北山猛邦のレビュー一覧

  • 密室から黒猫を取り出す方法

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     名探偵音野順シリーズ第2弾。今回も読みやすい文体ながら密室、消えた凶器、倒叙などしっかり本格ミステリーが紡がれていて面白かった。特に「クローズド・キャンドル」が一番面白かった。そして前作と変わらない音野順の「気弱で引きこもりだけど、しっかり名探偵である。」というキャラ造形もよかった。

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    2024年03月09日
  • 推理の時間です

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    誰が、どうやって、何故の3つのテーマで2篇づつ短編があり、解答は最後に纏まっているという面白い形式の本。
    読者への挑戦ということで読み進めながら考えたけど、わかったものはひとつもなく。
    巻末に作家の方々の推理があるのだけど、さすがきちんと読み取ってるなと思うものも、裏を読みすぎたような推理もあって面白かった。
    作家さんなら軽々といてくるのかと思ったから面白い結果だった。

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    2024年02月29日
  • 天の川の舟乗り

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    ネタバレ

     北山猛邦さんの作品の中でも、好きなシリーズだった名探偵音野順シリーズ。2009年刊行の第2作『密室から黒猫を取り出す方法』が最後だと思っていたが、まさか2021年に第3作が出ていたとは。書店で文庫版を見かけて知った次第である。

     作家の白瀬と引きこもり探偵の音野順というコンビは、何とか覚えていたものの、音野順の兄・要の存在は忘れていた。「物理の北山」らしい、他愛のないトリックを楽しむ作品集だったはず。予期せぬ書店での発見に期待は高まる。

     「人形の村」。お菊人形の話を聞いたことがある人は多いだろう。いいねえ、ネタからしてこのシリーズらしいじゃなーい。しかし、1編目からそりゃないよ。支障が

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    2024年02月23日
  • 私たちが星座を盗んだ理由

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     日常の謎やファンタジーを絡めたミステリー。どの話も最後に見方が変わるという仕掛けになっていて面白かった。特に「終の童話」が一番凝っていた。

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    2024年02月02日
  • 踊るジョーカー

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    初めての北山猛邦先生の凄惨な殺人がないし、登場人物のキャラがはっきりしているので、かなり読みやすい本でした

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    2024年01月29日
  • 『クロック城』殺人事件

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    ネタバレ

    4.7評価

    冒頭20ページくらいで作品の世界観に没入
    終末感は好みの設定

    いま読んでもまったく色褪せていない物語
    やはり名作か

    時計の針を伝うというメイントリックは既視感アリ
    悪くないですけど
    (黄金の羊毛亭によるとルパン3世の映画のせいとのこと。なるほど。その他にもあった気がする)

    解決は多重推理のどんでん返し
    犯人は裏ボス?主人公?やっぱり裏ボス?

    首を切った理由は特筆事項
    これとメイントリックは本書の二大ポイント

    綺麗に収束しないファンタジー要素と、いわゆる厨二要素がマイナス0.3pt
    世界観にはあってるんだけどなあ

    シリーズ追い確定

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    2024年01月05日
  • 踊るジョーカー

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    気弱な名探偵と推理作家による本格ミステリ
    お弁当を持参する気弱な探偵がかわいらしく殺人事件なのにほのぼのしました

    探偵と助手、そしてトリックを重視したミステリ。やっぱりこういうミステリが一番好き
    Howが好きな人にはおすすめな短編ミステリだと思います
    これからも読んでいきたいシリーズです!
    おもしろかったです!

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    2023年11月20日
  • 『アリス・ミラー城』殺人事件

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     中盤から終盤にかけてのホラーサスペンス的な展開。そして、さまざまな視点に移り変わりながら展開するミステリー。そして、最後の読者を騙すトリック。読んでいて楽しめるミステリー小説でありました。ただ、叙述トリックの部分がいささか地味で、わかりづらいところがややマイナスでした。

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    2023年11月10日
  • 私たちが星座を盗んだ理由

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    最初と最後の作品が好き
    ファンタジー要素強めなのは苦手かもしれない
    短編だから仕方ないけどどんでん返し期待で読むのは微妙かも

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    2023年09月16日
  • 私たちが星座を盗んだ理由

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    5つの短編集で、どれも最後にウッとさせる。
    表題の作品が気になったが、何でそのまま綺麗に終わらせてくれないんだ、と感じた。
    そこも含めても満足です。



    優しく、美しく、甘やかな世界が、ラストの数行で、残酷に崩壊する快感。景色が反転し、足元が揺らぎ、別な宇宙に放り出されたかのような、痛みを伴う衝撃。かつて、まだ私たちが世界に馴染んでいなかった頃の、無垢な感情を立ち上がらせてくれる、ファンタジックな短編集。ミステリの醍醐味、ここにあり!


    難病の女の子を喜ばせるため、星座を一つ消して見せる男の子を描く表題作ほか、5つの物語のすべてに驚愕のどんでん返しが待つ傑作短編集!

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    2023年08月14日
  • 『アリス・ミラー城』殺人事件

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    城シリーズ3作目。他のシリーズと一線を画すとはこういうことかと読んで思いました。
    私は全作好きですが、今回は特にミステリー感の強い古典チックな仕上がりかなと。
    かなり人が殺される割にはそこまで分厚い本じゃないのでどんどんバタバタ駆け足な展開な印象なのでちょっと物足りない感というか、もっと書き込んで欲しいなーという気持ちもありましたが結末を見たらそうもいかないのかと納得。

    終盤の犯人を探すところでは気になりすぎて夜更かししてしまいました
    ミステリー小説をたくさん読んできましたが、そんな手もあるのか!!!とまんまと騙されて一つまた視野が広くなった気がします。

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    2023年07月28日
  • 『クロック城』殺人事件

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    ちょっと前の、あったのかもしれない、違う世界線の話かもしれない、人類史が終わる寸前の世界。
    クロック城と呼ばれる謎の建物。
    直径10メートルの巨大な時計が3つ並び、左右の時計の針は真ん中の時計と10分づつ前後にずれている。
    SFチックな館の噂、存在の不明な登場人物、眉唾な計画や組織、それらが収束してどういう展開、結末になるのか、序盤では全く想像できず。。。
    本格ミステリーとして読んでいましたがファンタジーとして取り掛かった方がすんなりとはいってきそう。

    ノベルズ版では後半の謎解き部分や館の見取り図?館の図が袋綴じになっていたし、帯には"本文208頁の真相を他人に喋らないでください&

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    2023年07月28日
  • 私たちが星座を盗んだ理由

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    どんでん返しが来ると思い身構えていても、そういう方向か!という驚きがあって面白かった。
    恋煩いのラストが不気味で良かった。

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    2023年07月09日
  • 私たちが星座を盗んだ理由

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    ちょっとしたミステリー集かなと思ったら、とんでもない。どんでん返しの嵐に目が点。世界とはこんなに脆いものなのか。

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    2023年06月12日
  • 『クロック城』殺人事件

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    ネタバレ

    再読。でも、全く内容を覚えてなかった...
    でも、首を切った理由だけは覚えていたから、そこはとても印象に残ってたんだなぁ、と。
    この世界はどういう結末を迎えるんだろ。
    世紀末的な世界観が必要だったのかは、疑問ですが面白かった。

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    2023年12月11日
  • 『アリス・ミラー城』殺人事件

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    世間の評価はよろしくないが自分は好きな作品だった。犯人や結末は全くよろしくないが、それぞれのトリックはすばらしい。

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    2023年01月03日
  • アルファベット荘事件

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    ネタバレ

    北山猛邦作品ブームがきているかもしれない。。

    オルゴーリェンヌの時に感じた過去と現在を行き来する構成が読後に余韻を残してくれる。何度も、ああもしかして、ああそうだったのか、とページを戻って読み返し、その度霧が晴れるように意味が浸透していくのが心地よい。


    以下ネタバレ

    箱出現トリック(バラバラ)はなんとなく予測できていたが、頭の方は盲点だった!コートの文章で怪しいとは思っていたけれど、入れ方になるほどと。
    文章に自然とヒントが散りばめられていて、読んでいる時に「ここの文怪しいな?」と勘ぐるのが楽しい。

    死体移動は恐らく実際やると物音で起きちゃったり、トイレに起きた誰かに目撃されたりする

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    2022年09月01日
  • アルファベット荘事件

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    分量も少なく、比較的シンプルなトリックなので初心者でも楽しめる。
    それでも本格らしい雰囲気は自分好み。

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    2022年06月20日
  • 踊るジョーカー

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    読み終えて一言。ザ・本格ミステリ。名探偵と助手のコンビ。面白い展開。鮮やかなトリック。気弱な探偵という新しさはあるものの、まるでミステリの入門のような本書。古典ミステリが苦手な人もこれをまず読んでみるのはいかがだろうか。

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    2022年05月23日
  • 『アリス・ミラー城』殺人事件

    ネタバレ 購入済み

    これは上手い

    まさに巧みな叙述トリック。シンプルなのに、いや、シンプルゆえに効果的な叙述トリックが使用されていて、ラストで「なんでこんなに明確な伏線(ヒント)に気づかなかったんだ」と愕然とし、その偽装工作の上手さに舌を巻きます。
    物理トリックの使い方も、(純粋なミステリーとして見た場合は)非常に上手く、作者さんの技量の高さが窺えます。
    一方で、現実的に考えてしまう方は「そうはならんやろ」「そんなことってあるか?」と納得いかない点もあるかもしれません。

    結論。ミステリーファンには強くオススメできる一冊ですが、ミステリー慣れしていない人にはやや薦めづらい作品です。

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    2022年04月29日