横山秀夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
横山秀夫の警察小説はどれも面白い。はずれがなく楽しい。この作品は同一の警察署の話で、それぞれの短編で主人公が違っています。そういう点では、警察のさまざまな管理部門を主人公にした「陰の季節」とつくりは似ています。
ただ、「陰の季節」では、1つの話の主人公が別の話では脇役で登場したりして、それぞれの短編が微妙にシンクロしていましたが、この本では、場所は同一でも登場事物の接点はなかったみたいです。
うまいと思わせる作品ばかりで、さすがです。ただ、登場人物がどれも陰があるように思えてしまうのは、そのように意識された作品集だったのかもしれません。特に「顔」を読んだ後だからかな。
短編は以下の7編
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Posted by ブクログ
検視官に焦点を当てた警察モノの連作短編集。
検視官の仕事は遺体を調べて事件性有無を判断することで、花形の捜査員と違って警察では裏方扱い。ところが、常識や組織の慣習に馴染まず己の信念を貫く一人の異端検視官が、並外れた観察眼と洞察力で遺体の真実を次々と看破していく。
スポットライトの当たりにくい検視官を主人公に、しかも、はぐれ者なのに実績と信望のあるダークヒーローで、さらに素行不良のベテランおやじというキャラ立てで、それだけでエンタメ感満載です。
現場で五感をフル稼働させて事件の背景までも見通す凄腕ぶりを単純に楽しみました。自〇にしろ、他〇にしろ、遺体には悲しいストーリーがついてきますので、豪快 -
Posted by ブクログ
警察内のいざこざ、警察対マスコミについて描かれていた。上は64についても描かれていたが、下巻は8割くらいが警察内のいざこざとマスコミとのいざこざだったので、いい加減飽き飽きしていたところ、最後の事件が起きた!
マスコミとのいざこざは、マスコミについて共感するところもあるものの、建設的的ではない部分も多々あり、読んでいて苛々した。
警察内のいざこざも、赤間の特権階級意識に苛々。また刑事たちの傲慢さにも苛々。
ミス警察と呼ばれた美女と結婚した醜男の三上。そんな三上ににてしまい、醜形恐怖症になり家出をした娘のあゆみ。結局、居場所も安否もわからないが、妻の美那子が苦しみ抜いたうえで「あゆみは大丈夫 -
Posted by ブクログ
昔、映像のほうが話題になり題名だけ知っていたので、読んでみました。「半落ち」の意味も知らなかったけど、取り調べで犯人が完全に自供することが「完落ち」で、犯行を認めても何かを秘匿してるのが「半落ち」。
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あらすじの掴みは良かったのに、犯人(梶)本人が語る章がないので結論まで回りくどく、ずっと客観的視点のままバトンリレーで最後までいく。(記者の章を削ってでも梶に語らせて欲しかった)
●志木(警察)⇒佐瀬(検察)⇒中尾(記者)⇒植村(弁護士)⇒
藤林(裁判官)⇒古賀(刑務官)で結論。
バトンリレーの途中で新情報が出てくるのか?…と読み進 -
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ネタバレ誰が挑んでも崩せなかった。挑む人たちは、いろいろな欲望を抱えて梶に挑むも、梶は絶対に落ちなかった。むしろ彼の澄み切った眼差しに怯んで、自分の悲願を曲げても彼に協力した。
途中、事件は捜査らしい捜査が行われず、梶が止めている以上のことが掴めないのに、複数人が繰り返し記述するので、すごく焦らされたが、その分最後に来たカタルシスはよかった。
またメイン登場人物たちの正義感、野心、功名心、挫折感などは共感しやすく、また同時に嫌悪感も抱いたが、組織悪対個人の対立構造が単純だったように感じた。
トリック自体は単純で、きちんと調べればすぐに分かったものであるのも残念。
カオスを描きたいならもう少し迫力が必要 -
Posted by ブクログ
ネタバレ訳あって御巣鷹山に登り、520個の墓標を目にした。被害者の遺書や遺族の言葉を目にした。衝撃だった。自分が生まれる前の事故で何も知らなかった。日航機墜落事故についてもっと知るべきだと思った。
兵隊からしたらどうでもいい派閥争いとか、それぞれの部署のぶつかり合いとか、職場の葛藤がリアルでどのような結末を迎えるのか気になって読み進めた。佐山、神沢、玉置の記事が報われないのが悔しくて辛い。整備された登山道でも登るのは大変だったのに、神沢は毎日登り続けていた。墜落当日の現場を目撃し、最後まで日航機墜落事故を追い続けた神沢をもっと知りたいと思った。主人公である悠木の葛藤は理解出来なくはないが、最後は新聞 -
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ネタバレ横山秀夫作品は外れが少ないので、楽しみにと長らく積読扱いだったもの。
本作は犯人探し主体のミステリーではなく(上巻を読む限り)、警察組織内部の権力争いを軸に、関係する記者クラブや遺族、自身の家族問題など組織と個人の相克をあぶり出したヒューマンミステリー、というよりむしろ純文学ミステリーに近い。
県警広報官の三上が、家族を守るための警察組織内での生き残りと警官として残されたなけなしの正義を貫こうとする苦悩との板挟みになりながら、物語(上巻)は進んでゆく。
特に、32章は鳥肌もの。筆者の破綻のない展開、圧倒的な筆力と構想力が堪能できる。感情移入できる登場人物たちのリアリティこそが本作を純文学ミステ