横山秀夫のレビュー一覧
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ネタバレ半落ちとは、警察に捕まった犯人が全てを自白していないという警察用語。全て自白することは完落ち。
本作における主人公であり妻殺しの犯人は、殺しについては自白するものの、犯行後の空白の2日間については黙秘する。警察、検察、マスコミを巻き込んで、スキャンダラスな憶測も流れるが、誰も真相を掴むことはできずに物語は進行する。
本作で印象的なのは、警察→検察→弁護士→裁判官→刑務官と、刑事手続きにおけるベルトコンベア順に視点が変わるところ。
そして、最後刑務官のところで、空白の2日間の真相が明かされる。てっきり真犯人は別にいて、誰かを庇っていると予想していが、事件とは全く関係のない展開だった。
本作を読んで骨髄バンクの登録を決めた。 -
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ネタバレ①真相
息子を殺された主人公。長い年月が経ち、ようやく犯人が捕まった。だがそこから、思いもよらぬ息子の一面を知ることになる。それも含めてその人なのだと受け入れるのは、あまりにも苦しい。
②18番ホール
過去の犯罪を隠し通すため、何が何でも選挙に負けるわけにはいかない主人公。だが、楽勝と見られていた選挙は思わぬ苦戦を強いられる。もしかしたら、味方陣営に自分を陥れようと目論むものがいるのではないかと、疑心に駆られる主人公。そしてそれは、最悪の結末へと向かっていく。
③不眠
会社をリストラされ、職を探す傍ら治験のバイトをする主人公。ある日近所で殺人事件が発生し、刑事から疑われた主人公は事件の晩に目撃した知人の名を告げる。ちょっとした嫉妬心から売ってしまったその男も自分と同じ境遇だったと知り罪悪感を覚えるも、男は本当に事件に関与していた。だがその先には、さらなる展開が待ち受けている。
④花輪の海
理不尽な暴力に晒される中で、友人の死によって思いがけず救われた同級生たち。その罪悪感は時間が経てば経つほど肥大していく。一人が吐いた嘘が、まるでドミノのようにさらなる悲劇を呼び起こす。
⑤他人の家
強盗の罪を犯した主人公。出所した後に待ち受ける厳しい現実。まだインターネットが一般化する前の時代。それでも、犯した罪からは逃れることができないことを予見している恐ろしさがある。
人が心に抱える様々な負の感情に焦点が当てられており、陰鬱で絶望的な結末のものが多い。記者や刑事の矜持を描く作品だけでなく、ひたすら暗い読後感の短編集も魅力的。 -
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『決別の春』:なんでも相談テレフォンという市民からの電話相談を受ける部署に異動した瑞穂。連続放火魔の事件が頻発してる時にしおりと名乗る女性から助けの電話が。過去に両親を伯父の放火により殺された過去をもつしおり。トラウマに悩むしおりだが、過去の事件の真実とは。驚きの真実でびっくり。ストーリー性が上手いからやられる。
『心の銃口』:女性警官が拳銃を奪われて犯人は逃走。危篤状態になった女性警官が話せる状態になったときに口にした犯人の姿は高身長の女。緊急配備されて犯人が判明した時、瑞穂と相棒箕田は犯人の居場所を探して東地区へ。犯人の女を見つけ家に押し込むとそこには警察グッツがたくさんあった。犯人の女は警察マニアだった。瑞穂と犯人は銃を構えて対峙し、瑞穂は銃撃され、さらに撃たれそうになったところを箕田が犯人を射殺。しかし、犯人の家にすぐ辿り着けたの箕田の先導があったのだが、なぜ分かったのか…箕田と犯人の繋がりがなるほど。 -
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数年前に大分県に旅行に行った際、回天大神訓練基地記念公園に立ち寄った。展示されていた回天レプリカの真っ黒の異様な様相に驚いた。操縦室を見るとあまりにも狭い。こんな中で死ななければならなかったのかと思いを馳せた。でも、その時の私は戦争の遺物を見ただけだった。本を読むと主人公の人生に引き込まれて、『大勢の人が亡くなった』ではなく、『夢見る一人の若者が亡くなった』に変わった。私だったらどうしただろう、卑怯者と言われても、卑怯な手を使ってでも生きようとしただろうか。もし大切な人がこの任務についたなら、、、、。どうにか抗えないかとずっと考えながら読んだ。私はこんな風には人生を終えたくないし、誰にも終えさせたくない。
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ネタバレ約30年かかって、今日やっと読み終わった。生存者の少女と同い年なのもあり、事故当日に一報を聞いた時から1週間ぐらいのことは、今でもかなりよく覚えている。
発刊翌年に読み初めて辛くなって、その後、自分の人生にかまけて読まず。また数年ぶりに読み始めては挫折の繰り返し。あの事故現場の新聞写真やグラフ誌のページが蘇って来て辛くなった。でも昨年暮れから、今回こそ読み通そうと決めて果たした。
今、読んでよかったと思った。主人公の年齢に近づき息子たちもいる現在が、読み通すのに最も適した時期だった。人生経験を積んで来た今なら、登場人物のどの心情も、共感出来る気がする(経験していないことまで、全ては理解出来ないけど)。あの事故の生存者の方々、ご遺族の方々、関わった全ての方々の幸せを願わずにはいられません。