北山猛邦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
★これ以上、犯人に好きなようにはさせません。必ずみんなを守ってみせます(p.129)
探偵助手学部という設定はおもしろそう/キャラクタも好みでした/この著者もこういうユーモアミステリっぽいのを書きはるんですね/名探偵猫柳十一弦、たぶん意外に美女/名探偵雪ノ下樹のゼミは人気があり学生はエリート揃い/孤島の館で合同合宿/孤島と台風来襲という閉鎖的空間/最初の夜一人目と二人目の犠牲者が/棺の中で胸を串刺しにされた発光する死体、これはわかりませんでした/一酸化炭素と思われる気体が充満したアクセル製の立方体の中に閉じ込められた死体、これは簡単でしょう/わりと凝った仕掛のわりには犯行に使える時間が短く被害者自身の協力があったのかも?/事件が進むに従って恐慌状態になっていく探偵助手の卵たち。まあ、それも助手の資質かもね?/犯行を予測する猫柳は身を挺してそれを防ぎだんだん痛んでいく/猫柳の言う犯人のルール、ミッシングリンクはどんなものなのか・・・さすがにこれはほとんどの人がわからないのではないでしょうか/犯人当ても珍しく失敗しました/『観せる舞台』としてのクローズド・サークル/猫柳十一弦はどうやら早すぎるタイプの探偵のようだ。
■探偵助手学部についての簡単なメモ
【一行目】私は名探偵という職業に憧れ、名探偵として仕事がしたいと思っていた。
【アクリル製の立方体】殺人には向かない凶器。おそらくは自殺にも向かない道具。これはまあ、ネタバレというまでもなく自分から入るよう仕向けるしかないでしょう。どうやってそう仕向けたかはすぐにわかります。僕なら完全には中に入らず被るだけにするやろなあと思いますが。
【後片付け】《散らかしてくれる仲間がいるというのはいいことだ。》p.20
【雨笠聖一/あまがさ・せいいち】雪ノ下ゼミの学生。医学部から編入。
【鮟鱇荘】大学そばの安アパート。二階の三室は猫柳が全部借りきって資料置き場にしている。
【一酸化炭素中毒】かつて旅行中、テントの中でランタンをつけたまま本を読んでいて急に気分が悪くなって「ヤバ、一酸化炭素中毒かも」と外に飛び出て吐いたことがあります。そのとき調べたのですが、無臭で気づきにくい一酸化炭素は空気とほぼ同じ比重らしいですが燃焼によって発生することが多いのでその場合は上昇することも多いようです。なんらかの仕掛で自ら箱の中に入るよう仕向けることは可能かも?
【緒方みのり/おがた・みのり】雪ノ下ゼミの学生。測量器メーカー社長令嬢。
【小田切美奈/おだぎり・みな】雪ノ下ゼミの学生。メガネ女子。天才プログラマ。
【過剰】猫柳《もし何かが過剰な時には、そこに秘密が隠されている》p.312
【貴崎通/きさき・とおる】雪ノ下ゼミの学生。その中では話しやすいタイプ。登場人物が全部出てきた段階での犯人候補としてチェック。
【君橋君人/きみはし・きみと】→クンクン
【倉沢辰已】雪ノ下ゼミの学生。作家、倉沢舞児(くらさわ・まいご)の息子。
【クンクン】語り手の「私」。君橋君人。猫柳によってクンクンというあだ名がつけられた。性別は不明。登場人物が全部出てきた段階での犯人候補としてチェック。髪を切るスキルを持つ。
【計画】小田切《臨機応変に対応できない計画なんて砂上の楼閣だよ。私なら無数の可能性と、それにあてはめるいくつかのパターンを用意しておくね》p.69。まあ、ぼくでもそうしますね。
【蛍光塗料】厳密に言うと「蓄光塗料」。最初の夜、玄関の外に蛍光塗料がぶちまけられ松林に続いていた。
【合同合宿】猫柳《わたしたちがここに呼ばれたのには、何か理由があるのかもしれません》p.50
【探偵助手学部】大東亜帝国大学探偵助手学部。ワトソン役を育てる。
【探偵助手に必要なスキル】愚鈍である時代は終わって久しいらしい。皆から出た案は、医学的知識、鑑識能力、自警能力(戦闘能力)、記憶力、記録能力、外部との連絡手段を維持する能力、経験。個人的には、聞き上手であること、驚き上手であること、探偵に心地よく捜査させるための各種コミュニケーション能力と思うが?
【千年舘宮子/ちとせだて・みやこ】雪ノ下ゼミの学生。お嬢さまらしい。合宿のため孤島の館を貸してくれた。当然ながら犯人候補の一人。被害者候補としても強力。
【月々守/つきづき・まもる】探偵助手学部の友人。アパートも同じ鮟鱇荘。登場人物が全部出てきた段階での犯人候補としてチェック。《我々がどうでもいいと思うようなことを覚えていて、肝心なことは忘れるタイプだ。》p.171。《「馬鹿のふりをしろっでことね」月々が笑って云う。「俺の得意分野だな」》p.173
【中井錬/なかい・れん】探偵事務所の跡取り。ゼミのリーダー的存在。リーダーシップを取りたがり全員をコントロールしたがっている。もしわざとでなければ言わないでもいいことを言い他者を不安にさせるという、探偵にも探偵助手にも向かないタイプのようだ。
【猫柳十一弦/ねこやなぎ・じゅういちげん】二十五歳にして名探偵号を取得している天才。そのわりに妙に気が弱い。すく泣く。ゼミは人気がない。髪が長く表情が隠れていることが多く身体の位置がさだまらず常にゆらゆら揺れているように見える。《しょうがないって片付けることのできる事件なんてないんです。探偵がいるならなおさらです》p.235。《彼女は推理によって犯人の次の一手を予測することはできるが、それを回避する方法は常に行き当たりばったりでしかないのだ。》p.268。で、戦闘能力があるわけでもないので体当たりするしかなく自分自身をも痛めてしまう。
【閉鎖状況】《閉鎖状況における殺人事件において、最大の敵は犯人そのものよりも、疑心暗鬼という目には見えない相手だ。》p.174。《携帯電話やインターネットという情報技術が、クローズド・サークルを過去にしてしまった。》p.361
【雪ノ下樹/ゆきのした・いつき】名探偵。そのゼミは人気があり、ゼミ学生はエリート探偵助手候補。探偵助手というものをシステム化した。当然ながら全員の名が出た段階での犯人候補としてチェック。逆に被害者候補としても可能性が高い。
【雪ノ下ゼミの学生】貴崎通、千歳舘宮子、中井錬、雨笠聖一、倉沢辰已、緒方みのり、小田切美奈の七名。
【ライター爆弾】使い捨てライターを削るなどして爆発しやすくした。確実性に欠けるしそこそこの火傷は期待できるが殺傷力は低いと思われる。また当人に持たせるには手間もかかる。嫌がらせ程度か、持ち主が犯人か、不確実な多くの方法を用意していただけか。 -
Posted by ブクログ
異なる時間線式のパラレルワールドやリインカーネーション、ループワールドとSF・ファンタジー系のギミックが満載で、ミステリと思って読むと少し肩透かしな感じがする。表看板の物理トリックもあるのだけれど小粒な印象な拭えないし、終盤には様々な伏線が次々と回収されていくタイプの、物語的な仕掛けが用意されているのだが、これをミステリ的なトリックやロジックと呼ぶのは無理があるだろう。逆に、これがファンタジー小説なら、この終盤は「ミステリ的」とか評されてるかも知れない。そういうものだと思って読めば愉しい。あと、舞台劇を思わせるような、生硬な会話文が独特で最初は驚いたけれど、これが以外と効果的。非日常的な物語世界への導入として、うまく機能している。大林宣彦監督作品での棒読み台詞みたいなものかも知れないが、興味深い。
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Posted by ブクログ
ネタバレ当代きってのトリックメーカー・北山猛邦、幻の長編! の文句につられて手に取った。
雪が舞う岩手県の山奥、アルファベットのオブジェが散らばる『アルファベット荘』に招かれた個性的な面々。探偵・遠笠麗、賞金稼ぎの古池ミノルと泉尾桜子のカップル、大学助手の三条信太郎、文筆家の春井真那、そして変人にして小劇団『ボルカ』の看板女優・美久月美由紀とその連れである売れない役者・橘未衣子、『何も持たない探偵』ディ。家政婦として、大学生アルバイトの破麻崎華奈と藤堂あかねがいる。
パーティといいつつ招待者である岩倉清一は現れないまま、夜は更けていく。そして、惨劇が起きる。
物理トリックは実行に疑問符がつく大技で、当方は当然ながら「そこにあるんだからできたんだろう」ということで推理は放棄。死角をついたほうはなるほど、というより、それしかないよねだけれども。
探偵役も犯人も壊れているが、探偵の壊れっぷりがなかなか面白く、妙な魅力がある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ洪水と津波で世界が水没しつつある中、14歳のクリスはひとり異国を旅していた。
母は幼い頃に亡くなり、英国軍人の父は潜水艦ごとどこかの海底に沈んで戻らなかった。
クリスは、森に囲まれた小さな町でホテルの息子ユーリから、町の不穏な噂をきく。
「探偵」が町の家々に赤い十字架のような印を残し、森に迷い込んだ人々の首を切っている。
ある夜、クリスは「探偵」を誘き出そうとする自警隊と行動を共にして、森で「探偵」の犯罪を目撃する。
書物が禁じられ、ラジオのみが情報という世界で、失われた「ミステリ」に思いを馳せるクリス。
父から聞いた「ミステリ」の「探偵」は正義のはずが。
「ミステリ」とは「探偵」とはをじっとりと語っている物語。検閲官エノが登場するまではジリジリする展開。
どうなっていくのか先が読めないので、「探偵」の正体も犯罪の動機もなかなか衝撃的だった。
ここのところ、タイムリープとか超人たちとか、人体実験とかのミステリを続けて読んでしまって、そろそろ、私の常識が通じる世界のミステリを読みたい気持ちに。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今作はなんだかすとんと腑に落ちました。前作がもやもやしたから余計になのか。。
処刑道具コレクションがあるから『ギロチン城』なのかと思ったら、巨大なギロチンが仕掛けられてるお城なのですね。塔の間に渡してあってサロンを両断するギロチン…これはなかなか気付かないと思います。元の城主もこれで亡くなってるのに謎の死になってるなら、これギロチンは元の位置に戻す事が出来るのだろうな。
14人のコード名も凄かった…けれど、名前が一、ニ、三、四、五…ってヴィンスモーク家じゃないんだから…って思いました。悠と藍のYou&Iも。死には名前すらない。人々は人形だから名前も記号でしかない…というのならそうなのでしょう。
悠を消して藍になるために、悠を知っている人を消す、という動機は理解できないけれど筋は通っているので腑に落ちます。悠(首から下)と藍(首から上)で、悠として扱われるけど自分は藍みたいに思うの苦しいだろうな。徹底的に人形として扱う、は心を壊すんだなと思いました。
城シリーズ、わりと城の周りに何もないなと思いました。終わりかけてる世界にあったり、世界の果てにあったり、孤島にあったり、認証システムで外界との交流を断ってたり。
日常に異様な館が建ってるのも良いし、異常に異様な城が建ってるのも良いです。妙な建造物ミステリ、しばらく追おうかな。