横山秀夫のレビュー一覧
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新聞記者を主人公に1985年の日航機墜落事故を描いた作品。
地方紙の遊軍記者で一匹狼の主人公が、墜落事故の全権デスクに指名された。未曽有の大惨事を扱う中で、全国紙との取材競争、経営陣の権力争い、部署間のいがみ合い、世代間の意識乖離、友人の事故、家庭問題などでたびたび混迷しつつも必死にもがく先に見えたものとは・・・
事故当時、まさに群馬の地方記者であった作者が直に肌で感じたものが筆に乗るのか、報道現場の緊張感を一部でも垣間見るようでした。
現場の一次情報や生の声をしっかり伝えようとする熱い記者魂には、フィクションと分かっていてもグッとくるものがあります。青臭い正論が嫌いではないので。
また、 -
購入済み
うわさに違わない名作
世間の評価が高かったため、自分の中でハードルを上げていたが、一気に読み切った。
職業ごとに違う目線から見る、それぞれの立場の違いがより一層感じられてよかった。
なにより一人一人に「人生」がある、と感じられる。特に認知症の身内を持つ裁判官の話。もう少し掘り下げて欲しかったが、枚数制限でもあったのだろうか。
とは言え「謎」が、空白の二日間の行動について、なのでミステリとしては弱いと思う。
あと、ちょっと気になるのは、冒頭や時々出てくる幼女連続暴行犯の方の結末がなんだかスッキリしない。新聞記者の話で出てくるが、それ以降忘れられたのかな?(触れてあったのに読み飛ばしていたのだろうか? 取引の材料と -
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『64(ロクヨン) 上』を読んでまず感じたのは、これは未解決の誘拐殺人事件を追う警察小説ではなく、「組織の中で自分の信念を貫くとはどういうことか」を描いた小説だった。
昭和64年、わずか7日間しかなかったその年に起きた少女誘拐殺人事件、通称「64」。事件は未解決のまま時が流れ、時効が迫っている。主人公の三上義信は、かつて刑事として捜査に携わり、現在はD県警の広報官を務めている。そんな中、「64」をめぐって警察庁長官の視察が決まり、三上は再び事件と向き合うことになる。
ただ、上巻を読んで驚いたのは、事件の捜査そのものが物語の中心ではないことだった。三上が向き合うのは、記者クラブとの対立、刑事 -
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面白かったです。
主人公の三上は「ちょっと勘が悪めだけれど熱い男」だなと思いました。
「勘が悪め」というか「人がいい」。疑うことが苦手で、正面突破型。なので、警察内部の政治的な活動が上手くいっていない。でも、そういう人物には好感が持てます。
一方、三上と同級生の二渡は、警察組織の力学を把握して、裏側を読んで立ち回りができる人物でした。
三上と二渡の対比がすごくよかったです。
二渡は警察のトップに登り詰めるのでしょうか。
犯人は、予想がちょっと難しいパターンの人物でしたね。
お金欲しさに幼い子供を殺したヤツは、しっかりと罰を受けてください。お願いします。
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少女誘拐殺人事件なんて、最悪な事件。
絶対に犯人は捕まって、復讐されるはずです。『64』は人気小説みたいですからね。胸くそ悪い結末にはならないと信じて読みました。
主人公の三上がとんでもなく不細工で、娘のあゆみちゃんはお父さんにそっくりな高校生。あゆみちゃんが不細工を理由に心を病んで家出をするという設定に「不細工で家出って、何やそれ」と思ったのですが、おそらく三上家の家庭に何らかの問題がひそんでいるんでしょう。
お母さんがスーパー美人で、娘はユニークなお顔なんてよく見かけますから。
美人には美人の苦労もあるかもしれないですし、お顔がユニークでも何かしら自分の好きなとこを見つけて生きられればい -
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横山秀夫さんの処女作ミステリー。
15年前に自殺とされた高校教師の墜落死に他殺の可能性が浮上した。時効目前の切迫した状況の中、当時の在校生の聴取から思いもよらない事実が次々と明らかになっていく・・・
作者がデビュー前に書いた原点たる作品だそうで、確かに粗削りな勢いに溢れていて、その波に飲み込まれる感覚がそれはそれで心地良かったです。
解決したはずの事件に実は裏があったという有りがちな設定なのですが、校内に忍び込んでいた不良生徒らを核にした独自の構成に引き込まれます。
事件の真相へ迫っていく怒涛の後半は、意外なところが線でつながったり、登場人物の裏の顔が明らかになったりなど、人間模様が複雑に錯 -
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64』を読んだときにも感じたが、横山秀夫の警察内部の描写の緻密さがとても印象に残った。
自分は警察について詳しいわけではないので、描かれていることが実際の警察組織とどこまで同じなのかは分からない。それでも、「こういう役職があって、こういう立場や力関係の中で物事が進んでいくんだな」と自然に受け入れながら読むことができた。
特にすごいと感じたのは、これだけ複雑そうな警察組織を扱っているのに、読みにくさがないこと。役職や組織の仕組みを細かく描きながらも、説明が難しくなりすぎず、物語の中で自然と理解できる。その緻密さと読みやすさの両立が魅力だと感じた。
また、短編集なのに一編一編の物語がしっかり -
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出来すぎだよ、この男は。
「終身検視官」倉石義男。 死体に残されたわずかな違和感も見逃さず、周囲の見立てを次々と覆していく。 あまりに何でも見抜くので、一回ぐらい失敗してくれね?と思うほど。
でも面白かったのは、倉石が主役でありながら、物語の中心に居座らないこと。 それぞれの話には、それぞれの人生があって、それぞれの事情を抱えた人間がいる。 倉石自身が語り手になるのではなく、そんな人たちの人生に「最強の検視官」が現れる。
だから事件の真相以上に、その死に至るまでに何があったのか、残された人間に何があったのかが印象に残った。
無愛想で組織にも媚びない。 それでも人のことはよく見ていて、 -
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ネタバレMarvelous! But…
本書の凄みは、薄っぺらい会話がほとんど無い点。つまり、斬れば血が出るシリアスな内容を登場人物たちが本音で語っており、特に広報室の三上やその部下の諏訪、松岡参事官などの言葉のやり取りには胸が熱くなるような迫力と感動がある。
その背景には、不祥事続きのD県警生え抜きの刑事部長ポストがキャリアの指定席(天下り)となりそうな事態がある。刑事部では誘拐事件を解決できないばかりか、証拠隠蔽も発覚しそうになり、三上らの広報室は記者クラブ対応に翻弄される。
本書のクライマックスの一つは、情報の出し惜しみをする刑事部のせいで三上が自分の首をかけて記者たちを説得する場面。
「お前