横山秀夫のレビュー一覧

  • クライマーズ・ハイ

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    非常に読み応えがある本だった。
    山を登る場面は専門用語も多く、想像しにくい部分も確かにあった。しかし、熱渦巻く北関の大部屋とは対照的に、どこまでも澄み渡る壮大な山の描写は、物語に入り込みすぎて昂っている自分の気持ちを少し落ち着かせてくれる効果があったように感じた。
    また、望月彩子の言葉は非常に印象的だった。
    世界最大の航空機事故で亡くなった方も、交通事故で亡くなった方も同じ命である。しかし前者の命はずっと記録され続け、追悼され続ける。
    では後者は軽い命、小さい命なのかと言われれば決してそんなことはない。しかし、この2つの命を扱う報道機関は命に差をつける必要がある。
    メディアはどのように伝えてい

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    2026年07月09日
  • ノースライト(新潮文庫)

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    やっぱり横山作品はとてもいい。
    中年男の再生の物語から生じる熱に、力をもらえる。
    それが夫婦の、家族の再生に繋がっていくことを願わずにはいられない。

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    2026年07月03日
  • 64(ロクヨン)(下)

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    最後まで小説としての完成度は高いと思う。
    公私の大きな問題があるが片方について不消化のようなそれでもいいような気分になった。

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    2026年06月24日
  • 64(ロクヨン)(上)

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    広報官という設定は面白い。刑事ではなく広報官という目線で、だけど元刑事であるので事件についてはよく見えてくるように描かれている。

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    2026年06月24日
  • 第三の時効

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    短編集だけど登場人物が共通してる。ミステリーまけど警察内部の人間関係が垣間見えて面白かった。個人的にはタイトルにもなってる『第三の時効』が1番好き。最初は警察内特有の言葉や法律上のルールに戸惑ったけど説明もちゃんとあるので読みやすい。

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    2026年06月12日
  • 半落ち

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    本作は、梶の事件という一本の強固な【縦軸】と、彼に関わるあらゆる立場の人間たちの有り様という【横軸】が見事に交差して進む、重厚な人間ドラマである。
    章ごとにスポットが当たる警察、検察、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官といった横軸の人々。彼らにもそれぞれ生きてきた人生があり、私生活に重い荷物を抱えている。
    最初はそれぞれの思惑や組織の論理で梶の沈黙を暴こうとするが、梶の言い訳を一切しない静謐な佇まい、その揺るぎない芯の強さに触れることで、彼ら自身が目を背けてきた人生のドラマや痛みが引きずり出され、問い直されていく。

    そして終盤、頑なに守り通された「沈黙の理由」とその真実が明かされたとき、梶の行

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    2026年06月09日
  • 第三の時効

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    ネタバレ

    ひさしぶりの横山秀夫作品。本作はF県警強行犯係を舞台にした短篇集である。どの収録作品もなかなかおもしろく読むことができたが、刊行から時間が経過したため気になる部分が出てきてしまっている。本作は単行本の刊行が2003年なのでそこまで古いわけではないのだが、そもそも表題になっている「時効」という概念じたい、法改正によって現在では殺人事件などでは撤廃されている。また、取り調べなどにおける刑事の態度などにも気になる部分が散見される。もし現実世界において本作に登場するような取り調べが行われていたら、間違いなく大問題になるであろう。もちろん本作はただのフィクションなので問題はないが、しかしたとえば昨今違法

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    2026年06月07日
  • 半落ち

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    第15回このミステリーがすごい!第1位

    audibleですが、おもしろくて一気聴き?でした。
    章ごとに、警察、検察官、記者、弁護士、裁判官、刑務官と語り手が変わり、色んな立場の人が空白の二日間の謎を考察しながら物語が進み、徐々に解明していく構成がおもしろい!
    後半までずっと惹きつけられていたので、そのわりにラストは思ったより呆気なく感じてしまった。
    でも、読み終えて改めて考えると素敵なラストなのかも。

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    2026年06月07日
  • 臨場

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    20年以上前だからか、キャラ設定が何となく古めかしいけど横山秀夫の描く無頼な老骨刑事はどれもかっこいい。DNA、家族とかに関することが多かった。引退する刑事の個人的な事件を解決して控えめな敬礼をするシーンがかっこよかった。

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    2026年06月06日
  • 半落ち

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    面白くて一気に読める。アルツハイマーや命のこと、日本の逮捕から司法までのベルトコンベアなど、考えさせられることもある。ただ、最後や途中に小さな違和感を感じたりもする。深く考えなければ、面白く読むことができる。

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    2026年06月06日
  • 陰の季節

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    横山秀夫氏の描く、警察管理部門の短編ミステリーはどれも秀逸だ。警察組織における刑事や公安といった本流以外のお仕事についての知識をどこで、どの様に仕入れるのか。積読となっている同氏の大ヒット作、ロクヨンが楽しみです!

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    2026年05月27日
  • 真相

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    audible。
    短編だと物足りないことも多いけど、どれもしっかり重めで、ドキドキして楽しめた。
    特に、『真相』『18番ホール』『他人の家』はおもしろかった。
    『花輪の海』は嫌悪感を抱く話だった。
    どの話も共通して、主人公が焦りを加速させていく感じがリアルに描かれているので、緊迫感がある。
    そして、一度の致命的な過ちを起こさないことが大事。

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    2026年05月21日
  • 第三の時効

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    やっぱり圧巻だった。
    横山先生の力量に脱帽です。

    県警内の覇権争いなど、
    本当の警察ないでも
    あるんだろうな。

    人間自身の中からくる
    疑心暗鬼など心理描写が
    絶妙でグイグイ引き込まれる。

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    2026年05月19日
  • 影踏み

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    泥棒を家業としている主人公を中心とした短編小説です。
    どの話も男くさくて女ウケはしなさそうですが、自分はこのハードボイルドな感じが好きでした。
    亡くなった弟の声が聞こえるという特殊な設定ではありますが、それが嫌にならないストーリー展開は流石だなと思いました。

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    2026年05月14日
  • 出口のない海

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    夢や希望がある若い人たちがこんなにも無惨な形で大勢失われたかと思うと無念でならない。戦争って何も生まない無駄なものだよね。改めて人ってよくもこんなに残酷なものを思い付くなって思った…

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    2026年05月08日
  • 半落ち

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    はじめての横山秀夫作品。章ごとに視点者が変わり、その度にキャラクターに感情移入した。事件の全貌は見えているが、最後のピースだけは明かさない。こういった引っ張り方もあるのかと驚いた。最後のシーンは、誰でも感動する。また、好きな作家が増えた。

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    2026年05月03日
  • 64(ロクヨン)(下)

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    64(ロクヨン)と呼ばれる未解決の誘拐事件という大きなストーリーがありつつ、警察の内部の確執やマスコミとの軋轢が大部分を占める本作。
    いわゆる"警察モノ"の堅さが苦手で自分では普段手に取らないけど、人にお勧めされて読んでみたら本当に面白かった!内容はもちろん文章も硬めで読みやすくはないものの、それ以上に展開が面白くて楽しめた。ラストで明かされる誘拐事件の真相は衝撃的で、上巻からの伏線が回収される感じがたまらなかった。

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    2026年04月01日
  • 動機

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    相変わらず横山秀夫さんの短編集は安定して面白いです。

    【動機】
    ある日、警察署から三十人分の警察手帳がぬすまれた。主人公の貝瀬は警察手帳の一括保管の制度を起案した。上層部は起案者の貝瀬の責任を負わせようとしている。犯人は内部か外部か?
    この様な警察内部の組織、人間関係は作者さん得意分野ですね。

    【逆転の夏】
    女子高生を殺害した前科者、山本の所にある日、電話で殺人の依頼が来た。
    山本がどんどん追い込まれていく姿がとても良かったし、結末が全然予想出来なかった。
    それにしても職場上司の社長がクソ過ぎます。。。

    【ネタ元】
    県民新聞の女性記者、水島真知子。
    ある日、大手新聞記者から引き抜きの話が

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    2026年04月01日
  • ノースライト(新潮文庫)

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    家を建てること、自分の思いを形にすること、そこに登場する人物たちの人生が絡み合った読み応えがある物語。

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    2026年03月26日
  • 半落ち

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    読み終えた後、涙が止まらなかった。これほどまでに心が洗われるような経験は、今までになかったかもしれない。
     横山秀夫の『半落ち』は、妻を殺害した元警察官・梶聡一郎の「空白の二日間」を巡る物語だ。しかし、読み進めるうちに、これは単なる事件の謎解きではなく、梶に関わった人々の生き様と、彼らの目に映る「梶聡一郎という人間の本質」を描いた物語なのだと気づかされた。
     私が最も惹かれたのは、第一章の主人公である志木和正、そして裁判官・藤林の妻である亜紀子のパートだ。志木は、組織の論理に翻弄されながらも、梶の沈黙の中に「一人の男としての凄まじい覚悟」を見出す。そして亜紀子は、被告人という立場を超え、彼の佇

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    2026年03月26日