池波正太郎のレビュー一覧
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日本史で一番好きな時代が安土桃山時代。
なかでも豊臣秀吉は小学生のとき、自分で伝記を買いに行った程魅了されていました。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康。
激動の戦国時代から太平の世へ。
魅力的な3人の人物に焦点をあて、この時代を追っていく本です。
歴史物、と構えなくても楽に読める感じです。
星が3つなのは、面白い教科書を読んでいる気分になったから。
人間的な魅力というよりも、この時代の流れが分かりやすくまとまった本といった印象。
興味を持ち始めに読むのはすごくよさそう。
でも、この時代が好きで、ある程度詳しい方には物足りないかもしれません。
私はまだまだ初心者なので、総復習的な感じで読めま -
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ネタバレ第5巻。
「女賊」
40を超えてなお強烈な艶やかさと、若さをそなえる、冷酷な女賊、千代。幼いころから、その美貌で男を意のままに操り、富を思うがままにした。「だがな、おまさ。女という生きものは、こころがけしだい、いつでも千代のようなばけものになれるのもなのだよ」と平蔵は言う。
「凶賊」
足を洗った老盗賊が営む居酒屋に平蔵がふと立ち寄り、そこにいた夜鷹相手に、酒を飲んでいた。年増の夜鷹を、一人の女として、いや人間として向き合う平蔵の姿に心を打たれた老盗賊が、平蔵の危機を救う。
「鈍牛」
白痴の亀吉が火付けを犯して捕まった。木造住居が立ち並び、消火技術も大したことのない当時において、放火 -
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ネタバレこの巻では、様々な理由で犯罪に手を染めてしまう侍を見つめる平蔵のまなざしが印象的だった。
『あばたの新助』
平蔵の部下の一人が、女盗の色仕掛けに抗えず、盗賊の手助けをしてしまう。部下は、責任を取って女盗を捕え、自害しようとするが、盗賊達に殺されてしまう。火盗改メの一員が盗賊に手を貸すというのは前代未聞の御法度だが、平蔵は残されたも者達に配慮し、その部下を名誉の殉職として周りに伝える。
『夜鷹殺し』
実直でまじめな侍が、悲しみと絶望と憎悪によって異常殺人鬼に変貌してしまう。その姿をみた平蔵は、「人のこころの底には、なにが、ひそんでいるか、知れたものではない」と言い、「ひょんなことで、この -
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17歳の僧が、女に裏切られ寺を出奔する。
その後、金で殺しを請け負う暗殺者となり、
江戸の世界を暗躍する。
ただあらすじのみ読むと、とんでもない小説に思えるが、
池波正太郎は、主人公の殺し屋山崎小五郎の複雑な人間性を
そこに描き込んだ。
平気で残酷な所業をしてのける一方、
自分を親身になって世話をしてくれた故郷の寺の和尚と、
刀の使い方を教えてくれた浪人に対しては、
実の父親に対するような思いを持っている。
一見冷酷な殺人マシンのような小五郎が、
偶然再会した和尚の前で任務を全うできず、
浪人との別れの場面では、仕事に行く父親を見送る
実の子供のような気持ちで浪人を見つめている。
人は -
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全2巻。
日本の侠客の元祖、
幡随院長兵衛の話。
旗本奴、水野十郎左衛門vs
町方奴、幡随院長兵衛
で有名な、町方奴の親分。
「お若いの、お待ちなせえ」
で有名な歌舞伎の主人公らしく、
上の世代からしたら結構メジャーな人っぽい。
一般的なイメージの、
悪な水野十郎左衛門vs正義な幡随院長兵衛
って図式じゃなく、
実は二人は若い頃から認めあった仲って設定。
幡随院長兵衛の前半生がメインで、
ここに上記の設定を絡めて、
ワクワクな物語を作ってる感じ。
最終的に対立になって、
悲しい最後に向うんだけど、
対立してからの話がボリューム的に少ないため、
若干付け足しな印象。
構成的にはまとまって