重松清のレビュー一覧

  • カカシの夏休み

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    「カカシの夏休み」は過去に帰りたい気持ちと今を生きる気持ちを描いている。主人公の37歳という年齢は、ある程度場数を踏んできて、なお色んなことがありすぎる今を生きて葛藤している時だ。でも未来に予想はつかない。だから過去を、ずっとずっと遠い過去に思いを馳せる。終盤の「幸せってなんですか?」という問いの答えが、余韻を伴って、少しだけ分かる小説です。

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    2012年03月09日
  • 季節風 夏

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     1つの教訓として・・・今は役に立たなくてもいつかだれかの必要になる傘に私もなれたらいいな、と思います。どれも爽やかに涙することができる作品でした。★をここで1つたして 6 にしたいと思います。

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    2012年03月03日
  • カカシの夏休み

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    何と言えばいいのだろう。
    私の大好きな重松作品ナンバー2か3に入るかな。
    月並みですが良かった。考えさせられた。
    長めの短編が3作品。短編と思わずに読み始めたのでびっくりした。

    カカシとライオンでは生徒から見ても先生ってそう思うんだろうな…って。
    生徒だったのはかなり昔ですが。
    カカシはカシオペアの丘と設定が若干似ていたかな。カカシの方が好き。
    ライオン先生は「カツラーの秘密」をちょっと思い出してしまった。
    「先生」って大変だよね。でも「先生」が「好き」な人に先生になってほしいな。「仕事」としてではなく。

    衝撃は最後の「未来」

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    2012年02月04日
  • 季節風 夏

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    仕事柄、重松清氏の作品はよく読むのですが
    これは、とても心に染み入りましたね。。。
    インフルエンザで寝込んでいる最中に読んでいた
    こともあり、涙が止まらない・・・
    受験にはでないかなぁ・・・
    (; ̄ー ̄A アセアセ・・・

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    2012年01月01日
  • 舞姫通信

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    ネタバレ

    「自殺」をテーマに扱った教師視点で描かれた学園もの。

    過去に、学校で自殺をした「舞姫」がいた。彼女はいわば神格化されて、学校において語り継がれているが、その実体はなかった。

    また、一方で、一人の恋人と心中し損ねた男の子が自分の信条をメディア等で述べるようになり、「舞姫」に実体が宿ったようなせっとっくりょくが出てきた。


    読んだ後に、「死ぬ」という目的のために、いつ訪れるかわからない「死ぬ」という時のために、今・この瞬間を歩み続けているのかな。と自分なりの解釈をだしてみた。

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    2011年11月30日
  • カカシの夏休み

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    表題作『カカシの夏休み』、『ライオン先生』、『未来』の中篇3作。前の2作の主人公は、私とほぼ同世代の中年の教師。過去から引き摺ってきた心の棘と現実に直面している活路の見出せない現在~未来が交錯する世界をどの作品も描いています。そして、最後はいつもの重松作品の通りに希望に満ち溢れたエンディング。正しい答えを出すことに行き詰ったお父さん世代に読んで欲しいですね。

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    2011年11月17日
  • 哀愁的東京

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    ひとりの人間が様々な人と接している。
    ページをめくるように、時間は過ぎゆく。

    亡くしたものは、もう戻らない。
    亡くしたもので、見つけたものがある。
    見つけたことで、いつかは亡くしてしまう。

    したいけど出来ないもの。
    やりたくなくても出来るもの。
    人よりは自分はきっと幸せなのだ。
    幸せだからこそ、
    切なくてしょうがないのかも知れない。

    仕事が遅くなったけど、家に帰るわけでもない。
    ほんの少しだけにぎやかなバーで読むのにいかが。

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    2011年10月24日
  • おじいちゃんの大切な一日

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    機械を作る機械「マザーマシン」の職人のおじいちゃんのお話。

    この絵本は、東日本大震災後出版されることになった。

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    2011年10月20日
  • うちのパパが言うことには

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    重松清さんのものの捉え方・考え方、やっぱり好きです。張りつめたかんじではなく、張りつめていたいけどゆるんでしまい、もう一度張りつめようとするけど、うまくいかないかんじ。だけど、張りつめることを諦めたり、やめてしまったりすることはしない。その理由は、「それは悔しいし、さびしい」から。
    そして、「今は最高じゃなくても、それほどわるくない」ことに気付いているから。
    自分と自分の周りを眺める目が、何を見ているのかがよく伝わります。
    なんとなく「頑張ろう」と確かに思える一冊でした。

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    2011年09月28日
  • 季節風 秋

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    季節風シリーズ最終巻です。
    実は前巻「夏」は少し期待外れだったのですが、これは良かったです。
    重松さんにとっても思いの深いシリーズの様で、後書きに「おまえはどんなものを書いているんだ?」と聞かれたら「これを読んでくれればわかります」とこのシリーズを差し出すだろうと書いています。
    確かに、いかにも重松さんらしい作品です。
    しかし、どこからこれだけの数のストーリーを思い付くのでしょう。文学性の評価はともかく、これほどの多作でありながら、エンターテインメントの視点で、ほとんど常に高品質の作品を出しつづける重松さんは凄いと思います。

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    2016年07月30日
  • 疾走(下)

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    この巻でシュウジのものがたりは『完結』するんですけれど、これを読んで僕はもう6年近くが経つわけですが、いまだに彼のたどった『生』を強く考えている自分がいて、少なからず驚きを感じております。





    この本の最初で、アカネによって女を知ったシュウジは自分が生まれ育った街を出て、大阪でアカネの夫であるヤクザの新田に陵辱を受け、アカネが新田を殺して、シュウジは東京に出ます。

    そして彼がもぐりこんだのが、(具体的な地名は書いていないがおそらく多摩ニュータウン)の新聞販売店でした。

    僕はかつて、新聞の世界、及びあの界隈で仕事をしていたことがあるだけに、所長の人物像や同居人の「トクさん」のことや、シ

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    2024年12月07日
  • 疾走(上)

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    15歳の少年かがどった過酷な人生です。初めてこの本を読んだときには、あまりのショックで2,3日ほど何も出来なくなりました。





    僕の中で、今の今まで消化できていない物語があって、本当はこうして書くだけでも気が重いのだけれども、がんばってキーを叩きます。それがこの重松清の「疾走」です。僕はこの物語を最初に読んだのは、就職が決まって荷物を新しい住所に送って何もなくなった部屋の中でした。

    読み終えた直後、そのあまりのショックでしばらくの間、何もすることが出来ませんでした。主人公のシュウジが
    「ねぇ、どうしてにんげんは死ぬの?」
    という問いがすごく印象的で、

    主人公のシュウジに対して「おまえ

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    2024年12月07日
  • きみの友だち

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    大好きな小説。重松さんの作品ではもっとも好きな作品。きみの考え方、世界の見え方をもっとよく知りたくて、そして妙に魅力的で、惹かれていきます。恋する気分で読んじゃいました。

    面白かったんだけど、なかなか感想が難しい。
    かっこいい子もわるい子も、それぞれが主人公になって…。
    うーん、そうじゃねぇなぁ。
    恵美ちゃんという子が第一章の主人公なんですが、
    その彼女とかかわりのある子たちがそのあとの物語を紡いでいきます。
    連作長編というスタイル。
    恵美ちゃんは足が不自由で、それのきっかけになった交通事故がもとで
    それまでの友だちづきあいができなくなるんです。
    そこで、友だちというものに対する感覚が一段深

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    2025年06月12日
  • おじいちゃんの大切な一日

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    働く祖父の姿、親父の姿を見るチャンスって少なくなったなぁと感じる。世の中が変わり、機械化、オートメーション化されて、匠の大きな背中に命を感じ,魂を感じ、尊敬を抱く時が…。
     物の大切さ、物作りの大変さとやりがいと誇り、それはまた「明日」に受け継がれるべきものであり、未来への「希望」であるのだと、おじいちゃんの大切な一日を通して語ってくれる。

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    2011年07月01日
  • 舞姫通信

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    そう、なんだよね。
    だけど やっぱりわたしは 城くんは好きになれない。
    でも 人はいつでも 死ねる。

    じゃあさ どうして自殺がダメなんだって 尋ねても 誰も答えられないんだよね。だけど ダメって言うのは 結局「自分」が嫌だからなんだ
    周りで自殺されると迷惑だし 悲しいってのもあるし なんか 報われないから、だから 「ダメ」なんだろうね
    迷惑なんだよね、自殺って。いいんじゃないの
    そういう利己的な理由で留めて何がいけないの
    それが 人間じゃないのかね

    でも どうしても死にたいって思って死んでいく人がいてもいいと思う

    「生きたくても生きれない人がいる」って言うけど
    きっと自殺していく人らも 

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    2011年06月30日
  • おじいちゃんの大切な一日

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    奇跡の重松さんとはまのゆかさんのコラボ作品!

    はかのゆかさんの絵によって
    いつも文字だけ読んでいる重松さんの文章に
    温もりをかんじるような

    そんな気がした。

    すばらしい!!

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    2011年06月05日
  • 口笛吹いて

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    解説で嘉門達夫さんが言っていた通り、重松清は弱者を描くのが上手いですね。
    五話収録の短編集ですがどれも世間的に言われる「負け組」「しがない中年」がメインテーマです。が、主人公ではありません。
    しがない中年の負け組みおっさんたちは淡々と日々を過ごし、それを眺める周りが主人公です。
    多分誰もが一度は思うであろう、「このおっさん、定年間近なのに役職なしで生きてて楽しいのかな」とか「この人まじで存在感無い。家族とか大丈夫かな」とか、そんな視点で話は進みます。
    代表作、「口笛吹いて」では少年時代のヒーローが暗く卑屈な営業マンに成り下がった様を発見した幼馴染が、「タンタン」は生徒にまで無視される高校教師、

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    2011年05月16日
  • 哀愁的東京

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    タイトル通り哀愁感を存分に感じられた。
    本を読みながら自分を通り過ぎて行った人々のことを考えてしまうような、メランコリーな気持ちになれる本でした。こういうテーマの小説が好きな人って、懐古主義なのかも。

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    2011年02月13日
  • 季節風 春

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    いや、困った本です。
    私の読書時間はほとんどは通勤電車の中なのですが、この本を読んでいて涙腺に猛烈な刺激を受けまして。。。。
    来たのは真ん中頃の短編「せいくらべ」。
    弟想いの主人公(小学5年生の女子)が健気なんだ。それを見守る隣家の若奥さんも暖かいし。
    ベタだとか青臭いとかの批判もありそうですが、やっぱり良いです。
    重松さんの真骨頂という気がします。

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    2016年07月31日
  • 哀愁的東京

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    『哀愁的東京』

    このタイトルが好き。なんか胸に響くんだな。
    重松さんの本はよく読むけど、人の心の微妙なまでの変化を鮮明に捉え、それを言葉にして描くことが非常に上手な人だなと思います。
    東京という街が織りなすドラマ。哀しみで終わる「今日」であっても、必ず始まる「明日」へ。弱々しくもその一歩一歩先に希望の光を灯してくれる作品です。
    面白かった!

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    2013年02月13日