林真理子のレビュー一覧
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なんといっても、私のモットーは、「やってしまったことの後悔は日々小さくなるが、 やらなかったことの後悔は日々大きくなる」です。
やってみる価値がある、面白そうだと思ったことは、恥をかいてでも、とりあえずやってみる――正確にいうと、恥うんぬんを考える前に行動してしまっているわけですが。
取り返しがつかない、という意味では、やったこともやらなかったことも同じです。やってしまった過去を悔やむ心からはちゃんと血が出て、かさぶたができて治っていくけれど、やらなかった取り返しのつかなさを悔やむ心には、切り傷とはまた違う、内出血のような痛みが続きます。内側に留まったままの後悔はいかんともしがたいものです。
まあ、だからといって、恥ずかしいことを恥ずかしいと思う自覚を持つことも、もちろさじかげんん大切です。その匙加減が難しいんですけどね。
思い出話が少し長くなりましたが、本題に戻ります。
自分が何も努力せずに、誰かが引き上げてくれるなんていうことはありえないのです。
一流の、業界で力を持つ人に食い込んで行くことも実力のうちですが、まずは食い込むための実力を自分がどんな形であれ発揮しなければなりません。
「今のままじゃだめだ。もっと成功したい」と願う野心は、自分が成長していくための原動力となりますが、一方で、その野心に見合った努力が必要になります。
野心が車の「前輪」だとすると、努力は「後輪」です。
前輪と後輪のどちらかだけでは車は進んで行けません。野心と努力、両方のバランスがうまく取れて進んでいるときこそ、健全な野心といえるのです。
自分を信じるということは、他人が自分を褒めてくれた言葉を信じるということでもあると思うんです。
一方で、野村克也さんがかつて「自分は特別な人間だという自信と、自分は普通の人間だという謙虚さ。この二つを同時に持っていたい」とおっしゃっていましたが、 持つことも大事だと思います。そして、不思議なことに、自分を謙虚に見つめると、神様が何か一つ、ご褒美をポロッとこぼしてくれる。
自己顕示欲の量
もちろん、世の中には、家事一般を見事にこなす、尊敬すべき専業主婦もいっぱいいます。子どもの教育にもちゃんと気を配り、料理も上手。お洒落なインテリアの家の中をいつもピカピカに綺麗にしている。部屋の片付けがどうしようもなく苦手な私には、一生持ち得ない能力です。
こうした家事能力以外のことで、専業主婦に向いている人、家族の世話だけやっていて幸福に生きられる人に必要な素質とは何でしょうか。
それは、野心の親戚でもある「自己顕示欲」の量が少ないことではないかと思います。
人にはそれぞれ生まれ持った自己顕示欲の量があります。その数値が生まれつき20の人もいれば、80の人もいる。20以下の人であれば、専業主婦として家の中のことをきちんとやって、身近な人にだけ褒めてもらえれば満足できるし、穏やかで幸福な日々を送ることができるでしょう。
ちなみに(わざわざ説明する必要もないかと思いますが)私は自己顕示欲の量が格別に多くて、たぶんくらいはありますから、専業主婦は絶対に無理。家事をやっても誰も褒めてくれませんし、お金を払って人に頼んでやってもらっています。
20の人が専業主婦をやれているぶんには何の問題もありません。ただし、自分の自己顕示欲の量を読み間違えると、悲しい結末が待っていると思います。
たとえば、もともと自己顕示欲の量が80ある人が、三十歳前後で走り続けることに疲れ、仕事を辞めて専業主婦になる。「実は私の天職って、主婦だったのよ」と思い込もうとしたり、子どもの教育に異常なほど打ち込んだり、何とか自分をだましだまし生きているとします。しかし、80あった自己顕示欲を無理矢理20に押し込めてきた反動は必ず生じてくる。中年になって、子どもの手が離れた時に爆発してしまうのです。
そうして四十路も後半に入った頃にあわてて仕事を見つけようとしても、十何年も家庭だけに集中していた人からは、知らず知らずのうちに社会性も奪われていたりする。いざ再就職しようと思っても、面接の時に自分に都合の良い条件ばかり提示したり、自分と社会とのギャップに気づくことさえできなくなっているから恐ろしいですね。
こういうことを言うと、当然ながら専業主婦の方々から反感を買います。「ハヤシさんは特別な職業に就いていて、お金もあるから、そりゃあ上から好きなことが言えますよね」とか、「普通の女が子どもを育てながら働く大変さは、あなたにはわからないでしょう」と抗議されたりします(この本は「野心」がテーマなのでお許しくださいね)。
そう。何度も繰り返しますが、子どもを持った女性が働き続けることはとても大変です。しかし、仕事を続けていれば、「生活力」という体力がつくから、たいていのことには堪えられるようにもなってくる。
人間が成長するのは、なんといっても仕事だと思うんです。仕事とは、イヤなことも我慢して、他人と折り合いをつけながら自己主張していくことでもある。ずっとその試練に立ち向かい続けている人は、人間としての強さも確実に身につけていきます。
家庭生活や子育てで人間が成長するということ自体は否定しません。しかし、それは仕事での成長の比ではない。子どもを生んだ人が「子育てで人間的に成長しました」と言うのは単なる自画自賛だと思いますし、私は信用していません。仕事でイヤなことにも堪えていく胆力を鍛えていれば、子どもが泣いたくらいでうろたえない人間力は自然に身についているのです。
世の中は理不尽なことで溢れていて、自分の思い通りになることなどほとんどありません。だけど人間は努力をしなければならない。それを社会で働くことで学んでいる。仕事から逃げ出して主婦になった人が、子育てで成長しようなんて目論んでいるとしたら、あまりにも自分に甘いんじゃないかしらと思います。 -
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私はバブルの恩恵を全く受けてない下の世代だが、バブルの残り香がうっすら漂っていた時代の空気は知っているので本書を読むと何処か懐かしいような気持ちになった。しかしながら、話に出てくるお金の額が桁外れに大きいものだから現実感が全く湧いてこない(笑)。
「アッコちゃん」の愛人生活は思わぬ妊娠→結婚によって一旦は終止符が打たれるのだけど、丸く収まる訳がなかった!たとえアッコちゃんが「普通の幸せ」を望んだとしても、相手が誠実なエリートサラリーマンだったとしても、彼女には勤め人の妻は務まらなかったと思う。その美貌ゆえに結婚後も周りがほっておかないだろうし、ご本人の性格的にもいつの間にか危険な香りがするほうに吸い寄せられていってしまうだろう。生まれながらの愛人体質なんだと思う。
登場人物は実在の人物をモデルにしているという。キャラがなかなか濃ゆい方々ばかりなので(多少脚色されてるとは思うが)マンガのようで面白かった。その絵が脳内に浮かんでしまう。それにしても桁外れのお金持ちと付き合うのは女性の若さと飛び抜けた美しさは言わずもがな、体力がある人じゃないと駄目なんだな。スケールが大き過ぎて遊ぶのにも相当なエネルギーが要るもの。パワーがお金を引き寄せるということだろうか。 -
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最近読んだ本の中で、特に刺さった本。
何か頑張りたい人、また働く女性へエールになる本だと感じた。
人によっては好みはわかれるかもしれないけれど、エールをもらった。
今はゆるふわな時代で、熱血っぽさがあると、引いてしまう人も多いかもしれない。
だからこそ、こんなふうにエールを送れる人って今、どのくらいいるのだろう。
・1度でもビジネスクラスに乗ると、ファーストクラスの世界をいやがおうでも目にする
人の生き方も同様で、ずっと三流のままでは一流の世界を覗くことさえできない
・女性は仕事をもって働くべき
専業主婦のリスクだけではなく、人生の充実感や幸福のために、自分の仕事が積み重なって、ある日、何かの結果が出るという楽しさは、恋や愛ともまた違う。
もっと人間の根深いところに根ざしている。
・それに働いているとよいことは、自分の名前で勝負できること。
夫の地位や肩書で評価される人生は辛い。
・子どもが小さいうちは
「お母さん、家にいて」と泣かれるかもしれない。
でも、いつか
「お母さんは働くのが好きなんだ。
そのおかげで物理的にも精神的にも利益を得ているんだ」
とわかる時がくる
・子育てを理由に会社を辞めて、子どもが大きくなったら、社会復帰しよう、と都合よく考えてしまいがち
しかし、退職前と同じレベルでやりがいのある仕事に就くことは大変難しいという現実から目逸らしてはいけない
・社会が悪いと言ってしまうのは、簡単だが、
ようやく少子化に危機感を感じた日本でも、子どもを持った母親がストレスなく働けたり、あるいは子育てが一段落した後に離でも再就職できる世の中になるには、最低でもあと二十年はかかりそう。
子どもの成長のほうがよっぽど早い。
大変だけれど、踏ん張り時に逃げ出してしまっては、後で取り返しのつかないことになってしまうのです。
・林真理子氏の場合、家事はお金を払って人に頼んでやってもらっている
(家事をやっても誰も褒めてくれない。専業主婦は無理だと思う)
・人間が成長するのは、なんといっても仕事。
仕事とはいやなことも我慢して他人と折り合いをつけながら、自己主張していくこと
ずっとその試練に立ち向かい続けている人は、人間としての強さも確実に身につけている
・家庭生活や子育てで人間が成長すること自体否定はしない。
でも、仕事か、逃げ出して主婦になった人が、子育てで成長しようなんて目論んでいるとしたら、あまりにも自分に甘いと思う。
・女性も働き続けた方がいい理由は、精神論だけではなく、金銭面でも然り。
自分の欲しいものを自分の稼いだお金で買えるのは当たり前に必要なこと
・どんな仕事であれ立場であれ、何よりもの充実感が得られるのは「自分の代わりがいない」という確信を社会の中で得られるときではないか。
・手に職は強い
・早いうちから「何者」かになろうと野心を持ち、努力を重ねているに越したことはない
・20代で頑張った結果は30代の人生に反映されるし、30代努力したことは、40代の充実感にそのまま比例する
40代で他人を羨ましがるばかりなのは、間違っている
・結婚はした方がいい
・女性は情緒的に物事を考えがちだが、男の人ならではのものの見方や思考が自分の不足を補ってくれることもある
★同じ時間を生きているのに、知識や器の差がある。この差は、隙間時間にどれだけ積極的に自分の人生と関わっているかの違いによるところが大きい。
・今日は今日の楽しみを見つけるのが得意な人が運の強い人。
・自分を助けられるのは自分だけ
気に入らない状況があれば
自分の力で自分の進路と人生を変える
具体的なアクションを起こしてみる
・野心と努力の関係と同様、自信と謙虚さの両方をバランスよく持っていたい
・人に否定されたら、悔しい気持ちをパワーに変えてしまいましょう。んでいるだけでは、悪口を言った憎たらしい相手の思うツボではありませんか。今に見てろよ、と思う打たれ強さを意識的にでも持ちたいものです
★小説家としては、売れなかったらどうしようなど、次を不安がっていたら、作家の仕事を続けていくのは無理 -
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ネタバレ歯科医の正樹には、中学生から7年間引きこもっている息子・翔太がいる。中学側にはいじめはなかったと言われたが、実際には酷いいじめがあったことが判明。高井弁護士と一緒に、いじめっ子を相手に7年越しの裁判に挑む。
妻・節子や娘・由依のやり方や考えと合わなかったり、翔太が家の中で暴れたり、正樹が自分を抑えられず翔太に怒鳴ったり、これはもうダメか…と思うことが度々発生する。
それでも、最後は翔太の「裁判を続けたい」という意志の強さもあって見事に勝利する。
正樹がイライラして強い口調になって、節子が「あなたっていつもそう」というやりとりやが度々出てきて、読んでいて気持ちのいいものでは無かったが、すごく人間味があるんだと思った。
翔太が父・正樹の姿を見て、将来に向かって決意をするところが一番の感動ポイント。
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ネタバレ将来を具体的に思い描く想像力。私自身も、娘たちにも養ってもらいたい。野心。自分を高めたいという希望。あるよ、ある。
前に職場から逃げるように転職して本当によかった。
あれも、「新規まき直し」「人生のリセット」だろう。
以下はお気に入りの文引用です。
「ちょっとでもいいから、身の程よりも上を目指してみる。そうして初めて選択肢が増え、人生が上に広がっていくんです。」
「シビアに将来の自分の姿を見据えながらも、同時に自分を信じて、幸福な自分の未来を想像してほしい。」
「人生のリセットは何度でもできるんです。でも、自分でないとできない。」
「自分を信じるということは、他人が自分を褒めてくれた言葉を信じるということでもある」
「嫌なことを引きずらない能力は、絶対に運も強くすると思います。今日は今日の楽しみを見つけるのが得意な人が、運の強い人。」
「『貧国は恥にあらず』というのは、すべての人間が口にしながら、誰ひとり心では納得していないことわざである」byドイツのコッツェブー -
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この本は 10歳年上の方から頂きました。
こんなに亭主の悪口書いて 呆れちゃうわ!
なんて言われて 読んでみると
たいした悪口ではない。
私の方が よっぽど亭主の悪口をいっている。
朝ドラの話し 天皇陛下の話し ウクライナの話し
安倍さん暗殺の話し 歌舞伎の話し
どれも 共感できるなあ!
と思ったら 林さんは 私と同じ年でした。
育った年代が 一緒なので
そうそう!
と思うのかもしれません。
こんなに口うるさい亭主と別れないでいるところも
同じ世代だからでしょうね。
もっと若い人なら別れてる。
健康でエネルギッシュに 頑張ってください。
もっとおばあさんになっても 書き続けて
そうそう!と言って 読みたいですね。 -
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いじめを誰にもいえずに引きこもっていた我が子。このままでは、80代の親が50代の引きこもりの子どもの面倒をみなければならない8050問題が現実になってしまう。この状況を打開するために父親はいじめた人間を相手に裁判で争うことを決心する。
裁判の準備を進めていく中で、子供が受けたいじめの内容を知り、子供のことを何も知らなかったことを悔いる父。今までの失った時間を取り戻すように、息子に語りかける父。
裁判が終わり、報道陣の前で父親が引きこもりの子を持つ親へ向けて発したメッセージが最高。子供と一緒に戦って下さい。子供を信じて、お前を守ってやれるのは世界中でお父さんとお母さんだけなんだと言い続けて下さい。最高にカッコいい父親。 -
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『8050』(はちまる、ごーまる)問題とは、80代の親が50代のひきこもりの子を養うこと。世帯の困窮と孤立で、現代社会の問題となっています。
物語は現実に『8050』というわけではなく、中学時代に壮絶なイジメにあいずっと引きこもり生活を続けている息子を何とかしようと父親が奮闘する。このままでは『8050』になってしまう…その危機を食い止めようとする話だ。
息子の引きこもりの原因は人格を否定するほどのイジメであり、その当時の同級生に対し「復讐したい」という。父親は息子の尊厳のために弁護士に相談し、8年前のいじめを巡る法廷闘争をはじめてゆく…
自分自身を振り返ると、中学時代に気の弱い勉強の不得意な同級生に対して、イジメがあった気がするし、笑いながら少し加担してしまったような記憶がある。その時のいじめられていた子の消息は知らないが、もしかしたら当時のイジメが原因で何かなっていたのかもしれない…
小説でも当時イジメをしていた同級生三人は立派に成人しており、イジメたという記憶さえ曖昧であり、8年前のことを今になって訴えるという親子は周りから変人扱いされる。
それでも息子が立ち直るために、世間からのあざけりに耐えながらも、裁判を進めようとする父。
息子さんのいる父親が読むなら、最後は絶対に泣くと思う…。家族の再生を描く素晴らしい小説でした。
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