【感想・ネタバレ】陰の季節のレビュー

あらすじ

『64』で話題沸騰! 横山秀夫「D県警シリーズ」はここから始まった!

警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下りポストに固執する大物OBの説得にあたる。にべなく撥ねつけられた二渡が周囲を探るうち、ある未解決事件が浮かび上がってきた……。「まったく新しい警察小説の誕生」と選考委員の激賞を浴びた第5回松本清張賞受賞作を表題作とするD県警シリーズ第一弾! 表題作他、「地の声」「黒い線」「鞄」の短篇四篇を収録。

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Posted by ブクログ

主人公たち刑事ではないのに、まるで凶悪犯罪を追ってるように錯覚させる緊迫感がたまらない
人事って大変なんだな、、、

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2025年11月13日

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読んだ本 陰の季節 横山秀夫 20250801

 D県警シリーズの最初の単行本。
 捜査一課とかの花形部署が舞台ではなく、警務課とかが人事の問題や議会対策なんかをする中で、解決する中で事件ではないものの筋読みをして解決に向けて取り組むって話で、まあ警察が舞台なんで変な緊迫感があるけど、なんか会社っぽい話ではある。
 でも、このストーリーテラーぶりはホントに毎回驚かせるぐらい先を読ませるし、ああそうかって唸らされる。FACEの前日譚もあったりして読みごて十分でしたね。
 この人の本は制覇しようと思ってます。

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

警務課という日が当たらない部署をテーマに、よくここまで面白く書けるなと驚いた
⭐︎内部で起きた問題は表に出る前処理する人たち、警務課

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2025年03月16日

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陰の季節..D県警警務部警務課調査官の二渡(ふたわたり)真治は、警察一家の要となる人事担当である。二渡は「任期三年」という暗黙の掟を破り、天下り先ポストに固執する大物OB尾坂部の説得にあたるが、にべもなく撥ねつけられてしまう。周囲を探るうち、ある未解決事件が浮かび上がってきた…。

地の声..Q警察署の生活安全課長が『パブ夢夢』のママとできているという、タレコミの封書が届く。新堂はこの密告文書について調べることになるが。

黒い線..D県警警務課の婦警担当係長の七尾友子。機動鑑識班の平野瑞穂巡査が無届け欠勤していると電話連絡を受ける。瑞穂はひったくり犯の似顔絵を描いて、
その似顔絵をもとに犯人が逮捕されていたのだが。

鞄..警務部秘書課の課長補佐である柘植正樹は『議会対策』がその職務である。
柘植は鵜飼県議が県警に向けて、『爆弾質問』をするとの情報を教えられる。
柘植は鵜飼の『爆弾』の中身を確かめようとするが。

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2025年01月21日

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横山秀夫作品は面白い。
凝ったトリックはなく、心理トリックというか、視点人物の錯誤が中心になっている。

探偵ものによくある、調査フェーズが退屈という問題が無いのは、主人公が上司からのプレッシャーで苦悩している姿がヒリヒリするからだろう。

組織内で問題が起こる。
主人公は解決を命じられる。
解決できなければ組織内での評価が下がる。
それは社会的死を意味する。
社会的生命の危機を感じる主人公は操作は、自ずと生命の危機を感じさせるヒリヒリした物語になる。

退屈なミステリーは操作フェーズが退屈なのだ。横山作品の主人公はヒリヒリしている。
だから面白い。

4作品の中では「鞄」が好みだった。
上司からの無茶ぶりに苦しみながら、上昇志向に取りつかれた主人公は逃げる選択を考えられない。リアルなサラリーマンの姿がそこにある。

・陰の季節
天下り先の先輩が暗黙の了解を無視して、居座ってしまう。

・地の声
まじめなベテラン警察官がホステスと繋がっているというタレコミがあり…。

・黒い線
似顔絵担当の婦警が行方不明に…。

・鞄
県議会で警察に打撃を与えるような発表をするという議員への対処で右往左往する広報官。

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2024年06月07日

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面白かった!
警察ものですが、捜査や犯人や刑事は出ず、人事や管理職など裏方に徹する人たちの物語。
短編集です。
どの物語も最後はどうなるか、ギリギリまで分からず、ついつい先を急いでしまいます。
どの業態もそうですが、仕事の数だけ悩みもやりがいもあるし、人の数だけ駆け引きもある。
そんな人間臭いところに共感しました。
オススメです♪

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2023年06月19日

購入済み

この人の長編小説にも素晴らしい作品は幾つもあるのだが、特に、この人の短編小説には、絶品といってもいいくらいレベルの高いものが多いと思う。 

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2020年09月25日

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『ハードボイルドアクション』みたいな警察物は色々あるが、こちらは別路線。警察内部のゴタゴタを解決する話。これがとても面白い。

『天下り』や『議会の答弁対応』、『無断欠勤』、『婦警不要論』。警察の秩序と面子を守る為、キャリア達が奔走します。人間ドラマに、迫るタイムリミット、最後の一捻りにゾクッとして、短編集でも読み応え充分!

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2025年11月29日

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ネタバレ

実家に帰ったついでに本棚から抜き出してきた一冊。
好きな国内作家さんのひとり横山さんのD県警シリーズ初作を再読。

暑苦しく、昭和な息遣い。
封建組織の中に居る者たちの出世レース、権力闘争、腹の探り合い。
警察小説であって、警察小説でない。
日常のミステリ(警察組織編)の様相。

今読んでも唯一無二
米澤穂信さんの『可燃物』をD県警シリーズっぽいと書いたこともあった。
確かに一筋縄ではいかない人の心の裏事情を料理する様は似てはいるのだが、警務部を舞台にした、これといった派手な事件があるわけでもない(天下り先のOBが紳士協定を無視して辞めない。内部通報の真偽、出どころ。お手柄婦警が失踪、男の影あり。県議会で提出される質問がわからない)中での展開であることを考えると、やはりそこは趣が異なり、同系列の物語が思い浮かばない。

読みながら感じるのは、この自己顕示欲、妬み嫉みにまみれた組織社会の虚しさ、不毛さが大きいのだが、わずかばかりにチラつく矜持、信じる正義への熱き想い。
今の働き方改革の世にはない、失われた鈍い輝きなのかもと思えないでもないところがにくい。

今の若者が読むと、この泥臭さどう映るのだろう。
『動機』も読みます。

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2025年06月15日

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ドラマ再放送で何度も見た作品。今更ながら原作を読みました。通常の警察物とは少し違う視点て描かれており、警察組織の内部を知れる作品だと思います。組織は人が作るというだけあって、心理描写や人間関係が細かく描かれている秀逸な作品です。

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2025年01月29日

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警察物だと事件の解決とか凝ったトリックに期待しがちだけど、横山さんの作品は心理描写が桁違い。
めっちゃ面白い。

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2024年09月28日

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古い作品であるものの陰日向に咲く警務部門の警察官の葛藤が精巧に描かれている。
凶悪犯人を追いつめなくても行き着く先が気になり短編小説であることも重なってつい一気読みしてしまう。古くても新しい警察小説

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2023年10月16日

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ネタバレ

警察ものと聞くと捜査絡みの物語を思い浮かべるが、ここでは裏方とされる警務課や警備課が取り上げられている。
どの話からも地位への執着や人の執念が見られ、人間臭さを感じさせる本作。言葉一つ一つに共感することもしばしば。定年間際、人事目前など節目において何か成し遂げたいと思うことは普通だが、こうも人を変えてしまうものかと少し恐ろしくなった。
節目に立たされた時、私は一体何を思うのかな〜

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2022年11月04日

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ネタバレ

再読。「顔 FACE」を最近読み返して、先輩婦警・七尾さん側から見た話がこれに入ってると知って読み返した。4篇の短編集。ほんと、この人が初めて刑事以外の警察官の主役にして小説を書いたんじゃなかろうか。知らんけど。これがデビュー作とは思えないくらい読みやすいし、面白いよなー。やっぱ出生欲がないと警察官になろうなんて思わないんだろうか。と思うくらい、みんな野心家だわ。しかし、まだ読んでない横山秀夫作品がたくさんあると思うと楽しみだわ。

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2022年10月24日

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横山秀夫。警察小説の短編集であり、それぞれ別の人物を主役においた群像劇である。警察小説としては珍しく捜査部門ではなく管理部門がメインで、警察の内部で起きた事件を内々で処理する一風変わったストーリーとなっている。
短編集でとても読みやすく、組織人としての悲哀を感じられる一冊でした

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2022年10月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

良い。
横山秀夫、やっぱり良い。
ドラマ化したら、俳優は誰がいいだろうか、なんて考えてしまう。
最も信頼する組織警察も人間の集まりであることを上手く描いている。実際もここまではないと思うが、いくらかはありうる話だと思わされる。

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2022年08月16日

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D県警シリーズの第一作目を含む短編集。一つ一つの作品に、地に足がついたドラマがあって、すべて最後が腑に落ちる。おどろおどろしく、こけおどしの展開だらけのミステリーにはない味わいがある。

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2022年06月16日

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横山秀夫氏のデビュー作。D県警シリーズ第一弾。D県警シリーズの第ニ作を先に読んでしまったが、本作の方が面白かった。警察ミステリーだが、犯人逮捕やアクションシーンは無い。警察管理部門の話である。

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2022年06月11日

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警務部の中の課を描いた小説。
自分が知らない部課内の事やそこで働く人達の、
仕事に対する姿勢、やるせない感情、組織内の人間模様を面白く読ませていただきました。

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2022年03月06日

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D県警シリーズ第1弾!
組織にあんまり依存しない一匹狼的な刑事が事件を解決する。そういうのが多いけど、このシリーズは違う。

このストーリーのメインは、捜査一課とかの華々しいとこやなくて、秘書課とか、警務課とか管理部門みたいなとこ。
人事に力あるとか、そんな人が主役。
二渡さんが、メインな気がするけど、エース一人にスポットを当てるんではなく、組織の複数の人を対象にしてる。
こんな縦社会&男社会の組織に、忠誠を誓って、墓場までってのでええの?とは思う。

出世とかそんなんに力入れてるけど、これは、普通の会社でも同じ事。
私自身が、出世とかそんなんに縁のない人なんで、大変やなぁとは思うけど、「ふ〜ん…」って感じ。
色々、権謀術数は面白いけど…
警査内部、腐っとるやんけ!上ばかり見て!もっと、国民、市民の為に動いて〜

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2021年08月23日

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警察という組織を扱った作品。
警察対犯人という作品ではなく、警察という組織の中でもがく人物に光を当てた短編集。
なかなか面白い。

どの組織もそうなのだろうけれども、警察は特にムラ意識が強いイメージ。そのイメージを上手く使った作品だと思う。

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

読んでいて楽しめる。
しかし、仕事を忘れてパァーっとしたいときに読まないほうが良い。読んで気分が晴れることはまず間違いなくない。
でも、読むと楽しい。

それだけ作品に魅力があるということか。

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2025年04月06日

Posted by ブクログ

登場人物にあまり感情移入ができなかったです。きっと短編小説が苦手なんだと思います。ありふれた展開でない良作にも関わらず記憶にあまり残らなくて残念

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2025年01月15日

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警察の内側である管理部門の面々を主役とした短編ミステリー。
警察担当記者という過去を持つ作者であるだけに、警察内部の出世競争、人事異動などの内情がかなりリアルに描かれていると思う。
ただそれだけに、これが現実なだけに、奉仕の精神で公正に職務に専念すべき警察が、出世や人事や定年後の天下りごときに真剣に頭を悩ませて命をかけてんじゃねぇよ、もっと高い使命感を持って仕事しろよ(笑)、という気持ちが常に傍らにあった。
横山秀夫は大好きな作家の1人で、作品としては面白く、決して作者が悪い訳ではないのだが、、そして普段から警察官という職業にも尊敬の念しかないのだが。
この作品は外で起きる事件ものが警察小説のスタンダードであった中、警察内部である管理部門(警務、監察など)を舞台として描かれたミステリーであったことから注目を浴びた作品なので、その分野の話に興味のある人には合うのかもしれない。

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2024年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

警察物4篇。事件物ではなく、管理部門を題材にしている点が面白い。二渡、尾坂部、赤間が登場するなど64と同じ世界線。
表題のオチがどうにもしっくり来ず★4つ。
64、半落ちと共に真相に繋がる部分で少し弱く感じてしまう。心の何処かでありえないオチと思ってしまうのは読み手の問題か。

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2023年05月24日

Posted by ブクログ

警察ものは久しぶりに読みました。
この「陰の季節」は警察ものですが警察内部の事件?事情を扱っていて、面白かったです。

警察もので人が死なないってなかなか斬新ですよね。それでいて面白い。

陰の季節 ★★★☆☆
地の声 ★★★★☆
黒い線 ★★★☆☆
鞄 ★★★☆☆

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2023年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

舞台は警察の中の警務課、監察課、秘書課などに属する側のミステリ短編小説集。

■陰の季節:★★★
退官後の天下り先にて暗黙の任期を守らないOB尾坂部道夫。
その理由とは・・・。
■地の声:★★★★★
17年昇進できない、曽根警部の密告文が届いた。
その真相は・・・。
■黒い線:★★★★
お手柄をあげたはずの婦警が翌日自ら失踪する。
調べるうちに事件や事故ではなそう、男の影もあるが果たして・・・。
■鞄:★★★★
県議会での質問に鵜飼議員から爆弾質問があるとの情報が入る。
大慌てで質問事項を聞き出そうと奔走するが・・・真相は。

「黒い線」は正直、胸くそ悪い真相だったけど最後まで真相が読めなかったので面白かった。
「地の声」、「鞄」は権謀術数という感じで非常に面白かった。

が、どれも真相がわかったところでモヤモヤする。
いや、真相がわかったからこそか。

良くも悪くも組織や世の中は汚い。
汚いこと自体が必ずしも悪いとは言えないし時には必要なのだろうなとは考えさせられる。

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2022年08月29日

Posted by ブクログ

松本清張賞を受賞した表題作を含む、四編が収録された短編集。

横山秀夫さんのデビュー作です。

警察小説と銘打つ作品は数あれど、警務課、監察課、秘書課など、これまで取り上げられなかったと思われる部署にスポットを当てる、その着眼点が素晴らしいと思いました。

殺人事件の捜査でなくとも、謎の提示から真相の解明に至る道筋は、ミステリそのものといった印象で、更に言うならこの作品集は、警察内部の日常の謎といった趣もあるのではないでしょうか。

「新しい警察小説」という言葉にも納得の一冊です。

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2022年05月28日

Posted by ブクログ

管理部署に焦点を当てた警察小説。
内部で勃発したそれぞれの事件を解決するため奔走する。
自分の職務を全うしているはずなのに、何故か味方がいない。
まるで独りで戦っているように思えてならない。
もう『鞄』の最後の言葉が全てを物語っている。
ストーリー自体は面白い。
だけど、悲哀が漂う人間ドラマだった。

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2022年03月20日

Posted by ブクログ

読んでいて鬱屈な気持ちになりました。
でもそれが正解の短編集ですね。
内部に焦点あてて面白かったです。
でも最初の話は有期契約にしとけばいいのではと思わないでもなかったけど、話の着地点は鬱屈させられつつも良かったです。

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2022年02月02日

Posted by ブクログ

警察組織の顔となる刑事部ではなく、管理部門を主人公に据え置いたD県警シリーズ第一弾の短編集。警察小説然としたのは表題作のみで、残りの三作品は県警内部の社内政治が軸となる。登場人物の胸中にあるドロドロした野心や人事考課への自己保身は民間企業の比ではないが、終身雇用制度が揺らいだ現代社会を生きるサラリーマンとしては組織への滅私奉公的な働き方に疑問符も浮かぶ。表題作の『死ぬまで組織と縁が切れない』という台詞を鑑みても、家庭を顧みず、警察(カイシャ)人間として組織に人生を捧げる職員たちの姿は深い悲哀に満ちている。

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2021年06月03日

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