横山秀夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
横山秀夫の警察小説はどれも面白い。はずれがなく楽しい。この作品は同一の警察署の話で、それぞれの短編で主人公が違っています。そういう点では、警察のさまざまな管理部門を主人公にした「陰の季節」とつくりは似ています。
ただ、「陰の季節」では、1つの話の主人公が別の話では脇役で登場したりして、それぞれの短編が微妙にシンクロしていましたが、この本では、場所は同一でも登場事物の接点はなかったみたいです。
うまいと思わせる作品ばかりで、さすがです。ただ、登場人物がどれも陰があるように思えてしまうのは、そのように意識された作品集だったのかもしれません。特に「顔」を読んだ後だからかな。
短編は以下の7編
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Posted by ブクログ
警察の広報という立場から見る仕事の理不尽さ、組織の非情さ。登場人物は多いけど、主人公・三上に寄り添ってくれたり味方になってくれる人がほぼいないので読んでてしんどかった。妻でさえ、三上にとっては繊細に扱わなければ壊れてしまう対象。
失踪した娘といい、抱えているものが多すぎる。そして娘から投げつけられたのは、三上にはどうする事もできない自分の容姿の否定。三上の尊厳は破壊され、それでも娘のため妻のために組織の駒として動かなくてはいけない。
家族、上司、部下、マスコミ、その他関わる全ての人が三上に感情や正論をぶつけ「何とかしろ」と責めたてている気がしてつらかった。最後の方でようやく「幸田メモ」の中身が