感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2023年12月22日
想像以上にダメだった。
読んだことないジャンル。
難しいとかそう言う次元じゃなくて苦手。
心臓バクバクして、手汗出たり、単語見ただけで手が痺れるというか。
なんかトラウマでもあるのか?
もしかして前世で乗ってた?
とにかくしんどかった。
史実があっての作品だから尚更辛い。
全部がフィクションならいい...続きを読むのに。
今からできることなんてたかが知れてるけど、歴史を知ると言う意味では読んでよかったな。
本当に辛かった。
それに向かう覚悟も恐怖も葛藤も私は知ることはないだろうし、知らなくていい。
相反する感情がぐちゃぐちゃになって、でも全部本心でっていう。
ここまで重い状況ではもちろんないけど、分かる部分もあった。
一行一行祈るように読んだ。
考察とかじゃなくてそれしか感想出てこない。
まだざわさわする。
でもこういう歴史があったことを知るのは必要な作業かも知れない。
Posted by ブクログ 2023年08月15日
8月になると、戦争を題材にした本を読みたくなる。「戦争を風化させない」「戦争の悲惨さを忘れてはいけない」等と言う、心持ちがある訳ではなく、自分の中では8月は「戦争の本を読む」と言う季節感というだけである。
「出口のない海」は、特攻機「桜花」に次ぐ、人間が弾頭になって海中を進む人間魚雷「回天」の話...続きを読む、というだけではなかった。野球を楽しむ学生たちが、敗戦色が濃くなりつつある時代に徴兵され、そこにいた「並木」青年に焦点を充てた物語りである。
温かな家族も、淡い恋も、野球への夢のことも、最期の時まで忘れなかった「並木」青年。彼の脳裏に蘇ったのは友達の笑顔か、仲間の言葉か、それとも戦争と回天のことだったか、それは誰にも分からない。
この本が教えてくれたことは、回天のことを忘れられたら、誰からも思い出されなくなったら、この戦争のために死んでいった兵隊たちは、死ぬために生きることはなかった、と言うこと。兵隊たちの青春が、戦火の中に青々と燃えていたこと。
若くして英霊になることを誇りにした者もいたかもしれない。けれど本当はどうだっただろう。生きることに縋り、日の本を背負う覚悟なんて。
「彼ら(米英たち)にも家族がいる。」
戦争は誰も幸せになんかしてくれない。私はそう思う。当時なら非国民と言われて迫害を受けただろう、母は何も悪くないのに世間に謝ってばかりいただろう。それでも、私は戦争の二文字に、幸福が入り込む余地はないと断言する。
しかし、「並木」青年は見つけたのだ。唯一の幸せを。自分の夢を叶えた幸福を抱いたのだ。それだけは誰の意見もつけいる隙はない。もちろん、この感想を書く私にも。
戦争の作品で、主人公が幸せの中で散った作品は数少ない。この本を多くの人が読み、一筋の幸福に目を向け、夢を叶えますように。そう思わせてくれた作品だった。
Posted by ブクログ 2023年05月14日
戦争のお話。
特攻隊と聞くと飛行機の方を思い浮かべる方が多いと思いますが、どちらかと言うと海に潜り特攻を仕掛ける人間魚雷のお話です。
人間魚雷「回天」は、すなわち人が魚雷の中に乗り込み捨て身で敵の輸送船や戦艦に体当たりするという本当にあった戦時中日本の作戦です。
戦争を体験したことない私ですら読ん...続きを読むでいて恐ろしさがよく染み渡りました。
特に回天隊の人たちは「早くお国の為に死にたい(敵の機体に当てて見事に戦果を上げたい)。」と口々に言っていますが、もうここまで来ると人間じゃないような気がして…もう相当当時の人たちは頭がある意味洗脳されていたのだなと思います。
それと同時に、上官から「回天」に乗り込めと命令が下ったのならそれは自ら死にに行くことが決定したようなもので…なので、こうでも思わないと自分の身も精神もなにもかも持たない状態だと思いました。
主人公の並木は最後まで人間らしさが残っていました。
行方不明となった時はまだどこかで生き残ってるのではないかと私自身希望を持っていましたが、現実はそう甘くなく泣きました。
今後もこの物語が後世に残りますように…
Posted by ブクログ 2023年04月29日
フィクションなのだが、きっと似た体験をした人が70年前の日本にいるという事実に心打たれた。
今の私と同世代の海に飛び込む覚悟を決めた人々の生と死の間に揺れる葛藤は、平和を生きる私に「生きる意味」を与えてくれた。戦争で亡くなった方々の分まで、私は生きなくてはならない。そして伝え続けなくてはならない。
...続きを読む
ちなみに電車とバイト先と部屋で大号泣したので、なるべく家で読むことを勧める。こんなに何度も心苦しくなる小説は初めてだ。
Posted by ブクログ 2023年01月27日
出口のない海、読みました。名作でした。外で読んで、ぼろぼろ泣いてしまったので、外出先で読むのはあまりお勧めしないです。
わたしは学がないです。国語は、まあそこそこ得意なほうではあったけど、歴史とかてんでダメだったし、というか今もダメ。頭が悪すぎるので。だから戦争の用語とか、本当になんもわかんない。...続きを読む
でも、それでも読みにくさを感じたりとか一切せず、ぐいぐい読めちゃいました。やっぱ文章力がすごい。
最初は並木があまりにもまっすぐな男で、主人公としてはすごく魅力的なんだけど感情移入できるかと言われたらどうかなぁと思いながら、ちょっと離れた視点で読んでいたんだけど、本人の特攻に対する葛藤とか弱さ(わたしは弱いと思わないけど、人間らしさとでも言えばいいのかな)が垣間見えたところ、まるで自分がその場に立たされているように手に汗握ってしまったし、並木のことが大好きになってしまった。心理が丁寧に描かれているからこそなんだろうな、離れた視点で読めなかった。
わたしはその場にいる人間ではないし、やっぱりなんだかんだ一歩引いた冷静な立ち位置にいるので、人につられてだろうが特攻志願しちゃだめだよとか思ってしまうんだけれど、でもあの空気感・戦争真っただ中・お国へ尽くすことこそが男なりって環境下だと志願してしまうのも理解はできるというか。理解できるからこそ、やっぱり、そういう世の中はよくないと思いました。平和ボケだろうが何だろうが、戦争で命を乱雑に消費するのはやっぱり悲しいことだと思う。
結末なんて最初からわかっているのに、それでも、死なないでほしいと強く願いながらページをめくりました。
おわりはあっけなかった。想像していたのは戦争で散る姿だったけど、でも本当はそうじゃなくて。あまりにもあっさりと、華々しい終わり方もせず死んでしまった。いや、自爆で敵軍をやっつけるのが華々しいとは思わないけど、戦果を挙げるというか。
でも、並木らしかった。
敵軍にも小畑のようないいやつがいるのかもしれないと思ったり、自分の家族の今後を本当に案じていたり、そういう優しい並木らしかった。
台風の後、並木の回天が発見されたところから本当に涙が止まらなくなってしまって、沖田への手紙も美奈子への手紙も全部が全部、並木の人に対するまっすぐな姿勢を感じて、なんでこんなことが起きてしまったんだろうって思ったり。
わたしは愛が人間の感情の中で最も尊ぶべきものだと思っていて、まあその「愛」は恋愛じゃなくて友愛でも家族愛でも愛国心でも何でもいいんだけど。
だから、とりわけ並木と美奈子のやりとりは心に響いてしまった。
美奈子への手紙の後、トンボが美奈子が自害するのを阻害してくれた描写で大号泣してしまって、まだ戦争なんてそんなものに巻き込まれなかった、軍人ではない並木との思い出がここで出てくるのかって。
船に乗った北と並木のやり取りもすごく印象的でした。
北の肩がふくらんでいるのが、なんかもうしんどくて、北のそういうところを並木がちゃんと見ていて、回天に搭乗するときにちゃんと「おふくろさんに会ってこい」って言ってくれたのが、もう……
北と並木の関係性、すごくよかったです。
一番記憶に深く残ったのは弟君の「立派に死んできてください!」なんですけど。
あのシーンと、並木と沖田が学校でふたりで話すシーン、衝撃がでかすぎたし、悲しかったな。
若者……というか、誰もかれもが、国とか情勢とかそういうでっかいものに巻き込まれて、ひん曲がった教育を受けざるを得ないとか、そういう社会はやっぱり怖いし、いやだ。まだ幼い子が、国のために命を投げ出すのを当たり前だと思い込んでしまうのは、やっぱりいやだ。わたしはそういうの嫌だし、戦争には断固反対です。
人が死ぬのはぬくぬくしたお布団の中でだけでいいし、つらい思いをしないでほしい。みんながみんな、誰かのために命を使わないでほしい。
そうずっと思って読んでたし、これからもずっとそう思って生きていく。
わたしは読書は勉強や成長のために必要なものではなくて、娯楽物だと思っているし、別に「勉強になった」とかにならんでいいとおもうんですよ。「楽しかった」「面白かった」だけですませて問題ないというか。
でも、わたしとしてはすごく「勉強になった本」です。恐怖で目を背けずに読めてよかった。
Posted by ブクログ 2022年08月14日
肘の故障により大学野球で活躍ができなかった並木浩二が、成り行きで特攻兵に志願してしまい人間魚雷「回天」の搭乗員となる。お国のためでも、愛する人を守るためでもなく、彼は自分で死を選択することにどう折り合いをつけたのか。
何年かに1回のスパンでこの時期読みたくなる。野球をもっと続けたかったろう、魔球...続きを読むを試してみたかったろう、美奈子との将来も楽しみたかったろうに。己の死を常に眼前に突きつけられ、彼らは何を思うのかが克明に描かれている。無念を抱えて死んでいった若者たちの想いが報われるような世の中になっているだろうか。
Posted by ブクログ 2022年04月06日
一編の長編映画を堪能したかのような読後感。ものすごく重厚長大なテーマと描写。それをきちんと「読み物」として成立させている。
舞台は終戦間近の日本で、主人公は特攻潜水艇「回天」の乗組員。元々は大学の野球部ピッチャーで、甲子園での優勝経験も持つ。その主人公が、時代の波に飲み込まれ、特攻兵として回天に乗...続きを読むることになる。
死への恐怖、「お国のために」という大義名分、幼なじみへの恋慕、生への執着、生きがいとは、友とは、生きるとは、死とは... 主人公のみならず、登場する全ての人物が思い悩み、葛藤する様が「これでもか」と描かれる。
主人公たちが、「目の前に準備された死」とどう折り合いをつけようとしているのか。その揺れ動く心の様が、とてつもなくリアル。もちろん、平和ボケした私などは、ここまで明確に死を前に覚悟を決めたことなどは無い。が、この歳になると、若い頃に比べて「死」はずっと身近なものとして感じられている。
さらに今、ロシアによるウクライナ侵攻のまっただ中、本書を手に取ったことは、何か運命的なものすら感じられる。古書店で、未読の横山秀夫作品を何点かまとめ買いした中の一冊として、内容も知らずに購入したが...海の向こうで正に戦争中で、自分の子供が主人公とほぼ同じ年齢の今、本書を読んだことは何かの天啓か。
心象描写のために、所々挟み込まれる「何気ない」シーンが、とても映像的。一途な恋人や無邪気な子犬の様子など、目の前の「死」とのコントラストが強く、読み手の心を揺さぶる。
時にぶつかりつつも、濃密な付き合いを続けてきた「仲間」たちが良い。脇役が締まると、主役がさらに生きてくる。「国防少年」や「鬼上官」などは、ややステレオタイプなきらいはあるが、本作ではそれで良い。主人公たちの苦悩や葛藤を、彼らもまた持っているに違いない...と思わせるだけのヒントは提示されている。
文字にすると陳腐になってしまうが、本当に「絵が浮かぶ」シーンの連続で、繰り返しになるが映画を見終わったような読後感。同じ特攻隊員を描いた舞台(後に映画化)「Winds of God」に、少しだけ身内として関わった私としては、その時の思いもオーバーラップしてしまい、涙なしには読めない一冊でした。
...ちょっと疲れた...(^ ^; しばらくは軽い「お気楽な」作品を楽しむか...(^ ^;
Posted by ブクログ 2022年02月19日
私は戦争を知らない
知らないからこそ
知っておかなきゃいけない事実がある
ほんとにフィクションなの?と思えるほどの臨場感
戦争って嫌だなあ
人ってこわいなあ
Posted by ブクログ 2021年11月09日
「魔球を打つ」という夢を持った並木が、なぜ特攻隊に志願したのか。
志願したあとの心の移り変わりがとても面白かった。
死にたくないと強く思う時期、受け入れる時期、最後は悟りを開いたような心情。
死ぬ事が分かっていても魔球を諦めない並木に切なくなった。
作中、並木は自分の事を弱いと言っていたが、私は沖...続きを読む田同様強い人間だな、と思った。
最後は回天で敵艦に突っ込むことなく亡くなった彼だったが、回天を世の人間に知ってもらうという夢は叶ったのかなと思った。
まだ若い子達が家族のため、祖国のためと命を投げ打って戦争に立ち向かったあの時代。
胸が苦しくなるが、温かい気持ちにもなるような素敵な作品だった。
高校生です。読書感想文の本を探していたところ、この本に出会いました。戦争を題材にしようと思っていたのですが難しい本が多くどれにしようか迷っていたのですが、野球をしている大学生が主人公という事で親近感が湧き、この本に決めました。野球への思いや戦争への不安、そして野球を諦められない思いが上手く表現されて...続きを読むいて、とても良かったです。この本をきっかけに戦争について興味が湧き、戦争の恐ろしさが少しですがわかったと思います。
戦争もの、ということで二の足を踏んでいました。好きな作家なので、期待ハズレを覚悟の上でしたが、最高でした。日本が中国といつか戦争の道をたどるかもしれないと恐れる今日、小説とは思えないリアリティがありました。そして今回も人として、いかに生きるべきか、を教えられました。警察ものではありませんが、
最高で...続きを読むす。
Posted by ブクログ 2021年08月12日
戦争文学で、特攻を熱かった小説は少なくありませんが、「回天」を取り上げた作品は数少ないと思います。そもそも搭乗員の死を前提とした特攻自体が戦略としても許されるべきものではない、と思いますが、中でも「桜花」と「回天」はその最たるものでありつつも知名度が低く、歴史としてしっかりと残していく必要があると思...続きを読むっています。
この作品では「回天」という出撃したら必ず死ぬことになる兵器に搭乗することになった(志願せざるを得なかった)主人公の精神的な葛藤や、大学野球という開放的な世界から強制的に軍隊や潜水艦という閉鎖的な空間に送り込まれた哀しみが、鮮やかに描かれています。
主人公の辿る思考回路や、周囲の軍人・上官・家族・恋人などの態度や反応はほかの戦争文学と大きく異なることはなく、「全く新しい感情の揺れ」を体験することはありません。しかし、それでも心を揺さぶられるのは、戦争で亡くなった多くの人の無念さや、戦争という行為の愚かさ、悲惨さを改めて感じさせられるからだと思います。
つきなみですが、戦争文学を読み継いでいく、ということが平和につながる一つの教育だと思い、生徒にも紹介し続けていこうと思います。
Posted by ブクログ 2024年05月05日
横山秀夫さんの本は、すべて読んだつもりでしたが、文庫本の背表紙のあらすじを読んで、これはまだだったなと読み始めたら、やっぱり止まらなかった。
戦争はほんとに恐ろしい。人が人でなくなってしまう。そんな中で人であり続けられた主人公。こうやって死んでいった人が多勢いたんだと思うと…そして今もそんな恐ろしい...続きを読む戦争は世界で続いているんだと思うとやるせない。理不尽としか言いようがない。
Posted by ブクログ 2024年03月05日
『人間魚雷』
自分は出来ることなら乗らない選択肢をしたいかな。乗る人間は「英雄」と胸を張ることができるかも知れないが、その人を大切に想う残された人間は「英雄」と想うことができるのだろうか。
私は、大切な人は「英雄」になんかならなくていいから、「弱者」としてでも生きていてほしいと願うのだろうな。そう願...続きを読むいたい。
『人間魚雷(回天)』があったから救われた命もあったとは想うけど、やっぱり人間魚雷なんてものは存在してはいけない。戦争は絶対に無意味なものなのだ。
Posted by ブクログ 2023年12月11日
人の生活に戦争があったことを感じた。前途ある青年が死ぬ意味を考え続けていた。きっとこの時代の多くの人が同じようなことをしていたと思う。令和の戦争がない時代の日本に生きる1人の人間として、立派に生きなきゃいけないと思った。
Posted by ブクログ 2023年11月24日
好きな作家で、この方の本はほとんど読んでいる。再読。
第二次世界大戦時、回天という特攻兵器に乗る兵隊の物語。野球部学生だった主人公が「生きたい」と思う気持ちを持ちながらも回天という特攻兵器に乗ることになる、心情が読んでいて苦しい。戦時の厳しいその様な時代でも希望を胸にし、葛藤し、己の生に意味を見つ...続きを読むけようとする姿に心打たれる。
あまり知られていない回天という兵器と共に、その時代の流れ、雰囲気を知ることができた。
Posted by ブクログ 2023年06月25日
戦争ものは暗い気持ちになるものだが、この本は人間魚雷として「回天」に乗ることになった男たちの心の動きであったり、人間としての尊厳や誇りなどの描写であったりが読んでいて切なくなった。理不尽な命令や異常な教育の中で、希望を見出そうとする人たちの史実に基づくフィクションではあるが、実際に特攻という形で命を...続きを読む落としていった人がいたことは現代においても忘れてはいけないと思った。
Posted by ブクログ 2023年05月04日
なぜこんなものが存在するんだろう。
2015年のパリ同時多発テロの時、現地の報道で自爆テロをkamikazeと表現しました。これに日本の元特攻隊員が憤慨の声を上げます。
一緒にするな、と。
アメリカ軍は無人と信じて疑わなかったそうです。
一度出撃すれば脱出できず、当たれば爆発、外れれば窒息、狭い...続きを読む空間でひとり、これ以上なく絶対に約束された、死。
なぜこんなものが作られたんだろう。
なぜこんなものに搭乗したんだろう。
両親、妻子、恋人、大切な人が殺されないように。
人の尊厳のため、その尊厳を無視したこんなもの
—回天。
頭では理解はできます。
でも心ではできません。
どうしても。
ありえない。
もう二度と。
Posted by ブクログ 2023年04月24日
読みやすく、横山秀夫の小説はやっぱり面白い。
戦争ものは久々に読んだけど色々考えさせられる。
死を美学にして、戦い続けることの意味。
当時はそれが全てだったのに、何年もすれば日本人がメジャーリーグでプレーをしていたり、時間が過ぎれば様々なことが変わる。
いつも目の前のことばかり考えず、先を見据えたり...続きを読む、未来には希望があることを理解して生きていくべきかな。
Posted by ブクログ 2023年01月04日
神風特攻隊はよく知られているが、『回天』はどれくらい知られているんだろう。 海の特攻隊、人間魚雷『回天』。 靖国神社の遊就館で実物を初めて見た時、強い衝撃を受けたことを思い出します。 その回天に乗り、国の為、家族の為に散華された若者たちの生と死の間で揺れ動く心の葛藤、「出口のない海」の狭い密室の中で...続きを読む発射の命令を待つ胸中を思うと、涙なしでは読めませんでした。 こう言った英霊たちのおかげで、今の日本があるという事に感謝しなくてはいけませんね。
Posted by ブクログ 2022年09月03日
人間魚雷 回天
発射と共に死を約束される極秘作戦
神風特攻隊の事は知っていましたが、
回天の事は他の方のこちらの本のレビューで知りました
絶対にあっていけない兵器です
甲子園優秀投手の並木くん
大学で肘の故障で投げる事に悩み、
そこに声をかけていく野球部の仲間
集っている喫茶店
恋...続きを読むや夢や、将来を話すキラキラした青春時代が彼等にはあったのです
回天に乗るまでの葛藤、苦しみ、心情
読んでいて本当に辛かったです
それでも、決して忘れてはいけない
この国に戦争が起き、
若者がどうしてこんなふうに
死に行く兵器に乗らなくてはならなかったのか
お国の為に死んでくるという忠義
自分の本心さえ言えない戦争
恐ろしいです
軍事訓練所で、上官から殴られる場面、暴力場面が苦手なので苦しかったなぁ
前半は青春の眩しさが感じるだけに、後半は辛かったです。
読んで良かったです
Posted by ブクログ 2022年08月25日
「横山秀夫」の戦争小説『出口のない海』を読みました。
『戦史の証言者たち』、『大本営が震えた日』に続き太平洋戦争関連の作品です。
-----story-------------
最終兵器「回天」が意味すること。
戦争とは、青春とは――。
人間魚雷「回天」。
発射と同時に死を約束される極秘作戦が...続きを読む、第2次世界大戦の終戦前に展開されていた。
ヒジの故障のために、期待された大学野球を棒に振った甲子園優勝投手「並木浩二」は、なぜ、みずから回天への搭乗を決意したのか。
命の重みとは、青春の哀しみとは――。
ベストセラー作家が描く戦争青春小説。
-----------------------
太平洋戦争時、回天特別攻撃隊で出撃した若者の姿を描いた作品ですが、、、
戦闘場面はほとんど無く、死へ向かう特攻隊員の心理や成長を中心に描かれた作品です。
主人公「並木浩二」の葛藤や心の揺れ等の心理描写を通して、戦争の理不尽さや戦時中の軍隊における異常さが訴えかけられる展開、、、
気付かないうちに感情移入してしまい、一緒に悩んでいた感じですね。
死を約束された立場で、理不尽なリンチを受け、死への恐怖と闘いながら、家族や恋人、国のことを想う気持ち… やり切れないですよね。
そんな状況の中でも夢を追い続けた「並木」の生き様に共感しました。
伝えて行かなといけないことだと思います。
Posted by ブクログ 2022年06月12日
人間魚雷「回天」
こんなに恐しい兵器を考えたとは。
そしてそれに乗り組む若者の心情。辛すぎる。
いろんな事考えさせられる一冊でした。
閉所恐怖症で、暗所恐怖症の私は絶対無理。
Posted by ブクログ 2022年05月17日
甲子園優勝投手の並木は、肘の故障でかつてのような球が投げれなくなっても、魔球を投げるという夢を捨てなかった。一方で太平洋戦争は悪化していくばかりで、学生だった並木も徴兵されてしまう。
1人の命を無価値にしてしまう戦争の無情さ、理不尽さ、必中必死の作戦に参加することになった並木の、自分の生、そして...続きを読む死への向き合い方が圧倒的な質量を持って迫ってくる。単なる戦争批判に留まらずに、当時の空気感、並木の苦悩を描いた小説で、だからこそ胸の苦しみを覚えずにはいられなかった。
Posted by ブクログ 2021年08月18日
大好きな横山さんの著書だけど、戦争の話なので読みたくなかった。
でも、手に入っちゃったし、8月なので、読んだ。
回天特攻隊の話は読んだこと無かったし。
やっぱり、悲しかった。
人の命って、時代によって、重かったり、軽かったり。
戦争の時代しか知らない幼い弟が「立派に死んできてください!」と当...続きを読む然のように兄に言うシーンが、一番悲しく、衝撃だった。
生きて戻ってきたのに恥と言われたり、殴られたり。
天災もコロナ禍も嫌だけど、戦争より全然マシ。
アフガンの情勢が心配。
Posted by ブクログ 2021年06月11日
高校生や大学生最も楽しいはずのときに彼らは国を守るため家族を守るためと疑わず死を捧げていた。
今のわたしたちの世の中をみて彼らはどう感じるのか。豊かになりすぎて、大切な家族といれること好きな人に好きと言えること、友人たちと好きなことをできる事。私たちはそれが、どれだけ大切かもう忘れかけている。それが...続きを読む戦争のあった時代彼らには何よりも欲しいもので、何よりも大切だった。
並木の感情こそ人間誰もがもつものだと思う。
でもその時代で死こそ当たり前、死があってこそ、という洗脳のようなものがあって、人間魚雷さえ生まれてしまった。想像もできない。自ら志願するものがほとんどだった。
彼らがいて今の私たちがいる。
戦争は何があっても起きてはいけない。それを彼らが伝えてくれている。
Posted by ブクログ 2019年10月12日
堀越二郎の零戦と同じく、この季節に読もうと決めていた本。
戦争を知らない私達世代でも特攻という言葉は知っていて、そこから連想するのは神風。
知識として回天の存在、それが人間魚雷であり、すなわち特別攻撃隊である事は知っていた。
しかし、神風特別攻撃隊ではなく、神塩特別攻撃隊と呼ばれた事は本書にて...続きを読む知る。
本土決戦に向け一億総玉砕が叫ばれ、学徒出陣の名において多くの若者も戦地に送り出された。
死を覚悟して決死隊とし出陣された方と、必ず死ぬ必死隊として出陣された特別攻撃隊の方の想いとは祖国の為という鉄の仮面に包まれ、ただ愛する人を守る為という想い。
そこだけは同じような気がする。
しかし、決死と必死の差は大きく、まさにその人の運命を左右する。
そんな中で必死を選んだ若者の苦悩と想いが見事に描かれている作品。
出会えて良かった一冊です。
説明
内容紹介
最終兵器「回天」が意味すること。
戦争とは、青春とは――。
人間魚雷「回天」。発射と同時に死を約束される極秘作戦が、第2次世界大戦の終戦前に展開されていた。ヒジの故障のために、期待された大学野球を棒に振った甲子園優勝投手・並木浩二は、なぜ、みずから回天への搭乗を決意したのか。命の重みとは、青春の哀しみとは――。ベストセラー作家が描く戦争青春小説。
青春の哀しみとは、命の重みとは――
横山秀夫が描く「戦争」がここにある。
内容(「BOOK」データベースより)
人間魚雷「回天」。発射と同時に死を約束される極秘作戦が、第二次世界大戦の終戦前に展開されていた。ヒジの故障のために、期待された大学野球を棒に振った甲子園優勝投手・並木浩二は、なぜ、みずから回天への搭乗を決意したのか。命の重みとは、青春の哀しみとは―。ベストセラー作家が描く戦争青春小説。
Posted by ブクログ 2022年03月06日
第二次世界大戦の特攻兵器「回天」を主題とした作品。甲子園優勝投手であり、大学野球部に所属している主人公・並木を中心に描かれている。
2022年3月現在、世界はウクライナ情勢で大きく揺れている。ニュースから伝わる戦地での状況と本書を重ねて読んで平和が多くの犠牲を必要とした第二次世界大戦の上に成り立っ...続きを読むていることを強く認識した。
戦争が終わる直前の玉砕を良しとする日本と現在の状況が同じだと思うことは危険だと思う。しかし、戦争が現地の精神状態を大きく変えてしまうことは大いにあると考える。(何が何でも生き残ってやるという意識から、早く死にたいと願うようになってしまうなど)
今のような時勢だからこそ、二次大戦の反省をもう一度行い各自が明確な意思を持つことが重要だと感じさせてくれた一冊。