福井晴敏のレビュー一覧

  • 人類資金VII

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    いきなり文庫で発売され、すぐに映画も公開されるという今までにない手法で世に出てきた作品の最終巻をようやく読み終えました。

    6巻からずいぶんと間が開いたので、忘れてしまってるかなぁと思いましたが、冒頭に振り返りがありましたので、すぐにキャッチアップ。
    一気に引き込まれてしまった。

    詐欺師の真船雄一の頭の回転の速さは見ものです。敵を出し抜くシーンは爽快。
    でも、これでなんとかなると思っても、期待通り?裏切られる。
    そんなこんなで700ページ弱もある分厚い本ですが苦にならずに読めます。

    企業はリターンを得るために、短期的なものにしか投資しない。超長期な投資は確実性が低いのでやらない。
    サラリー

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    2016年02月06日
  • 人類資金VII

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     人類資金最終話。アメリカ上陸と、セキ・ユーキットによる国連演説。そして、M資金の行方。長い物語の完結とあって、非常に重く長い刊となった。
     言葉の力、意志の力で世界のルールを変える。財団と市ヶ谷、ハロルド・マーカス、三つ巴の戦いは国連演説によって解放を迎えた。経済の仕組み、財を持つものがさらに富むというピケティ理論のような展開から解放されるには、ベンチャーでもクラウドでもなく、真船とMの友情と大きな善意による可能性に人はお金を惜しみなく使うという世界の動きが必要だった。世界が変わるきっかけをライブで見ているような感覚、まるでマララさんのスピーチのように。

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    2015年10月25日
  • 人類資金VII

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    恐らくは私と作者の福井さんとでは主義主張の違いはあるが、彼の言う「歴史が善意によって始まった」という言葉は信じていきたい。同様の言葉がガンダムUNICORNの逃亡するミネバと喫茶店のマスターの会話でも語られているが、そこがガンダムUNICORNで一番好きなシーンだ。

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    2015年09月03日
  • 人類資金VII

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    この最終巻がでるまで、長かった。2014年の初夏刊行予定のはずが。。。
    その分、話も長くなっているようですね。
    最後に持って行くまでになかなか苦心した様に思える。ディテールにこだわった感じがする。

    仕手戦を仕掛ける場所と移動手段については、なるほど福井さんらしいと思ってしまった。

    この巻で「M」は暢人から真船に替わり、仕手戦を仕掛ける真船も「神」になった(神が降りてきて憑いた)。
    ”「神」は至る所にいて、人ごとに違う”というところは、いかにも日本的。
    「人類資金」という「神」が世界に浸透するには、やはり長い時間が必要だ。

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    2015年08月29日
  • 人類資金VII

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    693ページに及ぶ最終第7巻。だけれどもすんなりと読み終えた。地下鉄でのバトルをはじめ、アクションシーンもあり、いいんじゃないでしょうか。まだ映画版を見てないので、改めて見てみようかな?

    そして、何故かこの小説を読み始めると、ガンダムUCのサントラを聞きたくなる自分がいることに気づいたf^_^;)

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    2015年08月29日
  • 人類資金V

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    ネタバレ

    福井晴敏によるM資金にまつわる長編第5弾。
    「M」が正体を明かしたことにより、ついにその計画も明るみに出、暢人もローゼンバーグの囚われとなってしまう。その時、石は、真舟は、なすすべもなく見送るしかなかった。
    一方、清算人として生きてきた遠藤はある特質により優れた清算人となった。彼の父ハリー遠藤、暢人の祖父、ハロルドの祖父との関係も遠藤の回想の中で語られ、複雑な人間関係もようやく形が見えてくる。
    いよいよ先が気になるが、ストーリーがどこに落ち着くのか、福井晴敏だけにありきたりな終わり方はしないだろうと期待したい。後2巻、じっくり楽しみたい。

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    2015年08月22日
  • 人類資金IV

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    ネタバレ

    福井晴敏によるM資金にまつわる長編第4弾。
    いよいよロシアでの仕事が佳境に入ろうとしたところで、昔詐欺をはたらいた時から追われている相手、ヤクザの酒田と列車内で出くわした真舟。酒田は高遠美由紀から送り込まれ、M資金の奪取を防ぐための駒だった。真舟の素性も割れ、いよいよ仕事が破綻するかに見えた時に現れたのは「M」だった。
    本巻でいよいよ「M」の素性が明かされる。「M」と石の関係、「M」がなぜM資金の奪取を計画しているのか、高遠との関係などが次々に明らかになっていく。
    知るということの大切さとその威力をまざまざと見せつけ、今の世の中の可能性の大きさを感じさせる。その一方、敵対勢力の大きさも描かれ、

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    2015年08月22日
  • 人類資金III

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    ネタバレ

    福井晴敏による大作長編第三弾。
    いよいよ真舟、石、Mが組んでロシアでの仕事に取り掛かる。ファンドマネージャー・鵠沼を足がかりに、財団から巨額の金を盗もうというもので、詐欺師の真舟にとってみれば自分の生業を生かせる仕事に違いない。その口のうまさはさすがに詐欺師を彷彿とさせるもので、このあたりの描写はうまいなあと感心する。
    一方で、ロシア・サンクトペテルブルクやモスクワの描写も、実際にその場で見ているかのように緻密で、情景が目に浮かぶ。
    いまだに明かされないMの素性とその目的、彼らを追う高遠やブルームバーグのマーカスなどの登場人物のおかげで物語が加速していく。

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    2015年08月22日
  • 人類資金II

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    ネタバレ

    福井晴敏によるM資金にまつわる長編第二弾。
    詐欺師の真舟、謎の青年・石と彼が崇拝する「M」、Mの企みを阻止しようと動く自衛官・高遠美由紀ら主要な登場人物が揃い、いよいよ物語が動き出す。
    ようやく福井晴敏らしい緊迫した物語が語られ始め、登場人物が生き生きと描かれていく。本作では特に中盤の逃走劇が手に汗握る展開で目を離せない。お互いが先の先を読み、追いつ追われつになる展開は、面白さと同時に組織の恐ろしさも訴えかけてくる。一方で、逃げる真舟と石が選んだ場所が東京の知られざる場所で興味深い。それが物語の中でうまく生かされているあたりはさすがといえる。
    物語の全貌はまだまだ見えない序盤ではあるが、すでに

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    2015年08月22日
  • 人類資金I

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    ネタバレ

    福井晴敏によるM資金をテーマにした長編の導入部。
    終戦の日、日本軍の軍人がのちにM資金と呼ばれるようになる金塊を持ち出し、一部を水中に沈めるシーンから物語は始まる。その後、度々話題に上りながらもやがては詐欺のネタとして扱われるようになり、実在しないものという認識が定着していく。
    終戦から現代に至るまで、M資金にまつわると思われる事柄や時代を象徴するような出来事をその当時の新聞記事やテレビ・ラジオの原稿をコラージュすることで描く序章中盤は秀逸。こうした事実の下敷きの上に本作がフィクションとして成り立っていることで、より物語に説得性を与えている。
    本書はまだまだ導入部であり、登場する人物もまだ人と

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    2015年08月22日
  • Twelve Y.O.

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    さらっと読んでしまうと面白くない、わけがわからない。じっくり読むと、面白いな~。あまり評価されないのがもったいない。

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    2015年08月16日
  • 人類資金VII

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     暴力団の力を借り、世界の株式市場を相手に壮絶な仕手戦を繰り広げ、ついに「M資金」の未来を背負い、大きな舞台へと上がる。世界は変えられるのか!

     全7巻の集大成となる本巻、700ページ近い大作でしたが、壮大なテーマにふさわしい読み応えのある1冊でした。

     経済用語の飛び交う前半は、金融関係に弱い自分にとって結構難しかったですが、それでも劇的な展開に緊張感と達成感が強く伝わってきました。

     後半の国連の舞台での戦いは、まさに手に汗握る展開を乗り越えて、世界に呼びかける言葉がとても印象に残りました。

     戦後70年を迎えた今日、一人一人の思いで世界は少しずつ変わっていけるのではと少し信じたく

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    2015年08月15日
  • 終戦のローレライ(1)

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    終戦間際、敗戦となることがほぼ決した中、秘密裏にある作戦を遂行すべく出撃した潜水艦。その目的であるローレライとは何か。
    日本人の血を鼓舞するエンターテイメント超大作。手に汗握る戦艦戦。艦長がカッコ良すぎ。

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    2015年06月29日
  • 川の深さは

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    登場人物がみんな魅力的で、スリリングなストーリー展開がまるで映画を見ているように、テンポ良く進んでいく。臨場感あふれる小説。

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    2015年05月13日
  • 機動戦士ガンダムUC バンデシネ(6)

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    え、もうこの巻終わり!? というテンポの良さ、と、まあ何かが起きそうと引っ張ってから止められた感。その分キャラが掘り下げられていて、マリーダの回想やダグザの徹底した態度が印象的。

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    2015年04月29日
  • 亡国のイージス(下)

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    ネタバレ

    「よく見ろ、日本人。これが戦争だ」


    福井晴敏著「亡国のイージス」。上巻から時間が空いてしまったのでテンションが下がりまくりだが意を決して下巻も読む。

    日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞受賞のこの作品は「祖国とは何だ。そこに生きる人々は何だ。そしてお前は何をするのだ。」とストレートに訴えかけてくる。
    しかし暑っ苦しいだけじゃなく、時に淡々と書かれる文章に余計に凄みが感じられる。だからこそ、作品半ばで登場人物が言うセリフ、「よく見ろ、日本人。これが戦争だ」が迫力を持つ。

    戦争を放棄した日本は軍隊の保持を否定。しかし国を守る為の「自衛隊」の保持する。しかしその力は戦力

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    2015年04月22日
  • 終戦のローレライ(4)

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    ネタバレ

    ローレライはあなたが望む終戦の為には歌わない


    昭和20年。敗戦色の濃くなる日本に、崩壊したドイツから戦利戦艦・イ507がもたらされた。このイ507には世界の戦争を覆す秘密兵器があり、世界がこの戦艦を狙っていた。
    巨大な力を持つイ507をめぐる争いは、それぞれの国家の「あるべき形の終戦」を目指す戦いとなる。手に入れた日本軍は- というお話。


    か、かっこいい・・・


    福井作品は「亡国のイージス」に続いて第二弾。もともと映画化の話が先にあり、その為に書かれた原作。それゆえにちょっとSFチック。

    SFというか、なんていうか。潜水艦に女の子は、ないよね・・・。至るところに映画化に向けたご

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    2015年04月22日
  • 小説・震災後

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    ネタバレ

    エンタテイメントではない。
    血沸き肉躍るような興奮も無ければ、スカッとする結末が待つわけでもない。

    “家族小説”と銘打たれてはいるが、これはむしろ……福井晴敏の思想表明本、とでも位置付けるのが正しいだろうな。

    彼の、いくつかの代表作すべてに共通する筆者からのメッセージが、本書はより強く感じられるから……。

    決して楽しく読めたわけではないし、筆者の主張に全面賛成なわけでもないけれど、読んで損はない一冊かと。

    ★4つ、7ポイント半。
    2015.04.08.古。

    “渥美”は、明らかに記憶にある“あの人物”だとして……、主人公の父も、設定的には(現役を退いて10年?)、例の代表作に登場してい

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    2015年05月22日
  • 平成関東大震災 いつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった

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    震災などにあっていない者にとってはこういうような本で予習をし、準備をしていつ来てもいいようにしておくのがよいと思います。

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    2015年04月07日
  • 人類資金VI

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    「M資金」の詐欺をしていた男が、本物のM資金を運用するという人に合い、M資金の謎に近づいていく話。

    6巻で終わりかと思っていたが、まだ続いていて次の巻はまだ出ていないとは!最終巻のつもりで読んでいたのでビックリ。

    資本主義へのアンチテーゼ。

    世界がこれほどの富を蓄えた時代はなく、貧困を無くすには、必要な資金、技術はとっくに出揃っている。
    それなのに、一部の富裕層が富を得ていつになっても貧困が無くならないこととの戦い。

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    2015年02月06日