福井晴敏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上巻の途中から一気に進んだ物語は、
下巻もすごい勢いで進みます。
ただ展開の速さで暗いという印象はないのだけど、
なかなか重く、リアルを想像するとかなり凄惨です。
登場人物それぞれのキャラクターがしっかりしてて、
それが魅力的ではあるのですが、
少し格好良すぎな感じがしないこともないかな・・・。
最後の最後まで目が話せない展開が続き、
上下巻通して本当に読み応えがあります。
最後はまぁこうしないと仕方ないかって
終り方でしたが、まぁ悪くはないでしょう。
悪くはないでしょうと言いながら、
最後のページはむしろ好きだったりしてね(笑)
がっつり読みたい人向けです。
挫折する人もいるかもなー -
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Posted by ブクログ
戦争中に使われていた戦闘のための船や飛行機、武器に詳しいわけではない。
けれど、まったく知識のない者にとってもとても読みやすい物語になっていた。
潜水艦という特殊な船艇における戦術、息が詰まるような臨場感。
そして、救助中の敵は攻撃しないという人間性。
すでに生きて戻ることは叶わない有沢との最後の交信は胸に迫る。
必ず気付いてくれると信じ、最後の力を振り絞って敵の情報を残そうとした有沢。
限界の中でもけっして諦めることなく、友の最後の言葉を信じ作戦を練る倉本。
戦争が悪いことだというのはみんな知っている。
武力に頼った解決など、何の意味もないこともわかっている。
たとえそこに信じるべき正義があ -
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7作中6作目。前半は5作目に引き続き、戦中から「M資金」に翻弄されてきた、笹倉家の悲しい歴史が回想で描かれる。実際に起きたロッキード事件なども絡ませながら、どこまでがフィクションなのか、分からなくなり、ロッキード事件を調べながら、読み進めると、余計に緊迫感が増した。後半は、帰国した真舟が「市ヶ谷」の美由紀に捕まり、連行されるところに、まさかの奪還作戦が行われる。そこで、再び、真舟と石と美由紀までもが結託し、最後の大仕掛けと、暢人の奪還に乗り出すまで。ここまで6冊は、大体200ページぐらいだったのだけど、ラストの7作目は何と600ページ超え!どんな結末が待っているのだろう…
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面白かった
バトルエンターテイメントストーリー
福井ワールド全開の物語
いつものとおりダイスが出てきます。
いよいよ下巻です。
下巻では臨海副都心が戦場になります。
すごい描写です。
そしてそこでやろうとしていることがすごい!副都心を丸ごと消滅させるオペレーションです。
それを阻止すべく、丹原、その上司の羽住、並河、が活躍します。
戦闘シーン満載で武器の名前や性能はさっぱり理解できませんが、その世界観、迫力、臨場感は十分伝わってきました。
そして、終焉に向けて話が進みます。
いわゆる勧善懲悪であれば、悪者はみな死んでいってハッピーエンドですが、そこには単純に白黒つけらえる世界ではなく、テロ -
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面白かった
バトルエンターテイメントストーリー
福井ワールド全開の物語
いつものとおりダイスが出てきます。
そして中巻です。
中巻ではさらにお台場のテロと戦闘が広がります。
さらに、丹原とローズダストの過去の事件の真相が明らかになります。
そこではローズダストのメンバと丹原、さらにはリーダ一功と丹原の悲しい因縁が明らかになります。
結局はその当時の国際情勢の犠牲になってしまう主人公たち。
結果、その過去の事件で傷ついた人たちが今度はテロ側と阻止側で分かれて戦うという悲しいストーリ展開です。
そういった戦いの中でも一功と丹原の会話がなされ、その人物描写に厚みを与えます。
下巻でどういった終わり -
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面白かった
バトルエンターテイメントストーリー
福井ワールド全開の物語
いつものとおりダイスが出てきます。
全3巻の上巻です。
まず、全三巻は長い!ただでさえ福井ワールドは文章が硬くて読みにくいのに、これはつらい。
なかなか読み進むことができません。
上巻では物語の基点として、アクトグループが標的とされる爆弾テロ勃発。そのテロの調査にあたるのが人生をあきらめているような公安の中年警部補並河と過去を持つ青年丹原。
そしてテログループ(ローズダスト)は丹原の過去仲間。
テロの目的は何なのか?
何が彼らを分けてしまったのか?
過去の事件は何なのか?
など気になりながらも話が展開していきます。
この -
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Posted by ブクログ
『一つのルールで括れるほどこの世界は小さくない』
資本という強大かつ実体のないステージを担保する”ルール”の虚像を相手取った長編小説の最終巻。とめどなく溢れてくる言葉を制御し切れない殴り書きのような記述は、文章を以て該題材を描写するこれ以上ない働きを為しており、映画ではなく本を選択する充分なインセンティブとなり得ると感じたが、他方で、”彼”の現実的な怖さをここまで世俗的に表現する必要はあったのかという観点では、多少思うところはある。映画というフィールドの異なる媒体と帳尻を併せる必要性との板挟みは慮るが、一つの活字作品としての完成体を読んでみたい気もする読後感である。