あらすじ
イケよ、と綿貫は命じた。「我慢しないでイケよ」――男が射精するのをこらえるように、舞衣子は別のことを考える。だって男に命じられるのは好きじゃない。男を選ぶのは私――。舞衣子は不動産王に磨き上げられた愛人のプロ。美しく洗練された容姿を高級ブランドに包み、ベッドではテクニックの限りをつくす。そんなある日、舞衣子は新たな「男」を探すことを決意する。とにかく金を持っている男。それを惜しみなく女に遣う男を――。SM趣味の御曹司、一夜に何度もイカせる有名作家……秘密の館で、ホテルのベッドで、官能と欲望の日々がはじまる。果たして次の「男」は……
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Posted by ブクログ
再読。何回となく読んだ作品。
自らの美貌を武器に贅沢な愛人生活をしている主人公が、次の愛人を探す話。
バブル期ようなブランドの数々、高級な食事等お金持ちの世界を見るのが楽しい。
主人公が自分の価値をお金が図るところが、わかりやすくて頼もしい。
Posted by ブクログ
バブル〜バブル崩壊後の時代を生きる
愛人のプロ、舞衣子の物語。
バブル崩壊後に生まれたわたしにとって
本当にこういう人いるのか…
バブルすごい…
というのが正直な感想です(笑)
舞衣子にとっての「花探し」なのか
おじさま達の「花探し」なのか…
真相は分からないまま、
物語は続いているように終わります。
あの時の舞衣子は今どうしているのだろうか…
林真理子さんにぜひ書いていただきたいです。
中村うさぎさんの解説も面白かった。
Posted by ブクログ
自分の美貌を武器にして「愛人」という立場になり、贅沢な生活をする舞衣子。
プレゼントの値段で自分の価値を測り、男性に対して傲慢で、全く共感できないけどここまで徹底して突き抜けていると、といっそ清々しいくらいで、虚構の世界を楽しめた。
女性の旬の時期なんて短いのに……でも、最後の強かさを見ると彼女は年齢を重ねても、うまく世の中を渡っていきそうだ。
林さんは、肉食系というか、こういうギラギラした女性を描かせるとうまいと改めて感じた。
それにしても、この作品「大層」という単語がやけに目についた。林先生の文章の癖なのかな?
Posted by ブクログ
小説の素晴らしいところの1つは、自分の知らない世界を見せてくれるところだと思います。
本書の主人公は、プロの愛人。
お金持ちの人たちが作り出す煌びやかな世界と、自分とは全く違う価値観の人々に触れられておもしろかったです。
中村うさぎさんが素晴らしいあとがきを書かれてるんですが、私も主人公には1ミクロンも共感できずに、とはいえ、その確固たる価値観に圧倒させられました。
人の価値観は、若い頃の環境に影響される部分が多いと思いますが、若いうちから愛人として囲われている彼女の価値観が本当に独特で。
愛人とは、いわば妻のいる人とお付き合いするということですが、魅力的な男性に女性が集まるのは当然のことと言い、よくある不倫と違うのは、愛情や未来なんていう不確かなものを彼女が一切求めていないところ。
彼女は誠実さはお金として表れるものだと信じてやまない。
彼女にとっては、類まれなる「女の魅力」と引き換えに、相手がどれ程大切にしてくれるか(=お金を遣ってくれるか)が、重要なのです。
そして何がすごいって、彼女がその美貌や身体(あとは相手との駆け引きのための知略もそうですが)のみで、生活の基盤から貢物まですべてを手に入れているところ。
あとがきにも書かれていましたが、私もいつか無くなるそんなものだけで勝負をするなんて怖い、と考えてしまいがちですが、そういった若さを全力で享受するのも1つの生き方ですよね。
「週刊新潮」で連載されていたもののようですが、かなり官能的でもありました。10年後の彼女の話が読んでみたい。
Posted by ブクログ
バブルをいつまでも引きずっている痛々しい女、でもそのセルフプロデュース力はすごいと思いました。真似したいとは思わないけど、とても勉強になりました。参考にはさせてもらいます。
自分の魅せ方を知ってる女は強いですね。いちいち頷いてしまいました。
客観的に見ると舞衣子も若くないんだし、チヤホヤされる歳はもうすぐ終わりに近づいてると思うんだけど、ここまでくるといっそ潔い。まさに愛人のプロなんだと感心しました。
歳をとったら逆にそれさえも利用しそうな気もします。こんな女とは友達になりたくないですね。向こうもきっと願い下げでしょうが。
舞衣子と愛人の娘、意外と2人は気が合うんじゃないかと思います。この組み合わせをもう少し見てみたかったです。
Posted by ブクログ
サトコを脅したところまでは面白く読めたけど、綿貫にあてがうのはちょっとなぁ…これじゃ舞衣子がただの嫌な女になる気がする。彼女は狡猾ではあるけれど嫌味な女ではないイメージだったので。
Posted by ブクログ
愛人として生きる女。ザ・林真理子。何人ものパトロン(もしくは候補)の言葉や行動を反芻し、金に換算し、天秤にかける。卑しいが、たくましい、そして寂しい生き方。
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女の幸せってなんでしょうね。
この本は愛人のプロの女性が、翳りを見せたパトロンとの関係を機に
「次の男は私が選ぶ」と、弁護士や名家の御曹司、流行作家と
自分を贅沢に過ごさせてくれる男を探すストーリーです。
彼女が男性を選ぶ価値観は、分からないわけではないけれど
自分は選択したくない。
愛人ってシゴトは、専業主婦に似ていると思っています。
法的拘束力のある、入籍が出来ていることを考えると
専業主婦の方が就業する為に必要なハードルは高いかもしれません。
どっちのシゴトも、私はいや。絶対に選ぶことはないけれど
主婦という地位を欲する女性が多いことも理解しています。
それなら私にとって、旦那様はどんな存在なのか・・・
パートナーかな、と思います。
一つの家庭を運営していく。
もし旦那様が収入がなくなったとしても、私が支える覚悟は
いつでもあります。
そういう意味では、この作品の主人公とは全く違う人生を送っています。
でも作品自体は自分で人生を選択しているようで
結局相手の男性にいいように扱われてしまっている・・・
よい蜜を探して花を飛び移る蝶のように、男性を渡り歩く女性が
とても立体的に描かれていてとても面白かったです。
さすが林真理子!!!
Posted by ブクログ
別世界でも、なんのこっちゃと思いつつも、あっという間に読み切ってしまった。不思議な魅力(背徳感?)が物語に漂っていて、それに引き寄せられてしまったかのようでした。
共感はしないけれど、、舞衣子みたいな人が近くに居ないからリアリティもないけれど、それでもこういう世界を描き出すの、やはり林真理子という感じ。
Posted by ブクログ
プロの愛人というテーマで林真理子さんが描いたら、そりゃもう楽しいでしょう。
ゴージャスなレストランや、セレブの集まりなど華やかに描きます。
が、目隠し緊縛で秘密のSMショーに巻き込まれそうになった主人公が、
「これ以上、何かしたら警察に訴える!」と強気の発言で難を逃れたり、
部屋いっぱいの薔薇のプレゼントに、片付けを考えて萎えるあたり
林真理子さんらしくて良いです(笑)
薔薇よりバーキンよね♪と、私も思います。
マンションの権利書だったらもっと良い。
人はそれぞれの環境や立場で、うまく立ち回って生きていかなければならない。
そういった強い女性を描いたら、林真理子さんは抜群に面白いです。
Posted by ブクログ
プロ愛人のマイコが、次の男は自分で探す!と男たちを品定め…。品定めしてるつもりが品定めされていたり、遊ぶつもりが遊ばれたり。長年愛人をやっていた大沢の娘に、面倒臭くなってきた恋人をあてがおうとするのがなんだか痛快でした。
Posted by ブクログ
男女の愚かさいやらしさ最骨頂。
表現も他作よりエロいです。
さすが週刊新潮連載作。おじさん好みね。
これを最後にさすがにもう読むのはやめよう林真理子。
若さと美しさはお金に換算できるものなの。
作者の私怨か、妄想か。
Posted by ブクログ
愛人として生きる主人公。こんなことを考えて、こんな生き方をする人生もあるのですか。自分とは無縁の世界をちょっと垣間みた気分になりました。しかし、愛人として生きた場合もだんだん年はとるはず。その場合も大丈夫なんでしょうか・・・?いつかは破綻がくるのでは。その辺をにおわせつつ終わっている気がしました。
Posted by ブクログ
4/15 林真理子は大好きな大好きな作家。でも「私ってハイソサィエティなのよ。貴女たちとは違うのよ。」感が有りありしているのも確かだと思う。そういう意味では、私にとって森瑤子と良く似ている。
4/18一気に読んだ。止まらない!程ではないが、面白い。ハイソサィエティでバブルな世界とはこういうものかと思う。