北山猛邦のレビュー一覧

  • 神の光

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     全編"消失"というシチュエーションのみを扱った本格ミステリーで、銃のスコープの中の屋敷、砂漠の街、ポオの遺稿に書かれた小屋、神聖な丘の頂上に建つ鳥居、複数の人間の夢に現れる白亜の館の五編が収録されていて、どれもが読み手の意表を突くトリックと幻想的な雰囲気が魅力的で外れ無しの短編集だった。

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    2025年12月27日
  • 神の光

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    ネタバレ

     9月に刊行されていたのをすっかり見落としていた、北山猛邦さんの最新刊である。帯によると、週刊文春ミステリー・ベスト10で第2位、そして何と、2026本格ミステリ・ベスト10で第1位。遅れ馳せながら手に取った。

     本作は、全5編とも、建造物が姿を消す消失トリックを扱っているという。ネタの難易度が高いせいか、自分が知る限り先行例は少ない。1編だけでも大変なのに、5編揃えるとは。期待以前に、斜に構えてしまったことを告白しておこう。

     「一九四一年のモーゼル」。酒場で老人から聞いた話。監視していた邸宅が、跡形もなくなっていた。本作中、最もトリックらしいトリックか。伝説の某コント番組を思い浮かべた

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    2025年12月25日
  • 神の光

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    大長編のメイントリックに使えそうな大ネタをそれぞれの短編に惜しげもなく詰め込んでいる。圧巻。
    特に表題作「神の光」や、「藤色の鶴」などは、小説としての情感もあり、見事というほかない。

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    2025年12月24日
  • 神の光

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    建物消失という壮大なテーマの五篇の短編集。
    「その街は、たった一晩で姿を消した」という帯に猛烈に惹かれてまんまと買ってしまいました。
    トリックが壮大すぎて、ちょっとそれは無理がないか?と思うものもありましたが、そういうのも自分の予想の範疇を超えているだけでもしかしたら不可能ではないのかもしれないと思わされるくらい、全ての作品がハイクオリティ。
    そもそも建物や街を消すなんて、無理やりすぎるくらい大がかりな仕掛けがないとできないですしね。
    というかトリック抜きにしても一篇50ページ程度でこんなに独自の世界観を作り上げられるのかというほど面白く、ゆっくりじっくり読もうと思っていたのに続きが気になって

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    2025年11月14日
  • 神の光

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    建物消失の謎でしばった五篇の短編集。
    正直、「一九四一年のモーゼル」の美しさに他が普通だろうと北山さんのロマンと本格への情熱にやられた。
    だから他の作品も良かった。他の作品も普通じゃない、傑作。

    3035冊
    今年263冊目

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    2025年10月13日
  • 神の光

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    超★5 建物が消失した…? 弩級本格謎解きでありながら幻想的! 気品に溢れるミステリ短編集 #神の光

    ■きっと読みたくなるレビュー
    超★5 ベテラン先生の技と底力が堪能できる、高品質なミステリー短編集。まぁさすがといったところです、おもろい!

    全部で5編からなる作品集ですが、なんとすべてが同じテーマの謎解きなんです。これが興味深く、建物が消失してしまうというもの。えええぇえ、そんなこと可能なの?!

    もちろん同じネタではないし、時代背景や構成プロットは当然全部違うのよ。全く違うお話になっていてバラエティに富んでる、なので最後まで飽きずに本格ミステリーを楽しめちゃうんですよね。

    イチ推しな

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    2025年10月16日
  • 神の光

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     現時点、今年読んだ短篇集の中でベスト1です。『消失』という難しい題材で繋がる、恐ろしくハイクオリティな作品が並んでいます。

     一番印象的だったのは、ポーの直筆原稿(と思わしきもの)とその作中の建物消失の謎をめぐる『未完成月光 Unfinished moonshine』で、謎に対する答えは提示しながらも、哀しくも幻想的な余韻を残すラストがとても好きでした。カジノで大儲けした祖父が遭遇した街の消失事件の顛末を描いた表題作の『神の光』も素敵な作品で、その場所、その時代でしかありえない真相が、丁寧に解き明かされていく様が圧巻でした。

     意外とひとは大事なことを見逃していて、その盲点こそが、『消失

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    2025年10月05日
  • オルゴーリェンヌ

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    世界観とそこに出てくるキャラクターとミステリのトリックと、要素の全てが最高のバランスで配置されていて、やはり傑作ですね。(単行本が出た当時既に大感動してその時にも感想をまとめましたが、ようやくの文庫化で再読して再確認した次第)

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    2025年08月17日
  • 『アリス・ミラー城』殺人事件

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    ネタバレ

    最後まで犯人もトリックもわからず、終盤は、1人ずつ、この人には無理、この人には無理・・・じゃあこの人!?あれ、でもこの人も無理になった・・・??という感情がつづき、ハラハラして楽しめた。記憶がなくなったころにもう1度読みたい。そろそろ思い出せなくなったので、読み返そうと思う。再読したいと思えるミステリは少ないが、これはその1つ。

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    2025年08月12日
  • 私たちが星座を盗んだ理由

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    カバーの美しさと相反する、嫌ミスだった。
    描写がやわらかくて美しくて、その分結末の毒が心に刺さる。
    短編だけどひとうひとつ驚かされる秀逸な本だった。
    ふつうの人の持っている心の毒の部分をあぶり出される、読後感がいい意味で悪い本だった。
    いい本です!

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    2025年08月07日
  • 私たちが星座を盗んだ理由

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    タイトルがもう好き!
    短編集1つ目の「恋煩い」を読み始め、若かりし頃を思い出し、簡単な恋のおまじないなんてしたなあ、なんて軽く読んでいたら、いやいや、これってミステリーだったのってなりました。
    他の作品もロマンチックでファンタジー要素を含みながらのラスト。
    余韻を残して終わる作品が多いので、苦手な方もいるかもですが、私は大好きな1冊でした。

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    2025年02月10日
  • オルゴーリェンヌ

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     焚書によるディストピア風のファンタジーで旅をする少年クリスが謎の少女ユユと出会い、さらには前作の事件で知り合った少年検閲官・エノとも再開を果たし、海上に建つオルゴール職人達が住む『カリヨン邸』に隠されているというガジェットの捜索と、洋館の住人を襲う連続不可能殺人に巻き込まれ、その謎を解明していく、特殊設定×館×クローズドサークル×不可能犯罪というミステリー好きには堪らない魅力のオンパレードかつ滅び行く世界で少年少女が自分の進むべき道を模索していく姿も引き込まれるものだった。ラストの畳み掛けは心底驚かされるものだった。間違いなく著者の最高傑作の一つ。

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    2024年11月26日
  • 街角で謎が待っている がまくら市事件

    이거 추억의추리만화답네여

    仮角で謎が待っている鎌倉市事件
    これは推理漫画であり、興味深く奇妙な推理漫画です
    私もこの推理漫画は好きですが面白いです。

    #共感する #カッコいい #じれったい

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    2024年11月12日
  • アルファベット荘事件

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    ザ・密室と言える王道のミステリ。難解なトリックが最後に解明されたとき、とても唸った。しっかりヒントは提示されているので、解けなかったのは悔しかった。また、冒頭が後日譚の伏線だったのに驚いた。本格ミステリとしてとても良い作品だと思う。

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    2024年10月09日
  • 少年検閲官

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    北山猛邦さんの書くファンタジー系の作品は、どれも独創的な世界観で読んでいてすごくワクワクします。

    この作品も夢中でハマってしまいました。ただ、グロいのが苦手な方はあまりお勧めできないシーンがありますが…。

    真相編までに犯人が分かった方は尊敬します(相変わらずわたしよ推理はポンコツでした)。

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    2024年07月30日
  • 『クロック城』殺人事件

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     世界の終わりを舞台にした本格ミステリー。巨大な3つの時計が掲げられた『クロック城』と呼ばれる変わった建物に行くことになった主人公たちが遭遇した連続首なし殺人を捜査していくストーリーの中に、『スキップマン』『真夜中の鍵』という、謎めいた存在や、世界の終わりを阻止するために暗躍する『SEEM』『十一人委員会』という組織との攻防などのアクション要素あり、終盤の予測がつかない展開などが気になって読み進めた。また「なぜ首を切断したのか」「離れた場所から外に出ずにどうやって移動したのか」の真相には驚かされた。

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    2024年06月09日
  • アルファベット荘事件

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    ネタバレ

    最初の子供時代のお話が何なのかずっと引っかかっていましたが、最後の最後で明かされてびっくりしました。
    子供の頃と今と、性格が変わっていて全然分からなかったです。
    美久月さんに関しては、性格を上手く装っているのかもしれませんが…。

    あとがきに、多少無茶なトリックがあると作者自身も書いておりますが、創生の箱の仕掛けや死体移動のトリックを推理するのはとても楽しかったです。

    250ページほどでしたが、最初から最後までとても綺麗にまとめられていると思ったので、星5つをつけさせていただきました。
    美久月さんやディが他の事件に遭遇するお話も読んでみたいのですが、おそらくシリーズものではなさそうですよね…

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    2024年06月06日
  • 『アリス・ミラー城』殺人事件

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    ネタバレ

     『鏡の国のアリス』を連想させる『アリス・ミラー城』に探偵たちが集められ、次々に殺されていく…というクローズドサークルに密室、バラバラ死体などミステリー好きを刺激する要素が目白押しで最高だった。そして犯人が語る動機の歪さが不気味だったし、ラストの衝撃は「アンフェアかな?」と思ったけど自分は好きだった。

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    2024年06月02日
  • 推理の時間です

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    これめちゃくちゃ面白いです!
    有名な6名の作家さんがそれぞれ短編で
    ミステリーを書いていますが、
    それだけではなく、別の作品の推理をしています。
    推理小説の3つの謎である、
    【フーダニット】…誰が
    【ホワイダニット】…動機は
    【ハウダニット】…どうやって
    が問われた作品がそれぞれ2作ずつ楽しめます。

    問題編、解答編、推理編で大きく章が分かれていますが、おすすめの読み方は
    まず問題編を読んで自分で推理した後に
    推理編を読んで、最後に解答編に行く読み方です。

    ほとんどの作家さんが正解していて、
    さすがとしか言えないです。
    中には「全然わかんない~!けどこうかな~」みたいな人間味のある解答もあっ

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    2024年05月16日
  • 『クロック城』殺人事件

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    とても面白かった。
    作中を通じてどこか悲しげな、寂しげな雰囲気があるが、これも世紀末ものの特有のものなのか(?)
    トリックも面白く、読者としての納得感もある

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    2024年05月09日