横山秀夫のレビュー一覧
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太平洋戦争期、回天という人間魚雷で海軍による体当たりによる特攻を描いた小説。
主人公並木浩二は甲子園で優勝投手になり期待されながらも、肘の故障で進学した大学でくすぶっていた。肘の故障から回復を目指している時、太平洋戦争勃発。戦局が悪化していく中で、並木をはじめ多くの若者が学徒出陣し、回天特攻隊に志願した並木を始め若者たちを描いている青春戦争小説になっている。
読みやすく、内容も分かりやすいが、日本がなぜ、特攻をやる国になってしまったのかというのがとても悲しい。追い詰められると、自己犠牲を厭わないという、民族性をもつ国民は戦争を放棄すべきなのだ。理解不能な戦争を仕掛ける日本は、米国に今まで使われたこともない原子爆弾で終止符を打たれたと、私は思っている。
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Posted by ブクログ
臨場のドラマは、再放送でちらっと見たことあるくらい。
実は、横山秀夫さんの本を読むのもはじめてだったりする。
おもしろくてすらすら読めたし、短編集として語りすぎないところもよかった。
主人公の倉石はやたら偉そうで、「終身検視官」と呼ばれている、警察の中で特別扱いされている変人。
でも倉石のシンパは多数いて、倉石のもとで学びたい警察官たちから「校長」とまで呼ばれて慕われている一面もある。
完全一匹狼では、警察組織でやっていけないもんね。
教場と似たタイプの小説だと思う(どちらが先か、私はわからない)。
おもしろかった。またドラマ見たいな、再放送ないかな、とチェックしたくらい。
ただね、女性修習生の事件は胸糞悪すぎる。「声」というタイトルの話ね。
得も言えぬ魅力的な(それも性的に)女性というのは、小説に時々登場しますね。
顔が整っているとか、セクシーなメイクや服装をしているとか、そういうことではなくてむしろ地味なんだけど、「ソソる」ってやつでしょうか。
それも、出会う男全員がその女性に狂っちゃうくらいの。
私は女なので、男の人のこういう間隔が全く理解できない。
知り合いの中年男性は、以前「不幸そうな女がいい」と言ってたけど、そういうことなのだろうか。不幸そうというのも、語彙として違う気がするが。
地味で見た目を気にしていないタイプだけど魅力的とか、幼児でも成人男性を狂わせる魅力って、その男性たちがそういう嗜好、性癖だったという理由しか見いだせないんだが・・・。
男は「この子に狂わされた」と思うようだが、そんな身勝手な男の理屈で狂わされているのは、ただただ女の方なのである。
検事と事務官すらも、その女性の気を引くために嫌がらせじみたことをするという、公私混合はなはだしい。あ~やだやだ。こんなこと現実ではありえないでしょ。でも、例の検察の事件を考えると、まったくないとも言い切れない気がしてしまう、それもまた嫌な気持ちに拍車をかけるのだ。 -
Posted by ブクログ
神風特攻隊は小説や映画でも描かれることが多いが、この作品は回天「人間魚雷」がテーマだ…
回天とは魚雷にたくさんの爆薬を搭載し、人間が直接操縦し戦艦に体当たりする特殊兵器…
回天は神風特攻隊の水中版だ!
脱出装置もない回天に一人で乗り込み、暗い海の中を操縦し、敵の艦船めがけて突っ込む…
想像するだけで身震いがするこの人間兵器にたくさんの若者が散っていった…
ヒジの故障のために、期待された大学野球を棒に振った甲子園優勝投手の並木浩二
彼はなぜ回天への搭乗を決意したのか?
彼を取り巻く家族、友人、恋人の複雑な感情に考えさせられるものは大きい
警察小説でもミステリーでもない横山秀夫さんの戦争青春小説
回天について学べる作品でもある
必ず死ぬとわかって行くのは、もう人間ではいられない
それは機械の一部だ 歯車だ
自分自身に対する確たる死の宣言は、人としての感情を捨ててしまわねば成立しない
俺たちの死は、人間が兵器の一部になったことの動かしがたい事実として残る
昭和19年11月から終戦までの回天の出撃回数は31回
出撃隊員、事故による殉職者、搭乗整備員ら145名が回天と運命をともにした
今日は広島原爆投下から80年
広島平和式典で小学6年生の二人が素晴らしい未来平和宣言のスピーチをした…
力強い姿に涙が止まらなかった
どうぞこの子たちの未来が希望にあふれるものになりますように…
大人の責任は大きい -
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ネタバレ実家に帰ったついでに本棚から抜き出してきた一冊。
好きな国内作家さんのひとり横山さんのD県警シリーズ初作を再読。
暑苦しく、昭和な息遣い。
封建組織の中に居る者たちの出世レース、権力闘争、腹の探り合い。
警察小説であって、警察小説でない。
日常のミステリ(警察組織編)の様相。
今読んでも唯一無二。
米澤穂信さんの『可燃物』をD県警シリーズっぽいと書いたこともあった。
確かに一筋縄ではいかない人の心の裏事情を料理する様は似てはいるのだが、警務部を舞台にした、これといった派手な事件があるわけでもない(天下り先のOBが紳士協定を無視して辞めない。内部通報の真偽、出どころ。お手柄婦警が失踪、男の影あり。県議会で提出される質問がわからない)中での展開であることを考えると、やはりそこは趣が異なり、同系列の物語が思い浮かばない。
読みながら感じるのは、この自己顕示欲、妬み嫉みにまみれた組織社会の虚しさ、不毛さが大きいのだが、わずかばかりにチラつく矜持、信じる正義への熱き想い。
今の働き方改革の世にはない、失われた鈍い輝きなのかもと思えないでもないところがにくい。
今の若者が読むと、この泥臭さどう映るのだろう。
『動機』も読みます。 -
Posted by ブクログ
特攻隊か…
こっちは、空の神風やなく、海…
魚雷を操縦できるようにしただけ。
空でも脱出困難やのに、脱出口もないとは…
聞くところによると、零戦も飛行性能は、凄いけど、乗ってる人を防御する為のものはないみたい。なので、軽量化も出来る。玉当たっても、アッサリ貫通。
この時代、人は、歯車の一部と考えてんのかな。
アホちゃうか!
そんな歯車のようにしたら、優秀な人材おらんようになるし、形勢逆転もなんも出来んやん。目先の言葉だけ、考えんと遠い先を考えて欲しかった。日本さん!
それ考えてたら、アメリカと戦わんって話もあるけど。
そういう、状況下に振り回される若者たち…
平和な時代に生まれ、経験も何もない自分には、言葉もないけど、どんな気持ちやったんやろ?
それも、日本が負けるの分かってて…
こういう悲劇が二度と起こらないように、後世の人達にも伝えないと! -
Posted by ブクログ
究極の警察小説という紹介文なのです
けれど、警察広報官という立場からの珍しい警察小説かと思います
主なストーリーは現実にあった誘拐事件を着想としています
事件そのものへの捜査以上に
刑事部警務部との軋轢
記者クラブとの対立
が濃厚に描かれています
周囲に警察関係者が居ませんので本当はどうなんだろうか?とは思いました
こんなに対立していたらなかなか職務を全うできませんよね
記者クラブとの交渉の場面等は映像を観ていたから読み取れるのかもしれません
無言電話の真実しかり
「64」をなぞるかのような新たな誘拐事件の展開
わかっていても緊迫感に息が詰まるような感覚でした
久しぶりの64満喫致しました -
Posted by ブクログ
あらすじ
倉石検視官を中心とした、色々な事件とその真相を描く短編集。
良かったところ
本格派っぽい語り口ながらも短編集で、個々の物語は簡単にするすると読めます。読後感も良い話が多く、基本的には救いのある物語になっているところも良いです。
うーんなところ
強いてあげればリアリティが薄いかもしれません。
刑事組織や私生活のリアリティはどれほどあるのか、1番の疑問は検視官がこんなにバシバシさながら名探偵のように事件の真相にたどり着くことは可能なのか、と思わざるを得ない明晰さでした。
まとめ
勝手に本格派刑事モノの長編と思ってしまっていたので、いい意味で裏切られました。軽くサクッと読める短編ながら、文章が綺麗で言葉がスっと入ってくる感じがあり質が高いなと感じました。シリーズ化されているなら他のものも読んでみたいです。