横山秀夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
熱いね。熱過ぎる。
私はやっぱりこういう刑事物が好きです。
文章は硬質で、出てくる男たちは荒々しい。だけど、描かれる人間の心理描写は緻密で繊細。刑事も、被疑者も、被害者も、生々しい人間たちがぶつかる中で生じるミステリの先の読めない緊迫感。
F県警強行犯捜査一課
一班 朽木
二班 楠見
三班 村瀬
県警の誇る精鋭部隊のリーダーたちが己の手柄をかけて熾烈に争う様。めっちゃくちゃ面白い。
全6話の短編集。それぞれの話が異なる視点人物で描かれることでF県警捜査一課の雰囲気が立体的に描かれて行く。
そして、最後の「モノクロームの反転」で彼らが直接ぶつかりあう。
熱い。続編あるのか。読むしかない -
Posted by ブクログ
派手な事件や強烈などんでん返しがある作品ではないが、読み終えたあとに静かに「きれいだった」と感じる小説だった。
ミステリとして謎を追う構造ではあるものの、中心にあるのは事件そのものというより、人の人生の空白や失われたものの余韻だと感じた。
建築や「家」というモチーフを通して、人が何を残し、何を残せなかったのかが丁寧に描かれていく。その積み重ねが、最後に静かな形で収束していく。
ただし、純粋なミステリーとして見ると評価は4。
謎解きのカタルシスや意外性を強く求めると、やや物足りなさを感じる部分はある。一方で、その“派手さの欠如”こそが作品の静けさや余韻につながっているとも言える。
終わり方 -
Posted by ブクログ
ネタバレ1985年 日航の航空機が群馬県の山に墜落。500人を超える死者と、その事件に初めて監督して関わる主人公
群馬県の地元新聞社で、航空機墜落事件の全権監督となり御前代未聞の事件の中心で、悠木が主人公として奮闘する話。
昭和真っ只中の仕事に全てをかける仕事人間の心境や、仕事へのプライドを垣間見ることができた気がした。
また会社内の暗い社内政治や、親友が突然植物人間となってしまったり、家庭では子供と上手く関係を築くことのできない葛藤など、
平成12年生まれの社会人としてすごく考えさせられる話だった。ここまで全てを注げられるシゴトがあることに羨ましさもある。
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Posted by ブクログ
ネタバレ下りるために登るんさ ーー。
群馬県・御巣鷹山で起きた日航ジャンボ機の墜落事故に、地元新聞・北関の全権デスクとして奮闘した悠木と、
十七年後、険峻な岩場・衝立岩に挑む悠木。
それぞれの時間軸の悠木の闘いを通して、このフレーズの意味を考えさせられる。
「長野であってくれ」と思ってしまうような、「もらい事故」。
日航の全権デスクとして、記者たちに現場を踏ませて記事を書かせてそれを載せる。繰り返される7日間の中で、悠木が求め貫いた矜持に触れたような気持ちになった。
第一報としての現場雑観、スクープ。載せるために、過去の大久保連赤をしがむ上席らと闘う悠木の言葉が心に残った。
「俺は『新聞』を作りた -
Posted by ブクログ
主人公の真壁修一の頭の中に住み着いた双子の弟啓二との対話によって事件を解決していく推理小説である。しかし警察側の人間関係を軸に描くことが多かった作者が正反対の犯罪者を主人公にした7つのエピソードの中で弟に対する相反する思いが明らかになっていく。意外性のあるプロットに複雑な人間関係、葛藤、そして心ならずも犯罪を続けていく修一。ノビ師ならではの仕事ぶりもたっぷり描かれていて犯罪なのに応援している自分にびっくりした。又ハードボイル的な強面な一面や法曹の道を諦めて窃盗犯になったきっかけにしろ私の中での修一はもう「推し」‼️横山先生にやられた様です。
謎解きをしながら修一はこの苦悩から解放されるのか?そ -
Posted by ブクログ
地方紙を発行する会社内の熱く男臭いドラマの連続。
半沢直樹に近いかもしれない。
飛行機が落ちたのはどこの山か、県内か県外か、という緊迫感や、大スクープを掴みながらも裏を取れずに刻々と迫る締切の描写は迫力満点。
社内に敵は多く、数少ない仲間の労にも報いることができない報道の難しさと葛藤が終始描かれている。
暴言や罵声は当たり前、殴り合いや恐喝もあり、ワークライフバランスやメンタルヘルスなんてものは皆無。実際に主人公も家庭を犠牲にして、息子とは修復不可能なところまで来ている。
ハラスメント防止が叫ばれ、転職のハードルも下がった昨今において、この一つの小さな組織の中で汗水流して自分の仕事と向き合