北山猛邦のレビュー一覧
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ネタバレうーんお見事!
幻想的な雰囲気、「物理の北山」とはこういうことか、と膝を打ちたくなる華麗な物理トリック、密室、殺人の驚愕の動機、そして叙述トリック。
叙述トリックに関しては、探偵たちが海上の証言を全く追及しないこと、アリスがほとんど登場しないことなどを不満点に挙げてる方もいたが、少なくとも前者に関しては海上はもはや狂人なので、探偵たちが相手にしないのもおかしくはないかと。
初日の晩餐のシーンは本当に巧い。
その他にもルディが人形と会話しているように錯覚させるなど、随所に見事な描写が見られる。
個人的には、『鏡の国のアリス』を模した城であることがトリックのための"必然"であるということがなんというかとても嬉しい。
ラストの、鏡文字を使い、鏡の中を覗き込むかのような犯人の明かし方も美しい。
物理トリックも、純粋なそれで驚いたのは久しぶりだった。
解説によると「ミステリが好きな方々により満足いただけるようにより意識して書きました」とのことだが、しっかり満足させられた。大満足。
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Posted by ブクログ
単行本刊行から12年、前作「踊るジョーカー 名探偵音野順の事件簿」の文庫化から10年、まさに待望の文庫化であります。
創元推理文庫の扉の裏には、日本人作家の著作であっても英語タイトルが記されているのですが、前作「踊るジョーカー」の英語タイトルは、"The Adventure of the Weakest Detective"(世界一気弱な名探偵の冒険)!?
主人公の音野順は推理の才能がありながら、引きこもりがちで臆病で人と話したがらず、口を開けば「いやだ」とか「ううっ」とか「えっと」としか言わないような名探偵で、友人で推理作家で事件簿の記録者で助手役も努める白瀬白夜に駆り出されて、いやいやしぶしぶ事件に挑んで、もとい挑まされているのです。
表題作のほか、「人喰いテレビ」、「音楽は凶器じゃない」、「停電から夜明けまで」、「クローズド・キャンドル」の計5作が収められていて、いずれもコミカルな作風でありつつもトリックとロジックは折り紙付きの本格ミステリ。
創元推理文庫の北山猛邦作品の特色である、片山若子さんのイラストを据えたかわいらしいカバーデザインも魅力です。
オビ裏や折り込みのシリーズ紹介には、今春にシリーズ3作目が刊行予定とあるのも嬉しい、けど文庫になるのはいつの日やら、還暦の頃には読めるかなぁ… -
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とても斬新な探偵小説でした。
舞台立てとしてはクローズド・サークルの一形態である「孤島もの」になります。
日本で唯一、探偵助手に関する技能と実践を学べる、大東亜帝国大学の探偵助手学部に入学したクンクンこと君橋君人とマモルこと月々守は、若くて頼りなさげな女探偵・猫柳十一弦が指導教官の弱小ゼミに入ります(ゼミ生は二人だけ)。
名探偵の誉れ高い雪ノ下が指導する名門ゼミとの合同合宿で訪れた孤島で連続殺人に見舞われて…
この手の話では、名探偵は犯人の後追いがちになるものですが、頼りなげに思えた猫柳探偵が、文字どおり命懸けで犯人の企てに立ち向かいます。
著者のデビュー作である『「クロック城」殺人事件』や「少年検閲官」ほどのファンタジックさはありませんが、それらと同様に、探偵の位置づけや世界観がユニークな作品だと思います。
一気読みでした。 -
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ネタバレ気弱な探偵・音野順と、推理作家の助手・白瀬が事件を解決する短編集
「踊るジョーカー」
トランプがバラまかれた地下密室で殺人事件が発生
被害者はトランプの束が刺さった短剣で殺されていた
「時間泥棒」
高価な美術品を持つ姉弟が住む家から
アナログ時計だけが盗まれた理由とは
「見えないダイイング・メッセージ」
被害者が死の直前に撮ったポラロイド写真を手がかりに
金庫の暗証番号を解いてほしいと依頼を受ける
「毒入りバレンタイン・チョコ」
複数の人物が食べていたチョコの中から
毒入りチョコを被害者ただ一人に確実に食べさせた方法とは
「ゆきだるまが殺しにやってくる」
雪山の豪邸で花婿候補者が外にあった雪だるまの前で殺害される
凶器のバールは雪だるまの手にあり死体の周りには足跡がない雪密室だった
<感想>
「謎がすべて解けるまで探偵は推理を話さない」という探偵ものの”お約束”を
気弱で臆病な性格だから結論が出るまで話さないという人物像にしているのが
よくいる探偵と真逆の性格でありシックリくる設定でとても良かった。
短編なので無駄なくサクサク読めて面白かったし
探偵カワイイし、助手と刑事もナイスキャラなので次作が楽しみ。 -
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《クローズド・サークルの可能性は、まだこんなにも残されている》
城シリーズ、5作目。
…シリーズ5作目!?
( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚
レビューを拝読して手に取った作品。
まさかのシリーズものであることを知りませんでした…!
私はシリーズものはなるべく順番に読みたいタイプ。
なので調べてみると、城シリーズは1作1作独立していて、横の繋がりがなく、どの順番で読んでも大丈夫とのことで!
安心してこちらから読むことに✧*。
凍てつく世界を旅する少年・ルーサは壁で囲まれた城塞都市・石球城に迷い込む。無数の石球が散らばり、永遠に夜が明けない閉ざされた街は、九人の王が支配し、十三の灯台とそこに住む巫女によって保たれていた。自身の正体を知るため、ルーサは“世界の果て”を目指す少年・ロメリアと、巫女・カヮクの灯台を訪れるが、待っていたのは密室首切り死体。巫女殺しの疑いをかけられたルーサは犯人を捜索するが、今度はべつの巫女が密室首切り死体として発見されーー。
連続巫女殺しの犯人は? 「石球城」の驚愕の真実とは?
まずこの世界観がすごいっ!
私は「進撃の巨人」が思い浮かびました( ˘꒳˘ ).。oO
連続巫女殺しの犯人の謎と並行して、主人公の謎であったり、石球城の謎であったり、この世界の謎であったり…謎が謎を呼ぶ展開でドキドキハラハラワクワクして面白かった(っ ॑꒳ ॑c)
あらすじにも帯にも書いてあることなので書いちゃいますけど、一つの読みどころはやっぱり13の密室とそのトリック。
現代って昔より密室を成立させることが難しいじゃないですか?
それなのに、13もの密室を成立させている。
しかも似たような密室は一つもなく、全部に趣向が凝らされている。
これがとにかくすごすぎました!
一つの作品として使えそうなトリックが、本作には一気に詰め込まれている感じで、謎解きも圧巻。
でもルーサの言葉通り、ついていけないレベルの難易度のものもあり、これだけ高度なトリックが連続で披露されると、私はちょっと食傷気味でした(›´-`‹ )
そして本作の面白さは、事件を解くために必要な人物が、その都度都合よく登場するようには感じられないところにもあると思う。
ルーサが出会った人々との出来事が、後の展開を理解するためのピースになってくるし、事件を通して築かれていく関係性もよかった。
終盤、それまでの出来事がすべて一本の物語として繋がっていく展開、そしてラストも圧巻でした!
緻密に練られ、かつ難しいところがありつつも、全てにおいて説得力のある世界観、すごすぎました…!
ちょっと私の頭ではついていけないところもあり、★5ではないけれど、これは私の頭の問題です。゚(゚´ω`゚)゚。
まるで何作品も同時に読んだような満足感でした!
来年もシリーズ最新刊『火刑城』殺人事件が刊行予定!楽しみ♡
城シリーズ、1作目から4作目も読もう(*•̀ㅂ•́)و✧
また積読が増える予感…! -
Posted by ブクログ
北山猛邦さんの作品を読んだのは星座、さかさま少女に次いで3冊目ですね
そして本作がデビュー作ときた
終末世界で終日土砂降りの中、壁に大量の人面が浮き出ているクロック城で連続殺人が発生、しかも首を切断されている…眠り姫、謎の組織の登場とストーリーに没入するのに時間がかかりましたが、まぁ入ってしまえばあっという間に読み進めていけましたね!
トリックが露呈してからも続く犯人との攻防は緊迫感にあふれており、城の全貌に説明がつけられた時はかなりの驚きと不思議な感じをまといつつもまぁ納得できました
スマホをはじめとする通信機器類が登場しない作品も良いものですね♫ -
Posted by ブクログ
世界の終わりに3つの時を刻む大時計が備え付けられた『クロック』城で殺人事件が起きた。
2体の屍体には首がなかった。そしてその首は、眠り続ける美女・未音の部屋に飾られていた。
事件を解決することも犯人が逃げることも意味がないかもしれない。どうせ世界は終わるのだから。
想像していなかった世界線でのストーリーに戸惑いつつ、読み進めるうちにどんどん深みへハマっていった。
壁の人面瘡、首を切られた屍体、移動した首、3つの大時計。一見関係なさそうな全ての事柄を全て回収するラストは圧巻。二転三転する推理ショーも胸熱で犯人あってたのに途中危うく騙されそうになってしまった。オリジナリティ溢れる結末も良かった。
少し前の作品だが初読み作家さんだったので、とても新しく感じた。さすがメフィスト賞受賞作。もっと評価されて良い昨日だと思う。