無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
派手な事件や強烈などんでん返しがある作品ではないが、読み終えたあとに静かに「きれいだった」と感じる小説だった。
ミステリとして謎を追う構造ではあるものの、中心にあるのは事件そのものというより、人の人生の空白や失われたものの余韻だと感じた。
建築や「家」というモチーフを通して、人が何を残し、何を残せなかったのかが丁寧に描かれていく。その積み重ねが、最後に静かな形で収束していく。
ただし、純粋なミステリーとして見ると評価は4。
謎解きのカタルシスや意外性を強く求めると、やや物足りなさを感じる部分はある。一方で、その“派手さの欠如”こそが作品の静けさや余韻につながっているとも言える。
終わり方は非常に良く、強い衝撃ではなく、整理された静かな余韻が残るタイプのラストだった。読後に何かが押し寄せるというより、時間をかけてじわじわと染みてくる。
総合としては評価5。
ミステリとしての完成度とは別に、物語全体の「静かな美しさ」に価値を感じた作品だった。
Posted by ブクログ
建築士の青瀬稔が空き家となった理想の家をめぐり、真実を追うミステリー。特に印象的だったのは、家の中に「椅子一脚だけ」が置かれていた場面。青瀬が設計したはずの“完璧な家”に住む人がいないことが謎を深め、物語全体を象徴するように感じられた。また、主人公が「家は人を幸せにするものなのか?」と自問するシーンも心に残る。家をつくる仕事に誇りを持ちながらも、彼は家族を失い、自分自身もまた居場所を求めているのだ。
物語を通じて、人が求める「理想の場所」とは何かを考えさせられた。外見が完璧でも、そこに人の心や絆がなければ本当の意味での居場所にはならない。この作品は、物や形よりも、そこに込められた思いが人を支えることを教えてくれた。
今年最後の小説、そして今年最高
最近映画64を見て、その勢いで前々から気になっていた本作を購入。
いつまで経っても起こらない殺人事件に途中までガッカリ。
後半、魂が震えた瞬間があり、そこからはずっと涙ぐみながら読み続けました。
間違いなく今年一番の名作です。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。