重松清のレビュー一覧

  • ロング・ロング・アゴー

    Posted by ブクログ

    どこにでもいそうな誰かが語る、遠い遠い昔の思い出話が6本。「あの時こうしていれば……」「あの子にもっとしてあげられることが……」という過去の悔いをすくい上げるような読み味で、なんとも言えず切ない気分になった。

    0
    2018年01月08日
  • 送り火

    Posted by ブクログ

    架空の私鉄沿線「富士見線」を囲んで展開される、ときどき怖くてときどき悲しく、そしてときどき温かい人生劇場が9本。ここには孤独なオジサンがいる、女性フリーライターがいる、子どもを亡くした夫婦がいる、神経をすり減らす主婦がいる、超能力を持つ駅員とイジメに悩む小学生がいる、パンク音楽にあこがれていた中年がいる、親子の絆を喪った女性がいる、離婚秒読みなサラリーマンと地縛霊がいる、そして人生の終わりを見つめる女性がいる??どの話も全く異なったカラーで、人生の様々な局面を味わえる。万華鏡のような逸品だ。

    0
    2018年01月08日
  • カシオペアの丘で(上)

    Posted by ブクログ

    北海道で生まれ育った幼なじみのシュン、トシ、ユウちゃん、ミッチョ。4人は大人になり、それぞれの道を歩んでいたが、ある痛ましい殺人事件をきっかけに、再び故郷の地へと集まることになる……。出会いと別れ、生と死、許す者と許される者。いくつもの運命が交錯し、シゲマツ文学の真髄を味わわせる。テーマ・内容ともにヘヴィ極まる作品だが、読みものとしての技巧も優れている。主役4人の「過去」に関する情報を少しづつ明しながら進行するため、先の展開が気になり、読む手がストップしない。絶妙な語り口である。

    0
    2018年01月08日
  • 希望ヶ丘の人びと(下)

    Posted by ブクログ

    一気に読んでしまった下巻。
    中学生、しかも思春期の女の子という難しい年頃を見事に描いているなと感心する。

    下巻は、希望ヶ丘に住むということ、そして妻を思う気持ち、
    そこへの闘争であり、決着の話である。
    人間という生き物の卑しさ、尊さ、儚さ、その全てがこの街には描かれていた。
    希望ヶ丘という街の、希望という不確かな言葉の結晶がこの中にはある。

    0
    2017年12月26日
  • 希望ヶ丘の人びと(上)

    Posted by ブクログ

    死んだ妻の故郷である希望ヶ丘という街に家族で引越すお話。
    どこかステップと同じ匂いがある作品。

    やはり重松清はこの手の作品を書かせたら天下一品だ。

    ステップと比べると、えっと思わせるミラクルな展開が多いが、
    ただそれにケチを付けるのがいかに詰まらない事かと思わせてくれる。
    登場人物たちがみんなしっかりと生きているのだ。

    ニュータウンという独特の空気感を見事に描いている作品。

    0
    2017年12月26日
  • カシオペアの丘で(上)

    Posted by ブクログ

    昔は炭鉱でさかえていたが、今は過疎化が進む北海道北都市。
    30年前、その町には、トシ、シュン、ミッチョ、ユウちゃんの仲良い小学生4人がいた。

    4人は日本上空を通るというボイジャー1号2号を見に、炭鉱跡の丘に来ていた。
    ボイジャーは見えなかったが、数々の星・星座を眺め、「カシオペアの丘」と名付けたこの場所に遊園地を作りたいと話をした。

    30年後、39歳となった4人。
    ユウちゃんは東京でテレビロケの仕事を。
    トシは子供の頃に追った障碍で車いす生活だが、ミッチョと結婚し、遊園地「カシオペアの丘」の園長に。
    ミッチョはトシと生活しながら小学校の教師。
    そして、シュンは「倉田」の家、

    0
    2017年12月23日
  • ファミレス 下

    Posted by ブクログ

    40歳を前に読めたことを幸せに思う一冊でした。

    家族には様々な形がある。
    子育てを終え、仕事も落ち着きを迎えたとき、夫婦が、そして家族が迎えるその先の未来とは何か?

    もとは別々の人生を歩んでいたふたりが、ひとつの目的のもと夫婦という形で共に暮らし、その達成後にはまたそれぞれの人生を模索していく。

    今後の人生の糧となる素晴らしい内容でした。

    0
    2017年12月03日
  • きみ去りしのち

    Posted by ブクログ

    「旅をしている。」で始まる8章と「旅をしてきた。」で始まる最終章の9章からなる長編小説。
    重松さんの真骨頂とも言える作品です。
    幼子を亡くした夫婦の後悔と、二人の間に生じた隙間。久しぶりに会った娘とのぎこちない関係。憎み合って別れた訳では無い前妻との繋がり。そして、旅先で出会う様々な風景と人々。一言でいえば美しい再生の物語です。
    ところで、今さらながら気づいたことですが。。。
    特にこの作品では、登場人物が様々な場面で軽く意表を突く発言や行動をします。それはルポルタージュ作家でもある重松さんが、インタビューの中で相手がとる様々なアクションを記憶し、小説の中に取り入れている気がします。インタビュー

    0
    2017年11月30日
  • ファミレス 下

    Posted by ブクログ

    重松清と言えば、「家族」!「ファミリー」!
    そしてこの文庫本「ファミレス」
    「ファミリーレストラン」?、ファミリーレス」?
    3夫婦のあり方、そして一つの新しい「家族」!
    主人公である先生の受け持つ生徒の家庭問題。
    いろいろな夫婦の問題をテーマを、料理を通して語られていく。

    夫婦間において、FA権を行使するかのように、新しい人生、新しい生き方を模索するため、「離婚する」。
    子どもが成長し、二人きりになってこれから先どう生きてゆくのか。
    ちょっと極端ではあるが、まぁそのような考え方があっても不思議ではないかな。熟年離婚ってこんな感じなのか?

    このようなことにならぬよう、仲良く生きて行きたいとこ

    0
    2017年11月24日
  • きみ去りしのち

    Posted by ブクログ

    泣かされますね。
    表面張力で一杯のバケツに、あと一滴のしずくが落ちたら
    いっぺんにあふれ出てしまうような気分です。

    人間は、いつか別れなければなりません。
    その悲しみを受け入れなければならないのですが
    いつになったら、受け入れられるのか。
    還暦になるを、ふと別れを考えるようになりました

    0
    2017年11月24日
  • なきむし姫

    Posted by ブクログ

    いつものほのぼのした内容で、ほろっと場面がありでした。
    幼稚園からの幼馴染の3人が大人になり、小学一年生になる子供がおり、夫の単身赴任のより、泣き虫な奥さんが子供二人と大人になってゆく。ガキ大将の健君に助けてもらいながら・

    0
    2017年11月24日
  • あすなろ三三七拍子(下)

    Posted by ブクログ

    重松清氏では、胸が熱くなる作品が多い。
    この作品もまた胸が熱くなり、目頭が熱くななる。
    それと、今作品では、ユーモラスにも書きあがっている。
    さて、作品は
    中年男が、社長の出身大学の応援団を存続させるために
    リストラ存続の餌をぶら下げて、その課長を社会人入学させるところから始まる。
    応援団OB、チア、吹奏楽団と、ライバル大学応援団
    そして、顧問の准教授で繰り広げらえる「にあ」と笑えて、「くく」とほろりくる。面白く読むことができた。

    最後の1ページに
    「いつだって、誰かに応援されているんだ、誰かを応援しているんだ・・・、応援して、応援されて・・・、そうやって、みんなは生きているんだと、俺は思う

    0
    2017年11月24日
  • 希望ヶ丘の人びと(下)

    Posted by ブクログ

    久しぶりの長編!
    いいね。やっぱり重松清氏は!!
    テーマは、「家族」「青春」と同じなのだが、
    読み応えのある一冊(上下巻)だった。
    特に、下巻は一気に読んでしまった。
    近くに、中学の同窓会があるのだが、話中の同級生の話を読むと、これは行かなくちゃと思えてします。(笑)

    美嘉ちゃんも優しい、強くて優しいお姉さんだし、瑞雲先生は頑固だし、エーちゃんは破天荒だし、チクリ宮崎はどこまでもチクリ出し・・・

    みんな、どこかにいそうな人びとだった。

    0
    2017年11月24日
  • ブランケット・キャッツ

    Posted by ブクログ

    NHKドラマで。
    原作があったのね。読んでません。
    DVD出たらみることはお勧めします。
    シーズン2とか出ないかしら、、、。

    0
    2017年09月08日
  • 峠うどん物語 上

    購入済み

    泣けます

    人前では読まないように!

    0
    2017年08月31日
  • みんなのうた

    Posted by ブクログ

    三浪して東大受験に失敗した主人公レイ子さん。傷心帰省の途中にバツイチママと、再会。久しぶりの家族との日は煩わしいがそれぞれの立場で仕事があると気づいていく主人公。

    0
    2017年08月27日
  • 赤ヘル1975

    Posted by ブクログ

    広島カープを作中で扱う作家からは、必ずと言っていいほどカープ愛が溢れている。それは作中で永川勝浩の劇場っぷりに苦言を呈する東川篤哉然り、初優勝時の熱狂を少年たちの群像劇を通して描ききる、本作然り。カープには広島県民にとっての「物語」がある。本作はフィクションだが、多くの広島人にとっての自己投影になっているのだろう。私は宮城県民だが、ここまで熱狂的に愛されるチームのファンであることを誇りに思うし、この物語を通じて、また赤ヘルが好きになった。

    0
    2017年08月17日
  • カシオペアの丘で(上)

    購入済み

    苦しくて切なくて涙無しには…

    私、今年40歳になったんですけど…偶然この作品に出会いました。運命感じますよね。
    重松清さんの作品には、度々、私の人生の岐路でお世話になっていますが、今回も人生を考えさせられる作品となりそうです。
    アラフォー世代は職場の地位や責任、子育てや親との関係など、タダでさえ何かしらの悩みの種を抱えています。
    主人公は僕なんだろうけど、登場人物それぞれの人生が見え隠れする。イロイロと謎を抱えてストーリーが展開する所、実際に「最近知り合った人たち」の事みたいで目が離せなくなる。読み進めると、その人達と付き合いが深くなっていくかのように、少しずつ紐解かれていく。もう、自分が小説の中に居るのか現実なのか

    0
    2017年07月16日
  • また次の春へ

    Posted by ブクログ

    3.11後のやるせない思いが、読んでいて苦しかった。でも、前に進もうとする姿にあたたかい気持ちにもなれた。日本各地で今も地震が続き、当たり前が当たり前でなくなる日が私にも来るかもしれない。明日が来ること、春が来ることに感謝し、日々を大切に生きようと改めて気付かせてくれた本。

    0
    2017年07月03日
  • 峠うどん物語 下

    Posted by ブクログ

    淑子、中学三年生。
    お父さんに睨まれながらも、峠うどんの手伝いは続く。
    だんだんと歳を感じさせるようになるおじいちゃんとおばあちゃんの手伝いがしたいからであり、お父さんは、だからこそ店をたためばいいのに、と思う。

    上巻よりも、年輪を感じさせる話、身近な死の話も増えた。
    災害の記憶も、戦争の記憶も、体験した人が亡くなるとともに風化する。
    いろいろな物の終わりが多く語られる。
    榎本医院の院長先生と奥さんの話は、最高に良かった。
    みやま亭のアホボンの言い草には「食品業界終わった」と思った。(まあ、しかたないけど)
    源さんの憤る顔が目の前に見えるようだ。

    そして、淑子、初めて峠うどんの客になる。

    0
    2017年06月28日