横山秀夫のレビュー一覧

  • 出口のない海

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    野球が好きだった青年が戦争によって夢を諦めさせられるのが読んでいて辛かった
    出撃する頃には野球界で輝いていた並木の姿が幻のようになってしまっているのもなんだか切ない...

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    2025年08月24日
  • 出口のない海

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    太平洋戦争期、回天という人間魚雷で海軍による体当たりによる特攻を描いた小説。
    主人公並木浩二は甲子園で優勝投手になり期待されながらも、肘の故障で進学した大学でくすぶっていた。肘の故障から回復を目指している時、太平洋戦争勃発。戦局が悪化していく中で、並木をはじめ多くの若者が学徒出陣し、回天特攻隊に志願した並木を始め若者たちを描いている青春戦争小説になっている。

    読みやすく、内容も分かりやすいが、日本がなぜ、特攻をやる国になってしまったのかというのがとても悲しい。追い詰められると、自己犠牲を厭わないという、民族性をもつ国民は戦争を放棄すべきなのだ。理解不能な戦争を仕掛ける日本は、米国に今まで使われたこともない原子爆弾で終止符を打たれたと、私は思っている。

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    2025年08月19日
  • 出口のない海

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    とんでもない本だった。
    戦中を描いた小説や映画でこれほどまでに、人間の死に際の気持ちを苦しいほどに感じるものはなかった。

    タイトルの出口のない海とはそういうことかと、読み終えてより感じる。

    心に余裕がある人だけ読んでほしい。

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    2025年08月19日
  • 臨場

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    臨場のドラマは、再放送でちらっと見たことあるくらい。
    実は、横山秀夫さんの本を読むのもはじめてだったりする。
    おもしろくてすらすら読めたし、短編集として語りすぎないところもよかった。
    主人公の倉石はやたら偉そうで、「終身検視官」と呼ばれている、警察の中で特別扱いされている変人。
    でも倉石のシンパは多数いて、倉石のもとで学びたい警察官たちから「校長」とまで呼ばれて慕われている一面もある。
    完全一匹狼では、警察組織でやっていけないもんね。
    教場と似たタイプの小説だと思う(どちらが先か、私はわからない)。
    おもしろかった。またドラマ見たいな、再放送ないかな、とチェックしたくらい。

    ただね、女性修習生の事件は胸糞悪すぎる。「声」というタイトルの話ね。
    得も言えぬ魅力的な(それも性的に)女性というのは、小説に時々登場しますね。
    顔が整っているとか、セクシーなメイクや服装をしているとか、そういうことではなくてむしろ地味なんだけど、「ソソる」ってやつでしょうか。
    それも、出会う男全員がその女性に狂っちゃうくらいの。
    私は女なので、男の人のこういう間隔が全く理解できない。
    知り合いの中年男性は、以前「不幸そうな女がいい」と言ってたけど、そういうことなのだろうか。不幸そうというのも、語彙として違う気がするが。
    地味で見た目を気にしていないタイプだけど魅力的とか、幼児でも成人男性を狂わせる魅力って、その男性たちがそういう嗜好、性癖だったという理由しか見いだせないんだが・・・。
    男は「この子に狂わされた」と思うようだが、そんな身勝手な男の理屈で狂わされているのは、ただただ女の方なのである。
    検事と事務官すらも、その女性の気を引くために嫌がらせじみたことをするという、公私混合はなはだしい。あ~やだやだ。こんなこと現実ではありえないでしょ。でも、例の検察の事件を考えると、まったくないとも言い切れない気がしてしまう、それもまた嫌な気持ちに拍車をかけるのだ。

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    2025年08月19日
  • 第三の時効

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    ネタバレ

    何年も前に購入して読めていなかったもの。
    1話の「沈黙のアリバイ」からかなり面白く引き込まれた。置かれた状況下での「完璧なアリバイ」には意表を突かれた。2話「第三の時効」は殺人事件の時効間際の逮捕劇、3話「囚人のジレンマ」は捜査一課長の田畑と記者の攻防戦。4話「密室の抜け穴」はマンションの張り込み。各話で存在感を放つ一班の朽木、二班の楠木見、三班の村瀬というひと癖ある班長たちも魅力的。
    短編だからこそ余計な描写は削ぎ落とされ、濃厚。刑事たちのセリフ、行動、心理の生々しさも本作の箔となっている。

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    2025年08月17日
  • 64(ロクヨン)(下)

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    緩急のついたストーリー展開、追跡シーンの高揚感・臨場感で先へ先へと読み進めてしまった。

    登場人物が結構多いので、しばしばどんな人だったか読み返すことになってしまったが、多くの人物がストーリー上欠かせない役割を持っているので読み飛ばせない。

    おなか一杯です。ご馳走様でした。

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    2025年08月07日
  • ルパンの消息

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    ネタバレ

    非常に面白かった。
    橘のふとした行動に深い意味があったという真相には感嘆の一言。ただ婦警やサンオク等、終盤に詰め込み過ぎた印象はある。

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    2025年08月06日
  • 出口のない海

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    神風特攻隊は小説や映画でも描かれることが多いが、この作品は回天「人間魚雷」がテーマだ…
    回天とは魚雷にたくさんの爆薬を搭載し、人間が直接操縦し戦艦に体当たりする特殊兵器…
    回天は神風特攻隊の水中版だ!
    脱出装置もない回天に一人で乗り込み、暗い海の中を操縦し、敵の艦船めがけて突っ込む…
    想像するだけで身震いがするこの人間兵器にたくさんの若者が散っていった…

    ヒジの故障のために、期待された大学野球を棒に振った甲子園優勝投手の並木浩二
    彼はなぜ回天への搭乗を決意したのか?
    彼を取り巻く家族、友人、恋人の複雑な感情に考えさせられるものは大きい
    警察小説でもミステリーでもない横山秀夫さんの戦争青春小説
    回天について学べる作品でもある

    必ず死ぬとわかって行くのは、もう人間ではいられない
    それは機械の一部だ 歯車だ
    自分自身に対する確たる死の宣言は、人としての感情を捨ててしまわねば成立しない
    俺たちの死は、人間が兵器の一部になったことの動かしがたい事実として残る
    昭和19年11月から終戦までの回天の出撃回数は31回
    出撃隊員、事故による殉職者、搭乗整備員ら145名が回天と運命をともにした

    今日は広島原爆投下から80年
    広島平和式典で小学6年生の二人が素晴らしい未来平和宣言のスピーチをした…
    力強い姿に涙が止まらなかった
    どうぞこの子たちの未来が希望にあふれるものになりますように…
    大人の責任は大きい

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    2025年08月06日
  • 第三の時効

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    短編集ですが内容はF県警教員強行班3班のお話。
    どのお話も良かったですが個人的には【囚人のジレンマ】ですね。出来すぎる部下を持つ上司の苦闘が上手に描かれてました。
    出来すぎる部下の3人の班長も強烈なキャラでそれだけでも十分満足できます。

    ただ短編集で残念なのが最期が意外とあっさりするのが多かったのが評価を一つ落とす要因ですか。

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    2025年08月03日
  • 出口のない海

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    人間魚雷『回天』の搭乗員となった大学生を描いた青春小説。元甲子園優勝投手だが、肘を痛め速球が投げられなくなる。魔球開発に取り組むシーンが結構多かった。一方で回天出撃時の描写も詳しかった。回天に搭乗するだけでも非人道的だが、回天の故障で特攻せず基地に帰還すると、上官から罵詈雑言や鉄拳制裁を浴びせられるとは信じ難い。

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    2025年07月16日
  • 64(ロクヨン)(上)

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    BOOKOFFで再読のつもりで買ってきたけど…

    もしかして読んでなかったかも⁇⁇
    なんか面白すぎて新鮮に読めてるんだけど…
    読んでないなんてあるんだろうか(꒪⌓︎꒪)

    映画もドラマも観てるから
    ピエール瀧やら佐藤浩市やら萩原聖人やら
    A(エース)の仲村トオルも混ざって頭の中で
    ぐるぐる踊りまくりです笑

    やっぱ読んでなかったのかなぁ…
    嬉しい気持ちで下巻にいきます!!


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    2025年06月24日
  • 陰の季節

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    ネタバレ

    実家に帰ったついでに本棚から抜き出してきた一冊。
    好きな国内作家さんのひとり横山さんのD県警シリーズ初作を再読。

    暑苦しく、昭和な息遣い。
    封建組織の中に居る者たちの出世レース、権力闘争、腹の探り合い。
    警察小説であって、警察小説でない。
    日常のミステリ(警察組織編)の様相。

    今読んでも唯一無二。
    米澤穂信さんの『可燃物』をD県警シリーズっぽいと書いたこともあった。
    確かに一筋縄ではいかない人の心の裏事情を料理する様は似てはいるのだが、警務部を舞台にした、これといった派手な事件があるわけでもない(天下り先のOBが紳士協定を無視して辞めない。内部通報の真偽、出どころ。お手柄婦警が失踪、男の影あり。県議会で提出される質問がわからない)中での展開であることを考えると、やはりそこは趣が異なり、同系列の物語が思い浮かばない。

    読みながら感じるのは、この自己顕示欲、妬み嫉みにまみれた組織社会の虚しさ、不毛さが大きいのだが、わずかばかりにチラつく矜持、信じる正義への熱き想い。
    今の働き方改革の世にはない、失われた鈍い輝きなのかもと思えないでもないところがにくい。

    今の若者が読むと、この泥臭さどう映るのだろう。
    『動機』も読みます。

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    2025年06月15日
  • 出口のない海

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    特攻隊か…
    こっちは、空の神風やなく、海…
    魚雷を操縦できるようにしただけ。
    空でも脱出困難やのに、脱出口もないとは…
    聞くところによると、零戦も飛行性能は、凄いけど、乗ってる人を防御する為のものはないみたい。なので、軽量化も出来る。玉当たっても、アッサリ貫通。
    この時代、人は、歯車の一部と考えてんのかな。
    アホちゃうか!
    そんな歯車のようにしたら、優秀な人材おらんようになるし、形勢逆転もなんも出来んやん。目先の言葉だけ、考えんと遠い先を考えて欲しかった。日本さん!
    それ考えてたら、アメリカと戦わんって話もあるけど。

    そういう、状況下に振り回される若者たち…
    平和な時代に生まれ、経験も何もない自分には、言葉もないけど、どんな気持ちやったんやろ?
    それも、日本が負けるの分かってて…

    こういう悲劇が二度と起こらないように、後世の人達にも伝えないと!

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    2025年06月03日
  • 64(ロクヨン)(下)

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    究極の警察小説という紹介文なのです
    けれど、警察広報官という立場からの珍しい警察小説かと思います
    主なストーリーは現実にあった誘拐事件を着想としています
    事件そのものへの捜査以上に
    刑事部警務部との軋轢
    記者クラブとの対立
    が濃厚に描かれています
    周囲に警察関係者が居ませんので本当はどうなんだろうか?とは思いました
    こんなに対立していたらなかなか職務を全うできませんよね
    記者クラブとの交渉の場面等は映像を観ていたから読み取れるのかもしれません

    無言電話の真実しかり
    「64」をなぞるかのような新たな誘拐事件の展開
    わかっていても緊迫感に息が詰まるような感覚でした
    久しぶりの64満喫致しました

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    2025年05月29日
  • 臨場

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    あらすじ
    倉石検視官を中心とした、色々な事件とその真相を描く短編集。

    良かったところ
    本格派っぽい語り口ながらも短編集で、個々の物語は簡単にするすると読めます。読後感も良い話が多く、基本的には救いのある物語になっているところも良いです。

    うーんなところ
    強いてあげればリアリティが薄いかもしれません。
    刑事組織や私生活のリアリティはどれほどあるのか、1番の疑問は検視官がこんなにバシバシさながら名探偵のように事件の真相にたどり着くことは可能なのか、と思わざるを得ない明晰さでした。

    まとめ
    勝手に本格派刑事モノの長編と思ってしまっていたので、いい意味で裏切られました。軽くサクッと読める短編ながら、文章が綺麗で言葉がスっと入ってくる感じがあり質が高いなと感じました。シリーズ化されているなら他のものも読んでみたいです。

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    2025年05月27日
  • 顔 FACE 〈新装版〉

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    2011年に読んだ作品を再読。
    内容は全く覚えておらず、似顔絵捜査官が似顔絵を描いて事件をバンバン解決していく話かと思えばそうではなく、とある事件がきっかけで似顔絵捜査官を退いた婦警のお話。
    婦警が軽視される環境化で、「仕事ができて優しいのに人から大事にされない」主人公の強すぎる正義感と、人を妬む恨む気持ちの葛藤などがよく描かれていてとても面白かったです。
    観察眼に秀でていて事件を解決することもあるけど、甘さなのか若さなのか失敗もする主人公にイライラしたり応援したりしながらあっという間に読み終えました。

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    2025年05月24日
  • ノースライト(新潮文庫)

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    様々な大人の人生が垣間見える。
    謎が想像していたより人間味があってなんかいい映画を見た感じ。エンディングも好き。

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    2025年05月22日
  • ルパンの消息

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    後半の怒濤の展開は、一気読みでした。幸子を情報提供者にして、単に復讐するだけの物語と思いきや、過去の大事件までも明らかにしてしまったのは、藤原部長の読み通りだったのかとすら、勘ぐりたくなる展開でした。

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    2025年05月05日
  • 64(ロクヨン)(上)

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    警察と記者の関係性に焦点が当てられた前半。元記者という作者の経歴に裏打ちされたやり取りのリアリティと切迫感にヒリヒリする。
    少なくない登場人物が各々しっかり存在感のあるキャラクターとして描かれているのは流石。

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    2025年05月05日
  • 臨場

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    倉石検視官のプロ振りが際立つ作品。鋭い観察眼に加え、冷たさの中に人としての優しさが垣間見れるところも引き込まれました

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    2025年04月22日