佐藤雫のレビュー一覧

  • 汽笛、聞こえる

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    守孤扶独幼稚児保護会、保育所の源流の赤澤ナカの物語。朝の連続ドラマ小説になりそうなほど魅力ある物語でした。とてもいい。

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    2026年10月11日
  • 花散るまえに

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    細川忠興と玉夫妻の話。玉の父、明智光秀が謀反をしたおかげで、山あり谷ありという受難の生涯になってしまった。気の毒すぎる。

    ところで文献も少なく、明智光秀はほぼ情報のない人間なのに、完全無欠の人格者に描かれるのはなぜだろう。正室凞子だけを愛したという説も根拠は特にないらしいのに。

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    2026年10月07日
  • さざなみの彼方

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    佐藤雫さんのデビュー作『言の葉は、残りて』に感銘を受け、本作を手に取りました。

    舞台は戦国、茶々(淀殿)と大野治長の生涯を描いた物語です。 これまで茶々に対しては「気が強く、野心家、悪女」というステレオタイプな、あまり良くないイメージを抱いていました。しかし、本作を読んでその印象が一変。歴史は勝者の視点で語られることが多いため、彼女の否定的な側面ばかりが強調されてきたのかもしれません。

    運命に翻弄されながらも、最後まで互いを想い合い、支え合おうとする二人の姿はあまりに切なく、胸を打ちます。

    本作で茶々は最後、「豊臣家を必死に守ろうとした一人の人間」としても描かれています。親の命を奪われ、側室とさせられ、憎しみはあったと思うのですが。
    豊臣家、というよりは秀頼を、という方が適切かもしれません。となると、彼が大野治長との子であったという説(本作での解釈もまた)を前提にするなら、茶々が守りたかったのは「秀吉の血筋」ではなく、「自分と愛する男の間に生まれた命」ということになります。どうなのだろう?

    また、本作でもう一人印象的だったのが真田信繁(幸村)です。これまでいくつかの作品で彼の生き様に触れてきましたが、本書での描かれ方も一本筋が通っており、その格好良さが際立っていました。

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    2026年05月04日
  • 行成想歌

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    行成の実直さ故の不器用さがとても丁寧にかかれている作品だと思いました。どうにかしたくても自分の力や置かれた状況ではどうにもできないこともあって、そんななかで全力を尽くそうとする行形の姿に対してなんとも言えない思いを抱きながら読みました。綺麗だけど納得感のある結末なのがとても良かったです。

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    2026年04月12日
  • わたしの名店

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    これはいいものを読ませていただきました!
    読んでいて幸せになれる本。

    やっぱりおいしい食べ物にまつわるエッセイが大好き。
    28人の著名人が実在する名店の思い入れのあるメニューを紹介してくれていて、すべての作品からその食べ物への愛が感じられて最高でした。

    初めて読む作家さんも何名かいらっしゃって、この方の文章好きだな、他の作品も読みたいなと思える作家さんに出会えるのがアンソロジーの好きなところです。

    同じくポプラ文庫さんから出版されている
    『3時のおやつ』も読みたくなりました!

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    2025年11月23日
  • 言の葉は、残りて

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    史実を元に、こんなにきれいにまとめ上げてることに感動!最後ホロリときてしまった…
    登場人物が多い物語は本来苦手なのですが、このお話はそれぞれのキャラクターや心情が丁寧に描かれてるので、どの人物も人物像を描けて物語にぐいぐい引き込まれていきました。
    佐藤雫さんの他の本も読みたいと思います!

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    2025年06月30日
  • 言の葉は、残りて

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     鎌倉三代将軍・源実朝の理想と現実を、哀しくも美しく描いた歴史ロマンです。歴史小説というよりは、一人の青年の生き様を丁寧に綴った内容で、歴史小説が苦手な方にもおすすめです。

     和歌を愛し、武力ではなく「言の葉」の力で世を治めようと願う青年将軍・実朝と、彼を支える御台・信子の運命が煌めくような筆致です。著者は本作でデビューし、小説すばる新人賞受賞! ひょっとして実朝に恋してる? と思うほど、魅力的な人物造形と描写に感心しました。

     平安初期の「古今和歌集」序文(紀貫之) 〈やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞ なれりける〉が、実朝の理想とするところでした。
     千年も昔から、「伝えたいこと(事=言)は、心を種として、伝える相手の心に蒔かれ、やがて成長し、その葉が生い茂る」と…。和歌の中に、現代に通じる「言葉の力」の原点を見る思いがしました。

     そんな、今の時代を先取りするような感性をもつ実朝の理想は、陰謀蠢く不穏な鎌倉という時代が許さず、実朝の望まなかった熾烈な権力争いに巻き込まれていき…。
     それでも、抗うことのできない現実から逃げず、自身の運命に毅然と対峙する実朝の姿に、涙を禁じえません。単なる〈ひ弱な悲劇の将軍〉ではなく、〈美しい「言の葉」を愛した青年〉なのでした。

     享年28歳の青年将軍。その理想は、800年後の今、叶えられているのでしょうか? 読後、勝手な自己陶酔への没入感覚に陥る(危険な)一冊でした。
       空蝉の世にも似たるか花桜
         咲くと見しまにかつ散りにけり
           (古今和歌集 読み人知らず)

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    2025年04月04日
  • わたしの名店

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    どなたの書いたお店も料理も飲み物もエピソードもとても良かった。
    目の前にお店があって実際に飲んで食べているようでした。
    それにまつわるエピソードもとても良かったなぁ。
    実際にあるお店ばかりなのでいつか行ってみたいな。
    皆さん作家なのでとてもいい文章なのですが、朝井リョウさんのエッセイ力はさすがでした。

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    2025年03月24日
  • 行成想歌

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    悲しい話の中に人を想う大切さや健気さ、全ての、道長ですら帝を帝としての立場を持って欲しいとの願い、行成は人として定子との愛を全うして欲しい、そして行成の妻は行成を寂しく思いながら支えている。全ての人にスポットを置いているので上辺だけで時代が通り過ぎているが1人にスポットを置くのとまんべんなく進むのとどちらがいいのか。
    ほっこりというよりしっとりとした平安時代を堪能させてもらった。

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    2025年03月23日
  • 行成想歌

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    ただ一人だけを生涯愛し続けたかった高貴な人はどう生きる?物悲しい物語り。平安時代の話そして清少納言まで登場する。人は他の人の心の内を理解するのはなかなか難しい!でもそこに物語りが生まれる。

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    2025年01月14日
  • わたしの名店

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    様々な方がお気に入りのお店を、そのお店のエピソードと共に紹介してくれる1冊

    朝井リョウさんはギャグ漫画のような語彙力高すぎの表現力でガリガリ君が1本刺さってるサワーを出す早稲田大学生の定番丸八を

    孤独のグルメの作者である久住さんは佐賀の絶品餃子を南吉を

    人それぞれの名店をこれでもかとくらい惜しみなく紹介してくれる、読むための食べログ

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    2024年11月28日
  • 言の葉は、残りて

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    今まで実朝にはあまり良いイメージがなかった。「武から逃げたかっただけじゃ?」「なんでそんなに和歌?」「あっさり前世の話に騙された挙句、港にならない地形でもろい船なんか作っちゃって」とか。でも武に依らない統治を目指し、人によって態度を変えない強さを待ち、当時珍しかったであろう妻onlyっぷりに、真の優しさを持った人だったのかなと思い、好きになりました。
    実朝以外の人についても、人物描写がはっきりしていて面白かったです。
    歴史時代小説には、難しい漢字にも「知ってるよね」的にふりがなが少ないものが多いですが、この本は読み方のみならず、それについても説明的にならずにさりげなく説明してくれていて、分かりやすかったです。歴史的結果が分かっているので、途中から終わってほしくない思いで読みました。
    今、鎌倉はまるで、食べ歩き、インバウンドのエンターテイメントの街のようになっているのが少し残念です。私自身は歴史を感じに行くのが好きなのですが、今度は改めて永福寺跡や鶴岡八幡宮を踏みしめたいと思います。

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    2024年07月15日
  • 白蕾記

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    緒方洪庵が素晴らしすぎる!!
    なんて凄い人なんだ!!
    聞いた事ある名前だなと思ったら大好きなドラマ
    「仁」の武田鉄矢じゃないですか(꒪⌓︎꒪)
    仁での武田洪庵はそれは素晴らしい人で死ぬ前の2人の語る場面は号泣でした(꒦ິ⌑︎꒦ີ)

    と言う事で武田洪庵もとい緒方洪庵です。


    医師で蘭学者の緒方洪庵は当時まん延した「天然痘」《発症すると高熱が出て化膿性発疹が起こり、致死率も高い》を英国のジェンナーが開発した牛痘苗をワクチンに使う予防法をいち早く取り入れ、正確な情報を発信しつつスピード感をもって普及に努めた。


    今では当たり前になった予防接種
    「予め防ぐ」という考えさえない時代に命懸けで種痘を広め、痘苗を守ります。

    全六章は
    序章で妻・八重(この妻がまた素晴らしい)
    適塾の門下生で三章…橋本左内、松本俊平、福沢諭吉
    洪庵死後の終章と言う構成で、門下生は福沢諭吉は当然ながら後の2人も凄い功績を残した人達でした。

    内容➕読みやすさで☆4
    泣かせた武田鉄矢で☆5です:.゚٩(๑˘ω˘๑)۶:.。

    もっとみんなに読んで欲しいなぁ…





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    2023年07月31日
  • 言の葉は、残りて

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    ・さねともぉ。。。
    ・のぶこぉ。。。
    ・とももりぃ。。。
    ・みなせぇ。。。
    ・やすときぃ。。。

    ・ってなる物語だった。
    ・これだけ壮絶で儚い話が、現実に起こったことが基になっているというのが衝撃。
    ・実朝が生きている間の話は、言葉のマイナスの力の強さを思い知った。
    ・だが、実朝が言葉の力を信じて行動したおかげで、実朝の意志を受け継いだ人間たちが、言葉のプラスの力を信じて世を治めることができたと思う。
    ・テストの勉強でしか覚えなかった人間たちが、生き生きとしている情景が思い浮かんだ。もっとちゃんと歴史勉強しておけばよかった。

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    2023年06月26日
  • 言の葉は、残りて

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    歴史小説を読んでいる際、特に史実をもとに創られた物語を読んでいるとき、いつも「これは本当にあったことか」「この部分は作者の虚構か」ということに引っ掛かる。地の文に歴史的背景が補足されている小説なら、さらに気になる。そういう癖があるので、余計にネット検索して自分にネタバレされることがちょこちょこある。今回も大方そうだったが、主人公二人の切実な物語に順調に入り込んで、途中から「虚実なんてどうでもいい」と思い始め、一気に読んだ。

    実朝の源氏/北条の血を引くゆえの「宿命」と、信子の公家の娘であるゆえの「使命」がそれぞれの心に苦しい葛藤を引き起こして、それを抱えたからこそ、二人の間に生じた純粋な感情がとても清らかで愛しい。

    また、権力に翻弄されながらも、流されずに、何度もつまずいても、言の葉で世を治めようとする実朝の決意も尊い。たとえ儚くても、言の葉は時代を越えて残るのだ。

    少し虚構の部分もあるが、物語は実朝の生涯に起こったいくつかの事件に沿って時間順に進んでいく。すらすら読めるし、主人公の気持ちにも入り込みやすい。とても良い読書体験だった。

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    2023年01月04日
  • 言の葉は、残りて

    匿名

    購入済み

    一気に読みました

    静かに、美しい文章で、涙も誘われ、実朝夫婦の生き様を、読ませていただいた感じです。
    世が世なら、きっと、武に頼らず、言の葉で導こうとした権力者は慕われたであろうに…、と、切なくなりました。

    #泣ける

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    2022年10月16日
  • 言の葉は、残りて

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    かつて存在した歴史上の人物も、こんなふうに葛藤したり苦しんだり時に笑ったりしながら生きていたのかなと考えると少し不思議な気持ちになります。
    権力に翻弄されながらも、自分を持とうと足掻く実朝はなんだかかっこよく見えました。

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    2022年03月22日
  • 言の葉は、残りて

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    とにかく美しくて、涙が出ます

    史実を考えれば、変えられない行方を

    こうであって欲しいと願わずにはいられないです

    本当に綺麗で、清らかで、壮大で

    言の葉は、残りて

    言の葉の力を信じたくなります

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    2022年02月12日
  • わたしの名店

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    作者名のラインナップの、朝井リョウ目当てで手に取った。安定の、早稲田学生ライフの片鱗が伝わるクオリティ。
    でもどの文章も、地方民の自分が読んで「あー、観光目的じゃなくこの本に出てくる料理目的でそのお店行ってみたい!」と思える店+料理紹介で、軽い気持ちで手に取って想像以上の満足度が味わえる一冊だった。

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    2026年07月19日
  • 白蕾記

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    牛痘を接種することで恐ろしい疱瘡を予防できるなんて、そりゃ幕末の日本で理解されなかっただろうな。
    予防接種の有効性が証明されている今だって、否定する人がいるのに。
    全く知らなかったけど、緒方洪庵は大変な苦労を積み重ね、強い信念を持って種痘を日本に根付かせてくれた偉人。
    一度疱瘡にかかったからこそ感染を恐れずに医師として人を助ける道を選んだことがすてきだなと思った。
    また、塾生たちが生まれや家柄による制約に苦悩しながらも、それぞれの志をもって自分の道を歩もうとする姿に心を動かされた。


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    2026年07月03日