横山秀夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日航機墜落事故を巡って葛藤する新聞社の話。
単純に読みやすく面白かったです。とてつもない大事件対応の重責を担うことになり苦しんだりもがいたりという過程はサラリーマンの多くが実感する「つれぇよなあ」を劇的に描いていて、ここまででないものの共感を覚えます。
一方で、読み終わったもののあまり「新聞記者としての苦悩」と「山登り」の関係性に、あまり必然性を感じられないなと思いました。新聞のこと描くのに山登りはあまりいらず、山登りを描くにはボリューム少なすぎ、それとこれとのつながりもさほど必然性を感じないというか…慌てて読みすぎて作者の意図を汲めなかったのかもしれません。
ただそこを置いてもエンターテ -
Posted by ブクログ
キムタクドラマの原作!と思って購入したら、違った!内野聖陽の方でした。しかも、ドラマ観てなかった。しかも、この本、読んだことありました。チーン。
ビブリアというアプリで記録してて
「さすが!面白くて一気読み」と書いてた。
臨場ー終身検視官、倉石。カッコイイ!
横山秀夫さんの警察小説の中で、最高傑作。
昔、落合信彦さんが好きで、ハードボイルド小説にハマってた時期があった。
あ、落合陽一さんのお父様ね。
今の時代には使えない様な言葉や言い回しもあるんだけど、だからこそ痺れる。
フィクションだからこそ、味わえる男気。
こういう世界、好きなんだよなあ。
全8編のうち、最初の「赤い名刺」が一番好き -
Posted by ブクログ
ネタバレおもしろかった。
横山秀夫作品を読んだのは、「臨場」に続き2冊目でした。
短編集で全部おもしろい。
タイトルからしてイヤミス風ですが、本当にそうでした。
知らなきゃ良かった、知りたくなかった。後悔先にたたず。
「18番ホール」と「他人の家」が、特に秀逸だと思いました。
18番ホール・・・
県庁を退職して、地元の村の村長選挙に出馬することになった男。
当選確実と言われ仕事を辞め、妻子を連れて地元に戻ったが、予期せぬ対抗馬の出馬により、当選の行方があやしくなっていく。
仲間への不信、過去に犯したことが露呈しているのではないかという疑心暗鬼の中、投開票の日を迎え、結果は・・・。
人間の心理がすご -
Posted by ブクログ
横山秀夫氏の書く小説がやけに心に刺さるようになった。
それは自らの年齢も相まってかもしれない。
建築士である青瀬稔の最高傑作である信濃追分のY邸。
だがその最高傑作の家に、
引き渡し以降、ただの一度も住まれた形跡がないことを知る。
消息を絶った施主の吉野の痕跡を追ううちに
日本を愛したドイツ人建築家ブルーノ・タウトの存在が浮かび上がってくる。
物語の前半はゆっくりと状況を我々に説明してくれる。
そのスローテンポさに少し飽きを感じてしまうのだが、
ところがどっこい、後半に差し掛かるにつれ、
散らばった点と点は見事に線となり繋がっていく。
そして何より後半にかけての青瀬の決意にはグッとくるも -
Posted by ブクログ
2002年第15回「このミステリーがすごい!」
第1位。
2005年には寺尾聰主演で映画化。
第28回日本アカデミー賞優秀作品賞を受賞。
読んでいなかったかもしれません。
2003年の直木賞最終候補にも残りましたが、「リアリティの問題」が指摘されたと聞きます。
警察組織を扱ったからこそ、小説であっても現実とのすり合わせが求められたのでしょうか。
当時そういう議論があったことも覚えておらず、どうやら“読んだつもり”だった一冊です。
警察官が妻を殺した。
そう聞けば、どうしても動機を求めたくなる。
けれどこの物語では、その動機は最初から明かされている。
刑事、