北山猛邦のレビュー一覧

  • 猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数

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    とても斬新な探偵小説でした。
    舞台立てとしてはクローズド・サークルの一形態である「孤島もの」になります。
    日本で唯一、探偵助手に関する技能と実践を学べる、大東亜帝国大学の探偵助手学部に入学したクンクンこと君橋君人とマモルこと月々守は、若くて頼りなさげな女探偵・猫柳十一弦が指導教官の弱小ゼミに入ります(ゼミ生は二人だけ)。
    名探偵の誉れ高い雪ノ下が指導する名門ゼミとの合同合宿で訪れた孤島で連続殺人に見舞われて…

    この手の話では、名探偵は犯人の後追いがちになるものですが、頼りなげに思えた猫柳探偵が、文字どおり命懸けで犯人の企てに立ち向かいます。

    著者のデビュー作である『「クロック城」殺人事件』

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    2015年03月14日
  • 少年検閲官

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    温暖化と異常気象によって海面が上昇し水没しかけている世界。
    そして、情報統制と検閲のため書物もなく「ミステリ」の概念自体が人々の共通認識として成立しない世界。
    そこで起こる不可思議な事件を引き起こしているのは「探偵」と言われていて…
    北山さんらしい世界観の中で、二人の少年によって謎が解き明かされていく。
    うん、こんな話大好きです。

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    2013年09月26日
  • 『ギロチン城』殺人事件

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    すごく面白かった!!大好きな本。設定、世界観、登場人物、全てが上手く、好みだった。この幻想的で美しくも、残酷な世界を書ける北山さんはさすが。

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    2013年06月25日
  • 踊るジョーカー

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    気弱な探偵とそれを世に引き出そうと頑張る作家のワトソンという組み合わせが、解説にもありますが無理なくいいコンビになっています。
    確かにこれを読むと、古典をまた読みたくなる。不思議な魅力がありました。
    気軽に読めて重苦しくなく、その上事件性やトリック、解決法が古典ミステリ的で、あっという間に読んでしまって「ああまだ足りない!もっと読みたい!」と久々に思った一冊でした。

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    2012年09月03日
  • 踊るジョーカー

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    主人公二人のやりとりが目の前に浮かび上がるような、素敵な空気感を
    創り上げている作品。

    ミステリなのに、笑えてほっこりできて、
    かなり好みの作品。

    北山さんの別の本も読もう。

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    2012年02月15日
  • 踊るジョーカー

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    ネタバレ

    気弱な探偵・音野順と、推理作家の助手・白瀬が事件を解決する短編集


    「踊るジョーカー」
    トランプがバラまかれた地下密室で殺人事件が発生
    被害者はトランプの束が刺さった短剣で殺されていた

    「時間泥棒」
    高価な美術品を持つ姉弟が住む家から
    アナログ時計だけが盗まれた理由とは

    「見えないダイイング・メッセージ」
    被害者が死の直前に撮ったポラロイド写真を手がかりに
    金庫の暗証番号を解いてほしいと依頼を受ける

    「毒入りバレンタイン・チョコ」
    複数の人物が食べていたチョコの中から
    毒入りチョコを被害者ただ一人に確実に食べさせた方法とは

    「ゆきだるまが殺しにやってくる」
    雪山の豪邸で花婿候補者が外

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    2012年08月24日
  • 名探偵音野順の事件簿 (1)

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    優しい空気が漂う探偵もの。原作を大切にしているのが、わかります。探偵ものが好きなので、こんな作品が増えると良いなぁ。

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    2010年10月12日
  • 『瑠璃城』殺人事件

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    いやーこれはおもしろいです。生まれ変わりがテーマ。時代を超えた3つの密室殺人、それぞれのトリックはさすがです。恩田「ライオンハート」とややかぶってしまいますが。読み終わって本自体に納得がいきました

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    2009年10月04日
  • さかさま少女のためのピアノソナタ

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    好みの短編5作。ファンタジーかと思って読んでたら、最後に意味がわかってゾクゾクしたり。著者の描く独特な世界観に、いつも自分の思考を揺さぶられる。各章、最後の一撃で一気に目が覚めますよ。

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    2025年12月07日
  • 神の光

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    ネタバレ

    『一九四一年のモーゼル』はアイデアのみで評価すれば『占星術殺人事件』に匹敵するレベルかと思います。殺人のトリックではないのが玉に瑕ですが、心理の盲点を突いたようなエレガントな消失ものです。2004年初出ということで、20年も書籍にならずに埋もれていたのが信じられません。このアイデアだけで星4献上です。
    ただ、この短編だけクイズの側面が強い。後半の『藤色の鶴』や『シンクロニティー・セレナーデ』あたりは消失をメインに添えるのではなく、ドラマ性で支えていただけになんか惜しい。

    表題作『神の光』はギャンブルものとして開幕し、街が一つ消失する。「インセキジャネーノ?」と思ったが、さらにとんでもない真

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    2025年12月04日
  • 神の光

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    気持ちいいくらい鮮やかに消えてしまう消失ものの短編集
    時代背景や事件内容はバラバラだけど全編において「何故消える!?」と疑問から物語に引き込まれた
    「藤色の鶴」が雰囲気的に1番好きかな
    ちょっとマニアックな物理と化学と歴史も多くて勉強になった

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    2025年11月30日
  • 神の光

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    街、建物等の消失をテーマにした5編から成る短編集。
    短い中にもブレがなく、また短いがゆえにしっかりと組み立てられていてミステリーの醍醐味を堪能した。表題作も面白かったが、第1話の一九四一年のモーゼルが図解まであって気に入った。かなりドライなマティーニが飲みたくなる作品だった(どんな意味よ)

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    2025年11月19日
  • 推理の時間です

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    推理作家さんたちの競演。
    トリックを当てるのか、犯人を当てるのか、色々と趣向が凝らされてます。せっかく出題編と解決編に分けてくれてますが、いつものようにそのままスルーで読みました。

    ペリーやナチスドイツ、旧日本軍など歴史を題材にしたミステリーが多くて、歴史好きのわたし的には満足でした。

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    2025年11月08日
  • 『アリス・ミラー城』殺人事件

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    序盤の方は展開が進まなくて、全体的に読むのに時間がかかってしまった。あまり面白さを感じてなかったけど中盤〜後半にかけて引き込まれていった。
    結末を読んでも最初よくわからなくて、読み直した時に騙された!と感じた。
    本時代に仕掛けられたトリックがわからなかったけど、分かったら思わず感銘。
    賛否両論あるけど、自分は好きだった。

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    2025年09月24日
  • 私たちが星座を盗んだ理由

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    どの話も世界観に入りやすく面白かった!
    世にも奇妙な物語好きな人は好きな話が多いと思います。
    印象に残ったのは「恋煩い」かなぁ、サクッと読めた上にインパクトもあった。
    「終の童話」みたいな最後を読者に委ねる系もけっこう好み。
    「妖精の学校」だけはオチの意味わからなくてググりました。これ初見でわかる人おるん???
    インターネットがある時代でよかった笑

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    2025年08月07日
  • 私たちが星座を盗んだ理由

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    ネタバレ

    どれも幻想的な雰囲気があってよかった。

    いちど読んだだけでは理解できないお話がいくつかあって、他の方のレビューを読んでようやく理解しました。

    北山さんの短編ミステリはいくつか読んだことがありますが、この1冊がいちばん好きかもしれません。

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    2025年07月06日
  • 推理の時間です

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    6人のミステリー作家による、フーダニット、ホワイダニット、ハウダニットのアンソロジー。
    どの短編にも読者への挑戦状があり、問題編と解決編に分かれている。
    巻末には、それぞれの短編に対して他の作家による推理も掲載されている。

    普段ミステリーを読むと先が気になってどんどん読み進める感じがある。
    このアンソロジーは読者への挑戦状があって、普段よりも自分で考えながら注意深くゆっくり読み、ときには戻ったりしながら読んでいたように思う。
    自分で正解までしっかりたどり着けたものはなかったけれど、短編を読み終えるごとに全くの見当外れだったな、着眼点は悪くなかったな等思う楽しさがあった。
    作品に対して別の作家

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    2025年06月08日
  • 推理の時間です

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    アンソロジー作品。
    問題編と解答編に分かれていて、豪華な作家陣の作品を自分でも推理する事ができます。また、参加している作家さん同士でお互いの作品の推理した回答が掲載されており、思考を覗き見するようで面白かったです。

    普段、推理小説を読んでも推理しないのですが、この作品は問題編が比較的短く、自分でも挑戦してみようと思えました。いくつか挑戦してみましたが、少し真相に近付けたり、全く思い浮かばなかったり…と様々でした。推理に挑戦した結果、より丁寧に作品を読み込む事につながり、読後の満足感が上がったように思います。

    推理が苦手な人も、気軽に挑戦できるのでおすすめです。

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    2025年05月18日
  • 推理の時間です

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    法月綸太郎が集めた作家陣による読者への挑戦状。フーダニット・ホワイダニット・ハウダニットとあって、私に解けたのはホワイダニットの一編だけ……。悔しい‼︎ 他の作品をミステリ作家が推理するっていうのも収録されてて読み応え抜群。こうやって推理するのか〜。

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    2025年04月29日
  • 人魚姫 探偵グリムの手稿

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    ネタバレ

    アンデルセンとグリム兄弟夢の共演。
    かと思いきや、そうは問屋が卸さない。解説の辻真先氏もおっしゃるよう、そんな単純な作りはしないんだなこの作者は。
    少年検閲官しかり、少しさみしげなファンタジーを書くと、この作者はとても良い。
    そこにゴリゴリの力業トリックをぶっこんでくるところとか、も一つ良い。久しぶりにクロック城を思い出した。
    犯人、ずっとあのトリック考えてたのかな。
    追い詰められた局面で思いついたとしたら、ダイイングメッセージ並みの比類なき知性の飛翔だよ。

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    2025年04月24日