あらすじ
優しく、美しく、甘やかな世界が、ラストの数行で、残酷に崩壊する快感。景色が反転し、足元が揺らぎ、別な宇宙に放り出されたかのような、痛みを伴う衝撃。かつて、まだ私たちが世界に馴染んでいなかった頃の、無垢な感情を立ち上がらせてくれる、ファンタジックな短編集。ミステリの醍醐味、ここにあり!
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Posted by ブクログ
思わずタイトル買いした作品。
タイトルも中身もロマンチックだった。しかし最後に残酷な現実をつきつけられ、感情がないまぜになる。余分に説明せず、想像させるかたちで楽しめる。特に「終の童話」が好き。
Posted by ブクログ
恋煩い:アキ、シュン、トーコの幼馴染の三角関係恋模様。甘酸っぱい感じで、アキはトーコから聞いた恋が実るおまじないの行動をとって海野先輩と付き合えるように頑張るが。最後のドギツイオチがかなり効く。
嘘つき紳士:車に撥ねられて死んだ白井勇樹の携帯を拾った俺は白井のメールにあったキョーコと連絡を取り合う。田舎に残した彼女と東京に夢を見て出てきた白井。俺は借金返済のため白井になりすましてキョーコに連絡して金を引き出そうとする。キョーコの純粋さがと思ってたら、キョーコの策略はそこかいと思う。なかなか胸糞な終わり方。
Posted by ブクログ
✩4.2
「恋煩い」のトーコは普通にやばいやつやし、初めて知ったプロバビディの犯罪っていう方法。面白かった
「妖精の学校」は不思議な世界。最後の数字がなんとなく座標とは思ったけど、調べずにネタバレ調べちゃった。
「私たちが星座を盗んだ理由」は星座を盗むって言い方素敵でそのプレゼントなんて羨ましいなぁっていうのが1つ。
相手が興味示してくれない惨めさ共感が1つ。
気になったのは私たちっていう複数形な理由、、、
盗んでお姫様の首飾りにしたのは、夕兄ちゃんやのになんでかなって思って、
私が考えたのは夕兄ちゃんが首飾りにするために星座を盗んだ。
姉にあげる予定だった首飾りを姉を見殺しにすることで妹が盗んだ。
ってことやよなぁ、うわあぁ。
ていうか、、小説のなかの話とはいえ、自分の利益、得、願い、恋愛のために人を殺したいと思う人物多すぎな!!
少なくとも自分がそんな一線を越えた人間にならんでよかった、今んところは。
Posted by ブクログ
最後に驚きがある短編を集めた短編集。
特に好きだった短編は以下の3つ。
・恋煩い
最後の一文が直接的な悪意で怖い。どんな思いで主人公と仲良くしていたのだろうか…。
先輩は普通にいい人ではなさそう。
・妖精の学校
最後の座標はマップで調べると沖ノ鳥島の北小島がでてきた(あってる?)。
童話チックだけどほんのり不気味
・終の童話
とても切ない。しばらく放心してしまった。ラストはどっちに転んでも悲しい…。
(ドラクエ7のとある村の話を思い出した)
Posted by ブクログ
どれも幻想的な雰囲気があってよかった。
いちど読んだだけでは理解できないお話がいくつかあって、他の方のレビューを読んでようやく理解しました。
北山さんの短編ミステリはいくつか読んだことがありますが、この1冊がいちばん好きかもしれません。
匿名
ちょっぴりダークな短編集。空いた時間に読みやすい。
4つ目のお話が好きです。2つ目の話は最後まで読んでも意味がわからなく、検索してほんのり理解した程度ですが雰囲気が好き。
Posted by ブクログ
優しく,美しく,甘やかな世界が,ラスト数行で「残酷」に反転する衝撃が評価されている5編からなる短編集。北山猛邦作品の中でも特に好きな一冊である。個々の作品の所感は以下のとおり。
○ 恋煩い
主人公の女子高生の淡い片思いと,男女の幼なじみたちが登場する恋愛小説風の作品。幼なじみの男子からは好意を寄せられているが,主人公は幼なじみ同士が付き合うことを密かに望んでいる。一方,主人公自身は高校の先輩に恋をしている…という,ひと昔前の恋愛漫画,「あだち充」作品のような世界観で物語は進む。
しかし,その世界は一変する。主人公がおまじないにはまっていく描写は,実は幼なじみの女子が主人公を殺害するための「プロバビリティの殺人」だったというオチ。プロバビリティの殺人自体は手垢のついたプロットだが,「私は…待つ」、「私がやっても意味ないよ」といったセリフが鮮やかな伏線になっている。何より,ラスト一行の「死ね」のインパクトは強烈。傑作といっていい出来
○ 妖精の学校
過去の記憶を消された子どもたちが,妖精になるために謎の島で生活している。子どもたちは鳥の名前のニックネームで呼ばれ,「北の虚」と「東の虚」に入ってはいけないというルールの中で,「島を変わらない永遠のもの」にするため暮らしている。
クイナという少年が島の生活に疑問を抱き,禁を破って虚へ向かう。主人公のヒバリも後を追う。SF的な真相かと思いきや,最後の一行に示されるのは沖ノ鳥島の座標。真相は領土問題であり,日本が沖ノ鳥島を領土として維持するため,子どもたちを住まわせていたという現実的なオチだった。
幻想的な世界を現実へ引き戻す構成が見事。沖ノ鳥島をめぐる国際情勢まで想像させる,非常に残酷で印象深い作品。傑作
○ 嘘つき紳士
借金に苦しむ男が拾った携帯電話。その携帯には,持ち主の恋人からメールが届き続ける。ニュースで携帯の持ち主が事故死したことを知った男は,死んだ男になりすましてメールを続け,女性から百万円を振り込ませることに成功する。
やがて女性に好意を抱きつつも,思い出として写真を送ってほしいという願いに応じてメモリーカードを送り,関係を終わらせた…かに思える。
しかし真相は逆だった。女性こそ恋人を事故に見せかけて殺害した犯人であり,共犯者が写った写真を回収するため,純朴な恋人を演じ続けていたのである。他作品より現実的な設定だが,最後の反転は十分なインパクトがある。これも秀作
○ 終の童話
一転してファンタジックな作品。小さな村には,人を石に変えてしまう「石喰い」という怪物が現れる。主人公ウィミィが慕うエリナも石に変えられてしまうが,英雄ジャックネッタが怪物を倒す。
十年後,石になった人を元に戻せる「聖水」を作れるワイズポーシャが村を訪れる。しかしエリナは,今さら元に戻しても,状況も分からないまま死ぬだけの「手遅れ」の状態だった。
さらに,石喰いの呪いで怪物となったジャックネッタが現れ,ワイズポーシャとともに死亡。ウィミィはエリナを救うのか,それとも石像を壊すのかというところで物語は終わる。
リドルストーリーとして終わる作品だが,エリナという愛すべきヒロインが最後まで救われない理不尽さが強く心に残る。非常に残酷な作品
○ 私たちが星座を盗んだ理由
表題作。主人公には病弱な姉と,隣に住む憧れの「夕兄ちゃん」がいる。しかし夕兄ちゃんは主人公ではなく姉に好意を抱いており,主人公は家族からも姉ばかり優遇されることに嫉妬している。
七夕の日,「看護婦になりたい」と「星の首飾りが欲しい」という二つの願い事が書かれる。主人公の願いは後者だったが,夕兄ちゃんはそれを姉の願いだと勘違いし,姉へ星の首飾りを贈る。
嫉妬が頂点に達した主人公は,姉の容体が急変したとき,看護師を呼ばないという消極的な方法で姉を死なせ,星の首飾りを手に入れる。
その後,贖罪の思いから看護師となった主人公は夕兄ちゃんと再会し,すべてを告白する。しかし最後に,夕兄ちゃんの妻と子どもが現れる。
ラストの残酷さは十分だが,他の四作品ほどの衝撃は感じなかった。及第点ではあるが,本短編集ではやや印象が薄い。
Posted by ブクログ
自分の中ではこれまでにない世界観を味わった作品であった。特に『妖精の学校』『終の童話』は何とも言えない余韻が残り、他の方同様ネットで調べまわり、やっと納得。
1話目『恋煩い』で良い感じのイヤミス感を感じたのでそれ以降は決して面白くない訳ではないのだが、先にも書いたが不思議な感覚で終わった。ちょっと自分の中でハードルを上げてしまった感はあったかもしれない。