【感想・ネタバレ】第三の時効のレビュー

あらすじ

殺人事件の時効成立目前。現場の刑事にも知らされず、巧妙に仕組まれていた「第三の時効」とはいったい何か!? 刑事たちの生々しい葛藤と、逮捕への執念を鋭くえぐる表題作ほか、全六篇の連作短編集。本格ミステリにして警察小説の最高峰との呼び声が高い本作を貫くのは、硬質なエレガンス。圧倒的な破壊力で、あぶり出されるのは、男たちの矜持だ――。大人気、F県警強行犯シリーズ第一弾!

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正直なところ、短編小説というと、長編に成り得なかったテーマというイメージがありました。
全くのアホな思い込みでした。申し訳ございません。
本のタイトルになった『第三の時効』だけでなく六編全てが映画にできるレベルで、中でもおススメは『ペルソナの微笑』。8歳の子供を巧みに誘導し、青酸カリ殺人を実行させた未解決事件。13年を経てに隣県で青酸カリ殺人が発生、あの事件と関連はあるのか。まず背景から鷲掴み。今回の主役、班最年少のお調子者である矢代刑事にも実は・・・とこれ以上は書けませんが、取調べ室のやりとりは痺れました。恐れ入りました。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

初めて読んだ警察小説。ミステリ要素もある。
主役がそれぞれ異なる短編集。
ちょっと込み入った部分もあり読むのに時間がかかるが、短編なので負荷はそれほどでもなく、どの作品も終盤一気に話が展開するのが気持ちいい。
ヒーロー的なキラキラしたカッコよさではなく、現実的な派閥争いとか出世競争とかがあって、それがリアリティを生んでいる気がする。

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2025年11月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何年も前に購入して読めていなかったもの。
1話の「沈黙のアリバイ」からかなり面白く引き込まれた。置かれた状況下での「完璧なアリバイ」には意表を突かれた。2話「第三の時効」は殺人事件の時効間際の逮捕劇、3話「囚人のジレンマ」は捜査一課長の田畑と記者の攻防戦。4話「密室の抜け穴」はマンションの張り込み。各話で存在感を放つ一班の朽木、二班の楠木見、三班の村瀬というひと癖ある班長たちも魅力的。
短編だからこそ余計な描写は削ぎ落とされ、濃厚。刑事たちのセリフ、行動、心理の生々しさも本作の箔となっている。

0
2025年08月17日

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