北山猛邦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ引きこもりの名探偵「音野順」と,ワトソン役のミステリ作家「白瀬白夜」が活躍する短編集。それぞれの短編は,プロットもトリックも平凡なのだが,作品の雰囲気が素晴らしい。古きよき時代の本格ミステリを思わせるような様式美が守られつつ,そのパロディのような作りになっている。探偵と警察の関係,事件への関与の在り方,トリックが早業殺人だったり,容疑者が少ない状態で殺人をしたり…。リアリティこそないが,本格ミステリらしい作品ばかり。北山猛邦が本格ミステリを愛してやまないことが垣間見える,魅力的な短編集である。おすすめ。
個々の作品の所感は以下のとおり
○ 踊るジョーカー
大量のトランプが散らかされてい -
Posted by ブクログ
不思議な物語。
書物が焼かれていく、そして重なる天災で水没しつつある世界を、英国人の少年クリスは旅をしている。そして訪れた深い森の中で、この世界では概念の存在しない「犯罪」・・・連続殺人に遭遇する。そして、禁じられた「ミステリ」を削除していく「検閲官」のエノとの出会い。
なんというか、設定の甘さ?緩さ?が気になります。焚書が行われ紙すらも希少な世界なのに、文字はちゃんと存在して、黒板ではあるけど「宿帳」を書いたり。深い森といいながら、よそ者が入ってこられて、どうやら他の町との行き来があったりしそうだったり。その割には、隔絶された孤島のように文化的に閉塞していたり。
そんなファンタジックな世 -
Posted by ブクログ
ネタバレひえー何が起きたんだ。わけわかんないぞこれ。物理トリックやばい。でも叙述トリックもなかなか。ひえー。
**ネタバレ**
ギロチン城のスケールが大きくて笑いました。上に刃物ぎらりんしてたら気付けよ…。あの図で廊下は丸く回らないよ…。うまくしゃがんでないと全身がぶつ切り(楽しい)になっちゃう。突然「城はシリーズだったんです!」っていろいろなネタ入れてきたのは何故。
なんか逆叙述トリックとかいうすごいのが使われてるらしいのですがギロチンどすんのインパクト強すぎてあまり印象に残ってないです。名前がわかりやすくて大変よかった。適当な名前ながらキャラ判別できたし。
天井のギロチン錆びなかったの?って思 -
Posted by ブクログ
ネタバレトリックの評判は聞いていましたので、ハードルは高めに設定しておいたのですが、非常に好きなタイプの解答で嬉しかったです。
謎・答え共に、物語全体としての主題と密接に関わっているおり、その点かなり理想的な一冊だったなあと感じます。(主題の抽象性が高まり過ぎて、解決編とのギャップに拍子抜け、な本は過去に何冊か経験がありまして……)
解説にもありましたが、「時間のための物語のための時間」とでも言いましょうか、舞台、登場人物、謎、解決すべてが「時計(時間)」に収斂していく様は圧巻でありました。
一方、SF的な舞台設定には、正直置いてけぼりでした。私がこの手の話を読み慣れてない事も大きいのでしょうが…ク -
Posted by ブクログ
ネタバレ異常気象により海に飲み込まれ、終わりへと向かう世界が舞台。
書物を禁じられた社会で、ミステリを求める少年とミステリを検閲する少年の交友を主軸に、この特殊な世界設定を使って「ミステリ」を表現し解き明かしていきます。
冒頭の青年と女性の冒険や、少年と折りたたまれる少女の話などは童話みたいで暗く幻想的。
これらの猟奇的で不可思議な事件が「書物が禁じられた世界」というキーひとつで様相を変えるのがおもしろいです。
いたるところに真相を暗示する場面がありました。
検閲官の少年と旅を続ける少年の行く先も興味を掻き立てられるところで、シリーズとしての続編が待ち遠しい。
ネタバレ・・・・・・・・・・・・