あらすじ
刑事になるという夢破れ、留置管理係として職業人生を閉じようとしている、近藤。彼が証拠不十分で釈放された男を追う理由とは(表題作)。自叙伝執筆を請け負ったライター。家裁調停委員を務める主婦。県警ホームページを管理する警部。地方紙整理部に身を置く元記者。県知事の知恵袋を自任する秘書。あなたの隣人たちの暮らしに楔のごとく打ち込まれた、謎。渾身のミステリ短篇集。
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横山秀夫は映像化されたメジャーな作品しか読んだ事がなかった。
刑事事件になるような話から個人的な謎まで、中にはイヤミス調まで、バラエティ豊か。
こんな作品も書けるのか。
氏の作品群の中ではマイナーかも知れないが、個人的には良かった。
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とても面白かった。短編集だけど、どの話も読み応えがあり強く印象に残る。人は心の深いところに、野心や優越感を持っていたりする。自分でも意識はなかなかいかないが、ふとしたきっかけでそれが垣間見える。どの話も、場面や人物はバラバラだけど、その過程が描かれている。なぜか分からないけど、主人公に共感してしまう話ばかりだった。
他人と比べては劣等感を感じたり、気づかないふりをしてるけど優越感にひたったり。私の深部にも人間臭さがあるんだと思う。
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短編6。
どの話も身近な出来事ではないかもしれないけれど、誰もが落ち入りやすいような心境が書かれている。
だから…
この主人公はこう考えたんだ。こんな行動をとったんだ。と、それぞれの主人公を妙に身近に感じた。
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短編集。
どれも心の奥底にずしんとくるのはやっぱりさすが。
表題作以外はわりと誰にでもおこり得るシチュエーションで、自分だったらどうするかなと考えてしまう。
個人的には「口癖」と「静かな家」が良かった。
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2009/9/2 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2024/12/25〜12/28
15年ものの積読本。
様々な職場で花形の職種ではない役職の人々に起こる事件を描く短編集。警察における看守や情報管理課、新聞社における整理部、県庁における秘書課など、どこか屈折した気持ちを持ちながら日々を過ごしている人たちに起こる出来事を鮮やかなどんでん返しで世界をひっくり返す。表題作「看守眼」、「自伝」、「口癖」の3作品が甲乙つけ難いマイベスト。
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「看守眼」BS TBS放送、本題は看守眼だった。
刑事になるという夢破れ、留置管理係として職業人生を閉じようとしている、近藤。彼が証拠不十分で釈放された男を追う理由とは(表題作)。自叙伝執筆を請け負ったライター。家裁調停委員を務める主婦。県警ホームページを管理する警部。地方紙整理部に身を置く元記者。県知事の知恵袋を自任する秘書。あなたの隣人たちの暮らしに楔のごとく打ち込まれた、謎。渾身のミステリ短篇集。
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⚫︎最近、集中的にこの人の本を読んでいるが、本当に駄作がないな。宝石みたいにキラキラした、かつ、老練な読ませる文章だ。いぶし銀とも言える。
⚫︎思うに、組織人の描き方が上手い。組織で働いたことがない人の文章はリアリティがないが、これはある。まあ、正確にはリアリティっぽさなんだけどね。
⚫︎警察が舞台じゃない話も多いが、よくまあオチを上手くつけれるなと。無理なく情景描写が頭にスッと入ってくるのはさすが。
⚫︎書き出しから本筋までスーっと入っていける技量は凄いよ…
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年配の男性にオススメの本を聞かれて、横山秀夫さんがよろしいのでは、と思ったのだけど、基本的に再読しない私は、購入してもほとんど人にあげちゃう。
横山さんの本も然り…横山さんの本も読み友の担当美容師しょこたんにあげた…んだけど、返却してもらう(^◇^;)
(しょこたんも旦那さんもハマって読み切ったらしいw)
で、前に読んでたけど手持ちの本がなくてあげられなかったこの本もおまけで付いてきたので、ふと読み始めたら短編集だし、面白いしで結局再読www
う〜む、全著再読したい気分になってきてるんだけど、どうしましょうね?www
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面白い
面白い
私もこういう骨太人間ドラマを面白い、と感じるようになったんだ
「午前五時の侵入者」のラスト近くの1行には、胸が熱くなりました
横山秀夫、また読もう
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今回のは、警察関係者以外も主人公にしてる短編集!
まぁ、いつもの如く、警察関係者の時も刑事とかメインどころやない人が主人公。
タイトルにもある看守さんは、確かに、加害者を長時間看るという意味では、そうだし、相手の気持ちも刑事さんより分かるかも?
それぞれ、インパクトのあるのではないけど、主人公の心の機微を上手く表現してる感じ。
誰でもありそうな事で、自分ならどうするやろ?と考えながら…まぁ、職業的にはあんまりないんやけど、シュチュエーションがね。
感情移入しながら、面白く読めた〜!
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6作品収録の短編集
この作品では警察関係者じゃない人が主人公の
話が多かったですが
いずれの話も楽しめました
でもやっぱ警察小説の方がいいかも
この作品もよかったですよ
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これぞ短編集、という感じで1つのアイデアをきちんと綺麗なストーリーにしている。なかなか日の当たらない職業の人にスポットを当てて、そこから話が膨らむので、新鮮な気持ちになり、非常に贅沢な1冊だった。
横山さん原作のドラマや映画しか知らなかったが、本も読んでいこう。
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定年間近ながら長年勤めてきた看守の犯罪者を視る眼で真の犯人を追う「看守眼」(流れは定年間近の人たちの警察社内報の記事依頼から来ているが)他、6編の短編小説集。横山秀夫は短編でもプロットを練っており非常に楽しめる。どれも面白かった。最後の「秘書課の男」は上司に嫌われる気持ちが誰にでも経験あるのでは(その元を作った犯人はやはり最後にあっと言わせるけど)。
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横山秀夫の短編集。
留置所管理係として定年を迎える警察官、自叙伝執筆を請け負ったライター、家裁調停委員を務める主婦、県警ホームページを管理する警部、地方紙整理部に身を置く元記者、県知事の知恵袋を自任する秘書・・・様々な職業を通して描く、日常の謎的なライトミステリです。
警察小説じゃなくても‥読ませます(^_^;)
Posted by ブクログ
*刑事になるという夢破れ、留置管理係として職業人生を閉じようとしている、近藤。彼が証拠不十分で釈放された男を追う理由とは(表題作)。自叙伝執筆を請け負ったライター。家裁調停委員を務める主婦。県警ホームページを管理する警部。地方紙整理部に身を置く元記者。県知事の知恵袋を自任する秘書。あなたの隣人たちの暮らしに楔のごとく打ち込まれた、謎。渾身のミステリ短篇集*
ごくごく普通の人の、誰にでもある昏い深部を炙り出すのが本当にお上手。同じ事柄でも、見る側面を変えればこうなるんだ!と唸るばかり。誰にでもある側面ゆえに、そのやるせなさや諦観までも共感できてしまうので、読後感は少々寂しいですが。
Posted by ブクログ
元警察の留置管理係、フリーライター、家裁調停委員、県警のホームページ作成者、地方新聞の元記者だった整理部員、知事秘書たちの業務からちょっとした事件を主人公の洞察、気づきを主題にした。読みやすくおもしろい。2018.7.18
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横山秀夫、やっぱり好きです。「教場」のような雰囲気を持ちつつ、それよりも世界が練りこまれていて、洗練されたミステリーに感じる。決して押し付けがましくもなく、慎ましく、それなのにダイナミックな結末が用意されたショートショート。すごく謙虚な人なんだろうなあ。謙虚って大切だ。謙虚に生きねば。
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ミステリ短編集。
ミステリーですが、「お仕事小説」と捉えても良いかもしれません。各短編の舞台は仕事の場面で、主人公はミスしたり、悩んだり。どんな仕事も大変だよなと、自分の事のように感じながら読みました。
「静かな家」「秘書課の男」が面白かった。
Posted by ブクログ
この作家さんにしてはバラエティに富んだ短編集だった。
看守眼は正統派。こちらが一番良かった。
口癖はイヤミスな終わり方で、得意とする女性作家さんを彷彿させた。
午前5時の侵入者もなんだかいつもと違った雰囲気が。頑張ってまとめにかかった感じがしたのが……。
横山秀夫の書くギトギトした男くさいお話のほうが好みなわたしとしてはちょっと物足りなかったかな。
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表題作「看守眼」を含む6編収録の短編集。
県知事の秘書、地方新聞の整理部にいる元記者、県警のHPを管理する警部など、様々な職種の人が経験する「なぜ?」を切り取ったミステリー。
身近なところに疑問が転がっているのだなと思うし、それが時に自分自身を謎で追い詰めていく元凶でもあるのだなと思えてしまう。一旦疑いだすと、なかなかその疑いを晴らすことができないのも人間くささである。そのあたりが非常に印象に残る作品集である。
Posted by ブクログ
横山秀夫ファンとしてはイマイチだったかも。
第3の時効とか動機と比べちゃうと、インパクトに欠ける話が多かった気がする。
ただ表題作の看守眼はめっちゃ良かった。
普通に面白かったけど、この作者の短編集ってだけでハードルが上がってたので☆3にします。
Posted by ブクログ
まるで現代版自然主義文学のよう。
現状に不満を抱いていたり、窮地に追い込まれた人間の必死さや、赤裸々な狡猾さや悪あがきが綴られる。
しかし、最後は小さなどんでん返しのような、それでいて良い意味での人間くさい温かみにも触れられる短編集。
よく出来ていて面白かった。
⚫︎刑事になれず留置所看守として勤め、未解決事件
を一人追う男と、彼の社報手記を得るために追い
回す若手女性警察事務員
⚫︎老いた大手企業社長の自叙伝執筆を請け負うフリ
ーライター
⚫︎家庭裁判所調査員として勤め、思いがけず過去に
苦しめられた人物の担当になってしまう主婦
⚫︎県警ホームページを担当し、クラッカーに攻撃さ
れてしまう警察官
⚫︎地方新聞社整理部(紙面の構成・作製)に勤め、
ミスをしてしまう元記者
⚫︎県知事の秘書として信頼を勝ち得てきたが、
上司である県知事に『嫌われてしまったかもしれ
ない』と不安に飲み込まれる県職員
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「看守眼」
「自伝」
「口癖」
「午前五時の侵入者」
「静かな家」
「秘書課の男」
六編収録。
「看守眼」以外は読んで嫌な気持ちになった。
欲とか妬みとか人間の醜さをまざまざと見せつけられる内容ばかり。
「自伝」の只野や「口癖」のゆき江、「静かな家」の高梨などその気持ちが理解できる故に腹立たしかった。
Posted by ブクログ
短編ミステリー6作
横山さんの短編は、短編なのに人間の奥深いところまでをえぐる描写で、その奥深いところのさまざまな心理、感情を描き出すところがすごい!
また主人公も警察関連だけでなく、いわば平凡な人たちがメインで、その暮らしの中から奥深い感情があぶりだされてきます。
収められている物語は
看守眼
自伝
口癖
午前五時の侵入者
静かな家
秘書課の男
の6編です
・看守眼
刑事になれなかった看守の物語
短編ながらストーリがすばらしい
主婦とその不倫相手の男からなる事件の真相を看守の眼から明らかにします。
主婦の失踪に対して、不倫相手の男が殺害容疑で逮捕されるも証拠不十分で、不起訴。
釈放されたその現場で、怒った夫が、復讐するために不倫相手の男を殺害しようと襲い掛かるが、逆に返り討ちにあってしまい、殺されてしまった事件。
その不倫相手の男の拘留期間中の行動を見ていた看守が、この事件の真相を探るというストーリです。
最後に明らかになる真相もすごいですが、さらにそれに続く女の強かさも深い。
・自伝
自叙伝の執筆を請け負ったライターの物語
自伝を独白する大企業の会長は「30年近く前に愛する女を手にかけた」と自白。
その言葉の真意は?そしてライターの生い立ちと合わせて、ライターが出した答え。
そして悲哀..
・口癖
家裁調停委員を務める主婦の物語
離婚調停にきた女は、高校時代の娘の同級生。高校時代に娘が不登校になった原因と思われる女。その女の離婚への内情を察し、優越感に浸っていたところから急転直下の展開に。
「それしきのこと」が口癖から暴かれる娘の過去..
悲しく、苦い話でした
・午前五時の侵入者
県警のホームページを管理する警部の物語。
午前五時に県警のホームページが何者かに改ざん。担当の警部はその隠蔽を画策して、対応に追われる。そして、ページを改ざんした犯人に突き止めるという展開。
・静かな家
地方紙の整理部に身をおく元記者の物語
個展の終了日を過ぎて掲載してしまったその個展の案内記事をめぐって、巻き込まれた殺人事件のアリバイ。
さらに、自分の失態を隠すべくとってしまった行動が傷つけてしまった女性などなど。
サラリーマンの悲哀が感じられてしまう物語
・秘書課の男
県知事の秘書の物語
県知事が自分に対して冷たくなったと感じ始めた主人公。
自分自身の問題行動を県知事に知らしめたのは誰か?
若手のスタッフなのか?
疑心暗鬼になりながら、明らかになった、真実は..
男の嫉妬、そして女の嫉妬がキーとなる物語ですが、最後は逆にさわやかになりました。
ありがとうは赦しを請う言葉
っとどれもこれもとてもよい物語でした。
やっぱり横山秀夫は短編ながらもすごい
お勧め!
Posted by ブクログ
もしかすると日本人にだけ分かる感覚なのかも、この作家の描く組織への愛憎交えた帰属意識は。
何故そこにとどまる?って発想ばかりなんだけれども、現実感をもって差し迫ってくる横山節はこの短編集にも確かに存在しております。まぁ若干筋立てが粗いのかな?って気がしますが、意外にこの作家、ストーリーの構成は?ってなところがありますから。というより、この作家の真価はそこには無いということです。