横山秀夫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
数年前に大分県に旅行に行った際、回天大神訓練基地記念公園に立ち寄った。展示されていた回天レプリカの真っ黒の異様な様相に驚いた。操縦室を見るとあまりにも狭い。こんな中で死ななければならなかったのかと思いを馳せた。でも、その時の私は戦争の遺物を見ただけだった。本を読むと主人公の人生に引き込まれて、『大勢の人が亡くなった』ではなく、『夢見る一人の若者が亡くなった』に変わった。私だったらどうしただろう、卑怯者と言われても、卑怯な手を使ってでも生きようとしただろうか。もし大切な人がこの任務についたなら、、、、。どうにか抗えないかとずっと考えながら読んだ。私はこんな風には人生を終えたくないし、誰にも終えさ
-
Posted by ブクログ
ネタバレ約30年かかって、今日やっと読み終わった。生存者の少女と同い年なのもあり、事故当日に一報を聞いた時から1週間ぐらいのことは、今でもかなりよく覚えている。
発刊翌年に読み初めて辛くなって、その後、自分の人生にかまけて読まず。また数年ぶりに読み始めては挫折の繰り返し。あの事故現場の新聞写真やグラフ誌のページが蘇って来て辛くなった。でも昨年暮れから、今回こそ読み通そうと決めて果たした。
今、読んでよかったと思った。主人公の年齢に近づき息子たちもいる現在が、読み通すのに最も適した時期だった。人生経験を積んで来た今なら、登場人物のどの心情も、共感出来る気がする(経験していないことまで、全ては理解出来 -
Posted by ブクログ
まず、主人公の心象や状況などにおける臨場感のある描写に、作家の筆力の高さを感じた。個人的にはこの本の一番好きな点が文章の巧みさである。読んでいて、おお、かっこいいなと思う文や、想像力を掻き立てられるような描写が幾つもある。読みやすいどころか、作者に憧れながら読んだ。
建築家という仕事に重きをおいた作品だが、家族、同僚、ライバルなどの人間関係、人物描写も魅力的に描かれていた。
ミステリー小説としては事件性が低く、物足りなさを感じるかもしれないが、それを上回るストーリー展開だった。
最後はまさに友情、努力…、の王道ストーリーなのも読後感が非常によく、誰にでも超オススメできる。
-
Posted by ブクログ
娘の失踪。
10年前に起きた少女誘拐の未解決事件。
自らの所属する県警における刑事部vs警務部の覇権争い。
県警と中央警察との覇権争い。
様々な要素が絡み合い、当事者の誰ひとり真実を話してはくれない中で、県警広報官の葛藤と奮闘が描かれる。
面白い。
特に後半、真実が見え始めてからの加速度的な盛り上がりは、かなり楽しめた。
しかし。
(父親である私としては)娘の失踪が全く片付いていないどころか、何のヒントすらないまま、手放しで「面白かったー!」とは思えないのも真実である。もちろん、わざとそういうエンディングにしたことは理解するものの、である。
三上が指揮車に乗込んだ後、松岡の含みのある言葉 -
Posted by ブクログ
キムタクドラマの原作!と思って購入したら、違った!内野聖陽の方でした。しかも、ドラマ観てなかった。しかも、この本、読んだことありました。チーン。
ビブリアというアプリで記録してて
「さすが!面白くて一気読み」と書いてた。
臨場ー終身検視官、倉石。カッコイイ!
横山秀夫さんの警察小説の中で、最高傑作。
昔、落合信彦さんが好きで、ハードボイルド小説にハマってた時期があった。
あ、落合陽一さんのお父様ね。
今の時代には使えない様な言葉や言い回しもあるんだけど、だからこそ痺れる。
フィクションだからこそ、味わえる男気。
こういう世界、好きなんだよなあ。
全8編のうち、最初の「赤い名刺」が一番好き -
Posted by ブクログ
ネタバレおもしろかった。
横山秀夫作品を読んだのは、「臨場」に続き2冊目でした。
短編集で全部おもしろい。
タイトルからしてイヤミス風ですが、本当にそうでした。
知らなきゃ良かった、知りたくなかった。後悔先にたたず。
「18番ホール」と「他人の家」が、特に秀逸だと思いました。
18番ホール・・・
県庁を退職して、地元の村の村長選挙に出馬することになった男。
当選確実と言われ仕事を辞め、妻子を連れて地元に戻ったが、予期せぬ対抗馬の出馬により、当選の行方があやしくなっていく。
仲間への不信、過去に犯したことが露呈しているのではないかという疑心暗鬼の中、投開票の日を迎え、結果は・・・。
人間の心理がすご -
Posted by ブクログ
横山秀夫氏の書く小説がやけに心に刺さるようになった。
それは自らの年齢も相まってかもしれない。
建築士である青瀬稔の最高傑作である信濃追分のY邸。
だがその最高傑作の家に、
引き渡し以降、ただの一度も住まれた形跡がないことを知る。
消息を絶った施主の吉野の痕跡を追ううちに
日本を愛したドイツ人建築家ブルーノ・タウトの存在が浮かび上がってくる。
物語の前半はゆっくりと状況を我々に説明してくれる。
そのスローテンポさに少し飽きを感じてしまうのだが、
ところがどっこい、後半に差し掛かるにつれ、
散らばった点と点は見事に線となり繋がっていく。
そして何より後半にかけての青瀬の決意にはグッとくるも