門井慶喜のレビュー一覧
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軽いなあ。
『銀河鉄道の父』で直木賞後の第一作です。
タイトルは『・・料理人』で、実際に前半は武道は全くダメで赤子の世話と料理が得意な菅沼鉢四郎という元浪人が主人公です。しかし、話が進むにつれ十番隊組長の原田左之助が、最後には隊長の近藤勇が中心になり、鉢四郎は端役に追いやられて行きます。それに従い、最初は新選組の衣食住を扱っていた物語が、幕末の政情と近藤勇の政治的活動が大きなボリュームを占める様になり、特異性が失われてありきたりの「新選組もの」になってしまいます。
そうなると、どこまで人物が描けるかという事が作品の良し悪しを決める要素になると思うのですが、どうもそこがプアな気がします。その例が -
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ネタバレ鳥取県に実在する第3セクター鉄道、若桜鉄道を舞台としたローカル線(または沿線地域)再生の物語…を想像して読んでみましたが、全然違っていました。これ、実在の鉄道を舞台にする必要はあったかなあ。若桜鉄道を積極的にPRしている訳でもないし、実際の沿線風景に触れる訳でもない。若桜とライトって現実にも関わりありましたっけ?
そういう馴れ初めというか、執筆の経緯は読者に知らせて頂きたかったです。解説はおろか、あとがきも無いってちょっとどうなんでしょう(単行本にはあるのでしょうか)。
で、肝心の内容ですが、大くくりすれば主人公の成長物語なのでしょう。しかし、焦点がローカル線にあるのか、近代建築にあるのか -
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鳥取県の三セク、若桜鉄道うぐいす駅の駅舎取り壊し計画をめぐり、村長と住民グループとが激しく衝突する。
主人公涼太は、ここに巻き込まれてしまう。
村長の孫にして、住民グループリーダーの重次郎からは学問上の孫弟子にあたるからだ。
うぐいす駅の駅舎は本当にF・L・ライトの設計なのか。
そうでないなら、真の設計者は誰なのか。
私大の史学科の院生である主人公が謎解きをする。
これがこの本の一番のサスペンスかと思うと、実はそうでもない。
現役のまま頓死した村長、芹山剛造の後任の村長選が告示される。
鶯村でのデモ中に発作を起こして死んだ守る会の久世みち子。
その息子、静男が村長選に出馬する。
涼太は恋 -
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19世紀に生まれた小説の一ジャンル「ミステリ」。なぜこの時期にミステリが生まれ、一大ジャンルとなったのか。名作ミステリ、絵画や建築、中世から近代へと移行した当時の時代背景などをもとに考察する。まえがきで、「本書を読むことで結末の推測がやや容易になるかもしれない」として、「時の娘」「緋色の研究」「ノーザンガー・アビー」「薔薇の名前」の4つが挙げられている。私は「緋色の研究」を除いて未読だけど、犯人が分かってしまうようなネタバレはなかった。むしろ「薔薇の名前」はすごく読みたくなった。「荒野のホームズ」「わたしの名は赤」も面白そうだ。ミステリ好きなので楽しめた。