あらすじ
優しく、美しく、甘やかな世界が、ラストの数行で、残酷に崩壊する快感。景色が反転し、足元が揺らぎ、別な宇宙に放り出されたかのような、痛みを伴う衝撃。かつて、まだ私たちが世界に馴染んでいなかった頃の、無垢な感情を立ち上がらせてくれる、ファンタジックな短編集。ミステリの醍醐味、ここにあり!
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Posted by ブクログ
カバーの美しさと相反する、嫌ミスだった。
描写がやわらかくて美しくて、その分結末の毒が心に刺さる。
短編だけどひとうひとつ驚かされる秀逸な本だった。
ふつうの人の持っている心の毒の部分をあぶり出される、読後感がいい意味で悪い本だった。
いい本です!
Posted by ブクログ
タイトルがもう好き!
短編集1つ目の「恋煩い」を読み始め、若かりし頃を思い出し、簡単な恋のおまじないなんてしたなあ、なんて軽く読んでいたら、いやいや、これってミステリーだったのってなりました。
他の作品もロマンチックでファンタジー要素を含みながらのラスト。
余韻を残して終わる作品が多いので、苦手な方もいるかもですが、私は大好きな1冊でした。
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最後に驚きがある短編を集めた短編集。
特に好きだった短編は以下の3つ。
・恋煩い
最後の一文が直接的な悪意で怖い。どんな思いで主人公と仲良くしていたのだろうか…。
先輩は普通にいい人ではなさそう。
・妖精の学校
最後の座標はマップで調べると沖ノ鳥島の北小島がでてきた(あってる?)。
童話チックだけどほんのり不気味
・終の童話
とても切ない。しばらく放心してしまった。ラストはどっちに転んでも悲しい…。
(ドラクエ7のとある村の話を思い出した)
Posted by ブクログ
どの話も世界観に入りやすく面白かった!
世にも奇妙な物語好きな人は好きな話が多いと思います。
印象に残ったのは「恋煩い」かなぁ、サクッと読めた上にインパクトもあった。
「終の童話」みたいな最後を読者に委ねる系もけっこう好み。
「妖精の学校」だけはオチの意味わからなくてググりました。これ初見でわかる人おるん???
インターネットがある時代でよかった笑
Posted by ブクログ
どれも幻想的な雰囲気があってよかった。
いちど読んだだけでは理解できないお話がいくつかあって、他の方のレビューを読んでようやく理解しました。
北山さんの短編ミステリはいくつか読んだことがありますが、この1冊がいちばん好きかもしれません。
匿名
ちょっぴりダークな短編集。空いた時間に読みやすい。
4つ目のお話が好きです。2つ目の話は最後まで読んでも意味がわからなく、検索してほんのり理解した程度ですが雰囲気が好き。
Posted by ブクログ
ファンタジーから現実的な話まで世界観の振り幅が大きい5つの物語の短編集。ミステリの真相とラストのインパクトが強烈な「恋煩い」、一見しただけではわからないラスト一行が意味深な「妖精の学校」、主人公の最終決定を読者に委ねたファンタジックミステリーの「終の童話」が個人的おすすめ。「私たちが星座を盗んだ理由」は主人公の心情がよく描かれていて星座を盗んだトリックにも感心したがラストは美しくないので残念。「嘘つき紳士」だけ毛並みが違う感じでファンタジックな短編集というコンセプトにはそぐわないかなと感じました。
Posted by ブクログ
5つの短編が入ってる作品。
読みやすいのでスラスラと読み進めることができるが読み終わったあとにぞくり、どろり。と心に何か重しが残る。
個人的に「終の童話」と題された作品が一番好きで考えさせられた。
短編なので隙間時間に一話読めるのでサッと読むのに最適。良き。
Posted by ブクログ
短編集で読みやすい。
ずっと不穏な空気が漂っていて、結末が気になって一気に読んでしまった。
4話目の「終の童話」が特にお気に入り。余韻の残る読後感でした。
Posted by ブクログ
『ダンガンロンパ霧切』シリーズを読んで、北山さんの本が気になり読んでみました。
5つの短編集ですが、どの作品もとても興味深い内容で、面白かったです。
「恋煩い」はラストの1ページだけホラーに変わったのは驚きでしたし、「嘘つき紳士」もいつバレるのかハラハラしながら読んでいました。
ただ、結末をあえて書かずに読者の想像に委ねている作品があり、そこは個人的にはあまり納得のいくラストではなかった為、星4つにさせていただきました。
でも、北山さんの他の作品ももっと読んでみたいと思えるような一冊でした。
Posted by ブクログ
子供向けのミステリだと思っていたけど、読むととても引き込まれる作品だった
特に妖精の学校はめちゃくちゃ面白い
どこかで見た事のあるような設定だけど、読んでいてドキドキワクワクする
強いて言えば、オチに無理があるような気がした
ただ、あの薄っぺらい分量でここまで引き込まれる設定を作れるのは凄い
最後の最後でイヤミスにする展開が毎回同じだから、何となく展開が読めてくるのが少し残念
Posted by ブクログ
どんでん返しの短編集。最初の恋煩いから衝撃的だった。単なる女子高生の恋のおまじないの話かなーとか読んでいたけど最後にやられた。妖精の学校はあんまり。嘘つき紳士、終の童話、私たちが星座を盗んだ理由はジャンルが多彩でいい感じのイヤミスだった。
Posted by ブクログ
それぞれなかなか意地の悪い5篇収録の短編集
どれも重すぎずサクッと読めて良いです
中でもラスト2篇が個人的にはお気に入り
『終の童話』石化の呪いにまつわるファンタジーな世界観で展開されるドラマ
オチが秀逸で、読んだ人と語らいたくなる
『私たちが星座を盗んだ理由』後味悪目の作品が多い中で、どちらかというと甘酸っぱさと苦さを強く残す表題作
Posted by ブクログ
5つの短編集で、どれも最後にウッとさせる。
表題の作品が気になったが、何でそのまま綺麗に終わらせてくれないんだ、と感じた。
そこも含めても満足です。
優しく、美しく、甘やかな世界が、ラストの数行で、残酷に崩壊する快感。景色が反転し、足元が揺らぎ、別な宇宙に放り出されたかのような、痛みを伴う衝撃。かつて、まだ私たちが世界に馴染んでいなかった頃の、無垢な感情を立ち上がらせてくれる、ファンタジックな短編集。ミステリの醍醐味、ここにあり!
難病の女の子を喜ばせるため、星座を一つ消して見せる男の子を描く表題作ほか、5つの物語のすべてに驚愕のどんでん返しが待つ傑作短編集!
Posted by ブクログ
甘く軽やかな文章から一変
奈落の底に落とされる、または、どうして…?と問いかけたくなるラスト。
(1話目は結構怖かったのでホラー嫌いな人は飛ばしていいかも)
リアルな話から童話調の話まで全5話。
2話目のラストの暗号を読み解いたら怖くなってしまうと思い、読み解きませんでした笑
気になる方はぜひ!
Posted by ブクログ
自分の中ではこれまでにない世界観を味わった作品であった。特に『妖精の学校』『終の童話』は何とも言えない余韻が残り、他の方同様ネットで調べまわり、やっと納得。
1話目『恋煩い』で良い感じのイヤミス感を感じたのでそれ以降は決して面白くない訳ではないのだが、先にも書いたが不思議な感覚で終わった。ちょっと自分の中でハードルを上げてしまった感はあったかもしれない。
Posted by ブクログ
5つの物語全てに
どんでん返しがついている短編集。
細かい描写と丁寧なロジックの
おかげで圧倒的な臨場感に
浸ることが出来る。
個人的には
1話目の『恋煩い』が
伏線の貼り方、回収の抜かり無さが
秀逸で好み。
でも一番好きなのは
このオシャレなタイトルです。
Posted by ブクログ
短編イヤミス5話、ファンタジー要素あり。タイトルと装丁からはこの内容は想像できない。重い。「妖精の学校」が一番衝撃的。この話の深みと怖さを味わうことができるセンシティブな1行がそこに用意されている。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読んでみたけど、子ども向きだったみたい。
衝撃だけで後味の悪いファンタジーの短編集だった…
親友とか姉を恋敵として殺そうとするってシチュエーションがリアリティがなくて好みじゃなかった
意味がわかると怖い話、みたいな感じでした
白い服の子供たちが集められている話だけ意味がわからなかったので調べました
Posted by ブクログ
大好きな北山先生の短編集!
どれも、ダークミステリーで、最後にはどんでん返しありだったが
少し物足りないと感じたのは私だけでしょうか?
「妖精の学校」のオチ、難しすぎるー
調べてもあまりパッとしなかった笑
北山先生は長編の方が合ってると思います。
Posted by ブクログ
北山猛邦氏の描く、どんでん返しモノのミステリー短編集。表題作である『私たちが星座を盗んだ理由』を含む全5編を収録。
”ミステリーらしい”ミステリーだけでなく、ファンタジー要素を含んだ作品も収録されているのだが、どれもがひとつの作品として純粋に面白く、瞬く間に読み切った。
『恋煩い』
作品名や幼馴染との三角関係から、甘酸っぱい青春小説と思いきや…。どんでん返しとしての迫力は少々欠けるものの、ラスト一行を「彼女」がどんな想いで書いたのか考えると、ずっしりとした感情が込み上げてくる。ジャンルとしてはミステリーというよりホラーに近いものを感じた。
『妖精の学校』
ファンタジーのような世界観を彷彿とさせる作品だが、これまた捻られた設定に唸らせられる。ラスト一行の謎が解けずに解説を調べたのは私だけではないはず。
『嘘つき紳士』
拾った携帯の持ち主の彼女を振り込め詐欺に利用しようとする男の物語。切れ味鋭くブラックユーモアに溢れたオチが、どこか星新一みを感じさせる。
『終の童話』
石喰いと呼ばれる化け物が、主人公の暮らす村を襲い始めたところから始まる物語。凄惨な時間から希望を垣間見た村人たちが立ち上がる話…と思いきや、まったく新しいタイプの殺人事件が発生。たしかにこれは、ファンタジーの中でしか起きえないものだろう。
そして、表題作『私たちが星座を盗んだ理由』。
ミステリアスな作品名に魅入られたものの、「星座の盗み方」のトリックがどこか説明臭く、正直イマイチといった感想。だが、姉妹の短冊と夕兄ちゃんのすれ違いの結末には心が締め付けられた。
Posted by ブクログ
ちょっとファンタジーな話しかな?と予備知識なしで読み始めたので、恋煩いを読み、まずビックリ。
のちにイヤミス系だと知りましたが、短編ということもありイヤミスが苦手な私も軽く楽しく読めました。
Posted by ブクログ
ラスト数行に残酷などんでん返しが待つという謳い文句通りの短編集。明かしてほしくはないが明かさないと売りに出せないジレンマ。
見出し通り結末は残酷で後味は悪いが終始鬱々しているわけではなく、序盤は日常的な謎をあるいはファンタジーな世界での異端を平坦に描き、ラストのどんでん返しとのコントラストを顕著に見せています。決して晴れ晴れしい気持ちにはなりませんが、唾を飲み込むような息苦しさを味わえ、そのような作品が好みな方にはおすすめな短編集になっています。
Posted by ブクログ
タイトルが好きだったので興味を持った。
タイトルだけを見て星に関する話なのかなと思ったが、短編が5本掲載されており、表題の話は5本目だった。
いずれの話もミステリーもので1本目の「恋煩い」が人間の恐ろしさを感じられたのと伏線回収の仕方が個人的には1番好きだった。
そのせいか2本目の話からはやや物足りなさを感じてしまった。
Posted by ブクログ
・どんな本を調べても星座は88しかない。ところで星座も地球でいうところの国境線みたいに線引きされている。その線引きされた区画の中に必ず一つ、星座が含まれることになっているんだ。1930年に国際天文連合で決められたんだ。この時、定められたのは全部で89区画。89区画に、88の星座。星座が1個足りないだろう?それはそうだ。だって僕が盗んでしまったからね。
・月が星を隠すことを、星食という。厳密には、あの夜、星食によって南の冠座が隠れたわけではないが、月の明かりが星を消したのは間違いないだろう。
表題作以外はあまり物語に入り込めなかったけど、「わたしたちが星座を盗んだ理由」はロマンチックで切なくてわたし好みだった。
Posted by ブクログ
『5つの物語すべてに驚愕のどんでん返しが待つ』
『優しく、美しく、甘やかな世界が、ラストの数行で残酷に反転する衝撃は、快感ですらある』
との事だが、私には驚愕というよりは、「おお!」と感心させられた印象を持ち、残念ながら、快感を覚える程の衝撃は感じなかった。
そもそも、これって、どんでん返しなのか?
とは書きつつも、別に北山さんのミステリ論を否定するつもりはなくて、なんというか、渋いところ付いてくるなというのが一つと、どんでん返し以上に印象深かったのが、伏線の見事さで、これは、どの作品もそう感じたが、特に「恋煩い」と、真相を知った後の「妖精の学校」は、思わず読み返したくなるほどの素晴らしさで、「なるほどね~」と。
また、物語のジャンルも、高校生と恋とおまじないが絡み合った「恋煩い」、謎の孤島で目覚めた少年に、ここは一種のネバーランド? と思わせる、「妖精の学校」、借金を背負わされた男が、事故死した彼氏のことを知らない彼女と、彼氏の振りをして、メールのやり取りをする展開がスリリングな、「嘘つき紳士」、石喰いというファンタジー要素が、人間心理の奥を揺さぶる、「終の童話」、姉の同級生に恋していた妹の思いと、姉の思いの交錯が切ない、表題作の「私たちが星座を盗んだ理由」と、様々で飽きさせない。
しかし、私が最も心に残ったのは、いずれも、過去に自己嫌悪に苛まれる出来事を持った主人公が、まるで、それを償おうとするかのように行動しようとするけれど、結局、反転させられる事に、「ほら、やっぱりね」と肯きたくない気持ちが強かった事で、特に「終の童話」に至っては、あれを責めるには、あまりに無慈悲なのではないかと思わせるくらい、彼がずっと抱き続けてきた彼女への思いの一途さは尊いと思ったのだが・・まあ、結末自体はあんな終わり方なので、人それぞれの捉え方が出来る点に、まだ救いがあるのかもしれないし、こうしてみると、自己嫌悪しながらも、それを忘れずに、なんとか前を向こうとしてるのだから、そうした点に、人間の善悪両方の面を持ちながらも、どこか自分に対する厳しさをちょっと覗かせるところに、愛おしさを感じられたのは、良かったのかもしれない。
それにしても、「恋煩い」は惜しかったなぁ。
私の中では、5つの短編の中でダントツの好みだったが、最後の衝撃的な一文を、その前の解答編でなんとなく推測出来てしまったのが、その衝撃度を下げてしまったようで残念だった。
しかし、それでもあれは、ここ最近読んだミステリの中に於いて、久々に体験させてもらった、周囲の気温が2~3℃下がったんじゃないかと思わせる、そんな感じと言えば分かってもらえるだろうか。
というわけで、「恋煩い」は、今の季節に間違いなくおすすめの作品です。