北山猛邦のレビュー一覧

  • 密室から黒猫を取り出す方法

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    ひさしぶりに北山先生。文庫化がかなり最近でびっくりした。解説が青崎先生なのがうれしい。
    「停電から夜明けまで」がよかった。この物理トリックに力入れて探偵助手概念の描写はあっさりめ…のようだけど陰で"名探偵"に切り込んでくる感じいいよね。白瀬の一人称私なのいいよね。
    城シリーズもう一回読みたいな。

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    2023年11月17日
  • 少年検閲官

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    書物のない世界、ミステリを知らない世界で起こる事件…
    この世界観でないと読めない真相だったなと思います
    良い意味で不思議な読書体験でした!

    これからどうなるのか…
    次のオルゴーリェンヌも読みたいと思います!

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    2023年09月27日
  • アルファベット荘事件

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    ネタバレ

    とんでもトリックな小説だったな。何か金田一みたい。面白いは面白いかな。ページ数もそんなにないのでサクッと読めます。

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    2023年09月17日
  • 猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数

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    ★これ以上、犯人に好きなようにはさせません。必ずみんなを守ってみせます(p.129)
    探偵助手学部という設定はおもしろそう/キャラクタも好みでした/この著者もこういうユーモアミステリっぽいのを書きはるんですね/名探偵猫柳十一弦、たぶん意外に美女/名探偵雪ノ下樹のゼミは人気があり学生はエリート揃い/孤島の館で合同合宿/孤島と台風来襲という閉鎖的空間/最初の夜一人目と二人目の犠牲者が/棺の中で胸を串刺しにされた発光する死体、これはわかりませんでした/一酸化炭素と思われる気体が充満したアクセル製の立方体の中に閉じ込められた死体、これは簡単でしょう/わりと凝った仕掛のわりには犯行に使える時間が短く被害

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    2023年09月17日
  • 私たちが星座を盗んだ理由

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    ネタバレ

    ・どんな本を調べても星座は88しかない。ところで星座も地球でいうところの国境線みたいに線引きされている。その線引きされた区画の中に必ず一つ、星座が含まれることになっているんだ。1930年に国際天文連合で決められたんだ。この時、定められたのは全部で89区画。89区画に、88の星座。星座が1個足りないだろう?それはそうだ。だって僕が盗んでしまったからね。

    ・月が星を隠すことを、星食という。厳密には、あの夜、星食によって南の冠座が隠れたわけではないが、月の明かりが星を消したのは間違いないだろう。

    表題作以外はあまり物語に入り込めなかったけど、「わたしたちが星座を盗んだ理由」はロマンチックで切なく

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    2023年09月08日
  • 私たちが星座を盗んだ理由

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    『5つの物語すべてに驚愕のどんでん返しが待つ』

    『優しく、美しく、甘やかな世界が、ラストの数行で残酷に反転する衝撃は、快感ですらある』

    との事だが、私には驚愕というよりは、「おお!」と感心させられた印象を持ち、残念ながら、快感を覚える程の衝撃は感じなかった。
    そもそも、これって、どんでん返しなのか?

    とは書きつつも、別に北山さんのミステリ論を否定するつもりはなくて、なんというか、渋いところ付いてくるなというのが一つと、どんでん返し以上に印象深かったのが、伏線の見事さで、これは、どの作品もそう感じたが、特に「恋煩い」と、真相を知った後の「妖精の学校」は、思わず読み返したくなるほどの素晴らし

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    2023年07月18日
  • 猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条

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    ネタバレ

    女探偵・猫柳十一弦シリーズの2作品目。山間の寒村にある名家・後鑑家の四姉妹を狙う連続見立て殺人を防ぐべく、猫柳、クンクンが奮闘。
    シリアスさは無く、登場人物のキャラのせいもあってか、ゆるふわな雰囲気です。
    事件解決にかける意思が人一倍強く、犯人含め何人の犠牲も見過ごさない信念の猫柳により、大掛かりなトリックも未然に防ぎます。タイトルに〝失敗〟とあったので、猫柳が何かやらかしてしまうのではと思いながら読み進めましたが、ミステリーながら死傷者ゼロという珍しい展開、完璧なお仕事ぶりでした。



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    2023年06月30日
  • 『アリス・ミラー城』殺人事件

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    ネタバレ

    叙述トリックと知った上で騙されないように読み進めましたが、結局騙されてしまった作品。
    「まさか、あんなに早い段階で登場していたとは」と思いましたが、その後は何も触れられていない所に少しアンフェアに感じながらも、最後には驚かされましたね。

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    2023年05月28日
  • 『クロック城』殺人事件

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    北山猛邦のデビュー作にして、メフィスト賞受賞作品。

    過去、現在、未来。三つの巨大な時計が時を刻む館で起きた殺人事件。

    謎の近未来設定。不器用すぎる主人公。そして例のトリック。北山作品「らしさ」に溢れた一作。

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    2023年03月22日
  • 『瑠璃城』殺人事件

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    異なる時間線式のパラレルワールドやリインカーネーション、ループワールドとSF・ファンタジー系のギミックが満載で、ミステリと思って読むと少し肩透かしな感じがする。表看板の物理トリックもあるのだけれど小粒な印象な拭えないし、終盤には様々な伏線が次々と回収されていくタイプの、物語的な仕掛けが用意されているのだが、これをミステリ的なトリックやロジックと呼ぶのは無理があるだろう。逆に、これがファンタジー小説なら、この終盤は「ミステリ的」とか評されてるかも知れない。そういうものだと思って読めば愉しい。あと、舞台劇を思わせるような、生硬な会話文が独特で最初は驚いたけれど、これが以外と効果的。非日常的な物語世

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    2023年01月23日
  • アルファベット荘事件

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    以前北山さんの小説を読んで面白かったので、幻の長編!と宣伝されているこの本を手に取った。初期の頃の作品ということもあってか、「これトリックと関係あるだろうなぁ」とちょっと予想できてしまう。各登場人物の設定というか描写がやや唐突で読む側の気持ちが追いつかない箇所もあるけど、作品全体の雰囲気がとてもよいのでそこまで気にならない。クローズドサークル特有の薄暗くて妖しい雰囲気を味わえる。ボリュームもちょうどよくサクッと読める。
    やっぱりミステリーはいいね。日常では味わえない世界に入り込める。

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    2023年01月18日
  • 『アリス・ミラー城』殺人事件

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    探偵たちが密室トリックを考察するところは面白かった。最後は、そうだったのかと理解はしたけれど、無理があるような感じでスッキリとしなかった。

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    2023年01月08日
  • アルファベット荘事件

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    ネタバレ

    当代きってのトリックメーカー・北山猛邦、幻の長編! の文句につられて手に取った。

    雪が舞う岩手県の山奥、アルファベットのオブジェが散らばる『アルファベット荘』に招かれた個性的な面々。探偵・遠笠麗、賞金稼ぎの古池ミノルと泉尾桜子のカップル、大学助手の三条信太郎、文筆家の春井真那、そして変人にして小劇団『ボルカ』の看板女優・美久月美由紀とその連れである売れない役者・橘未衣子、『何も持たない探偵』ディ。家政婦として、大学生アルバイトの破麻崎華奈と藤堂あかねがいる。
    パーティといいつつ招待者である岩倉清一は現れないまま、夜は更けていく。そして、惨劇が起きる。

    物理トリックは実行に疑問符がつく大技で

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    2022年07月13日
  • アルファベット荘事件

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    巨大なアルファベットのオブジェが散在する屋敷のパーティーに招かれた10人。しかし主催者は現れず、雪に閉ざされた中で殺人が‥
    トリックやキャラについては初期作品の復刊ということで納得。現実感がなく幻想的な雰囲気。関わった者は死に至るという不吉な「創生の箱」がワクワクする。

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    2022年05月09日
  • 少年検閲官

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    ネタバレ

    洪水と津波で世界が水没しつつある中、14歳のクリスはひとり異国を旅していた。
    母は幼い頃に亡くなり、英国軍人の父は潜水艦ごとどこかの海底に沈んで戻らなかった。
    クリスは、森に囲まれた小さな町でホテルの息子ユーリから、町の不穏な噂をきく。
    「探偵」が町の家々に赤い十字架のような印を残し、森に迷い込んだ人々の首を切っている。
    ある夜、クリスは「探偵」を誘き出そうとする自警隊と行動を共にして、森で「探偵」の犯罪を目撃する。

    書物が禁じられ、ラジオのみが情報という世界で、失われた「ミステリ」に思いを馳せるクリス。
    父から聞いた「ミステリ」の「探偵」は正義のはずが。
    「ミステリ」とは「探偵」とはをじっ

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    2022年04月19日
  • 『アリス・ミラー城』殺人事件

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    古典的な叙述トリックを用いた本作品は二度読み必須です。
    とはいえ動機があー、うん。・・・そっかー。とまあ作中にも環境問題を匂わせる表現はあったとは言え、チープな感じ方をしてしまった。
    トリック自体は面白いんですけどね。

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    2022年04月16日
  • 『瑠璃城』殺人事件

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    ネタバレ

    城シリーズの最新作。全体の50%くらいまでほぼ何も起こらない。昔の話と城の探索くらい。ちょっとダレたけど、そこから一気に登場人物がいなくなってしまう。そのわりに残った人物たちがあまり危機感や恐怖感を抱かないので、クローズドサークルにある緊迫感があまりない。
    スクウェアをする空間の仕組みは本当にすごい(複雑なので自分がちゃんと理解したかわからないけど…)。なんであんな複雑な仕組みを思いつくんだろ。
    肝心の犯人の正体だけど…これはフェアといえるのか…?確かに読んでいて犯人であるあの人がいる場面だけ「ん?今この人どうなってるの?」と不自然感があった。振り返って読んでみると、動作をする人物の名前が首か

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    2022年03月27日
  • 『アリス・ミラー城』殺人事件

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    ネタバレ

    それは反則でしょー!という結末だったけど、注意して読み直すと確かに仄めかしていたし途中に挿入されているイラストなんてあからさまだった。中盤の展開がミステリーというよりジェイソンみたいだったことと犯人の動機が突飛だったことがちょっと残念。さらに、なんで登場人物全員があの犯人を「犯人である」と疑わなかったのかも不自然だったので残念。まぁそれを書いてしまったらあのどんでん返しのラストにつながらないからしょうがないのだけど…。
    でも先が気になってラストまで一気に読んでしまったし、ラスト2ページ(電子書籍)のおどろおどろしい感じもよかった。他の城シリーズも読んでみようかな。

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    2022年03月25日
  • 『ギロチン城』殺人事件

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    「城」シリーズ第四弾。今作ではギロチンが重要なモチーフとなっている。作中では当たり前のように物理トリックが登場する。違和感はあったものの流石にその詳細な仕組みには気付かなかったなぁ。そして物理トリック以外にも最後には驚愕の真実があったわけだが、ちょっと無理矢理すぎる気がしないでもない。情景的にはとても儚く美しい雰囲気があり、その無機質さと刹那的な雰囲気が人間を人形という記号にしていくような感じはした。

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    2022年02月27日
  • アルファベット荘事件

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    良くも悪くも最初期の作品というのが納得できる作品でした。個人的にはちょっと合わなかったけど、シリーズ化されてもよさそうなメインの3人。

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    2022年02月15日