横山秀夫のレビュー一覧

  • 深追い

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    地方都市の三ツ鐘警察署が舞台となる横山秀夫お決まりの警察小説だ。「陰の季節」で描き出された警察内部の手柄争いのようなドロドロさはなく、それぞれの短編に登場するこの警察署の主人公たちのヒューマニズムが表現されており、また違った面を味わうことができる。

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    2009年10月04日
  • 深追い

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    人は人の心が読めない、自分が相手のためと思うことが、逆になることがある。人の知恵の浅はかさをテーマにしたおもしろさ

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    2009年10月04日
  • 深追い

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    横山秀夫の警察小説はどれも面白い。はずれがなく楽しい。この作品は同一の警察署の話で、それぞれの短編で主人公が違っています。そういう点では、警察のさまざまな管理部門を主人公にした「陰の季節」とつくりは似ています。

    ただ、「陰の季節」では、1つの話の主人公が別の話では脇役で登場したりして、それぞれの短編が微妙にシンクロしていましたが、この本では、場所は同一でも登場事物の接点はなかったみたいです。

    うまいと思わせる作品ばかりで、さすがです。ただ、登場人物がどれも陰があるように思えてしまうのは、そのように意識された作品集だったのかもしれません。特に「顔」を読んだ後だからかな。

    短編は以下の7編
    深追い
    引継ぎ
    又聞き
    訳あり
    締め出し
    仕返し
    人ごと

    表題作の「深追い」「又聞き」「仕返し」あたりが印象が残った作品です。

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    2009年10月04日
  • クライマーズ・ハイ

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    誰よりも早く情報を取捨選択する記者だからこそ命の大きさや重さに鈍感または敏感になってしまうこともあるんだろうな。

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    2026年10月10日
  • クライマーズ・ハイ

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    記者って本当にすごい。
    でも、それでお金を稼いでいるからこそ
    私たちが目に触れる情報って
    偏ってるのかもしれないって思った。

    大きな事件。
    悲しい事件でも一部の人にとっては大チャンス。
    命の大きさについて考える場面もあったけど
    そう思ってしまっても仕方ないと思った。

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    2026年10月04日
  • 影踏み

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    結局最後まで誰にも感情移入できなかった。
    面白い部分もあったが主人公の行動の目的がよく分からなかった。
    また弟の設定も面白いが、活きる場面が少なかったかも。
    セリフの言い回しがどこか芝居がかっていて、独特な雰囲気は新鮮だったものの、リアリティからは少し遠く感じた。
    全体を通しての盛り上がりどころがよく分からないまま終わってしまった。

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    2026年10月01日
  • クライマーズ・ハイ

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    他社よりも早く現場に行って雑感を得る、そのためにろくな装備もせずに過酷な山道を歩き、時にはフィルムケースで泥水を飲む……そんな描写が強烈に印象を残す。
    女同士のねちっこさも嫌だけど、男同士のドロドロとした嫉妬もキツイ。

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    2026年09月30日
  • 臨場

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    検視官に焦点を当てた警察モノの連作短編集。
    検視官の仕事は遺体を調べて事件性有無を判断することで、花形の捜査員と違って警察では裏方扱い。ところが、常識や組織の慣習に馴染まず己の信念を貫く一人の異端検視官が、並外れた観察眼と洞察力で遺体の真実を次々と看破していく。

    スポットライトの当たりにくい検視官を主人公に、しかも、はぐれ者なのに実績と信望のあるダークヒーローで、さらに素行不良のベテランおやじというキャラ立てで、それだけでエンタメ感満載です。
    現場で五感をフル稼働させて事件の背景までも見通す凄腕ぶりを単純に楽しみました。自〇にしろ、他〇にしろ、遺体には悲しいストーリーがついてきますので、豪快な主人公が上手くバランスしています。

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    2026年09月26日
  • 半落ち

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    ネタバレ

    てっきり殺してしまった妻への罪悪感とそれまでの日々の感謝が主題になるかと思いましたが、まさか「誰かのために生きる」ということがそういうことだったとは。職業に誇りある手練れの皆さんはうっすらと感じ取っていたんでしょうか。そんな思いを秘めた空白の2日間でしたが、自分のプライドや人生の逆転を狙った人たちから中途半端に世間へバレなくて良かったと思います。世間から食い物にされなくて。検事のキャラクターがかっこいいです。

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    2026年09月23日
  • 半落ち

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    「空白の2日間」の真相は、まあ引っ張った割に、、って感じだけど、真相とかは二の次で、梶とその「空白の2日間」をどう料理するのかで揺れるいろんな組織の部内外の対立は読んでいて面白かった。

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    2026年09月22日
  • 64(ロクヨン)(下)

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    警察内のいざこざ、警察対マスコミについて描かれていた。上は64についても描かれていたが、下巻は8割くらいが警察内のいざこざとマスコミとのいざこざだったので、いい加減飽き飽きしていたところ、最後の事件が起きた!

    マスコミとのいざこざは、マスコミについて共感するところもあるものの、建設的的ではない部分も多々あり、読んでいて苛々した。
    警察内のいざこざも、赤間の特権階級意識に苛々。また刑事たちの傲慢さにも苛々。

    ミス警察と呼ばれた美女と結婚した醜男の三上。そんな三上ににてしまい、醜形恐怖症になり家出をした娘のあゆみ。結局、居場所も安否もわからないが、妻の美那子が苦しみ抜いたうえで「あゆみは大丈夫。私たちじゃない誰かに助けてもらっている。私たちじゃだめなんだ」という考えに至ったことがすごい。家族じゃだめなことはある。いつかあゆみが自分の顔やそっくりな父と全然似てない美しい母を受け入れられる未来が来ればいいな。

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    2026年09月20日
  • クライマーズ・ハイ

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    「半落ち」に続いての横山秀夫さん。
    相変わらず腕力を感じる。文章からゴリゴリと筆圧を感じる。
    元記者の筆者が書くからこそ、メディアを作る側の覚悟や諦めや、決意、様々なものを知った。
    ずっしり重厚感のある一冊でした。

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    2026年09月20日
  • 第三の時効

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    県捜査1課の強行犯捜査1係が登場人物の短編6編を収録。1班から3班までの個性的な刑事たちが事件解決を争いせめぎ合う。2006年刊行。

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    2026年09月13日
  • 半落ち

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    昔、映像のほうが話題になり題名だけ知っていたので、読んでみました。「半落ち」の意味も知らなかったけど、取り調べで犯人が完全に自供することが「完落ち」で、犯行を認めても何かを秘匿してるのが「半落ち」。

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    あらすじの掴みは良かったのに、犯人(梶)本人が語る章がないので結論まで回りくどく、ずっと客観的視点のままバトンリレーで最後までいく。(記者の章を削ってでも梶に語らせて欲しかった)
    ●志木(警察)⇒佐瀬(検察)⇒中尾(記者)⇒植村(弁護士)⇒
    藤林(裁判官)⇒古賀(刑務官)で結論。

    バトンリレーの途中で新情報が出てくるのか?…と読み進めたけど、どの章も人が変わるだけで情報が全くアップデートされない。
    なんで周りがそんなに肩入れするのか?殺人犯なのに"澄んだ目"ってだけで動かされ過ぎじゃないかと感じた。
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    ■「空白の2日間」の結論が引っ張った割に軽い。
    犯人が語っていれば1分で確認が取れる内容だ。
    ①白血病で亡くなった息子 ②50歳で死ぬ気でいる
    現在だったら55歳まで生きなければならないな…。

    最後の最後まで結論を引っ張るんじゃなくて、梶本人の心情を語る章があったら、もう少し感情移入できて違ったかな。

    この回りくどく、たらい回しな感じは『熟柿』を読んだ時の読後感に似てる。結果や結論を急ぐ人には向かない。

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    2026年09月07日
  • ノースライト(新潮文庫)

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    ネタバレ

    建築家の専門用語もあり、内容が少し難しかったように感じた。読みやすくはない。
    ミステリーということだが自分的にはもう少しパンチのある内容が良かった。

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    2026年09月05日
  • 半落ち

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    ネタバレ

    誰が挑んでも崩せなかった。挑む人たちは、いろいろな欲望を抱えて梶に挑むも、梶は絶対に落ちなかった。むしろ彼の澄み切った眼差しに怯んで、自分の悲願を曲げても彼に協力した。
    途中、事件は捜査らしい捜査が行われず、梶が止めている以上のことが掴めないのに、複数人が繰り返し記述するので、すごく焦らされたが、その分最後に来たカタルシスはよかった。
    またメイン登場人物たちの正義感、野心、功名心、挫折感などは共感しやすく、また同時に嫌悪感も抱いたが、組織悪対個人の対立構造が単純だったように感じた。
    トリック自体は単純で、きちんと調べればすぐに分かったものであるのも残念。
    カオスを描きたいならもう少し迫力が必要だったかもしれない。

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    2026年08月30日
  • 陰の季節

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    D県警シリーズの短編第一作です。
    D県警を舞台にしてるのですが、こんなに多くのお仕事があるのだなぁと思いました。
    警察のお仕事と言うと、捜査一課や鑑識など事件に関係する部署が多かったと思うのですが、事件に絡まない警察官の小説は初めてで斬新でした。
    シリーズ物なので、これからもコツコツと読み進めていきたいと思います。

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    2026年08月29日
  • ルパンの消息

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    ネタバレ

    最後のたまたま目撃していてとか、学校の金庫にお金を入れていたとかあんまりピンと来なかった。
    構成面白いから残念。
    それと奥さんを疑ったまま終わったけど、、

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    2026年08月24日
  • クライマーズ・ハイ

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    ネタバレ

    訳あって御巣鷹山に登り、520個の墓標を目にした。被害者の遺書や遺族の言葉を目にした。衝撃だった。自分が生まれる前の事故で何も知らなかった。日航機墜落事故についてもっと知るべきだと思った。

    兵隊からしたらどうでもいい派閥争いとか、それぞれの部署のぶつかり合いとか、職場の葛藤がリアルでどのような結末を迎えるのか気になって読み進めた。佐山、神沢、玉置の記事が報われないのが悔しくて辛い。整備された登山道でも登るのは大変だったのに、神沢は毎日登り続けていた。墜落当日の現場を目撃し、最後まで日航機墜落事故を追い続けた神沢をもっと知りたいと思った。主人公である悠木の葛藤は理解出来なくはないが、最後は新聞を私情で掻き回して逃げた残念な結末だった。命に重さは無いけれど、事故に重さはあるだろう。日航機墜落事故と交通事故は同じ天秤に乗らないのでは?新聞の価値とは何か。紙からデジタルに変化していく今でも新聞のあり方について問い続ける。

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    2026年08月16日
  • 64(ロクヨン)(上)

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    ネタバレ

    横山秀夫作品は外れが少ないので、楽しみにと長らく積読扱いだったもの。
    本作は犯人探し主体のミステリーではなく(上巻を読む限り)、警察組織内部の権力争いを軸に、関係する記者クラブや遺族、自身の家族問題など組織と個人の相克をあぶり出したヒューマンミステリー、というよりむしろ純文学ミステリーに近い。
    県警広報官の三上が、家族を守るための警察組織内での生き残りと警官として残されたなけなしの正義を貫こうとする苦悩との板挟みになりながら、物語(上巻)は進んでゆく。
    特に、32章は鳥肌もの。筆者の破綻のない展開、圧倒的な筆力と構想力が堪能できる。感情移入できる登場人物たちのリアリティこそが本作を純文学ミステリーへと強めた所以なのかも。
    さてこれから下巻で、どんな結末(収束)を迎えるのかを楽しみにしたい。

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    2026年08月16日