横山秀夫のレビュー一覧
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非常に読み応えがある本だった。
山を登る場面は専門用語も多く、想像しにくい部分も確かにあった。しかし、熱渦巻く北関の大部屋とは対照的に、どこまでも澄み渡る壮大な山の描写は、物語に入り込みすぎて昂っている自分の気持ちを少し落ち着かせてくれる効果があったように感じた。
また、望月彩子の言葉は非常に印象的だった。
世界最大の航空機事故で亡くなった方も、交通事故で亡くなった方も同じ命である。しかし前者の命はずっと記録され続け、追悼され続ける。
では後者は軽い命、小さい命なのかと言われれば決してそんなことはない。しかし、この2つの命を扱う報道機関は命に差をつける必要がある。
メディアはどのように伝えてい -
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本作は、梶の事件という一本の強固な【縦軸】と、彼に関わるあらゆる立場の人間たちの有り様という【横軸】が見事に交差して進む、重厚な人間ドラマである。
章ごとにスポットが当たる警察、検察、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官といった横軸の人々。彼らにもそれぞれ生きてきた人生があり、私生活に重い荷物を抱えている。
最初はそれぞれの思惑や組織の論理で梶の沈黙を暴こうとするが、梶の言い訳を一切しない静謐な佇まい、その揺るぎない芯の強さに触れることで、彼ら自身が目を背けてきた人生のドラマや痛みが引きずり出され、問い直されていく。
そして終盤、頑なに守り通された「沈黙の理由」とその真実が明かされたとき、梶の行 -
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ネタバレひさしぶりの横山秀夫作品。本作はF県警強行犯係を舞台にした短篇集である。どの収録作品もなかなかおもしろく読むことができたが、刊行から時間が経過したため気になる部分が出てきてしまっている。本作は単行本の刊行が2003年なのでそこまで古いわけではないのだが、そもそも表題になっている「時効」という概念じたい、法改正によって現在では殺人事件などでは撤廃されている。また、取り調べなどにおける刑事の態度などにも気になる部分が散見される。もし現実世界において本作に登場するような取り調べが行われていたら、間違いなく大問題になるであろう。もちろん本作はただのフィクションなので問題はないが、しかしたとえば昨今違法
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相変わらず横山秀夫さんの短編集は安定して面白いです。
【動機】
ある日、警察署から三十人分の警察手帳がぬすまれた。主人公の貝瀬は警察手帳の一括保管の制度を起案した。上層部は起案者の貝瀬の責任を負わせようとしている。犯人は内部か外部か?
この様な警察内部の組織、人間関係は作者さん得意分野ですね。
【逆転の夏】
女子高生を殺害した前科者、山本の所にある日、電話で殺人の依頼が来た。
山本がどんどん追い込まれていく姿がとても良かったし、結末が全然予想出来なかった。
それにしても職場上司の社長がクソ過ぎます。。。
【ネタ元】
県民新聞の女性記者、水島真知子。
ある日、大手新聞記者から引き抜きの話が -
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読み終えた後、涙が止まらなかった。これほどまでに心が洗われるような経験は、今までになかったかもしれない。
横山秀夫の『半落ち』は、妻を殺害した元警察官・梶聡一郎の「空白の二日間」を巡る物語だ。しかし、読み進めるうちに、これは単なる事件の謎解きではなく、梶に関わった人々の生き様と、彼らの目に映る「梶聡一郎という人間の本質」を描いた物語なのだと気づかされた。
私が最も惹かれたのは、第一章の主人公である志木和正、そして裁判官・藤林の妻である亜紀子のパートだ。志木は、組織の論理に翻弄されながらも、梶の沈黙の中に「一人の男としての凄まじい覚悟」を見出す。そして亜紀子は、被告人という立場を超え、彼の佇