佐藤雫のレビュー一覧
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装丁の美しさに見惚れて手に取りましたが、中身も負けず劣らず美しかったです。
ずっと独りで生きてきた細川忠興の絞り出す思いを初めて拾い上げたのが玉でした。
二人の心が通じ合っている時代は長く続かず、玉の父である明智光秀による謀反のために玉は幽閉されます。
玉が再び正妻として忠興の元に戻るも、忠興の愛はどんどん歪んみ、苦しむ玉の心ははキリスト教の神の愛に救われます。
私は、玉が傷つけられることは、耐えられない。
愛しているがゆえに玉をたくさん傷つけてしまった忠興の、そして玉もといガラシャの最後の決断に涙が止まりませんでした。
散りぬべき 時しりてこそ 世の中の
花も花なれ 人も人なれ
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Posted by ブクログ
佐藤雫さんの歴史純愛シリーズ(と勝手に呼んでいる)第4弾は戦国の世を舞台に、細川忠興とその妻・玉(洗礼名・ガラシャ)の愛の物語。
幼少時、父から最初に教えられたのは自害の方法。愛を知らずに育った男の、言葉にできない胸の内を初めて受け止めてくれたのは政略により嫁してきた妻だった。
幸せな日々も束の間、玉の父・明智光秀の謀反により運命は暗転する。
玉の幽閉と絶望、キリスト教への帰依、忠興の乱心、互いを愛し、求めながらボタンを掛け違えていくように離れて行く心。
最期の時を迎えて、ガラシャが自らの心のままに選んだ道とは。
浅井長政の娘・茶々を描いた「さざなみの行方」を読んだ時にも感じたけれど武家 -
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鎌倉殿の13人を見ているひとにおすすめの本として紹介されてるのをみてこれは読まねば!!と手にとった本。登場人物がちょうど今見てる人たちですっと入ってきたのがよかった。歴史に詳しくないのでどれくらい忠実なのかわからないけど、頼朝を尊敬しながらも『言の葉で世を作る』と言う自分の政治を全うしていたのもすごいなと思った。(つい最近ドラマで頼家の振り回された挙句の不憫な死をみたので。)
個人的には、信子も素敵な女性だったけど水瀬がすき。信子と実朝みたいに重保殿と会えてたらいいよね。公暁は親の仇というよりも実朝への恨みのだけのような気もしたな、、、今の世も大して変わってない。言の葉ですべての人の心を動かせ -
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【三浦しをん、西加奈子、中江有里、美村里江、宇垣美里、清水由美、山田ルイ53世、塩谷舞、稲垣えみ子、道尾秀介、ジェーン・スー、岡崎琢磨、バービー、朝井リョウ、瀬尾まいこ、佐藤雫、清水ミチコ、あさのますみ、畠中恵、はるな檸檬、小川糸、久住昌之、川内有緒、澤村伊智、朱野帰子、最相葉月、藤岡陽子、森見登美彦】
という顔ぶれの方々が、それぞれ"自身が名店だと思うお店"を紹介している一冊。その店はもちろん実在する店。(現在、閉店してる可能性はある)
いやー、なんか人が好きなお店っていいやんね。好きって必ずしも「ここのこれが絶品!」っていうだけじゃなくって、別に特別美味しくなくても好 -
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幕末にあって、幕府がどんな状態でも最後まで徳川家を支えることを信念として生きるザ・旗本、小栗忠順の生涯、といえば、ハッピーエンドで終わらないことはなんとなく見えてるわけですが、この主人公、清廉潔白なだけでなく、目上に対しても思ったことを恐れず口に出して行動するという潔さがあり、また偉ぶったところもなく、なんとも好感が持てる。
勘定奉行に複数回就任し、大鉈を振るい難題を解決していくが、その分各方面(幕府内にも維新派にも)から恨みを買うことになる小栗。それもこれも徳川そして日本のためと思い奔走するわけだけど、大政奉還後の流れを見れば、果たしてザ・旗本な生き方はそれでよかったのか?と疑問を感じさせる -
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