北山猛邦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレトリックの評判は聞いていましたので、ハードルは高めに設定しておいたのですが、非常に好きなタイプの解答で嬉しかったです。
謎・答え共に、物語全体としての主題と密接に関わっているおり、その点かなり理想的な一冊だったなあと感じます。(主題の抽象性が高まり過ぎて、解決編とのギャップに拍子抜け、な本は過去に何冊か経験がありまして……)
解説にもありましたが、「時間のための物語のための時間」とでも言いましょうか、舞台、登場人物、謎、解決すべてが「時計(時間)」に収斂していく様は圧巻でありました。
一方、SF的な舞台設定には、正直置いてけぼりでした。私がこの手の話を読み慣れてない事も大きいのでしょうが…ク -
Posted by ブクログ
ネタバレ異常気象により海に飲み込まれ、終わりへと向かう世界が舞台。
書物を禁じられた社会で、ミステリを求める少年とミステリを検閲する少年の交友を主軸に、この特殊な世界設定を使って「ミステリ」を表現し解き明かしていきます。
冒頭の青年と女性の冒険や、少年と折りたたまれる少女の話などは童話みたいで暗く幻想的。
これらの猟奇的で不可思議な事件が「書物が禁じられた世界」というキーひとつで様相を変えるのがおもしろいです。
いたるところに真相を暗示する場面がありました。
検閲官の少年と旅を続ける少年の行く先も興味を掻き立てられるところで、シリーズとしての続編が待ち遠しい。
ネタバレ・・・・・・・・・・・・ -
Posted by ブクログ
『名探偵音野順の事件簿』(東京創元社)などで知られる本格推理小説作家、北山猛邦の、デビュー2作目。
『クロック城』につづく、そして、『アリス・ミラー城』、『ギロチン城』(いずれも講談社)とつづく、城シリーズの二作目でもある。
※シリーズ二作目だけど、前作と、お互いに関連性はないので、独立して読んで大丈夫です。
読んでる最中に思っていたのは。
「これ、レーベル違うんじゃない?」
今回は、舞台が転々とします。
・1989年の日本
・1243年のフランス
・1916年のドイツ
時代も超えて、舞台も変わる。
そして、登場人物は同じ。
時と場所は違えども、「転生」によって記憶を受け継い