門井慶喜のレビュー一覧

  • 家康、江戸を建てる

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    東京の成り立ちを、政治と技術の両面からダイジェスト的に書いた作品。江戸初期の土木技術、建築技術、鋳造技術の調査、裏付けを取りながら、ドラマに仕立てているところが秀逸。特に「石垣を積む」のところはこれまで想像していた技術の確認ができ、もっともっと細かく知りたいと思わせた。今の地名で書いてくれてあるので想像しやすく、引き込まれる。天守閣のデザインに関する家康と秀忠のエピソードは、作者の想像の産物なのだろう。軽いけれど清々しく感じる。

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    2021年08月18日
  • 東京帝大叡古教授

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    実在の人物と、創作した人物が登場する物語。もちろん叡古教授は後者の方ですが、中々生き生きと描かれています。

    ですが、それよりも、この物語の語り部の正体が驚き。話自体は創作ですが、語り部は実在の人物、重光葵なんですよねぇ。ビックリ。そう言う設定ですかと。この物語の頃は、明治時代ですが、後年の昭和。重光葵が、外務大臣として連合国への降伏文書に署名したことは周知のこと。そんな人物を使うとはね。ビックリです。

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    2016年10月21日
  • 家康、江戸を建てる

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    江戸を建てたのは誰?

    江戸を建てたのは、勿論家康公。
    だけど、「江戸」という大構成物のパーツの数は膨大で、
    パーツの物語のいくつかをピックアップして
    モザイクのように編んだ本、が本書です。
    パーツを章立てにしてあるので、読みやすいです。
    私は冒頭の川の話が好きです。

    江戸開府には、きっと他にもドラマティックな話があるでしょうし、
    是非続編が読みたいです。

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    2016年07月17日
  • ぼくらの近代建築デラックス!

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    単に建築を、絶賛するんじゃなくて、チェーンのカフェとかテナントで入っちゃ、みたいな結構辛辣な批判も含んでいる感じが、とても率直でよい。極端に建築を美化していない、まさに散歩気分。

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    2015年06月20日
  • ぼくらの近代建築デラックス!

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    万城目学と門井慶喜による近代建築散歩をまとめた本。大阪、京都、神戸、横浜、東京、台湾の近代建築について書いてある。
    建物が建った経緯や設計者の人柄、エピソードがとても面白い。
    ただ、冒頭に書いてあった通り人物に焦点を当てていて、建物の写真が少ないのは物足りない。
    門井氏の薀蓄を読みながら、建物の外観、内観、ディテールをじっくり見たい衝動に駆られた。

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    2015年06月09日
  • ぼくらの近代建築デラックス!

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    ネタバレ

    初読。「機知」担当の万城目さんと「情報」担当の門井さんの絶妙な掛け合いで、建築初心者の私でも、楽しく読めた。帯の「今すぐ見に出掛けたくなる」は嘘じゃない。見たことある建物も、あらためてじっくりと見に行きたいと思ったし、紹介されていない建物にもこれからは気にしてみようと思う。建築家や建築物にまつわるエピソードを紹介してくれる門井さんの圧倒的な知識には驚く。鳩山会館の万城目さんの感想は超辛口なんだけど、建物の批評じゃないところが笑えた。早速今週末、本を片手に見に行くかな。

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    2015年06月02日
  • 小説あります

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    「人はなぜ小説を読むのか」と、本作で勇次が郁太に問いかけていますが、ちょっと前に同様のブログ記事を読みました。

    そのブロガーの記事には時々違和感を覚えることがあって、その正体って何だろうと考えていたのですが、その解答は本作の言葉でいう「人格の修行」っていう点なのかな〜と思いました。

    なんだか大げさな言い回しですが、自分と異なる考え方の人に(架空、現実問わず)どれだけ多くの人と接することが出来たか、というところでしょうか。人物描写が巧みな小説ほど、文字通り生き生きとその人物が描かれ、その人の考え方などを知ることが出来る。そうして「こういう考え方の人もいるんだ」と“他者を許容する範囲”が広がっ

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    2014年09月07日
  • 天才たちの値段 美術探偵・神永美有

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    美術品を扱う五つの短編集。
    ストレスを感じさせない良作。

    誠実な学者先生と誰よりも先を見通す天才という、典型的なホームズ&ワトソンコンビ。が、趣は少し異なる。
    本作の探偵役はホームズポジションとしては珍しいくらい、不遜でも変人でも嫌味でもない。口調は丁寧だけど紳士然とし過ぎているわけでもない。なんというか控え目。必要最低限のお手伝い。
    代わってワトソン役がよく働く。(語り手なのだからワトソン目線で話が動くのは当然として)ここでいう「働く」というのは読者に対する蘊蓄披露という意味。優秀なワトソン。

    ただ、私が見逃しているだけなのか、二人の年齢設定がよくわからず人物像をイメージしにくい。

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    2013年01月04日
  • 天才たちの値段 美術探偵・神永美有

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    ネタバレ

    美術史や美術品にまつわる謎を解いていく推理小説。
    その深さや関連つけの見事さに思わず引き込まれます。

    美術史の勉強しようかなって思ってしまいます。
    続編も楽しみです。

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    2012年10月13日
  • 天才までの距離 美術探偵・神永美有

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    古本をネタにしたものはこれまでに読んできましたが、この本は古い美術品をネタにしています。イヴォンヌというキャラクターが個性的で面白いです。

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    2012年09月04日
  • 天才たちの値段 美術探偵・神永美有

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    美術史の助教授・佐々木は、本物を見ると舌に甘みを感じるという天才鑑定家の青年・神永美有に出会う。
    ボッティチェッリの知られざる絵画「秋」を見て欲しいという画商の依頼で訪れた館には、初代館主の子爵が大正時代に東ヨーロッパで買い付けたという絵が壁にはめ込まれていた。
    確かに名品だったが、さすがにボッティチェッリとは断定しかねて…?
    なぜか神永は本物と断じて買い取ろうとしているらしい。
    その理由とは?
    画学生の実家にある蔵から出てきた古地図は、値打ちがあるものか?
    仏ねはん図の不自然なポーズの意味は?
    蒐集家だった佐々木の祖母が遺言に残した謎は?
    佐々木が畏敬の念を抱いていた美術書専門の古書店主が、

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    2010年09月16日
  • 天才たちの値段 美術探偵・神永美有

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    仰々しいタイトルのわりには普通。良い意味で。
    本業が心配になるくらい間抜けな講師に、茶目っけのあるクールな天才。
    二人を中心に温かい雰囲気があって、美術のことよく知らなくても読みやすくて、映像が浮かぶ感じがした。

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    2010年05月07日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    江戸時代の先物取引(デリバティブ)とは?

    大阪堂島では 江戸初期には あの大豪商“淀屋”が「米市」を開いていたと 何となく知ってはいたが。その実態は?

    大阪商人vs将軍吉宗
    享保の米騒動で描く 享保の先物取引。
    やはり物語で描かれると デリバティブと言う経済用語も理解しやすい。

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    2026年04月11日
  • 札幌誕生

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    ネタバレ

    幕末から戦前を中心とした北海道、札幌の歴史小説。

    五つの章から構成されていて、島義勇、内村鑑三、バチラー八重子、有島武郎、岡崎文吉が各章の主人公。
    札幌の開拓物語と思っていたが、島と岡崎の章以外は札幌ゆかりの人の話という感じです。
    とにかく島や松浦武四郎がいなかったら札幌が道都になっていなかったと思えると島の章は重要です。
    堀利煕についても最期について記述してあげてほしかったです。
    内村、八重子、有島と文化人が続きますが、キリスト教やアイヌ民族や農場経営について勉強になりました。
    石狩川治水責任者の岡崎がトリになるのですが、時代的にはそれまでの章と前後する部分もあるものの、彼の功績によるとこ

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    2026年04月04日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    家康江戸を建てるが良かったのでチャレンジ。
    大阪での米の先物取引vs吉宗。
    日本が世界に先駆けて行っていた先物取引の仕組みがよくわかった。
    登場人物の役割がちょっと難しかったかな。

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    2026年04月03日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    ネタバレ

     昨秋(2025)、新聞書評で見かけた一冊。

     享保の改革の様子、暴れん坊将軍で有名な吉宗がなぜ米将軍ともあだ名されていたかが良く分かる(笑)

     副題に、「享保のデリバティブ」とあるように、これは経済小説だ。天下の台所と呼ばれた大阪では、江戸の中期には米取引が発展、一大市場を成していた。そして、そこでは現物の売買だけでなく、現代のデリバティブ取引と同じ仕組みを持つ「帳合米」の取引が発達していたという話。

     それを、ひとりの仲買人を通し、大阪堂島で繰り広げられる米取引の様子と、権力で価格を統制しようとする幕府との丁々発止の駆け引き、交渉の様子が描かれる。

     その中心事物である垓太と、将軍

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    2026年03月26日
  • 夫を亡くして 北村透谷の妻・ミナ

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    新聞連載で読んだ。
    北村透谷の妻、ミナの当時としては稀有な自立した生き方にスポットライトを当てた小説。

    ミナの自由さに比して、北村透谷の人物像が今ひとつ伝わらなかった。なぜ北村透谷は自殺したのか?その謎にまで迫ると主役のミナの存在が薄れてしまうのかな。  


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    2026年03月22日
  • おさがしの本は

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    最初は少し取っ付きにくいかも?と思ったが
    主人公の変化と共に文章を受け取りやすくなるという不思議な体験をした。面白かった。

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    2026年03月14日
  • 東京帝大叡古教授

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    数年前にこの作家さんの直木賞作品「銀河鉄道の父」を読んだけど、その時の作風とイメージが違ってちょっと驚き。
    銀河鉄道〜はもうちょっと真面目な感じだったけど、この本はちょっとくすっとしちゃうようなところがあったり、少しくだけた雰囲気。
    この本のほうが昔の作品だけどこんな感じの小説も書いてたのか。私としてはこの本のほうが好きで楽しかった。

    実在人物が出てくるからてっきり本当にあった事件なのかと思ったけどそうではないみたい。
    だけど史実を交えながらのストーリー展開で勉強にもなったしシンプルに面白かった。
    こういうちょっと癖のあるキャラが出てきたりくすっと笑えるところがある小説はすごい好きだから、他

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    2026年03月05日
  • マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代

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    うーん。。
    タイトルから「ミステリー」「美術」という二つのものから近代(ヨーロッパ、特にイギリス)という社会を読み解く…的なものだと思って手に取ったんです。最初はそんな感じで進むんですが、後半の方に一人称と三人称の話になり、最後は主観と客観の話になり、近代の話は一体どこに行ってしまったの?って感じでした。こちらの著者先生の本は初めてですが(「銀河鉄道の父」を書かれた方のようですね)先生の好きなもの、言いたいことを詰め込んだ感じの本の印象を受けました。

    もちろん個々の話はとても面白かったです。産業革命とミステリー誕生の関連性とか、イスラム世界の細密画の描き方のルールとか、そうなんだ!と楽しく読

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    2026年02月10日