林真理子のレビュー一覧

  • ルンルンを買っておうちに帰ろう
    ■まさに童話「田舎のネズミ、都会のネズミ」の一場面だが、私はいくらか十五歳で初体験、慶應の学生、外車、”キャンティ”とおいしそうなものを並べられても、私の少女時代と彼女のとをとりかえっこする気ないぞ。

    だって男とか六本木なんて、いまの私ならいくらでも手にはいるもん(そうでもないか)。

    十五歳で自...続きを読む
  • 茉莉花茶を飲む間に
    再読。
    紅茶専門店「青(ブルー)」の女主人にハウスマヌカン、モデル、ニュースキャスター、スチュワーデスなどが恋愛・人生相談のような愚痴のような話で進む形の連作短編集。
    女主人は否定もせず言葉にしないが、案外批判的だったり醒めた目で見ている。
    「女の子たちは・・・戦うことを嫌うの。最後までしたくないの...続きを読む
  • 女文士
    林真理子の本は多少読んでいるが、エッセイが多く、彼女はファッションや美容の事に関する関心が強い女性と言うイメージが強かった。
    この本は、とても引き込まれて読んだ。眞杉静枝と言う女性に嫌悪感を覚えてしまったが、彼女の哀しさ淋しさと言うものが伝わってきて切なかった。
    壮絶な生涯を描いた凄い本だと感じ、著...続きを読む
  • 着物の悦び きもの七転び八起き
    着付けを習えおえたばかりで、「さぁ次はお茶でも習うか」とか、「着物着て遊びに行きたい~」など考えていた私。読者と同じ目線で本が書かれているので、気をつけないといけないことやハマりだしたら大変なことになってしまうなど、タメになることが多かった。
    あとやっぱり林さんも有吉佐和子好きだったんだね。
    私も大...続きを読む
  • 天鵞絨(びろうど)物語
    美輪さんがよくおっしゃっている、戦争前の軍国主義の前の素敵な日本の美意識だったり文化だったりが身近にたくさんある日本の様子が目に浮かんできた。
    といっても、ごくごく一部の上流階級の世界の話だけれど、やっぱり素敵な日々がイメージできてうっとりする。
    ラストがしっくりときた。
  • 男と女とのことは、何があっても不思議はない
    男と女にまつわるフレーズを小説やエッセイから集めた本。その時の状況によって心に残るフレーズは違う。だから、何回開いても面白い。
    『前に話したことがあるでしょう。恋はデザートみたいなものだって。それがなくても生きていけるけれども、なかったらとっても淋しくてつまらない人生だって。あのね、デザートは主食に...続きを読む
  • P.S.アイラヴユー
    映画化されていますね。
    まだ映画は見ていませんが。

    泣けます。
    鼻かまなくちゃ読めないときあった。笑

    最愛の夫を無くして生きる意味なんて見つけたくもない主人公に届く夫からの手紙。

    その辺は本の帯とか映画の番宣とかである通りなんだけど、
    中身は、他の人の一日を知ることが出来ないのと同じように、読...続きを読む
  • ワンス・ア・イヤー 私はいかに傷つき、いかに戦ったか
    『星に願いを』につづく私小説風ストーリー。23歳から36歳までのサクセス・ストーリーと、野心的な恋人への執着が、ぞくぞくする。歳を取るのが楽しみになる本。
  • ミスキャスト
    女性の心理を書いたものは林真理子さんの小説が1番面白い!と勝手に思ってましたが、男性の心理を描いた本作もお見事です
  • ミカドの淑女
    以前読み終えた『山田風太郎明治小説全集6』の巻末対談で、森まゆみ氏が挙げていたのが目に留まり気になったので読んでみた。
    林真理子さんは同郷の方だが、作品に触れるのは恥ずかしながら、本作が初めてである。
    奥に戻って女官長になること、という歌子の究極なる望み。女たちの復讐心に気づいたからこそ訪れた、乃...続きを読む
  • 花探し
    再読。何回となく読んだ作品。
    自らの美貌を武器に贅沢な愛人生活をしている主人公が、次の愛人を探す話。
    バブル期ようなブランドの数々、高級な食事等お金持ちの世界を見るのが楽しい。
    主人公が自分の価値をお金が図るところが、わかりやすくて頼もしい。
  • 葡萄物語
    大好きな作品♪読んだ後、悲しくて切なくて優しい気持ちになります。不倫物ですが、私の中ではピュアな恋愛小説です。

    主人公の映子に思いっきり感情移入して一気読み。気付いたら涙が止まらなくて…。
    友達やお姑さんなど嫌な部分も見え隠れしますが、実際にいそうな人ばかり。そして渡辺さんとお姉さんに出逢えた事、...続きを読む
  • 食べるたびに、哀しくって…
    林真理子さんとの出会いは、『ルンルンを買っておうちに帰ろう』。
    確か、二十歳のころ。
    とにかく衝撃だった。
    え?あの林さんって、こんなエッセーも書かれるんだ、と。
    この本は、食いしん坊の私にはとにかくドツボであり、知らぬ間に2冊も買っていた…。
    なかでも少女時代の林さんのお話が一番好き。
    林真理子さ...続きを読む
  • 着物をめぐる物語
    11の短編の中で、ハッとした文章に出会った。
    『織り姫さま』という話にある“上布は若い女には織れぬ”というくだりである。
    越後上布という布が外車が一台買えるくらい高価なものとは知っていたが、
    老齢の織り子さんが極寒の季節に夜を徹して織り上げていくという。
    越後の冬である。しかも夜。その寒さは尋常では...続きを読む
  • ミスキャスト
    「ミスキャスト」のお話がとても面白かったです。あ、、そうなるんだ!とwなんとなーくタイトルが気に入って選んだ本でしたが良かったです!
  • 聖家族のランチ
    強くおもうと、それが本当に思えてくる。ユリ子の言葉は冷静に考えたら明らかにおかしいにも関わらず、周りの人を納得させてしまう。宗教とユリ子は通ずるものがある。しかし、いざとなるとうちとは関係なかったことにしてくれと突き放す宗教より、一緒に死体を食べましょうと言ってくれるユリ子の方が頼もしく、歪んでいる...続きを読む
  • ウーマンズ・アイランド
    女の人って、いろんな選択肢がある。
    何がいちばんなのかなんてわかんないけど。
    それぞれの立場からの、お話。
  • 本を読む女
    たぶん林さん自身をモデルにした、信州の田舎に生まれた主人公の半生をその時代に流行していたりした本を通して描いていっている作品

    林真理子さんはエッセイや恋愛もののイメージがあるけど、この作品は隠れた名作だと思う。


    あと関係ないけど美容室に行って雑誌のエッセイのページ開いて最後まで読むのは林真理子...続きを読む
  • グラビアの夜
    『私のこと、好きだった?』以上にあっという間に読んでしまった。私にとって、ホントに文章が読みやすいだよね。
    この作品は、解説で瀧井朝世氏が書いているように「夢が叶わなくても、人は不幸になるとは限らないのだ。それを教えてくれる本書は、今の時代に必要な“仕事小説”でもある」にハゲドー(=激しく同意)
  • ファニーフェイスの死
    林真理子はエッセイや女性向けの作家として認識していたが、この作品を読んで「本物の作家」だと知った。中年の男性が読んでも唸ってしまうような良作。