門井慶喜のレビュー一覧
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ネタバレ鳥取県に実在する第3セクター鉄道、若桜鉄道を舞台としたローカル線(または沿線地域)再生の物語…を想像して読んでみましたが、全然違っていました。これ、実在の鉄道を舞台にする必要はあったかなあ。若桜鉄道を積極的にPRしている訳でもないし、実際の沿線風景に触れる訳でもない。若桜とライトって現実にも関わりありましたっけ?
そういう馴れ初めというか、執筆の経緯は読者に知らせて頂きたかったです。解説はおろか、あとがきも無いってちょっとどうなんでしょう(単行本にはあるのでしょうか)。
で、肝心の内容ですが、大くくりすれば主人公の成長物語なのでしょう。しかし、焦点がローカル線にあるのか、近代建築にあるのか -
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鳥取県の三セク、若桜鉄道うぐいす駅の駅舎取り壊し計画をめぐり、村長と住民グループとが激しく衝突する。
主人公涼太は、ここに巻き込まれてしまう。
村長の孫にして、住民グループリーダーの重次郎からは学問上の孫弟子にあたるからだ。
うぐいす駅の駅舎は本当にF・L・ライトの設計なのか。
そうでないなら、真の設計者は誰なのか。
私大の史学科の院生である主人公が謎解きをする。
これがこの本の一番のサスペンスかと思うと、実はそうでもない。
現役のまま頓死した村長、芹山剛造の後任の村長選が告示される。
鶯村でのデモ中に発作を起こして死んだ守る会の久世みち子。
その息子、静男が村長選に出馬する。
涼太は恋 -
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19世紀に生まれた小説の一ジャンル「ミステリ」。なぜこの時期にミステリが生まれ、一大ジャンルとなったのか。名作ミステリ、絵画や建築、中世から近代へと移行した当時の時代背景などをもとに考察する。まえがきで、「本書を読むことで結末の推測がやや容易になるかもしれない」として、「時の娘」「緋色の研究」「ノーザンガー・アビー」「薔薇の名前」の4つが挙げられている。私は「緋色の研究」を除いて未読だけど、犯人が分かってしまうようなネタバレはなかった。むしろ「薔薇の名前」はすごく読みたくなった。「荒野のホームズ」「わたしの名は赤」も面白そうだ。ミステリ好きなので楽しめた。
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ネタバレ嫌いじゃない。嫌いじゃないけど、もっと分かりやすく書けなかったかなあ。というか、弁論術をより効果的に小説の題材として扱うことだって出来たはずなのに。学園モノは嫌いじゃないから、それだけで期待が高まる部分はあったのだけど、高等部部長が冒頭否定していた「詭弁」そのものだと思う。実例実証なしの、教養が抜け落ちた論理お化けを、詭弁と称せず何と呼ぶのだろう?それは、全てが机上の空論であって、頭でっかちの子どもの育成であって、あまりに空疎。ということで、設定そのものにも、そもそも難があったってことだな。むしろ、詐欺集団を育てるための育成スクールみたいな無茶苦茶な設定だったら、よかったのかな。
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人は何故、小説を読むのか。
一見、哲学的にも見える素朴な疑問。
これを追い求めて行く物語。
結論としては、孤独に耐える練習だそうです、つまり人付き合いのためだと。
これだけだと、疑問符が浮くかもしれないが、ご興味ある方は本編をご一読ください。
孤独に耐えるってのは、言い得て妙だな。
小説。音もなければ映像も無い、あるのはただ文字だけ。読み始めると、物語の中に埋没して行き、完結させるには読み終えなければならない。その間には、多分に想像力が働く。結論を急ぎたくとも、自分一人で読み進め、我慢しなければならない。我慢という意識がなくとも。
昨今、我慢できない、堪え性のない、待てない、人を思い遣れ -
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置手紙を残して行方不明になった作家の遺稿集に、作家自身のサインがある謎を、文学館勤務の主人公が追うミステリーと、「人はなぜ小説を読むのか」という根本問題とが絡み合ったユニークな作品。
実在する文学賞や、作家や評論家が実名で登場し、どこからが(どこまでが)フィクションなのかと、思い惑いながら読み進んだ。
書中、主人公と会社経営の弟が、その根本問題について論争を繰り広げる。
「人は本能的に物語りを欲する。だから小説を読む」
「小説を読むのは、孤独であることの練習のためだ」etc
そういった意義付けもある面必要かもしれないが・・・
しかし、
本読みにとって、人生に役に立つとか立たないとか(ハウツー本 -
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美術品犯罪に対応する警視庁捜査二課の美術犯罪捜査班。
詐欺ビジネスが疑われる美術品販売会社を相手に、美術知識ゼロの新米刑事と美人女性上司が違法スレスレの悪だくみを暴こうとする。
両社の対決はどう決着するのか――。
門井慶喜の美術ミステリ・神永美有シリーズが面白かったのでそれを念頭に読んだのですが…ちょっとガッカリしました。
美術うんちくはかなり神永シリーズよりも控えめに説明されるので読みやすかったです。
漫画的なキャラが漫画的に行動し、さらに読み口を軽くしています。
面白さを感じた点もたくさんありました。
美術品の価値を決める要素が逆説的に作用してしまうという皮肉的なおかしさ。
絵を描い