横山秀夫のレビュー一覧

  • ノースライト(新潮文庫)

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    個人的には「64」以来の横山秀夫さん。懊悩や葛藤、願いなど、心の機微を掬い上げて深掘りされた心情描写に人間ドラマが相まった長編。がっぷり四つに組んで、読ませていただきました。

    実はハードカバー版が出た頃に読んでみたものの、当時は挫折していた作品でもあるのですが、あの頃ではこの作品を味わえる感性は育ってなかったなと感じてます。例えるなら、ビールを美味しく感じられるようにはなってなかったというか笑

    時間が経ってから読める作品もあることを教えてくれた大切な一冊になりました。

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    2024年10月05日
  • 陰の季節

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    警察物だと事件の解決とか凝ったトリックに期待しがちだけど、横山さんの作品は心理描写が桁違い。
    めっちゃ面白い。

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    2024年09月28日
  • ノースライト(新潮文庫)

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    ネタバレ

    いきなりのネタバレ。
    「殺人のないミステリ小説。」
    人は死ぬけど。。。

    前半はちょっと休憩しながら読んでたのもあり、読み進めるのが少しつらかった(集中力がもたないという意味で)
    青瀬の苦悩や過去。
    元妻、ゆかりやライバルとのエピソード。
    吉野家の失踪の謎。
    実在する建築家、タウトの成し遂げたこと。
    画家、藤宮春子の作品。

    ものすごく長かったからこそ、終盤の事務所が一体となったシーンで胸が熱くなった。

    個人的には馴染みのある地名がたくさん出てきたのも、ストーリーに入り込めて楽しかった!

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    2024年09月28日
  • 出口のない海

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    ネタバレ

    読書から少し離れてしまっていて、本屋で悩みに悩んで取った一冊。読書に熱中している時は読みたい本で溢れてたはずなのに…この本に出会えて良かった。

    戦争や歴史を深く知らない自分にとっては、過去に残酷な争いがあったのは知っていてても現実味がない。平和な日本にいると海外で戦争が起きていても、ニュースで流れる事故や事件くらいに見聞きしてはすぐ忘れる物になっている気がする。

    この作品は人間魚雷″回天″のに搭乗する事になった元甲子園優勝投手の話。読み進めると訓練中に命を落としたり、故障の多さ、目標の敵艦撃破の成功率の低さを知った。様々な場面での描写がリアルで、現代との違いを感じつつも読む事ができた。

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    2024年09月21日
  • 第三の時効

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    F県県警で起こる事件の短編集。
    強力な個性の班長が難事件を解決する。緻密でリアル。警察小説の本物を見た。

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    2024年09月20日
  • 第三の時効

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    通称強行、捜査一課の要である3つの班とF県で起こる事件を描いた警察小説
    短編集ではあるがどれも上手く伏線が回収されていて、かつ朽木の過去とリンクするような描写もあり読み応えがある

    各班長の他者から見た性格は語られているが、それぞれの心情はあまり語られない。そこがより班長としての威厳を出しているように思う

    サスペンスの質は最高級、県警内での動きもリアルで面白い

    横山秀夫の刑事物は他とは違う圧倒的な何かを持っている気がする

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    2024年09月13日
  • 出口のない海

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    息子の本棚から拝借。空の特攻隊にくらべあまりに知られていない人間魚雷、回天。人がやっと一人分乗れる魚雷に爆薬を積み海中を進みそのまま敵艦へ突っ込むのだ。敗戦の気配が漂う中、回天に乗る事になった並木。野球や恋人への想いと国の為に死ななければ、という心の葛藤が描かれてる。出撃直前で故障したり、戦争で生き残るのは運だけだと思うがただ最後がちょっと綺麗すぎるかなぁ

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    2024年08月31日
  • ノースライト(新潮文庫)

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    ネタバレ

    登場人物皆が美しく、読後感が良い。
    岡嶋の死に対し、設計事務所を守るべく皆が一丸となってコンペに立ち向かう場面は感動した。

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    2024年08月26日
  • 64(ロクヨン)(上)

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    組織の中で、利害関係の狭間に追いやられた主人公の三上が、自分の中で優先すべきものが何なのかに気づいてそれを実行していく様に感動した。上司と部下の関係性や成長の描き方も素晴らしい。
    警察組織内の論理、利害関係の描写が生々しくてリアリティがあった。
    三上の娘については、消化不良の感が否めない。

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    2024年08月26日
  • 64(ロクヨン)(上)

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    過去の誘拐殺人事件と県警内部そして家族が絡み合い物語は進行する。登場人物の誰もが負のオーラを発し、気が滅入りそうになる。娘の失踪と幸田メモがなかなか明かされず、ドロドロの職場抗争の展開に。やる事なす事うまくいかない中、泥水をすすって這い上がる主人公。最後に少し光が差して後編に続く。途中別の本を読んで、気を取り直して読み終えた。でも横山秀夫の話には惹かれるものがある。大好き度❤️

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    2024年08月20日
  • 64(ロクヨン)(下)

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    長かった…
    文庫本開くのが億劫になるくらい、気が進まなかった。
    しかし終盤は怒涛の展開であっという間でした。
    途中までは64事件というよりは警察内の政治の話じゃんと思っていましたがしっかり64でした。

    娘云々は無かった方がいい
    二渡云々は無かった方がいい

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    2024年08月04日
  • ノースライト(新潮文庫)

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    ネタバレ

    十数年前、我が家を建てたときのことを思い出した。ハウスメーカーが所有する土地を購入したので、設計したのはそこに所属する建築士、こいつが嫌な野郎だった。
    昔ながらの“夫は外で仕事、妻は家にいるもの”という感覚を持ったおっさん(たぶん私たちと同じ世代)で、私や子どもたちを施主である夫の従属物としかみなしていなかった。打ち合わせの際に言われた言葉の数々が、悔しくて忘れられない。
    不思議そうに「奥さん…、聞くところによると、仕事を持っておられるらしいですなぁ?」と訊く。確かに子どもたちは未就学で経済的にも(家を建てようってくらいだから)余裕はあるけれど、平成十年代にそんな言い方はありえない。ちなみに、

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    2024年07月07日
  • 看守眼

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    ⚫︎最近、集中的にこの人の本を読んでいるが、本当に駄作がないな。宝石みたいにキラキラした、かつ、老練な読ませる文章だ。いぶし銀とも言える。
    ⚫︎思うに、組織人の描き方が上手い。組織で働いたことがない人の文章はリアリティがないが、これはある。まあ、正確にはリアリティっぽさなんだけどね。
    ⚫︎警察が舞台じゃない話も多いが、よくまあオチを上手くつけれるなと。無理なく情景描写が頭にスッと入ってくるのはさすが。
    ⚫︎書き出しから本筋までスーっと入っていける技量は凄いよ…

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    2024年06月08日
  • 動機

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    ⚫︎手堅くどれも面白い短編。
    ⚫︎字数が限られ中、どこまで削るかはまさに職人芸だね。洗練されている。
    ⚫︎くどい描写がなく、サクサクとテンポよく読めるのは貴重だよね。中々書けるもんじゃない。

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    2024年06月08日
  • 看守眼

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    年配の男性にオススメの本を聞かれて、横山秀夫さんがよろしいのでは、と思ったのだけど、基本的に再読しない私は、購入してもほとんど人にあげちゃう。

    横山さんの本も然り…横山さんの本も読み友の担当美容師しょこたんにあげた…んだけど、返却してもらう(^◇^;)
    (しょこたんも旦那さんもハマって読み切ったらしいw)

    で、前に読んでたけど手持ちの本がなくてあげられなかったこの本もおまけで付いてきたので、ふと読み始めたら短編集だし、面白いしで結局再読www

    う〜む、全著再読したい気分になってきてるんだけど、どうしましょうね?www

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    2024年06月06日
  • 真相

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    ⚫︎びっくりするぐらいどれも面白い。
    ⚫︎よくもまあこの短い中で序破急並みな展開に仕上げたもんだ…どれもだれていない…
    ⚫︎それに読ませるんだよな…どれも…
    ⚫︎今回はあまり警察が出てこないのでそれも新鮮だったね。しかし、今度はばりばり警察が出てくるやつが読みたくなってきた。

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    2024年06月02日
  • 顔 FACE 〈新装版〉

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    どの短編の展開も面白く、心情描写が秀逸。女性活躍推進やハラスメント防止が叫ばれる現在、警察社会がどうなってるのか気になった。

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    2024年05月26日
  • 臨場

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    ▼横山秀夫さんはほんとに凄い。凄いんだけど、そりゃいろいろ読んでいけば読み手の好みによって凸凹はあるわけで。この本は「検視官」という役目の中年警察官・倉石が主人公の連作短編。面白いところも、いまいちかなあというところもありました。

    ▼素人的にいうと。殺人事件の現場に現れて死体を検分するんだけど、「医者」ではない。刑事。そういうのの専門家。まあそんなような役割ですね。主人公の倉石さん。

    ▼なによりこの本は、横山さんなりに「ヒーローものをやってみました」なんです。倉石さんという検視官が、めちゃくちゃ出来る。間違わない。事故死か自殺か他殺かの判断から、他殺の場合の犯人の目星、自殺の場合の事情や動

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    2024年05月18日
  • 出口のない海

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    横山秀夫さんの本は、すべて読んだつもりでしたが、文庫本の背表紙のあらすじを読んで、これはまだだったなと読み始めたら、やっぱり止まらなかった。
    戦争はほんとに恐ろしい。人が人でなくなってしまう。そんな中で人であり続けられた主人公。こうやって死んでいった人が多勢いたんだと思うと…そして今もそんな恐ろしい戦争は世界で続いているんだと思うとやるせない。理不尽としか言いようがない。

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    2024年05月05日
  • 第三の時効

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    ⚫︎サクッと読める最良の警察小説
    ⚫︎よくもまあこんな短い中で起承転結をまとめることができるなって感心するわ
    ⚫︎刑事もみんな個性があってドラマみたいだ
    ⚫︎犯人もまあ憎たらしいし、リアル感がある
    ⚫︎この手の小説を読んでしまうと、ハードルが高くなりすぎて、生半可な警察小説だと面白くなくなってしまうのが辛いね

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    2024年04月30日