門井慶喜のレビュー一覧

  • 小説あります

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    ネタバレ

    「人はなぜ小説を読むのか」と、本作で勇次が郁太に問いかけていますが、ちょっと前に同様のブログ記事を読みました。

    そのブロガーの記事には時々違和感を覚えることがあって、その正体って何だろうと考えていたのですが、その解答は本作の言葉でいう「人格の修行」っていう点なのかな〜と思いました。

    なんだか大げさな言い回しですが、自分と異なる考え方の人に(架空、現実問わず)どれだけ多くの人と接することが出来たか、というところでしょうか。人物描写が巧みな小説ほど、文字通り生き生きとその人物が描かれ、その人の考え方などを知ることが出来る。そうして「こういう考え方の人もいるんだ」と“他者を許容する範囲”が広がっ

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    2014年09月07日
  • 天才たちの値段 美術探偵・神永美有

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    美術品を扱う五つの短編集。
    ストレスを感じさせない良作。

    誠実な学者先生と誰よりも先を見通す天才という、典型的なホームズ&ワトソンコンビ。が、趣は少し異なる。
    本作の探偵役はホームズポジションとしては珍しいくらい、不遜でも変人でも嫌味でもない。口調は丁寧だけど紳士然とし過ぎているわけでもない。なんというか控え目。必要最低限のお手伝い。
    代わってワトソン役がよく働く。(語り手なのだからワトソン目線で話が動くのは当然として)ここでいう「働く」というのは読者に対する蘊蓄披露という意味。優秀なワトソン。

    ただ、私が見逃しているだけなのか、二人の年齢設定がよくわからず人物像をイメージしにくい。

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    2013年01月04日
  • 天才たちの値段 美術探偵・神永美有

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    ネタバレ

    美術史や美術品にまつわる謎を解いていく推理小説。
    その深さや関連つけの見事さに思わず引き込まれます。

    美術史の勉強しようかなって思ってしまいます。
    続編も楽しみです。

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    2012年10月13日
  • 天才までの距離 美術探偵・神永美有

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    古本をネタにしたものはこれまでに読んできましたが、この本は古い美術品をネタにしています。イヴォンヌというキャラクターが個性的で面白いです。

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    2012年09月04日
  • 天才たちの値段 美術探偵・神永美有

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    美術史の助教授・佐々木は、本物を見ると舌に甘みを感じるという天才鑑定家の青年・神永美有に出会う。
    ボッティチェッリの知られざる絵画「秋」を見て欲しいという画商の依頼で訪れた館には、初代館主の子爵が大正時代に東ヨーロッパで買い付けたという絵が壁にはめ込まれていた。
    確かに名品だったが、さすがにボッティチェッリとは断定しかねて…?
    なぜか神永は本物と断じて買い取ろうとしているらしい。
    その理由とは?
    画学生の実家にある蔵から出てきた古地図は、値打ちがあるものか?
    仏ねはん図の不自然なポーズの意味は?
    蒐集家だった佐々木の祖母が遺言に残した謎は?
    佐々木が畏敬の念を抱いていた美術書専門の古書店主が、

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    2010年09月16日
  • 天才たちの値段 美術探偵・神永美有

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    仰々しいタイトルのわりには普通。良い意味で。
    本業が心配になるくらい間抜けな講師に、茶目っけのあるクールな天才。
    二人を中心に温かい雰囲気があって、美術のことよく知らなくても読みやすくて、映像が浮かぶ感じがした。

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    2010年05月07日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    先物取引の仕組みを詳しく知らなくても物語として楽しめた。「相場は天下が決める」という言葉が印象的で、江戸時代の話でありながら、現代の市場にもそのまま当てはまる感覚がある。 インフレとデフレの原理が物語を通して自然に理解でき、経済がどう動くのかを実感できた点が良かった。時代は違っても、経済の基本は変わらないのだと気づかされる。 経済をめぐる攻防が、貨幣経済へ移行する時代における「武士の価値観」と「市場を守ろうとする商人の価値観」の衝突として描かれているのが興味深い

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    2026年02月09日
  • 札幌誕生

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    幕末から大正の間に北海道が開拓開発されていく様子を描いた歴史小説。五人の実在の人物にそれぞれの章をあてていて、だんだん近代化していく様子がわかります。
    特典の歴史地図(デジタル版もあり)が理解を助けてくれてありがたい存在でした。

    小説だと思って読んでいたら急に著者の感想のような文章が出てくるのは歴史小説あるあるなのか、この作家さんの特徴なのか、好みにも左右されるのでしょうが私の場合は小説の世界への没入にブレーキがかかってしまったように感じました。

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    2026年02月08日
  • 札幌誕生

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    北海道を国防の場とするため、要となる都市を一からつくる…途方も無いことを成し遂げようと動く人々
    街づくりにアイヌ文化、治水など5人の視点で札幌が出来上がっていく様子、知らなかった歴史を知る事ができるのがとても面白かった
    本当に読み応えたっぷり!

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    2026年01月13日
  • 天才たちの値段 美術探偵・神永美有

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    面白くない訳ではないのだが、微妙に読みづらい。無理に会話してるので、高田崇史みたいに蘊蓄に振るとかキャラ立てるとかがもう少し欲しい。

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    2026年01月02日
  • 江戸一新

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    松平信綱が主役なんだなって。保科正之かと思ってた。かの有名な明暦の大火の小説は物珍しいので、読んでみました。火事の凄さはよく聞くけど、その後の復興はあんまり聞いたことないから、とても勉強になった。小説も勉強になるんだなと改めて思ったよ。

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    2025年12月31日
  • 文豪、社長になる

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    菊池寛。

    タイトル通り、人気大衆小説家が「文藝春秋」を立ち上げ社長になり、芥川賞、直木賞を創設し……亡くなるまでの、一代記。
    もちろん史実に基づいてはいるものの、フィクションだが。
    大まかな時系列には沿っているものの「オール讀物」連載の5編が、そのまま収まっているようで多少、時間は前後する。
    読みやすいが、少しぶつ切り感があった。

    芥川龍之介や川端康成、小林秀雄らとの濃い話も読みたかったが、菊池寛、その人を知るには非常に読みやすい本だった。

    個人的には、直木「三十一〜三十五」との物語「貧乏神」が一番面白く読めた。

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    2025年12月18日
  • 人生を豊かにする 歴史・時代小説教室

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    多分、「人気作家」の、どうやって作家になったか、どういうことを考えて著作しているかを編集者が聞き手になって書いている。

    多分というのは、三人とも知らないから。

    時代/歴史小説、また、この作家さんが好きな人が読めば違うんだろう。
    なんか昔の、漫画家になろう!的な本みたいな感じ。

    以前読んだ、流行作家?になるには見たいな本の成金的な臭いは少なかったし素直にすげえな、やっぱりプロは、と思ったのだが、一人だけやっぱり臭ってた気がした。

    もっと、古典的な有名な作品を取り上げて論評してくれるようなもんかと思ってたので、拍子抜け。

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    2025年12月15日
  • 信長、鉄砲で君臨する

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    鉄砲をテーマにいろいろ書きたかったのだろうか。切り口がおもしろかった。
    ただ、鉄砲で建てるは無理があるやろと。シンプルに伝来の話が一番おもしろかった。

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    2025年11月17日
  • なぜ秀吉は

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    豊臣秀吉は天下統一を果たしながら、晩年、無謀とも言える朝鮮出兵を行ったのか。その「なぜ」に迫る歴史小説。

    人間の欲は果てしない、配下へ報奨とする土地が尽きてしまった、権力者は愚行を繰り返す、秀吉は単純に戦争が好きだった、など、多くの学者により分析されつくした朝鮮出兵の動機。それらを踏まえて小説家としての著者視点での新解釈を提示してくれると期待したのだが、消化不良のまま完結してしまったという感想。

    本作に登場する秀吉は、名もなき庶民や商人などに、勢いで朝鮮・明などを征服すると公言した手前、引っ込みがつかなくなってしまっていたように感じられる。淡々と名護屋城を築き、朝鮮向けの人と船を集めるだけ

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    2025年10月18日
  • 札幌誕生

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    ネタバレ

    札幌の成立過程を、幕末から昭和にかけての5人の人物のドラマを通じて描いた連作短編、門井先生自身が語った創作意図・作品で最も強調したかったのは、「人が住んで街になるのではなく、人はいないが街をつくる」という、極寒の大地で大規模な都市計画をゼロから推進した先人たちの信念と情熱、そして現代にも通じる「自制心」を持った5人らしい・・・が、小説ならば特定の主人公を通過した5人という書き方の方が馴染みある、つまり札幌誕生というタイトルに相応しい観察者が不在なため、読者はバラならの5人の先人話を読まされただけに終わった(辛口)バチラー八重子や有島武郎の話は札幌誕生ストーリーに何も寄与していないと断ずる

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    2025年09月23日
  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)

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    時は大正が終わり昭和が始まる頃に、日本初の地下鉄が開業した。いまの銀座線、浅草を起点に上野、神田、新橋と徐々に延伸していく形で現在に繋がる地下鉄道網が張り巡らされていく。その裏には歴史に名を残したいという野望を持った一人の男の姿があった。

    早川徳次は日本の地下鉄の父と呼ばれる。山梨の寒村から裸一貫で東京に出てきて、渋沢栄一や大隈重信といった経産界の大物と知己を得て資金を集め、日本初の事業である地下鉄掘削を開始する。当時は市電が地上を走るものの、次第に自動車との交通戦争が激化していく時代に差し掛かっていた。

    関東大震災が起こり、東京の重心は東寄りの下町から西側へと遷っていく。そこに目を付けた

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    2025年09月21日
  • 文豪、社長になる

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    日本の錚々たる文豪の名前が次々に連なる作品
    日本の近代史と文豪菊池寛の人生を綴った一冊
    作家仲間で雑誌を創刊し、発刊部数を伸ばし、組織を作り、と順風な中、日本が戦争の渦に飲まれていき、自分の思想とは真逆の文章を綴り、それでも自分のやり方は変えられないジレンマを感じた
    途中、後述といって先に進める割には、その後の話しが前後するので時系列が時々混乱する
    そこそこ厚みのある文庫だがストーリーを推敲すればもっと読みやすくなるのにと思った

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    2025年09月18日
  • どうした、家康

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    色々なエピソードを基に作られた家康の話。13人の作家さんの家康なのに違和感なく同じ家康。それが家康
    明智光秀の謀反を事前に知っていた!?ありえるかも

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    2025年09月18日
  • 札幌誕生

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    「開拓判官ー島義勇」「ビー・アンビシャスー内村鑑三」「人の世の星ーバチラー八重子」「流行作家ー有島武郎」「ショートカットー岡崎文吉」の五話。北海道に強く関係した5人の人物を主人公にした5つの中編を、時代に沿って並べる事で、札幌の誕生とその成長を描いた作品です。
    『東京、はじまる』の感想には「口に出さない当人の考えをインデントや()で括って差し込んでいく文体は、池波正太郎によく似て非常に軽快です」と書いていましたが、今回は読み始めてしばらく(文章と言うより話の進め方が)「なんか司馬良太郎っぽいナ」と感じました。もっとも読み進めるにつれ、その感触は弱まってきましたが。とは言え、どこか余り逡巡が感じ

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    2025年08月31日