門井慶喜のレビュー一覧

  • 東京、はじまる

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    めっちゃ面白かった銀河鉄道の父の作者×大好きな東京駅の話
    と言うことで大期待して読みました。結論楽しめたし、すごく勉強にもなったのですが、主人公自体の魅力度、魅力的に描かれているかどうか、で言うと、完全に政次郎に軍配でした。笑
    でも本当に勉強になりますよ!

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    2023年05月30日
  • なぜ秀吉は

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    なんかちょっと、殺伐とした気分になる話
    みんな、付き合わされたなぁ
    秀吉(本人)は冷静、周りは過剰適応
    そりゃそうか

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    2023年05月30日
  • 東京、はじまる

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    先日読んだ「帝国ホテル建築物語」と比較すると、どうも作品へ思い入れが出来なかった。

    上述した大正期の苦労人達の物語と、維新を這い上がった(本書の辰野金吾も十分苦労はしているのだが)才能ある野心家の物語では、自分の性格的にどうしても前者に思い入れてしまう。勿論フィクション上の辰野に対して、だが。

    辰野に対比されるジョサイア・コンドルや曾禰達蔵は実際もなのかも知れないが余りに恬淡としているし、辰野に似ている妻木頼黄は大して書ききれない内に病死してしまう。

    辰野の対立軸を決められないまま作品が終わってしまった、という印象が強い。

    天神橋筋 西日本書店にて購入。

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    2023年05月27日
  • 東京、はじまる

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    明治中〜後期の「はじめて物語」は
    バイタリティがあって楽しいね!
    もちろん、今と比べて一長一短あるけど
    こうして後世から見てみると
    何事かを成したいという熱量がすごい。

    そのなかでも、これは建築の物語。
    好きな分野だから、なお楽しかった。
    この時代の建築関係の本には
    かならず名の上がる「辰野金吾」
    東京駅や日本銀行を設計した人として
    名前はもちろん知っていたものの
    その人となりと人生を
    小説にアレンジされているとはいえ
    これで追うことができました。

    まぁ、天才のまわりの人間は
    いつでも巻き込まれて大変ってことで( ̄∀ ̄)
    曾禰達蔵もよくずっと交遊を続けてたなぁ。

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    2023年05月23日
  • なぜ秀吉は

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    ネタバレ

    信長、秀吉、家康の3人の中で、この10数年前くらいから最も酷く、そして悪く言われているのが秀吉。「戦ベタ」で「調子のいい奴」。下劣かつ卑劣、家康に夫のいた妹と母親まで人質に差し出した。好色で、身分の高い女ばかり何人も側室にした。確たる理由もなく「千利休を切腹、そして梟首。」「甥の秀次切腹、女、子供を含む眷属30名以上の処刑。」そして最大最悪の愚行「朝鮮出兵」。この小説は最後の「朝鮮出兵」を、「なぜ」ではなく「なぜか秀吉は」決断したために起こる色々な思惑、騒動を書いている。他の悪行等についてはスルー。まあこの「朝鮮出兵」以外の悪行については、どういう経過だろうと戦国時代を終わらせ、絶対的権力者と

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    2023年04月26日
  • 自由は死せず : 下

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    「軍事の天才」「維新の元勲」「自由は死せず」肩書は有名だけど、実際には何を成した人なんだろう、と思い、読み始めました。
    行動の一貫性が見えなくて。まさに、自由、だったのかな、と。

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    2023年03月26日
  • 家康、江戸を建てる

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    時代小説だけど台詞回しがマンガっぽいから読みやすい! そしてそれ以上にドラマが熱い!
    「金を延べる」が面白かったな〜……男たちのプライドのぶつかりあい。まさにプロジェクトX in江戸!
    表の実力者である豊臣秀吉と、知略を尽くしてひっくり返そうとする徳川家康。この心理戦が面白い!

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    2023年03月18日
  • 江戸一新

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    江戸時代、第四代将軍家綱の治世に起こり、当時の江戸のほとんどを焼け野原とした明暦の大火からの復興の舵を取った老中、松平信綱を主人公とした物語。正直、江戸一新の大胆な手口などが詳細に語られるのかと思っていたら、サブの登場人物による語りがダラダラ続いたり、強引な展開で結末に雪崩れ込むなど、エンタメ色がかなり強く、ちょっと期待と違っていた。が、史実としての江戸一新の肝はきちんと表現されていたので、なるほどなという納得感は高い。

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    2023年02月16日
  • 東京、はじまる

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    ネタバレ

    明治期に日銀や東京駅を設計し、近代建築の祖となった辰野金吾の物語。巻末に自ら史実に基づくフィクションと書いてあるから物語なのだろうが、参考文献の記載がないのはなぜなのか。実在の人物を描いているにも関わらず、出版社が参考文献なしをよしとする基準はどこなのだろう。高橋是清が意外(私が知らなかっただけなのですが)な役割を演じていて、興味深かった。この作品と無関係だが、明治期の血気盛んな人物を描くと、なぜかみんな漱石の『坊ちゃん』に似るのは気のせいか。日銀といい、東京駅といい、新しい工法をその都度試していく先駆者の心意気には感服する。

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    2023年02月09日
  • 自由は死せず : 上

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    あまり読んだことのない視点からの幕末って感じで面白い。
    ただ、史実を書き連ねてるだけとしか思えない所が多くてなかなか読みにくいと思ってしまった。結果が分かってるから描きやすい様に、時間が前後しようがお構いなしって感じ…

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    2023年01月18日
  • 定価のない本

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    ビブリア古書堂シリーズと『本を守ろうとする猫の話』を読んできた流れで、こちらも古書かしらと思い読みましたが、古典籍という別区分があるのですね、初めて知りました。
    テンポよい展開で面白く思いましたが、巻末の対談で触れられていた、モデルとなった実在人物がいるという点、興味惹かれました。本を守ろうとする、というか文化を守ろうとする、という意気込みは混乱期にあった、のでしょうね、、

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    2022年11月10日
  • 定価のない本

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    前知識まったく無しで購入したので、日常的な書店ドラマと思っていた。読み始めたらドンドン話しが大きく展開していき、ワクワクしながら読めた。
    戦後の風俗もわかり当時の生活感も想像できた。

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    2022年10月24日
  • 人生を豊かにする 歴史・時代小説教室

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    畠中さんのしゃばけシリーズが好きで、自分も物語書いてみたいなーとふと思い読んでみました。資料の探し方、保管場所、人物、プロットの作り方についてインタビュー形式で詳しく書かれており、勉強になりました。

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    2022年09月05日
  • 人生を豊かにする 歴史・時代小説教室

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    小説ってこんな風に構築されて書かれているんですね~
    好きな作家畠山恵さんの話は、実際本を読んでいるせいか、「ふむふむ。なるほど」と思いながら楽しく読めました

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    2022年08月19日
  • 新選組の料理人

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    新選組には実はそれほど思い入れはない。
    昔大河ドラマで見た、程度のものだ。
    ただ、料理人目線で描いていく面白さに期待したのだ。

    主人公は、菅沼鉢四郎という。
    かろうじて、武士。
    禄を取る甲斐性もなく、不器用で内職もできず。
    故郷を捨てて一緒になった妻に養ってもらう生活。
    他の男との子どもとも知らず、娘を育ててきた。
    ところが、蛤御門の変での大火事を機に、妻に捨てられる。
    この男を拾ったのが、新選組の原田左之助。

    新選組に詳しくないので、この左之助なる人物については全く知らなかった。
    屯所の設営などに尽力した人らしい。
    そして、新選組の幹部には珍しく、京で妻帯した人でもあるとのこと。

    そし

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    2022年08月08日
  • 信長、鉄砲で君臨する

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    砲をテーマにした戦国時代歴史小説。

    前半の種子島への鉄砲伝来、鉄砲術師範の橋本一巴、堺の鉄砲と火薬の生産競争までは面白かったのですが、後半の安土築城から本能寺の変までは鉄砲とも直接からまず残念でした。
    信長にこだわらずに、鉄砲の戦国史として、江戸幕府初期までを描いた方が良かったと思いました。

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    2022年07月31日
  • 東京の謎(ミステリー) この街をつくった先駆者たち

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    『家康、江戸を建てる』など、東京を舞台にした著書(小説)をいくつか持つ門井慶喜さんが東京の数々の謎に迫った一冊。「なぜ勝海舟はあっさり江戸城を明け渡したのか?」「なぜエビスビールは目黒だったのか」「なぜ羽田には空港があるのか」などなど、歴史上の様々な謎が歴史的事実+著者の解釈で分析される。東京の3大都市渋谷・新宿・池袋の街の成り立ちなどもあり非常に面白かった、個人的に一番好きな路線である東横線周りの話もあるのも◎。東京を作り上げた先人の歩みを知りたい人にオススメの一冊。

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    2022年06月24日
  • 注文の多い美術館 美術探偵・神永美有

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    美術系ミステリ。

    この人の本は何冊か読んできた。
    きっと美術のうんちくがつまったミステリなんだろう。
    何となしに手にしたが、これ、シリーズ第三作だった。

    もちろん、ベテランの門井さんなので、この巻から読み始めても差し支えない。
    とはいえ、やはり神永美有の設定が謎すぎる。
    本物には甘みを、贋作には苦みを感じる、特異な舌で判断するというのだから。

    この巻では、「春のもみじ秋のさくら」という一編がある。
    美有が二十歳で特異な味覚に初めて気づくところが描かれている。
    でも…だからといって、受け入れられるかというと、やはり人によるのかな。
    大田聴雨の軸と大正六年の台風の関わりは面白かったけれど。

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    2022年06月05日
  • 天才たちの値段 美術探偵・神永美有

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    門井氏の本は「家康、江戸を建てる」を先に読んだので、時代小説の作家と思ったら、推理小説でのデビューとのこと。この本のタイトルに惹かれて読んでみたが、膨大な美術の蘊蓄が書かれていて読み飛ばしながら読んで行った。本物かどうか、見た瞬間に味で分かるという、特異体質の青年美術コンサル(神永)と美術専門の短大講師(佐々木)が繰り広げる真贋論争。表向きは短大講師が勝つのだが、その裏でひっそりと神永が勝っているというパターン。神永のせいで仕事を無くした学芸員がライバルとして何度も立ち塞がる。政治家の親と子や佐々木講師の伯母との遺産問題も何となく最後は良い話しで終わる。もっと素人も分かる美術論争だったらとも思

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    2022年05月09日
  • こちら警視庁美術犯罪捜査班

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    たった二人しかいない本庁捜査二課美術犯罪捜査班。美人上司と肉体派新人刑事のコンビが、美術品に絡む事件に挑む極めてカジュアルなタッチの連作短編集。
    設定は至ってラノベっぽいが、そこは門井慶喜。ウンチクとひねりの効いた作品に仕上がっている。
    取り扱うのは、なかなかレンブラントのエッチング、ロダンの彫刻、江戸時代の仏像、キリコの抽象画、ゴッホの自画像と、レパートリー多彩。

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    2022年05月01日