横山秀夫のレビュー一覧

  • 出口のない海

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    数年前に大分県に旅行に行った際、回天大神訓練基地記念公園に立ち寄った。展示されていた回天レプリカの真っ黒の異様な様相に驚いた。操縦室を見るとあまりにも狭い。こんな中で死ななければならなかったのかと思いを馳せた。でも、その時の私は戦争の遺物を見ただけだった。本を読むと主人公の人生に引き込まれて、『大勢の人が亡くなった』ではなく、『夢見る一人の若者が亡くなった』に変わった。私だったらどうしただろう、卑怯者と言われても、卑怯な手を使ってでも生きようとしただろうか。もし大切な人がこの任務についたなら、、、、。どうにか抗えないかとずっと考えながら読んだ。私はこんな風には人生を終えたくないし、誰にも終えさ

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    2026年01月29日
  • 動機

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    ネタバレ

    かつてハマっていた横山秀夫作品をAudibleにて再読(聴?)。『逆転の夏』は聞いているだけでも主人公の追い詰められる緊張感がひしひし感じられた。逆転する場面では声が出たほど。最後の短編はあまりにも偶然過ぎ不条理過ぎたが、明るいラストなのか暗いラストなのか。もし暗かったら主人公が可哀想過ぎる。なぜ主人公が彼女に責められなければならないのか憤りさえ感じた。勝手過ぎる。

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    2026年01月25日
  • 影踏み

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    予想外の設定だったけど、安定の面白さ。
    ちょうど良い感じ。(伝わるかな?!)

    稲村葉子を軸にしてまとまるのかと思いきや、葉子は途中で出てこなくなっちゃった……。
    双子と久子の三角関係でありがちな設定に切り替わったのがちょい残念だったけど、最後は切ない余韻を残し好みの感じだった。

    葉子のキャラが良かったので、もっとドロドロギトギトして欲しかったけど、こんなのも有りだな!

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    2026年01月22日
  • クライマーズ・ハイ

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    ネタバレ

    約30年かかって、今日やっと読み終わった。生存者の少女と同い年なのもあり、事故当日が我が家にとって節目の日だったのもあり。一報を聞いた時間から翌日ぐらいまでのことは、今でもかなりよく覚えている。

    発刊翌年に読み初めて辛くなって、その後、育児や自分の人生にかまけて読まず。また数年ぶりに読み始めては挫折の繰り返し。あの事故現場の新聞写真や親が買って来たグラフ誌のページが蘇って来て辛くなって。でも昨年暮れから、今回こそ読み通そうと決めて果たしました。

    最後、今読んでよかったと思った。主人公の年齢に近づき息子もいる現在が、読み通すのに最も適した時期だったと感慨深かった。人生経験を積んで来た今なら、

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    2026年01月20日
  • 半落ち

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    認知症という身近な問題でもありながら、到底解決出来るはずもない答えを探し回り、主人公の愛と苦しみと悲しみが混ざり合った作品です。
    幸せであったはずの夫婦の仲が、壊れていく様や、そこに対する解決策の無さ、周りの人達の一歩遅い手助けなど、読んでいるとかなり苦しいです。

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    2026年01月14日
  • 64(ロクヨン)(下)

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    昭和と平成のちょうど間という時代背景がバチっと合いました。被害者、刑事、犯人、三者三様の時代の移り変わりを見事に表現しています。
    平成から令和に移り変わった今この時に著書を読むのはすごく良かったです。
    ただ全体的に暗いです。登場人物の心情も暗いし、内容も暗い。読んでいてハッピーな気持ちになることは全くありません。そもそもハッピーな気持ちにさせる小説ではないのですが…

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    2026年01月09日
  • 64(ロクヨン)(上)

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    昭和と平成のちょうど間という時代背景がバチっと合いました。被害者、刑事、犯人、三者三様の時代の移り変わりを見事に表現しています。
    平成から令和に移り変わった今この時に著書を読むのはすごく良かったです。
    ただ全体的に暗いです。登場人物の心情も暗いし、内容も暗い。読んでいてハッピーな気持ちになることは全くありません。そもそもハッピーな気持ちにさせる小説ではないのですが…

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    2026年01月09日
  • 半落ち

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    この物語は犯人が自首している状態から始まり、なぜ殺したのかではなく、殺した後の二日間何をしていたのかという謎に迫るという斬新な構成だった。
    それぞれの登場人物が自分の立場やメンツを守るために梶を問い詰めるが、決して口を割ろうとしない。
    語らない部分にこそ、その人の人生が詰まっているような気がした。

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    2026年01月07日
  • 半落ち

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    3日前に妻を殺害したとして自首した警部が、直近の2日間について黙秘を続ける~警察・検察・マスコミ等が組織の事情を抱えつつも、核心に攻め込むストーリー。

    明かされた真実で、私の心に清々しい風が吹きました。

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    2025年12月26日
  • ノースライト(新潮文庫)

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    まず、主人公の心象や状況などにおける臨場感のある描写に、作家の筆力の高さを感じた。個人的にはこの本の一番好きな点が文章の巧みさである。読んでいて、おお、かっこいいなと思う文や、想像力を掻き立てられるような描写が幾つもある。読みやすいどころか、作者に憧れながら読んだ。
    建築家という仕事に重きをおいた作品だが、家族、同僚、ライバルなどの人間関係、人物描写も魅力的に描かれていた。
    ミステリー小説としては事件性が低く、物足りなさを感じるかもしれないが、それを上回るストーリー展開だった。
    最後はまさに友情、努力…、の王道ストーリーなのも読後感が非常によく、誰にでも超オススメできる。

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    2025年12月19日
  • 臨場

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    「赤い名刺」と「眼前の密室」が好み
    登場人物一人一人が妙に生々しくてページ数以上のボリュームを感じる

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    2025年12月15日
  • 陰の季節

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    『ハードボイルドアクション』みたいな警察物は色々あるが、こちらは別路線。警察内部のゴタゴタを解決する話。これがとても面白い。

    『天下り』や『議会の答弁対応』、『無断欠勤』、『婦警不要論』。警察の秩序と面子を守る為、キャリア達が奔走します。人間ドラマに、迫るタイムリミット、最後の一捻りにゾクッとして、短編集でも読み応え充分!

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    2025年11月29日
  • 64(ロクヨン)(下)

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    娘の失踪。
    10年前に起きた少女誘拐の未解決事件。
    自らの所属する県警における刑事部vs警務部の覇権争い。
    県警と中央警察との覇権争い。
    様々な要素が絡み合い、当事者の誰ひとり真実を話してはくれない中で、県警広報官の葛藤と奮闘が描かれる。

    面白い。
    特に後半、真実が見え始めてからの加速度的な盛り上がりは、かなり楽しめた。

    しかし。
    (父親である私としては)娘の失踪が全く片付いていないどころか、何のヒントすらないまま、手放しで「面白かったー!」とは思えないのも真実である。もちろん、わざとそういうエンディングにしたことは理解するものの、である。

    三上が指揮車に乗込んだ後、松岡の含みのある言葉

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    2025年11月28日
  • ルパンの消息

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    ネタバレ

    面白かった!
    喜多の語るルパン作戦が事件をだんだんと明らかにしていく。終始昭和の雰囲気でそれもまた良かった。
    3億円事件にまで話が広がってどうなることかと思ったけど、着地点がしっかりしていたのですっきりした。

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    2025年11月25日
  • 64(ロクヨン)(上)

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    幸田メモの中身がわかる件はドキドキしたけど、それ以上に精神的に三上が追い詰められてて読んでて胃が痛くなる思いだった
    もし自分が三上の立場だったらと思うとキツすぎる、、、

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    2025年11月23日
  • クライマーズ・ハイ

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    日航機墜落事故を巡って葛藤する新聞社の話。
    単純に読みやすく面白かったです。とてつもない大事件対応の重責を担うことになり苦しんだりもがいたりという過程はサラリーマンの多くが実感する「つれぇよなあ」を劇的に描いていて、ここまででないものの共感を覚えます。

    一方で、読み終わったもののあまり「新聞記者としての苦悩」と「山登り」の関係性に、あまり必然性を感じられないなと思いました。新聞のこと描くのに山登りはあまりいらず、山登りを描くにはボリューム少なすぎ、それとこれとのつながりもさほど必然性を感じないというか…慌てて読みすぎて作者の意図を汲めなかったのかもしれません。

    ただそこを置いてもエンターテ

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    2025年11月22日
  • 出口のない海

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    人生観と死生観の狭間に苛まされる主人公
    そして周りの人間の視点を挟みつつ、出口のない海に旅立つこととなった
    さすが横山氏
    時代を問わない不朽の名作

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    2025年11月21日
  • クライマーズ・ハイ

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    これは泣くよ。
    最後らへん、佐山が悠木にいった言葉で私は泣いた。
    新聞っていうものを少し知れた。新聞には馴染みなくきた人生だったが、作る人の思いが重くのった紙なんだなと思った。さらに今では考えられない。携帯電話を使用できない環境。現在よりも時間もかかっていたと思うと文明の発展には驚かされる。
    もっと早く読みたかった作品。

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    2025年11月09日
  • 顔 FACE 〈新装版〉

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    2002年初版。横山秀夫さんの「顔」を読みました。横山さんの警察小説、好きです。主人公は平野瑞穂、23歳。似顔絵を、書くことが仕事の婦警さん。いろんな挫折から希望の職種から外され、苦しむ。男社会の中で足掻く姿に応援したくなります。短編集ですが、各編とも奮闘する平野婦警と他の婦警たちの苦しみ悲しみに胸を打たれます。

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    2025年11月02日
  • 半落ち

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    警察・検察・弁護士を始めとした、各々の正義のもと日々奮闘する堅物たちが、妻を扼殺するという罪を犯した梶聡一郎に心を寄せてそっと見守る姿にグッときた。
    最後の描写は涙を禁じえず、新たに生まれた絆がずっと続いていくよう願わずにはいられない、とても読後感の良い作品だった。

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    2025年11月01日