佐藤雫のレビュー一覧
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匿名
購入済み覚悟の物語
この時代ならではの人間模様が描かれているものであった。それぞれの登場人物について断片的な知識のみ持ち合わせていたものが本書を読むことによって、一部繋がっていく感覚がある。信長・秀吉・家康という歴史の教科書に現れるだけであった名前たちが、色を帯びていく。
歴史小説初心者には非常に読みやすい本であった。 -
Posted by ブクログ
私はあまり玉に共感できなかった。
父の明智光秀が謀反を起こしたなら、加勢は細川家全体を危険に晒すからできるわけない。
離縁するのが得策だったろうけど、忠興に深く愛されるが故に父の元へ行くことができない、願いを叶えてくれないは我儘でしかないような。
思い違いはあったにせよ、幽閉も側室も仕方ないし、同じく離れて辛かった忠興に寄り添わない態度だから忠興は玉へより強く執着したような。
辛いことから逃げたくてキリシタンになったのは理解するけど、夫を支えずに御心のままにと言われても、前線で戦う忠興が不憫。
神など介入せずにただ愛してくれればいいのにと言う忠興に、そのとおりと思った。
玉にモヤモヤしてしまったけど、歴史小説としておもしろいし、感情の移り変わりが丁寧に描かれていた。
ラストはよかったなと思う。
佐藤雫さんは3作目ですが、「玻璃」と「さざなみ」が多用されるのでお気に入りワードなのかも? -
Posted by ブクログ
細川ガラシャの生い立ちを詳しくしれた一方で、細川忠興の一生も知れたのは個人的に読み応えがあった。
また、キリスト教を信仰する者の思考・姿勢を読み解くことができたのは嬉しく思った。
これを踏まえて、本作におけるキリスト教の教えに触れて感じたことが一つある。
それは、なぜ神は、決断が迫られたとき自分の意志に委ねるよう教えを説くのかが疑問に思ったことだ。
「神の御心のままに」と純粋無垢に教えてに従っていた人たちに対して、肝心なときに自分の思いに従うようにする教えがどうも矛盾しているように思えた。
だから、細川ガラシャは父光秀の謀反以来、本当に救われたのだろうかと思ってしまう。
心の拠り所を見つけられたという意味では救われたのかもしれないが、時代が生んだ悲しい女性だったのだという印象が強く残ってしまった。 -
Posted by ブクログ
装丁の美しさに見惚れて手に取りましたが、中身も負けず劣らず美しかったです。
ずっと独りで生きてきた細川忠興の絞り出す思いを初めて拾い上げたのが玉でした。
二人の心が通じ合っている時代は長く続かず、玉の父である明智光秀による謀反のために玉は幽閉されます。
玉が再び正妻として忠興の元に戻るも、忠興の愛はどんどん歪んみ、苦しむ玉の心ははキリスト教の神の愛に救われます。
私は、玉が傷つけられることは、耐えられない。
愛しているがゆえに玉をたくさん傷つけてしまった忠興の、そして玉もといガラシャの最後の決断に涙が止まりませんでした。
散りぬべき 時しりてこそ 世の中の
花も花なれ 人も人なれ
One of my friends who was born and baptized as a Roman Catholic person told me that she prays not only for herself but also for everyone like our family, friends, sick people, etc.
By doing this she believes God will be happy and bless us more.
I think this way of thinking is beautiful. -
Posted by ブクログ
佐藤雫さんの歴史純愛シリーズ(と勝手に呼んでいる)第4弾は戦国の世を舞台に、細川忠興とその妻・玉(洗礼名・ガラシャ)の愛の物語。
幼少時、父から最初に教えられたのは自害の方法。愛を知らずに育った男の、言葉にできない胸の内を初めて受け止めてくれたのは政略により嫁してきた妻だった。
幸せな日々も束の間、玉の父・明智光秀の謀反により運命は暗転する。
玉の幽閉と絶望、キリスト教への帰依、忠興の乱心、互いを愛し、求めながらボタンを掛け違えていくように離れて行く心。
最期の時を迎えて、ガラシャが自らの心のままに選んだ道とは。
浅井長政の娘・茶々を描いた「さざなみの行方」を読んだ時にも感じたけれど武家の女たちの覚悟と生き様には心打たれる。
愛するが故に玉に執着し歪んでいく忠興に対して、彼を理解しながらもキリスト教に自らの生きる道を見出して行くガラシャ。
そして再び心を通わせた時に迎える壮絶な最期。ラストシーンではガラシャの残した辞世の句を涙なしには読めない。
夫婦の愛を中心に据えた物語は、多少甘っちょろい感じは否めないけれど、それが佐藤雫。今回も最後まで美しい純愛の物語でした。 -
Posted by ブクログ
鎌倉殿の13人を見ているひとにおすすめの本として紹介されてるのをみてこれは読まねば!!と手にとった本。登場人物がちょうど今見てる人たちですっと入ってきたのがよかった。歴史に詳しくないのでどれくらい忠実なのかわからないけど、頼朝を尊敬しながらも『言の葉で世を作る』と言う自分の政治を全うしていたのもすごいなと思った。(つい最近ドラマで頼家の振り回された挙句の不憫な死をみたので。)
個人的には、信子も素敵な女性だったけど水瀬がすき。信子と実朝みたいに重保殿と会えてたらいいよね。公暁は親の仇というよりも実朝への恨みのだけのような気もしたな、、、今の世も大して変わってない。言の葉ですべての人の心を動かせますように。
この本を読んでから和歌にすごく興味を持ったので色々調べている。おすすめ。