで終わった。
最後だけちょっと泣けた。
前に読んだ同じ林真理子の本の「anego」と設定や展開が似てる。
Posted by ブクログ
2014年の一冊目としてはやや選択に失敗した感が…林真理子はなかなか幸せを書かないけど、それがリアルなんだろう。
若い頃のいい思い出にしがみ付いてても、前進はなくて、前を向いて、自分自身で選択を重ねていかなくちゃいけないのね、というのが感想でしょうか。
Posted by ブクログ
林真理子の本にしてはわりとライトだと思った。自分と同じぐらいの年齢の女性が主人公。年齢と仕事と結婚といろいろなことに思い悩みながら、ある意味ずうずうしく生きている。女性の心の描写がいつもよりはどろどろしていなくて、共感度が高かった。
Posted by ブクログ
仕事や恋愛、友情の中で揺れ動く女性の心理や心の迷いをうまく描き出した作品。心の隅にひっそりと存在し続ける思い、秘めた思いへの対峙がおもしろく、一気に読み終えた。林真理子らしい作品。