横山秀夫のレビュー一覧

  • 深追い

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    横山秀夫の警察小説はどれも面白い。はずれがなく楽しい。この作品は同一の警察署の話で、それぞれの短編で主人公が違っています。そういう点では、警察のさまざまな管理部門を主人公にした「陰の季節」とつくりは似ています。

    ただ、「陰の季節」では、1つの話の主人公が別の話では脇役で登場したりして、それぞれの短編が微妙にシンクロしていましたが、この本では、場所は同一でも登場事物の接点はなかったみたいです。

    うまいと思わせる作品ばかりで、さすがです。ただ、登場人物がどれも陰があるように思えてしまうのは、そのように意識された作品集だったのかもしれません。特に「顔」を読んだ後だからかな。

    短編は以下の7編

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    2009年10月04日
  • クライマーズ・ハイ

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    ネタバレ

    訳あって御巣鷹山に登り、520個の墓標を目にした。被害者の遺書や遺族の言葉を目にした。衝撃だった。自分が生まれる前の事故で何も知らなかった。日航機墜落事故についてもっと知るべきだと思った。

    兵隊からしたらどうでもいい派閥争いとか、それぞれの部署のぶつかり合いとか、職場の葛藤がリアルでどのような結末を迎えるのか気になって読み進めた。佐山、神沢、玉置の記事が報われないのが悔しくて辛い。整備された登山道でも登るのは大変だったのに、神沢は毎日登り続けていた。墜落当日の現場を目撃し、最後まで日航機墜落事故を追い続けた神沢をもっと知りたいと思った。主人公である悠木の葛藤は理解出来なくはないが、最後は新聞

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    2026年08月16日
  • 64(ロクヨン)(上)

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    ネタバレ

    横山秀夫作品は外れが少ないので、楽しみにと長らく積読扱いだったもの。
    本作は犯人探し主体のミステリーではなく(上巻を読む限り)、警察組織内部の権力争いを軸に、関係する記者クラブや遺族、自身の家族問題など組織と個人の相克をあぶり出したヒューマンミステリー、というよりむしろ純文学ミステリーに近い。
    県警広報官の三上が、家族を守るための警察組織内での生き残りと警官として残されたなけなしの正義を貫こうとする苦悩との板挟みになりながら、物語(上巻)は進んでゆく。
    特に、32章は鳥肌もの。筆者の破綻のない展開、圧倒的な筆力と構想力が堪能できる。感情移入できる登場人物たちのリアリティこそが本作を純文学ミステ

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    2026年08月16日
  • 臨場

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    ドラマ版を先に見ていたので
    脳内では内野さんが動いて話してました。笑


    途中からなんだか随分強引だなぁと思ってましたが、最後まで読んでそういう事だったのかと。


    鉢植えの女 と 真夜中の調書 の謎解きが良かったです。
    話全体としては 餞 が心に残りましたね。

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    2026年08月09日
  • 半落ち

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    嘱託殺人という行為は、実社会でも実際に発生し頭では理解しても理性が揺らぐ出来事です。アルツハイマーで母として生きていけなくなったと感じた妻から殺してほしいと頼まれて殺した。その後の残された時間を早くに亡くした息子に報いるために、真実を語らず生きていく覚悟は考えさせられました。

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    2026年07月31日
  • 半落ち

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    警察官、検察官、新聞記者等々、章ごとに語り手を変えながら、物語を進めていく構成が見事だと思います。

    所属する組織の軋轢の中、職務上の葛藤やそれぞれの事件との関わり方が、丹念に描かれていて読み応えがありました。

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    2026年07月30日
  • 64(ロクヨン)(下)

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    刑事物ではあるけど、刑事から警務に異動した主人公視点で進んでいく。広報室から警察内部やマスコミと対峙する。過去と今、公と私のそれぞれで事件が起こり、丁寧にゆっくり書かれており、結末は予想外だった。ただ消化不良な部分もある。
    お互いに取り繕うよりも、相手を信じて良い意味で任せるのも大事だと感じた。

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    2026年07月15日
  • 64(ロクヨン)(上)

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    上巻は物語の進行だけを見るとゆっくりで、長く感じる場面もあった。しかし、その時間を使って警察組織の内部や人間関係が丁寧に描かれるため、物語の世界が少しずつ立体的になっていく。テンポの遅さは好みが分かれる部分だが、その積み重ねが作品全体のリアリティを支えていると感じた。

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    2026年07月08日
  • ノースライト(新潮文庫)

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    文章は読みやすかった
    謎を解き明かしていく過程は分かりやすく
    話も面白かったが
    読後あまり印書に残らない

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    2026年06月27日
  • 半落ち

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    真実を明かそうとして断念、という同様の展開が繰り返される構造になっていると感じられた。最後の秘密は、そこまでの文脈や伏線とのつながりがあった方がより興味深くなると思われた。

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    2026年06月25日
  • 真相

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    ネタバレ

    短編集

    最初の話、息子を殺した犯人が見つかっても「よかったですね」といわれるのは、複雑なんだな。

    息子と一緒に行動していた友達というのが、娘の旦那だと分かって、激怒。
    しかし娘は、それを分かっていて結婚したと。

    娘や母以上に、息子の死を受け入れられていなかった父親。切なかった。


    最後の、犯歴ある人が幸せに生きられる場所は、このインターネット社会ではどこにもないというのが、恐ろしかった。


    どれも重い重いストーリーでしたわ

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    2026年06月19日
  • 動機

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    ネタバレ

    少し古い時代の本、だからこそよくわかる…警察署から30冊の警察手帳が紛失。就業後の保管を提案した調査官が責任を問われる。罪を償い保護司に仕事を世話してもらい信頼していたのに裏切られる。新聞記者、居眠り裁判官、みんなそれぞれの場所で頑張ってるのに落ちてしまう時がある。短編集で読みやすい。

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    2026年06月17日
  • 影踏み

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    主人公は忍び込みのプロ。
    短編だが、いつもの横山さん作品と何か違う。
    解説を見て納得。いつもは警察側を書いているが
    今回は犯罪者側を書いている。
    それ以上に忍びのプロがサンタになるなど少し人情味溢れる話。
    そして火事で死んだ双子の弟が耳の奥に潜んでいて
    時々現れて会話をする。
    色々といつもと違うパターンで来ていますが
    残念ながら私はちょっと合いませんでした。

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    2026年06月07日
  • 臨場

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    読んだ本 臨場 横山秀夫 20260602

     内野聖陽主演ドラマの原作。
     検視官倉石を軸に色々な事件や人間模様が描かれている。全部倉石が主人公って訳ではないんだけど、その眼力で意表を突いてトリックを暴いていく。短編ならではのああそうか的なお話も多いんだけど、その中でも警察小説ってジャンルにふさわしい息苦しさが詰め込まれてる。
     でも、主人公が別にいるようなお話って、どうやってドラマにしたのかな。観てみたくなりました。

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    2026年06月07日
  • クライマーズ・ハイ

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    1985年当時の話だから、Z世代の私の職場環境とはかなり異なり、上司と取っ組み合いする場面などはあまり共感できなかったけど、悠木みたいに上の人に物申して、周りを味方(かどうかは分からないけど)につけて黙々と仕事に励む姿は良かった。

    岩登りなどの知識がないのと、ジェネレーションギャップもあり、読みにくい箇所もあったけど読み応えのあるいい作品でした。

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    2026年05月24日
  • 陰の季節

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    話しの展開にややご都合主義的なところがある
    警察官の発想とはこういうものかと発見した
    全体的には面白かった

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    2026年05月20日
  • 64(ロクヨン)(下)

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    ネタバレ

    多くの登場人物や、様々な事件・要素があったと思うけれど、どれも中途半端というか、あまり深掘りされないまま終わってしまった印象だった。
    刑事部vs警務部の対立があるのはわかるけれど、三上の被害妄想じゃない? と思う部分も多く。そんなに邪推して生きてたら疲れそうだな、と。当たらずとも遠からずな部分はあるんだろうけど、警察ってそんなに身内の権力闘争ばかりやってられるほど暇なのか?
    陰謀論は呑み込みやすいけれど、実際は陰謀や策略以外の偶発的な事情やタイミングも大きかったりするし。
    三上が広報官として覚醒するあたりから読みやすくなるけれど、誘拐事件をリアルタイムでマスコミに情報を流すことは本当に必要なの

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    2026年05月10日
  • クライマーズ・ハイ

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    「群馬は場所貸し」「堕ちたのは長野であってほしい」という、首都圏からの中途半端な距離と豊かな自然環境に対する屈折した感情が印象的だった

    重要な決断の時、自分はアクセル全開タイプなので慎重かつ繊細な悠木になかなか感情移入をできなかったし、たとえリアルだとしても醜悪な社内政治が読んでいて辛かった

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    2026年04月17日
  • 半落ち

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    前に確か映画で見てあらすじがうる覚えだったけど、読後なんともいえない切ない気持ちになった。
    何人かの視点で書かれているので、検事や刑事、弁護士と違う立場からの思いがリアルだった。

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    2026年04月15日
  • 影踏み

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     双子の弟が身体に同居している泥棒が主人公。
     警察やマスコミなんかを題材にした息詰まる感の小説ばかり読んでたので、一風変わった印象があったんだけど、読み始めるとやっぱり屈折した心理描写で横山節は健在でした。
     この祥伝社文庫のシリーズを見ると、なんとか殺人事件とかってのがたくさんあるので、昔は僕の知ってるような作風とは違ったものを書いてたのかな。
     それも今後読んでみたいな。
     双子の弟が犯した罪に罪悪感を抱いて、自らが幸せになることを拒絶する主人公が、コソ泥を重ねながら事件に巻き込まれ、兄弟の真実に迫っていくんだけど、結局最後は涙浮かべちゃうんだよな。

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    2026年04月13日