北山猛邦のレビュー一覧
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ネタバレ第1作をとても楽しめたので、こちらもネットで購入した。
インターネット上でざっと見る限り、肯定的に評価している感想はあまり見つけられなかった。トリックや謎解きが小ぶりであるとか、展開がご都合主義的ではないかといった意見も見受けられた。
確かに、前作に比較すると、今回はうまく事が運びすぎているような印象もある。不可解な状況が現出し、それを解き明かしていくエクスタシーが味わえずに消化不良を感じる読者もいるのかもしれない。
それでも、個人的には、犯人と知恵比べをしてうまく出し抜いて殺人を防げるのかどうか、わくわくして読むことができた。実際の殺人事件では、犯人はこんなトリックを仕掛けようとはせずに、も -
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ネタバレ本書はインターネット上でいろいろと調べて見つけた。いかにも安易だが、コーデリア・グレイの物語は私にとってとても印象的だったので、何かほかに類似の作品がないかを調べようとした。女性が探偵(もしくは刑事等)のシリーズはほかにも多数あるようだったが、たまたま目に留まった本書を選んだ。
冒頭から、探偵助手になるために「大東亜帝国大学探偵助手学部」で勉強するところから始まるので、いきなり非現実感もあるが、探偵助手学なる学問についてその後もあまり紙片を割いて詳しい説明もなかったように思う。しかし、それでもこの設定そのものにそれほど違和感なくすらすらと読み進めることができる。むしろ、ここで変に詳しく設定を説 -
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ネタバレ=作者のファンなので、かなり評価の甘い感想になります=
と言いつつも、ミステリとしてトリックが凡庸なのはまぁそうだなとは思う(笑
でも巨大アルファベットを足場やトンネルにしたりというアイデアがいかにも北山先生っぽくて大好き。実現性とかは知ったこっちゃない、ロマンですよ。
あと、創生の箱からの死体出現トリックがすべて別のネタで行われているのが面白いポイント。凝ってる。
んで、本作の魅力の大きなところはは、トリックではなくてキャラクターや読後感。
美久月が最後の最後に正体を現しても違和感のないキャラクター設定とストーリー。このまとめ方こそ本作の面白さの根幹ではないでしょうか。
ずっと読みたか -
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ネタバレ1989年日本、1243年フランス、1916年ドイツ……マリィとレインは生まれ変わり続け、殺し合う。
って、まさか生まれ変わりの最初が1989年とは。輪廻転生って時が遡るんですね…という切ない美しさがありました。生まれ変わりに重複もあるなんて。重複が鍵でした。自分と同じ記憶を持った人が複数いる、ってかなり妙だし自分さえも信じられなくなる…ジョフロワはそれで歪んだんだろうけど狂うよなぁ。
ラピスラズリの瑠璃色がちらつきます。
マリィとレインの恋も、執着して殺してるジョフロワも、時を自在に移動する探偵の探偵のスノウウィも良い。スノウウィ=マリィなのねたぶん。
2作目にして、事件そのもののトリックよ -
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物語の舞台が終わりかけている世界で、素敵に好みのミステリでした。面白かったです。
この音世界を終わらせないためにSEEMと十一人委員会がそれぞれ別の方向性で支配している…磁気異常と降り続く雨の世界観も好きでした。
びしょ濡れでやってきた瑠華から「家に住む〈スキップマン〉を退治して」という依頼を受けた探偵の南深騎といつも側にいる菜美が訪れる『クロック城』。外壁にある10分ずつずれた3つの大時計が印象的です。
クロック城で暮らす瑠華の家族や親族、博士の助手、執事親子もなんだか変わっている人ばかり、加えて世界の崩壊を止める〈真夜中の鍵〉を探す十一人委員会の第三の天使・クロスとその助手までいる。
世界 -
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ネタバレツッコミどころは読後に色々出てくるものの、
殺人鬼がどんどん迫ってくるスリルと、奇抜で大胆な犯行へのサプライズ感を全体通して楽しめたし、
こちら(読み手)の勝手な思い込みを見事に利用してきたな、というところの上手さに素直に騙されたと思ったので星4つ。
もともと動機の部分にはあまり興味がないので、犯人が過激派エコロジストだったという説明は別にそれで良いかなと思うものの、
海上が「犯人はアリス」とまで言ったのに、その後誰もアリスについて言及しないのはさすがにおかしいのでは...ずるいのでは。
とは言え、怪しい館に探偵が集められてチェス盤の通りに人が消えていく、というシチュエーションは「そうそう -
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ネタバレ評価
サプライズ ★★★☆☆
熱中度 ★★★☆☆
インパクト ★★★☆☆
キャラクター★★★★★
読後感 ★★★★☆
希少価値 ★☆☆☆☆
総合評価 ★★★★☆
サプライズ ★★★☆☆
クリスチャン王子殺害の犯人がルイーズ王子妃だというのはある程度予想できてしまう。よって,この部分はあまりサプライズがない。魔女が二人いて,一人目の魔女がナポレオンに恋し,ナポレオンを助けていたという点もあからさまに書かれている。セレナの妹が二人目の魔女になっていたという点はややサプライズ。総合的にみると,★3かな。伏線が丁寧でよくできているので,納得のいく驚きである。
熱中度 -
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とりあえず読み終わってまず考えたのは、本格ミステリとは一体どこまで示すのだろうか、ということだ。
本著は裏表紙のあらすじに本格ミステリを謳っているのだが、他の本格派とはかなり毛色が異なる。
まず設定だが、終焉をむかえつつある人類の世界、が舞台だ。これは件の裏表紙あらすじから抜粋させて頂いた。
主人公はゲシュタルトの欠片と本作内では呼ばれる見えざる者が見えてしまう探偵、南深騎。彼は一般人が可視出来ないゲシュタルトの欠片を退治することを仕事としている。
そんな南深騎と行動にするのがどこにでもいてどこにもいない謎に包まれた少女、菜美。
ある日二人の元に瑠華という少女が訪れる。
彼女は自宅であるク