あらすじ
殺人事件の時効成立目前。現場の刑事にも知らされず、巧妙に仕組まれていた「第三の時効」とはいったい何か!? 刑事たちの生々しい葛藤と、逮捕への執念を鋭くえぐる表題作ほか、全六篇の連作短編集。本格ミステリにして警察小説の最高峰との呼び声が高い本作を貫くのは、硬質なエレガンス。圧倒的な破壊力で、あぶり出されるのは、男たちの矜持だ――。大人気、F県警強行犯シリーズ第一弾!
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Posted by ブクログ
読書会メンバーとのグループラインで読みたいと呟いていたら、貸していただきました!
めちゃくちゃ面白かった!!
そうきたかーってなったり、解釈の仕方に余白があったり…
キャラの濃い3人の班長、私が映像化するなら村瀬は阿部寛かなぁ…とか。
常人離れしたすごい切れ者達なのに、葛藤が垣間見えたり、実は情に熱かったり、でもそれをはっきり書かなくて匂わせてきたり…
控えめに言って横山さん天才だと思いました!
この警察小説が凄い1位
さすが1位になるだけありました。短編集だけど全てが上手く絡んでいて、それぞれの事件・キャラに特徴がある。一編一編が短さを感じることなく、全てが丁度良い感じ。素晴らしい。
Posted by 読むコレ
再読。警察小説の名作です。
一言でいうと、「勿体ない」です。しかし、僕が通常レビューで使う、設定やらキャラクターの無駄遣いという意味ではありません。6篇の短編に、長編にしても充分な結末を惜しげもなく投下してくる恰幅の良さに唖然としてしまっている表現です。これだけの内容で、一冊分の代金しか貰わないなんて、勿体ないでしょ!
中でも、表題にもなっている「第三の時効」は、初読の時には独りで「うぉ!」とか思わず声を出してしまったのを憶えてますね・・。
近いうちに再々読してるかも。それくらいの一冊です。
Posted by ブクログ
横山秀夫至高の傑作。
数多ある刑事小説の中でも群を抜く完成度かと思う。
短編集でありながら連作となっており、世界観が継続するのも良い。同構成の影の季節もオススメ。
Posted by ブクログ
初めて読んだ警察小説。ミステリ要素もある。
主役がそれぞれ異なる短編集。
ちょっと込み入った部分もあり読むのに時間がかかるが、短編なので負荷はそれほどでもなく、どの作品も終盤一気に話が展開するのが気持ちいい。
ヒーロー的なキラキラしたカッコよさではなく、現実的な派閥争いとか出世競争とかがあって、それがリアリティを生んでいる気がする。
Posted by ブクログ
第三の時効の衝撃とペルソナの微笑みのやるせなさ、読後の余韻がすごい
それぞれの刑事の生々しいモノローグに若干引くところもあったけど朽木の奥歯が縦に割れた、という表現に痺れた
Posted by ブクログ
F県警捜査1課を舞台にした短編6篇
今まで読んだ短編の中では1番面白いかもしれない。
1章沈黙のアリバイ
1班 朽田班
2章第三の時効
2班 楠見班
3章囚人のジレンマ
1課長 田畑
4章密室の抜け穴
3班 村瀬班
5章ペルソナの微笑
1班 矢代
6章モノクロームの反転
朽田と村瀬
Posted by ブクログ
会社の同僚に薦められ読んでみました。警察を題材に、様々な人間関係が描かれている。警察の上司や部下にもいろんな人がいて、いろんな過去がある。犯人側にも同じようにある。思いもつかないような結末もあり、非常に心にしみる作品でした。
Posted by ブクログ
これは最高。
警察小説を普段あんまり読まないけど、大人のカッコ良さに痺れたし、ミステリとしてのクオリティ、ストーリーの面白さに感服しました。マジで面白い。
Posted by ブクログ
悪を許さない執念がそれぞの班長を通じて静かに語られる。短編ながら綺麗に完結し、興味を引くエッセンスと巧みなトリックが見事。班長達の強烈な主導権争いと上に立つ課長の心理も面白い。特に表題の第三の時効には驚きと恐ろしさを感じた。大好き度❤️❤️❤️
まさに警察小説!
ひとつひとつの作品が深く読み応えがありました。人間の内面を深く描いてある作品が多く作品に引き込まれました。私は人の名前を覚えることが極端に苦手なので何回か戻り戻りしながら確認しつつ楽しみました^_^
Posted by ブクログ
短編集ですが、それぞれの話に読み応えがあって良かったです。二転三転、すっかり騙されました。
起こる事件に派手さはないですが、各班長がキャラ立ちしていて好感が持てました。
Posted by ブクログ
クライマーズハイの作者の初期の作品で評価の高い作品ということで読み始めました。
6つの短編で構成された警察小説、とても濃厚で緻密な作品ばかりでしたが、クライマーズハイには及ばないというのが正直な感想でした。
とは言っても、犯人逮捕に泥臭く、汗臭く、ドロドロとした執念を持って追及して行く刑事の迫力ある描き方はやはり作者の筆力を感じました。
6作品の中では、「ペルソナの微笑み」のストーリーが追求する刑事と犯人の精神面での葛藤や仮面を被ってしまう二人の子供時代の出来事、二人の取り調べのやり取りなど、一番読み応えがありました。
他の作品もまた手に取りたいと想います。
Posted by ブクログ
何年も前に購入して読めていなかったもの。
1話の「沈黙のアリバイ」からかなり面白く引き込まれた。置かれた状況下での「完璧なアリバイ」には意表を突かれた。2話「第三の時効」は殺人事件の時効間際の逮捕劇、3話「囚人のジレンマ」は捜査一課長の田畑と記者の攻防戦。4話「密室の抜け穴」はマンションの張り込み。各話で存在感を放つ一班の朽木、二班の楠木見、三班の村瀬というひと癖ある班長たちも魅力的。
短編だからこそ余計な描写は削ぎ落とされ、濃厚。刑事たちのセリフ、行動、心理の生々しさも本作の箔となっている。
Posted by ブクログ
短編集ですが内容はF県警教員強行班3班のお話。
どのお話も良かったですが個人的には【囚人のジレンマ】ですね。出来すぎる部下を持つ上司の苦闘が上手に描かれてました。
出来すぎる部下の3人の班長も強烈なキャラでそれだけでも十分満足できます。
ただ短編集で残念なのが最期が意外とあっさりするのが多かったのが評価を一つ落とす要因ですか。
Posted by ブクログ
面白かった!
警察を主人公にした短編集。
事件の内容が派手じゃないものでも警察内部の人間模様や捜査の進め方とかが面白くてどんどん読まされる。
やっぱり朽木というキャラが好きやったな。
過去になんの罪もない子供をはねて殺してしまった経験があって笑わない刑事。
でも事件の検挙率は100パーセント。
冷静で、、冷酷とはまた違う。
素晴らしくいいキャラクターやった。
どれも面白かったけど1番を挙げるならやっぱりタイトルにもなってる第三の時効かなあ。
全部ちゃんと最後は警察が勝つのもよかった。
きちんと真実にたどり着いて犯人を追い詰めて…っていう過程が面白かった。
Posted by ブクログ
とても強烈な個性を持った刑事たちによる警察小説
刑訴法なんてくそ食らえな作品であるが(第三の時効に限らず、検察官は大変だろう)、警察小説なのでそんなことはどうでもよい
冷徹に見える刑事が人間的な部分を見せ、強烈な個性がぶつかり合う。短編集ながら、情報過多にならずに一冊の本としてまとまっていた。
素晴らしい短編集。
Posted by ブクログ
通称強行、捜査一課の要である3つの班とF県で起こる事件を描いた警察小説
短編集ではあるがどれも上手く伏線が回収されていて、かつ朽木の過去とリンクするような描写もあり読み応えがある
各班長の他者から見た性格は語られているが、それぞれの心情はあまり語られない。そこがより班長としての威厳を出しているように思う
サスペンスの質は最高級、県警内での動きもリアルで面白い
横山秀夫の刑事物は他とは違う圧倒的な何かを持っている気がする
Posted by ブクログ
⚫︎サクッと読める最良の警察小説
⚫︎よくもまあこんな短い中で起承転結をまとめることができるなって感心するわ
⚫︎刑事もみんな個性があってドラマみたいだ
⚫︎犯人もまあ憎たらしいし、リアル感がある
⚫︎この手の小説を読んでしまうと、ハードルが高くなりすぎて、生半可な警察小説だと面白くなくなってしまうのが辛いね
Posted by ブクログ
長編かと思ったら短編が複数ある形、かと思ったら繋がっていて同じ刑事たちの物語だった。あまり読まないジャンルかなぁと思って他の方のレビュー読んだらハードボイルド系と書いてあり、なるほどこれがハードボイルドかと。
事件の難易度というか、解決までの道筋は程よい感じで結末も納得はできるんだけど、その解決の瞬間の沸点が高くて面食らってしまった。すごく急展開に結末を迎えて、だけどその後の描写がすごくあっさりしていて、肩透かしを喰らった感じというか、、うぉ急に来た、、あ、これで終わり?的な。
でも、ハードボイルドと言われると、うん、まあ納得。(多少偏見あるかもです。)
全体の感想としては、警察同士そんなバチバチで疲れない?です。よく刑事物のドラマとかでもそうだけど、現実でもこんなに仲間内でギスギスしてるもんなんですかね?
読むにはそんな部分に体力いる作品でした。
Posted by ブクログ
面白かった!何かのときに書店に寄って、とにかく飽きずに読めるものをと思って刑事ものを選んだんだった気がする。
短編で視点が変わったのも良かったです。時代は感じる。けどそれはそれで。
Posted by ブクログ
警察小説の連作短編集。それぞれの物語は独立していながら、緩やかな関連もある。どれも読み終えたときにすごくすっきりするというわけではないが、余韻を残すような読み応えのあるストーリーだった。