横山秀夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
横山秀夫作品は面白い。
凝ったトリックはなく、心理トリックというか、視点人物の錯誤が中心になっている。
探偵ものによくある、調査フェーズが退屈という問題が無いのは、主人公が上司からのプレッシャーで苦悩している姿がヒリヒリするからだろう。
組織内で問題が起こる。
主人公は解決を命じられる。
解決できなければ組織内での評価が下がる。
それは社会的死を意味する。
社会的生命の危機を感じる主人公は操作は、自ずと生命の危機を感じさせるヒリヒリした物語になる。
退屈なミステリーは操作フェーズが退屈なのだ。横山作品の主人公はヒリヒリしている。
だから面白い。
4作品の中では「鞄」が好みだった。
上司 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれは、出版社の戦略だと思うのだけど、いろんなレビューのどれもが最初の謎を提示しているものだから、私もそちらメインで読み始めてしまった。
だから途中から「あれ?」ってなってしまったのだ。
よく考えてみるとそんな理由でそこまでする?って思えるんだけど、横山秀夫の文章力に乗せられて「ふんふん、なるほど」と納得しながら読まされてしまう。
最初の謎からどんどんそれていくように思えたけれども、最後はきちんとその謎が解けるようになっている。
警察ものでも、刑事ものでもないので、推理によって導き出されたものではないし、正直「そんな理由で!?」と思わないでもなかった。
でも、作者が書きたいことが圧倒的な筆 -
Posted by ブクログ
読んだ本 64ロクヨン 下 横山秀夫 20240216
去年読んだ本で一番面白かったって思ったのが横山秀夫の「ノースライト」だっだんだけど、今年ひょっとしたらこれかもって感じです。
とにかく警察組織の中でいろんな軋轢に身をすり減らしていく主人公の姿を追うのが息苦しく、上巻から下巻の真ん中までは窒息しそうになりながらも止まらない。真ん中でようやく警察小説らしく事件が起きるんだけど、むしろ事件が起きた方が軽くなる感じ。そしてラストに近づけば近づくほど読み飛ばしていたことがこういうことだったのかって追いかけてくる。
ラスト、何もかもが解決しないのに、消化して前に進んで行くしかないと自覚してい -
Posted by ブクログ
想像以上にダメだった。
読んだことないジャンル。
難しいとかそう言う次元じゃなくて苦手。
心臓バクバクして、手汗出たり、単語見ただけで手が痺れるというか。
なんかトラウマでもあるのか?
もしかして前世で乗ってた?
とにかくしんどかった。
史実があっての作品だから尚更辛い。
全部がフィクションならいいのに。
今からできることなんてたかが知れてるけど、歴史を知ると言う意味では読んでよかったな。
本当に辛かった。
それに向かう覚悟も恐怖も葛藤も私は知ることはないだろうし、知らなくていい。
相反する感情がぐちゃぐちゃになって、でも全部本心でっていう。
ここまで重い状況ではもちろんないけど、分かる部分も