横山秀夫のレビュー一覧

  • 半落ち

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    読み終えた後、涙が止まらなかった。これほどまでに心が洗われるような経験は、今までになかったかもしれない。
     横山秀夫の『半落ち』は、妻を殺害した元警察官・梶聡一郎の「空白の二日間」を巡る物語だ。しかし、読み進めるうちに、これは単なる事件の謎解きではなく、梶に関わった人々の生き様と、彼らの目に映る「梶聡一郎という人間の本質」を描いた物語なのだと気づかされた。
     私が最も惹かれたのは、第一章の主人公である志木和正、そして裁判官・藤林の妻である亜紀子のパートだ。志木は、組織の論理に翻弄されながらも、梶の沈黙の中に「一人の男としての凄まじい覚悟」を見出す。そして亜紀子は、被告人という立場を超え、彼の佇

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    2026年03月26日
  • 64(ロクヨン)(上)

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    ネタバレ

    一人娘が失踪中であるD県警広報官の三上のもとに、ある事件の被害者遺族を警察庁長官が訪問するという話が舞い込む。その事件は14年前に発生した幼女誘拐殺人事件で、未だ未解決となっている通称「ロクヨン」であった。遺族のもとに段取りをつけに行ったところ拒絶されたことに疑問を持った三上は、ロクヨンについて書かれた極秘の「幸田メモ」というものが鍵を握っていると考え、調査を開始する。やっとの思いで幸田メモの正体に辿り着いた三上は、それが日本の警察組織自体を揺るがしかねない、隠蔽事件の告発であることを知るーーー。

    淡々とした文章の中にも三上の心情がうまく織り交ぜられ、警察組織内の緊張感や重厚感が伝わってきた

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    2026年03月21日
  • 半落ち

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    横山秀夫さん著「半落ち」
    「影踏み」以来の著者の作品となる。

    近所の古本屋さんに何気なく立ち寄って眺めていたらこの本を発見。なんと100円。
    物語を思い出せない… 迷わず購入してみた。

    当時この作品は映画化され物凄く話題になった。寺尾聰さんの主演映画で映画館で観たのを覚えている。
    調べてみれば2004年公開とのこと。ということは20年以上経っている。
    時間が経つのが早い。そんなにも時間が経っていた事に驚いている。

    読んでいる最中に色々と思い出してきた。
    当時多分この作品は映画を観た後に読んだのだと思う。その事自体をあまり覚えていないのだが明らかに再読になる。

    読んでいて「あーそうだった

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    2026年03月19日
  • クライマーズ・ハイ

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    暑い夏の熱い話。安西さんの上る、とは禊と類義語なのか、やり切ると類義語なのか。降りたいなと思いながら登るのはつらいよな。と自分の仕事姿勢を顧みた。

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    2026年03月18日
  • ルパンの消息

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    ネタバレ

    なんか…すごかった(語彙力)
    色々詰め込んだなって感じ。半グレ高校生、友情、教師と生徒の恋愛、レズビアン、レイプ、殺人、トリック、etc…1冊でこんなに色々味わえる物語もなかなか無いと思う。たくさん出てくる登場人物がちゃんとストーリーに絡んできて、終始圧倒されてた。お前、ここで来るんか…って。特に最後の婦警さんとか。
    でも黒幕の動機が私のような一般人にはあまり理解できなかったのと、親バカと言えど警察のお偉いさんがそんなことする?ほんとにぃ?って思ってしまうカラクリもあって、荒っぽいなと感じる部分も少々。けど全体的にとても面白かったし、何より夢中になってほぼ徹夜で読んでしまった。
    興奮冷めやらぬ

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    2026年03月11日
  • 動機

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    本作は表題作の『動機』を含む4つの短編で構成されている。

    どれも「事件そのもの」より、その背景にある**「なぜそれをしなければならなかったのか」**という動機の解明に焦点が当てられていた。

    必死に、そして泥臭く生きる人間たちが描かれているため、読んでいる間、まるで自分がその場にいるかのような息苦しさを感じた。

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    2026年03月10日
  • 半落ち

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    ネタバレ

    半落ちとは、警察に捕まった犯人が全てを自白していないという警察用語。全て自白することは完落ち。

    本作における主人公であり妻殺しの犯人は、殺しについては自白するものの、犯行後の空白の2日間については黙秘する。警察、検察、マスコミを巻き込んで、スキャンダラスな憶測も流れるが、誰も真相を掴むことはできずに物語は進行する。
    本作で印象的なのは、警察→検察→弁護士→裁判官→刑務官と、刑事手続きにおけるベルトコンベア順に視点が変わるところ。

    そして、最後刑務官のところで、空白の2日間の真相が明かされる。てっきり真犯人は別にいて、誰かを庇っていると予想していが、事件とは全く関係のない展開だった。

    本作

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    2026年03月09日
  • 真相

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    ネタバレ

    ①真相
     息子を殺された主人公。長い年月が経ち、ようやく犯人が捕まった。だがそこから、思いもよらぬ息子の一面を知ることになる。それも含めてその人なのだと受け入れるのは、あまりにも苦しい。
    ②18番ホール
     過去の犯罪を隠し通すため、何が何でも選挙に負けるわけにはいかない主人公。だが、楽勝と見られていた選挙は思わぬ苦戦を強いられる。もしかしたら、味方陣営に自分を陥れようと目論むものがいるのではないかと、疑心に駆られる主人公。そしてそれは、最悪の結末へと向かっていく。
    ③不眠
     会社をリストラされ、職を探す傍ら治験のバイトをする主人公。ある日近所で殺人事件が発生し、刑事から疑われた主人公は事件の晩

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    2026年03月09日
  • 陰の季節

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    昔は好きで当著者の本をよく読んだが、わりにbooklogには記載されていないなと思い至り、再読。

    警官主人公とした短編小説。警官と言っても人事、天下り先、婦警、政治屋対応等、違った切り口で話が進みかつどれも面白い。さすが横山秀夫さんと言う感じか。

    出世競争等、事件を追うだけでなく、人間模様が興味深い。著者の警官への敬意も感じられ話に奥行きが出ていると感じる。

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    2026年03月07日
  • 半落ち

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    2026/07

    認知症の妻を殺害した警察官が自首をする。容疑について素直に話す彼が、殺害から自首までの「空白の二日間」については固く口を閉ざしてしまう。

    いわゆる「半落ち」

    警察、弁護士、検事、記者、裁判官など様々な立場から彼の真相に迫ろうと力を尽くす展開が面白い。

    私は志木さんが好きだった。取調室で急変穏やかになるの職業人すぎてカッコよすぎる。

    オチは軽い伏線があったものの「おお、そうきたか」とびっくりした。調べると致命的な欠点とかありえないとか検索ワードに出てくるけれど、そうなのかな?

    終わり方も好きでした。

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    2026年03月03日
  • 出口のない海

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    人間魚雷回天、非人道的なこの兵器に乗った若者たちの気持ちは、いまを生きる人たちには決して理解できないものだと思う。

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    2026年02月28日
  • 陰の季節

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    後の刑事小説の基になったと思える一冊。
    「震度0」に見える警察機構内部の軋轢と個人の存在意識。
    「顔」のストーリーの面白さなど、その後の作品の原点を感じた。

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    2026年02月27日
  • 64(ロクヨン)(下)

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    上巻同様前半は若干退屈だったが、後半の展開は凄まじかった。新たな誘拐事件からの無言電話の真相、そしてロクヨンとの繋がり。よく考えられて練られてる重厚な小説だった。初めて見る熟語が頻繁に出てきて苦労したが、調べながら読むと良い勉強にもなる。

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    2026年02月22日
  • 64(ロクヨン)(上)

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    情報詰まり過ぎな上、登場人物も多くてついていけず文字を読んでるだけな部分もあった。心折れかけた。
    だが中盤以降、自宅班に接近し始めた辺りからもうページを捲る手が止まらない。
    人物相関図をメモして理解した上で読むともっと面白いと思うが、どんな結末が待っているか気になるので下巻を早いとこ読むとしよう。

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    2026年02月19日
  • クライマーズ・ハイ

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    組織のしがらみ、家族への接し方、仕事の葛藤…苦しんでいる様がとても伝わってくる。それでも芯はぶれずに前に進んでいく、とても読ませられる作品でした。

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    2026年02月19日
  • 陰の季節

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    一般的な警察小説のような派手な捜査やアクションはなく、組織の裏方である警務部での出世争いや、組織防衛といった現実味のある内容が描かれている。

    警察組織で働くとはどういうことか、と考えさせられる一冊だった。

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    2026年02月18日
  • 陰の季節

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    audibleにて再読。横山作品は後半につれて緊迫感が増し、最後にホロっとした感動と共に緩ませるのが特徴だと思うが、耳で聴くとその緊迫感が読むより半端ない。それにしても、二渡は何者?!

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    2026年02月14日
  • 顔 FACE 〈新装版〉

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    『決別の春』:なんでも相談テレフォンという市民からの電話相談を受ける部署に異動した瑞穂。連続放火魔の事件が頻発してる時にしおりと名乗る女性から助けの電話が。過去に両親を伯父の放火により殺された過去をもつしおり。トラウマに悩むしおりだが、過去の事件の真実とは。驚きの真実でびっくり。ストーリー性が上手いからやられる。
    『心の銃口』:女性警官が拳銃を奪われて犯人は逃走。危篤状態になった女性警官が話せる状態になったときに口にした犯人の姿は高身長の女。緊急配備されて犯人が判明した時、瑞穂と相棒箕田は犯人の居場所を探して東地区へ。犯人の女を見つけ家に押し込むとそこには警察グッツがたくさんあった。犯人の女は

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    2026年02月02日
  • 64(ロクヨン)(下)

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    読み疲れた。
    下巻の途中からは、ずっとクライマックス
    マスコミとの攻防、部署間の軋轢、男たちの心理戦
    楽に読ませる文章がまったくなく、ずっと歯を食いしばって読んでいる感じ。
    スリルよりも責任の重さを体感する小説と感じた。
    肩が凝りました

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    2026年02月01日
  • 64(ロクヨン)(上)

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    面白い
    過去の事件、行方の分からない娘、ギクシャクする妻との関係…
    どこを切り取っても、暗いトーンと重い人間関係。
    重厚過ぎて肩が凝ります。
    さて、下巻はハッピーエンドになるのだろうか。

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    2026年02月01日